コーエーテクモゲームスが2022年2月24日(PC(Steam)版は2022年2月25日)に発売を予定しているPS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~」。その発表に際して、プロデューサーの細井順三氏にインタビューを行った。

――最近の「アトリエ」シリーズは既存の枠組みに囚われない展開をしていますが、その中で本作はどのように立ち上がっていったのでしょうか?

細井順三氏

細井氏:昨年「ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~」を発表して、主人公が続投することに対してのユーザーさんの反響を見た時に、好意的に受け入れて頂けたのが大きかったです。一度好きになったキャラクターはみなさんずっと好きでいてくださるのだなと再認識しました。

その上で、来年で「アトリエ」シリーズは25周年を迎えますので、それに向けて何か新しい取り組みが必要だと考える中で、ソフィーとプラフタは人気投票やグッズでも、いつもユーザーさんからの熱い反響をいただいていたので、「ライザのアトリエ2」で好評だった部分と、今までユーザーさんが支えてくださったキャラクターをきちんとフィーチャーするべきだろうというところで、「ソフィーのアトリエ2」の企画を考えました。

――では動き出しとしては「ライザのアトリエ2」から間を空けずに進めていったという感じでしょうか?

細井氏:正直に言うと、その前からソフィーで新しい何かを作りたいという話はしていました。ただ、シリーズの続きを描くというのは、「アーランド」シリーズの「ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~」でやっていましたので、25周年の中で「アトリエ」シリーズとしての拡張を考えた時に今のかたちに帰結しました。

――今回はソフィーの冒険の中のひとつであるということは触れられていますが、「不思議」シリーズの中ではどの時点のエピソードになるのでしょうか?

細井氏:「ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~」と「フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~」の間の話となりますが、なぜソフィーが錬金術士になったのかという、いわゆる“ゼロ”的な「不思議」シリーズの起点となるエピソードが多分に含まれています。

そういう点からも、「ソフィーのアトリエ」をプレイしていなくても楽しんでいただける内容になっていますし、本作から始めていただいたあとで、「不思議」シリーズをプレイする流れでも問題ないと思います。基本的にはスピンオフではなく、「アトリエ」シリーズの新作として制作しているタイトルになります。

もちろん、「ソフィーのアトリエ」を知っているとより理解できる部分も多いのですが、プレイしていないユーザーさんのために前作のダイジェストムービーもご用意していますので、本作だけでも十分にお楽しみいただけると思います。

――本作で新たに出会うプラフタはどのようなキャラクターになっているのでしょうか?

細井氏:今回、新しく発表したプラフタも錬金術士です。ただ、錬金術士としてはまだまだ未熟で、腕はソフィーよりも劣っています。

ドールのプラフタは高尚な錬金術士でしたが、今回登場するプラフタはまだまだ未熟で、錬金術士としての腕はソフィーより劣っていいます。だからこそ錬金術への想いがすごく強くて、ソフィーもその部分を見ていくことになります。

――ラミゼルに関してはいかがでしょうか?

細井氏:ラミゼルは、自分が得意なことでも、より得意な人がいるならその人に任せればいいと思っている、ある種、効率の良い考え方をするタイプです。彼女は錬金術士ですが、その考え方は錬金術に関しても同じで、自分より腕が立つと思っているソフィーにいろいろなことをお願いしたりします。

そんなラミゼルをはじめ、ソフィーたちが迷い込んだ「エルデ=ヴィーゲ」の世界の人々との関わりは、ソフィーが錬金術士になる起点ともなる物語になっていますので、そちらはぜひご注目いただければと思います。

――グラフィックについてはキャラクターの顔が少し丸みを帯びている印象で、これまでの「アトリエ」シリーズとは少し違うなという印象があったのですが、本作ならではの取り組みはされているのでしょうか?

細井氏:大きく手を入れたわけではなく、ライティングや表情など、全てのグラフィックの高品質化を目指すというところがコンセプトとしてありました。

――NOCOさん、ゆーげんさんのイラストのテイストをゲーム上に表現するという点も意識されているのでしょうか?

細井氏:その点についてはユーザーさんも気にされるところなので毎作意識していますが、今作はこれまで以上にさまざまな技術も含めてアップデートをかけているので、揺れものもしっかりと表現されていると思います。

また、これは「BLUE REFLECTION TIE/帝」の流れでもあるのですが、表情周りに関してもこれまで以上にバリエーションを増やしています。

――カメラワークや陰影などが近作では印象的でしたが、そちらはいかがでしょうか?

細井氏:我々が「不思議」シリーズを作る時に一番重要視しているのは幻想的なライティングであるかどうかなので、「ソフィーのアトリエ2」では陰影をあえて出さないようにしています。「秘密」シリーズは夏の感じとファンタジーを混ぜることに注力していたのですが、今作では季節感はフィールド自体に存在しているものの、あくまで幻想的なフィールドであるかどうかを意識しています。

――戦闘システムに関しては「不思議」シリーズ3作品の流れを汲んだターン制バトルになっていて、その上で新たにテンポを早める要素などもあるかと思うのですが、どういう風に設計していったのでしょうか。

