9月30日より開催中の「東京ゲームショウ2021 オンライン」。幕張メッセ会場のKONAMIブースに出展されていた「遊戯王 マスターデュエル」の試遊レポートをお届けする。
「遊戯王マスターデュエル」は、遊戯王OCG/TCGを代表する合計10,000種を超えるカードが登場する対戦型カードゲーム。「対戦者も観客も楽しめるオンライン遊戯王」がコンセプトで、家庭用ゲーム機の性能を活かし、「遊戯王デジタルゲーム」としては初めて4K解像度への正式対応が予定されており、より鮮明なカードデザインやテキストと、サウンドがデュエルを盛り上げる。
遊戯王OCG/TCGのカードを題材としたストーリーが複数搭載され、ソロモードでも楽しめるのが特徴だ。さらに、世界中の多くのプレーヤーが楽しめるよう、さまざまなレギュレーションでの大会が予定されているほか、遊戯王OCG/TCG最高峰の舞台「Yu-Gi-Oh! World Championship」の正式種目にも採用予定となっている。
PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam)/iOS/Android向けに今冬配信されることも発表され注目が集まる本作。ここでは発売に先駆けてプレイすることができたPS5版の試遊レポートをお届けする。
ついに明かされる遊戯王の世界に注目!
今回プレイできたのは遊戯王OCG/TCGのカードを題材としたストーリーが楽しめる「ソロモード」。複数用意されているストーリーには、それぞれ「リンク召喚」や「融合召喚」、「ペンデュラム召喚」などのテーマが定められており、物語を楽しみながら遊戯王の代表的な戦術を学ぶことができた。
今回は、多彩な融合魔法と融合モンスターが特徴の「ジェムナイト」たちの物語が楽しめる「輝石の戦士たち」を選択。
ゲートはツリー状のステージになっており、物語を楽しめる「Scenario」、テーマに沿ったデッキの運用方法が学べる「Practice」、実際にCPUとガチンコバトルが楽しめる「Duel」と、順番に遊んでいくことで自然と物語を楽しみながら理解を深めていくことができる。初心者の人や、遊戯王から少し離れていた人にもオススメだ。
Scenarioではオフィシャル的にこれまでなかなか語られることのなかった、カード本来のバックボーンがついに明かされる。カードにかかれているフレイバーテキストやイラストから想像することしか出来なかった部分にいよいよメスが入る形だ。
遊戯王カードはカード単体ではもちろん、複数のカードを跨いで物語が描かれている(と思われる)ものなども存在し、キャラクター同士の関係性も色々と考察する余地があるほど世界設定が作り込まれているのだが、あくまで内部的なものでプレイヤーが知る機会は限られていた。
それがついに公式的に明かされるということは遊戯王全体にとっても歴史的なことで、このストーリーを知るためだけに本作を遊ぶ価値は十分にあると言える。
デュエルはこれまでの遊戯王デジタルゲームと比較しても、より視覚的にわかりやすく遊べるようになっていた。ビジュアル的に最も目を引くのは盤面のデザインだろうか。これまでのタイトルではサイバー空間を模したものなど、比較的シンプルなデザインが採用されていることが多かったが、本作はシチュエーションに応じた様々な世界観でデュエルが楽しめる。ここまで読み進めていったストーリーと相まって、より没入感を持ってゲームに入り込んでいくことができた。
また、ゲームテンポにも改善がみられ、サクサクとターンが進んでいくのも特徴だ。遊戯王はターンの中でもフェーズが分かれていたり、カードの発動タイミングが特殊なものも多いがそれらがUI的にもわかりやすく、且つCPUの思考時間も短めなのでストレス無く遊べる。プレイヤー同士の戦いでもゲームテンポは大きな恩恵になるだろう。
また、今回はPS5版でプレイしたこともあって美麗なグラフィックも注目ポイントだった。本作は遊戯王デジタルゲームで初めて4K解像度に対応することがアナウンスされているが、最初はカードゲームが4K解像度に対応するメリットについてはあまりピンときていなかった。
ただ実際にゲームを遊んでみると、カードが鮮明に描写されることでルールテキストを別UIでなくカード上で視認することができ、アナログに近い雰囲気で楽しむことができた。感覚としてはデジタルとアナログの良いとこどりという感じだ。
もちろんテンポを損ねない範囲で大迫力の演出も楽しめるので、よりリッチなゲーム体験が味わえる。
本格的なeスポーツ展開にも期待!
いよいよゲームの一端が垣間見えたシリーズ最新作「遊戯王マスターデュエル」。本作をプレイしてひしひしと感じたのは極限までに徹底した硬派さだ。遊戯王の魅力の一つには漫画やアニメで活躍する武藤遊戯や海馬瀬人といった個性的なキャラクターたちがあり、ゲームでも彼らがフューチャーされる機会は多かった。
しかしそれ故にどうしてもファンアイテム的なイメージが付いてしまうのも事実。もちろんそれは悪い事では無いのだが、遊戯王ファンから先、カードゲームファンへのアプローチとしては惜しいと感じてしまう部分でもあった。
今回、本作を試遊できた範囲では病的といっても過言ではないほど、それらが取り除かれており、遊戯王カードの世界観一本に絞ることで逆に間口を広げようという意思が感じられた。
デザインやUIを含め、昨今流行しているデジタルTCGプレイヤーが遊びやすい作りになっていること、現行ほぼ全てのプラットフォームを網羅していることなどからも、その意思は感じられ、全てのカードゲームファンに遊んでもらいたいタイトルになっていると感じた。
「Yu-Gi-Oh! World Championship」の正式種目にも採用予定とのことで、これからは本作が遊戯王デジタルゲームのスタンダードになっていくのではないだろうか。配信が予定されている今冬が今から待ち遠しい。
(C)スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI
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