ソニーは、ゲーミングギアの新ブランド「INZONE」の説明会を、6月30日にソニーシティ大崎にて開催した。

目次
  1. eスポーツを意識した新ブランド「INZONE」が誕生
  2. 「INZONE M9」と「INZONE H9」を体験
  3. 先行展示
  4. 主な仕様

eスポーツを意識した新ブランド「INZONE」が誕生

今回の説明会は、ソニーマーケティング ゲーム事業推進室の麥谷周一氏と福村祐太郎氏によって行われた。

麥谷周一氏 福村祐太郎氏

新ブランド「INZONE」は「圧倒的な没入感」「爽快な勝利」をコンセプトに、よりリッチなゲーム体験を届けるために開発が進められたゲームギア。トップアスリートの間で使われる極限の集中状態「ゾーン」がネーミング元になっているという。

その背景あるのがPCゲーマーを中心とするeスポーツの盛り上がりだ。ソニーの調査によるとコロナ禍と比較してゲーミングモニターは6.5倍、ゲーミングヘッドセット市場は2.5倍にも拡大しているのだとか。ソニーがこれまで培ってきたノウハウを生かせるモニターとヘッドセットという分野と、日本で人気の高いRPGやシューティングというジャンルの親和性が高いことに加えて、ソニーの参入を期待する声が多かったことから、参入を決めたのだという。

今回発表されたラインナップは、ゲーミングモニター2機種、ゲーミングヘッドセット3機種の全5機種。内「INZONE M9」、「INZONE H9」、「INZONE H7」、「INZONE H3」は7月8日に発売されるが、「INZONE M3」のみ2022年内の発売予定となっている。

ゲーミングモニターは共に27インチで、「INZONE M9」は4K / 144Hz、「INZONE M3」はFull HD / 240Hzの映像出力に対応。ソニーのTVブランド「ブラビア」で培った技術をフル活用した繊細な映像表現が特徴で、直下型LED部分駆動によって、明暗の差が激しい場面でも鮮明な描写が行われる。高いリフレッシュレートと応答速度に加え、HDMI2.1規格のVVR(可変リフレッシュレート)にも対応し、競技性の高いゲームにおけるプレイヤーからの要求にも答えられるようになっている。

一方、ゲーミングヘッドセットは「INZONE H9」、「INZONE H7」、「INZONE H3」の3モデルが発売される。ソニーの「360 Reality Audio」のノウハウを生かした立体音響バーチャライザーの採用に加え、スマートフォンアプリと連動して個人の耳の形状に向けた最適化を行う仕組みも用意されている。最上位モデルである「INZONE H9」は、業界最高クラスのノイズキャンセリング機能も搭載されている。

長時間のゲームプレイを想定し、装着時の快適性も追求されており、遮音性を高めつつも側圧を抑え、重量を感じさせないデザインとなっている。

「INZONE」ブランドは、基本的にはPCゲーマー向けに展開されるブランドとのことだが、「Perfect for PlayStation5」として、PS5向けの連携機能も用意される。ゲーミングモニター2機種には、最適なHDRに色彩を調整する「オートHDRトーンマッピング」と、ゲームとビデオで自動で最適なモードが切り替わる「コンテンツ連動画質モード」を実装。

ヘッドセットは、PS5の「Tempest 3Dオーディオ」に対応した立体音響表現に加え、「INZONE H9」及び「INZONE H7」では、現在の音量やバッテリーの残量を確認できる「ステータス表示機能」、ボタン操作でゲームやチャットの音量を調整できる「Game / Chatボリューム調整」も利用できる。

説明会では、世界的なeスポーツリーグ(「Evolution Championship Series (Evo) 2022/2023」、「PGL DOTA2 Arlington Major 2022」、「VALORANT Champions Tour」)とのスポンサーシップ契約を締結したことに加え、「INZONE」シリーズが「ELDEN RING」、「ファイナルファンタジーXIV」の推奨認定ゲームギアになったことも発表された。

さらに7月8日には、「INZONE」発売記念イベントの開催も決定。東京・ソニーストア銀座に「バイオハザード」シリーズのプロデューサー・川田将央氏を招き、トークセッションやお渡し会が実施される予定となっている。

また6月29日からは、エナジードリンク「ZONe」とコラボしたキャンペーンも実施される。

「INZONE M9」と「INZONE H9」を体験

説明会終了後には、従来の同価格帯とのゲーミングモニターやヘッドフォンと比較しながら、「INZONE M9」と「INZONE H9」を体験させてもらうこともできた。

新モニターである「INZONE M9」については、説明会でも触れられていた通り、とくに違いとして顕著に感じられたのが暗所の描写。従来のモニターでは黒一色でほぼ何も視認できなかったのに対し、「INZONE M9」は暗闇の奥にある壁の模様分かるようになっていた。同じ画面の中で明暗の差がよりはっきりとわかるようにもなっていたが、これは直下型LED部分駆動により同じ画面の中でそれぞれのエリアに応じて光の制御を変更しているためだという。

背面には電源ボタンや操作用のパッドに加え、HDMIやディスプレイポート、USBにヘッドセット出力用の端子が存在

一方、ヘッドセットで印象的だったのが高音と低音のメリハリとクリアさだ。低音の迫力だけではなく、銃の発砲の瞬間、火薬が炸裂する寸前の甲高い金属同士の衝突音まではっきりと聞き取ることができ、その後に従来のゲーミングヘッドセットを聞くと音全体がくぐもっているかのように聞こえたほど。

「INZONE H3」 「INZONE H7」

また部屋の中にはかなり大きな音でファンが回っていたのだが、ノイズキャンセリング機能を活用することで周囲の雑音がシャットアウトされ、没入感が劇的に増していた。ノイズキャンセル以外にも、同時にある程度外の音も聞こえるようにするアンビエントサウンドモードも用意されており、用途によって使い分けられそうだ。


「INZONE H9」 下部には音量調整用のボタンや、充電用のUSB端子が存在

装着感も非常に快適。個人的な話になるが、筆者は耳が大きめで、ゲーム中もつねに眼鏡をかけてプレイしているため、ヘッドセットをつけるとすぐに耳が痛くなってしまうので、ヘッドフォンの側圧にはかなり敏感な人間だ。その点「INZONE H9」はイヤーパッドが柔らかく、側面からかかる圧力も非常に小さいため、ヘッドセットをつけている時独特の締め付けられているような感覚が一切感じられなかった。長時間つけたままプレイすることの多いゲーマーに向けたヘッドセットだと感じられた。

満を持してソニーが発売する、新ゲームブランド「INZONE」。ハイエンド向けのゲームギアを探しているのなら、是非ともチェックしてみて欲しい。

先行展示

今回の新商品(「INZONE M3」を除く)を、ソニーストア銀座 (https://twitter.com/sonystoreginza)、ソニーストア札幌 (https://twitter.com/SonyStore_Sap)、ソニーストア大阪 (https://twitter.com/SonyStore_Osaka)、ソニーストア名古屋 (https://twitter.com/SonyStoreNagoya) 、ソニーストア福岡天神(https://twitter.com/sonystore_fuku) にて6月29日(水)より展示します。

先行展示情報:PR:https://www.sony.jp/store/retail/exhibition/202206/220629/index.html

主な仕様

主な仕様や詳細については、商品サイトをご覧ください。
PR:https://www.sony.jp/inzone

市場推定価格(税込):
ゲーミングモニター
「INZONE M9」/ 154,000 円前後
「INZONE M3」/ 154,000 円前後

ゲーミングヘッドセット
「INZONE H9」/ 36,000 円前後
「INZONE H7」/ 29,000 円前後
「INZONE H3」/ 12,000 円前後

※「市場推定価格」は、発売前の製品について、市場での販売価格を当社が推定したものです。なお、製品の実際の販売価格は、各販売店により決定されます。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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