細井氏:戦闘システムを作るにあたってはいろいろな選択肢があるのですが、「ライザのアトリエ」シリーズではリアルタイム制を保持して、ワールドワイドで受け入れていただけるものにするべくチューンしていった感じでした。そうしたリアルタイム性のあるバトルを多くの方に楽しんでいただけたなかで、「やっぱりターン制もよかったよね」というご意見もいただいていましたので、私は「アトリエ」シリーズとしてすべてをリアルタイム制にする必要はないと思っていました。

その中で、「不思議」シリーズではターン制をずっと採用していましたので、その一番の魅力である戦略性を維持したまま、テンポをいかに早くして手触り感を良くするのかを実現するために、今回はロード時間が無く戦闘に入れるシームレスバトルを採用しています。ロードを挟むことでテンポが落ちている部分がターン制の課題としてあって、そのストレスを軽減したいという狙いがあります。

――画面がブラックアウトせずにそのまま戦闘に入っていくと、ゲームが止まらない感覚がありますね。

細井氏:ターン制のシステムでシームレスバトルを採用しているタイトルはそこまで多くはありませんでしたので、それも含めてチャレンジしたいと思いました。

――フィールドの探索を阻害する要素として戦闘も含まれてるとは思うので、そこがスムーズにいくことで戦闘を過度に避ける必要も無いのかなと。

細井氏:「アトリエ」シリーズは常にユーザーさんの声を意識して制作しているので、リアルタイム制とターン制の両方をきちんと「アトリエ」シリーズに内包したら、さらにシリーズとして拡張できるのではないかという視点で、今回のようなシステムにしています。

――これまでの「不思議」シリーズと比べると、今作ではUI周りも変わっていますが、こちらも意識した部分なのでしょうか?

細井氏:ターン制を採用すると画面の構成要素が一緒になりがちで、それで面白みに欠けるとは思われたくないというのがあり、構成要素を一から見直していきました。通常のメニューも同様ですが、戦闘に関してはとくに意識的に見直しています。

ほかのメニューに関しては「ライザのアトリエ」で評判の良かった部分をキチンとフィーチャーした形になっています。「ライザのアトリエ2」の流れを汲んだ、「アトリエ」シリーズの技術を結集させたのが「ソフィーのアトリエ2」となります。

――本作独自の「ツインアクション」や「デュアルトリガー」に関してもスピード感を持って介入していける要素だなと思うのですが、その画面表示も目に入るところに固まっているのが印象的でした。

細井氏:ツインアクションやデュアルトリガーは、「リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~」で好評だった要素をベースに、本作ならではの形で落とし込んだものになります。テンポ感を重要視していたのでツインアクションに関してはガンガン使えるような設計になっています。

ターン制は自分でコストコントロールしづらいゲーム性になることが多いのですが、今作に関しては、コストを一気に払うことで前衛・後衛が連携した行動がとれるかたちになっているので、そこも含めて新しい戦略性になっているのではないかと思います。

――今回、バトル中のポーズがこれまで以上に決まった感じになっていますね。

細井氏:キャラクターの表情や仕草を追加したのと同じで、基本的にはキャラクター性がゲームをしつつも分かるようなものにしたかったので、それを意識したポージングになっています。

――デュアルトリガーで戦闘が終わると2人でポーズを決めるみたいなバリエーションも印象的でした。そういう意味でも「ソフィーのアトリエ」で想像する以上の内容になっていて、今できることに取り組まれているんだなと思いました。

細井氏:やはり新作ごとに前作のハードルを越えていかなければいけないと思っていますし、「BLUE REFLECTION TIE/帝」で導入した新たな技術をこちらにも反映させていますので、ガストブランドとしても作品の質が一段階上がったのではないかと思っています。

――スキルやアイテムの選択も含めて、プレイヤー側にストレスのない作りにはなっているように感じました。パネル調合についてもお聞きするのですが、今回は大きく二種類の調合の仕組み(「通常パネル」と「リバースパネル」)が用意されていますが、遊んだ限りではすごく調合しやすくなっているように感じました。

細井氏:ゲームとしての指針が多くなったことで、適当に置いても楽しめますし、ユーザーさんによって試行錯誤できる幅も広がっています。パネル調合は「不思議」シリーズで好評だった部分でもありましたので、基本は絶対にブレさせないというコンセプトで制作していきました。

――「不思議」シリーズにおけるパネル調合は、ゲームの後半になればなるほどシステムが拡張されるかたちでしたが、今作では通常パネルを使い続けてもシステム上は問題ないのでしょうか?

細井氏:通常パネルとリバースパネルは選択制で切り替えるものですので、特に問題なくプレイできます。通常パネルでも気持ちの良い調合を目指しています。「ライザのアトリエ2」でも好評でしたが、グラフィカルに理解できるということはすごく大きい反面、きちんとした誘導とやりこみ要素のバランスは結構難しい部分ではあるので、今回は両軸立てるような仕様変更にしたという感じです。

――最後に、発表に際してユーザーの方々に向けてメッセージをお願いします。

細井氏:今年もまた「アトリエ」シリーズの新作を発表することができました。今作に関しましては以前からユーザーのみなさんの人気が高かったソフィーとプラフタが登場する、「アトリエ」シリーズの、そして「不思議」シリーズの最新作となります。「ソフィーのアトリエ」をプレイされていない方も含めて楽しんでいただけるものになっていますので、その点に関しては安心して、ぜひプレイいただければと思います。シリーズ最新作として新しい技術やグラフィック表現にチャレンジしていますので、ぜひご注目ください。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー