Bushiroad Internationalのスマートフォン向けゲーム「INVICTUS: Lost Soul」をレビュー。リアルタイムアクションとカードバトルが融合した独自の魅力を紹介する。
「INVICTUS: Lost Soul」は、ブシロードの子会社であるBushiroad Internationalからリリースされたスマートフォン向けリアルタイム3D対戦格闘ゲーム。スクリーンショットからお分かりの通り、その魅力のひとつは美麗なグラフィック。スマートフォン最高クラスといえる美麗さで、血しぶきが散るダークでハードコアなバトルを見事に描いている。さらに、もうひとつの魅力が、リアルタイム格闘アクションとカードバトルとを融合させたバトルシステム。他のゲームでは味わえない、本作独自の魅力を持った作品だ。
リアルタイム格闘アクション×カードバトル!ユニークなバトルシステム
本作の舞台となるのは、「デーモン」と人間が戦いを繰り広げる世界。主人公=プレイヤーもまた、「デーモン」との戦いに身を投じていくことになる。
メインとなるゲームシステムを一言で表すなら、「格闘アクションのコマンド入力を、カードで行うシステム」。画面左側の移動ボタンで前進/後退を行って間合いを調整し、カードをタップすることで、攻撃や防御といった技を繰り出すという形だ。バトル中はリアルタイムに時間が流れているため、カードはいつでもタップでき、タップした瞬間に技が発動する。このため、プレイ感覚は格闘アクションに近い。
実際、筆者がソロプレイ用の「ストーリー」で序盤の数ステージほどをプレイした時点の感想は、「ちょっと技の入力が変わっている格闘ゲーム」というものだった。なにせ、序盤の敵キャラクターは弱い。敵キャラクターの攻撃が終わったタイミングで、選択可能な技を繰り出す。これだけで十分勝ててしまうのだ。なので、「格闘ゲームの一種」のよな印象を受けてしまった。だが、さらにプレイを進める内に、この印象が間違っていることに気づかされた。
*リアルタイム×戦略性×連携!本作ならではの魅力とは
「ストーリー」を10ステージ程度進めると、明らかに敵が手強くなってくる。まず、敵の「パワー」が高い。「パワー」というのは、キャラクターの強さを表す数値で、この数値が高ければ高いほど、HPや攻撃力、防御力といったパラメーターも高いということになる。いわば「MMORPG」における「戦闘力」のようなもの。でも、単純に「パワー」が高いというだけの話ではない。こちらの攻撃を敵に潰されたり、逆に敵の攻撃をかわしきれなかったりするのだ。
なぜこちらの攻撃を潰されるのか?なぜ敵の攻撃をかわせないのか?答えはカンタン。敵が使ってくる技がそうした特性を備えているからだ。先に書いた通り、本作においては、技=カード。つまり、カードバトルゲームのカードと同様、技そのものに効果が設定されている。たとえば、武器に「ロングソード」を選んだ場合のカード「スイープ」なら攻撃の出が速く、ダメージは80%で、敵をノックダウンさせるといった具合。
格闘アクション的に捉えると、「スイープ」は「弱攻撃」といえる。ダメージは小さいものの攻撃の出が速いため、けん制や相手の隙をつくのに使いやすい。さらに注目したいのが「敵をノックダウンさせる」という効果。この効果は、敵はノックダウンし一定時間行動できなくなってしまう。つまり、「スイープ」をヒットさせてしまえば、自動的に二撃目を入れられる。技の出がかりに食らわせて、敵の攻撃を潰すという事にも使えそうだ。
ここでキーになってくるのが、スタミナ。これがフツーの格闘アクションであれば、相手の攻撃のカウンターとして「スイープ」を多用し、「スイープ」からの連続技でダメージをコンスタントに奪うという立ち回りが行えるだろう。しかし、本作ではそうスムーズにいかない。この理由には、「手札」と「スタミナ」という2つの要素が絡んでいる。
カードは、8枚でデッキを作り、その中からランダムで4枚が「手札」にドローされる。このため、「スイープ」が常に手札にあるとは限らない。コマンド入力すればいつでも任意の技を繰り出せる格闘ゲームとは異なり、手札に合わせた戦術が求められるのだ。
また、カードの使用にはスタミナを消費する。スタミナはトレーディングカードゲーム(TCG)におけるマナのようなもの。時間の経過とともに蓄積し、使用したカードのコストに応じたスタミナを消費するという仕組みだ。
このため、「スイープ」から連携を行うためには、「スイープ」と連携用のカードの2つが手札になければならないし、「スイープ」を繰り出す時点で、連携分のスタミナが貯まっていなければならない。非常にカードバトルゲーム的な戦略性が味わえるわけだ。
ただ、ターン制のTCGとは違い、本作はリアルタイム。常に敵の攻撃に備えなければならない。連携をイメージして手札にカードを揃えつつ、スタミナも貯めつつ、同時に間合いを調整して敵の攻撃をけん制し続けなければならないのだ。リアルタイム、戦略性、連携。この融合こそ、本作の魅力といえるだろう。
本作の独自性を踏まえてプレイすると見えてくる楽しさ
本作のビジュアル面から格闘アクションを期待する人もいるだろう。カードを選択するというシステムからカードバトル的な戦略性を期待する人もいるかもしれない。ただ、本作を楽しむには、そのどちらでもない、本作ならではの魅力を踏まえた上でプレイした方がいいだろう。
リアルタイム、戦略性、連携という本作ならではの魅力を踏まえた上で「ロングソード」のデッキを考えると、まず、相手との間合いを調整するための防御用カードが欲しくなる。バトル中、間合い調整が必要な状況というのは、スタミナを貯めている状況。なので、なるべく低コストの防御用カードがいい。たとえば、コスト2で相手の攻撃を避けつつスタミナを50%回復させる「回避」カード。カードの名前通り、敵の攻撃を回避するのにも使えるが、むしろ間合いの調整に使えるカードだ。
さらに、連携をスタートさせるためのカードとして、コスト3「スイープ」。さらに、連携を繋げるためのカードとしてコスト3「ライトニングストライク」。筆者はこうしたカードの組み合わせを基本として、あとはコンボの発生率をどれだけ高めるかを考えつつ、デッキを組み立てていった。
ちなみにここまで武器が「ロングソード」を選んだ前提でカードを記載した。他にもソード&シールド、グレートアックスといった武器があり、それぞれ使用できるカードが異なっている。カードは、ゲームを進めてガチャを手に入れることで獲得可能。カードのが集まってくれば、当然デッキの自由度もアップするので、先に行けば行くほど、より奥深い戦略性が楽しめそうだ。
また、本作にはソロプレイ用の「ストーリー」以外に、「PVP対戦」とクランで臨む「トーナメント」といった対人対戦モードが用意されている。こうした対人対戦は、カードが集まって思い通りのデッキが組めるようになると、がぜん面白さが増す。他プレイヤーの裏をかくデッキ構築や戦術など、奥深い心理戦が味わえそうだ。
格闘アクションとTCGという、定番ゲームジャンルをベースにしながら、新鮮なプレイ感を見せてくれた本作。これまでの型にはまらない、新たなプレイ感を求めている人は、是非プレイしてみてほしい。序盤のプレイ感こそ格闘アクション的だが、10ステージ程度プレイし、カードが揃ってくると、新しいタイプの楽しさを味わえるはずだ。
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