2022年8月23日~25日にわたって開催の「CEDEC2022」。本稿では24日に行われた講演「星のカービィ ディスカバリー シリーズ初の挑戦 3Dアクションと現実世界との融合を実現したアートディレクション」のレポートをお届けする。

登壇者は「星のカービィ ディスカバリー」でアートディレクターを担当したファーマンカ氏と、リードフィールドアーティストを担当した森下大輔氏。共に「星のカービィ」シリーズを開発し続けているハル研究所の所属だ。

講演のアジェンダは以下のとおり。

第1章:ゲーム開発のはじまり
第2章:「新世界」のビジュアルをつくる
第3章:3Dアクションになって発生した課題とそれに対する工夫
第4章:ビジュアルをより良くするためのレベルデザイン連携
第5章:さまざまなビジュアル的取り組み

「10人中7人が可愛いと思える」バランスを攻めた「ほおばりヘンケイ」

講演は「第1章:ゲーム開発のはじまり」の本題に入るまえに、「星のカービィ」シリーズの簡単な紹介が行われた。

「星のカービィ」シリーズはハル研究所が開発し、任天堂が販売する看板タイトルのひとつとして、今年で30周年を迎える人気アクションゲームシリーズだ。ずっと2Dのアクションゲームだったシリーズだが、「ディスカバリー」は完全な3Dアクションゲームとなっている。

といっても、これまでのシリーズで3Dアクションの要素がまったく無かったかといえばそうではない。部分的に3Dアクションのゲーム性を取り入れたり、「カービィのすいこみ大作戦」などの番外編タイトルを3Dアクションとして開発するなど、さまざまなタイトルで3Dのノウハウを蓄積してきたのだ。

「ディスカバリー」はこれまでのシリーズのファンシーな世界観とは少し異なる、荒廃した現実世界のような「新世界」が舞台となっている。しかし開発当初からこうした世界を想定していたわけではなく、遊びのキモが固まる過程で定まっていったという。

まず開発は、「カービィはどんな奴?」と改めて見つめ直すところからはじまった。そして「ちょっとやそっと引っ張ってもねじってもへっちゃらな、変幻自在の変な奴」であるという結論から、カービィにしかできないアクションとして、本作の目玉である「ほおばりヘンケイ」が生まれたのだという。

では何をほおばったらおもしろいのか? という議論の結果、現実世界にある、我々の身近にあるモノをほおばるのが、もっとも驚きを感じられるだろうという結論に。ここでついにカービィの世界と我々の現実世界を融合させた「新世界」のアイデアが生まれるのだ。

「ディスカバリー」で最初に出会うほおばりヘンケイは「くるまほおばり」。最初に書かれたコンセプトアートも、このくるまほおばりだったという。しかし、コンセプトアートではカービィの足がタイヤに変化するなど、「ヘンケイ」というより「ヘンシン」寄り。カービィの顔、とくに口の位置なども、最終的なバージョンとは大きく異なっている。

ここからほおばりヘンケイをどのようなものにすべきか、試行錯誤が続く。開発初期のアイデアのひとつだったという「ひこうきほおばり」でいろいろなビジュアルを検討したことで、答えが見えてきた。目と口の位置が離れるとカービィらしさが失われてしまうし、足の形を変えてしまうと「ヘンシン」寄りになってしまう。また、口から物体が「はみ出ちゃっている」というのが「ほおばり感」を出すために大事ということが分かってきた。

ここまでデザインの試行錯誤に用いていた「ひこうきほおばり」だが最終的には「アーチほおばり」へと姿を変えることになったという。これは「飛行機をほおばったら空を飛ぶだろう」と予想できてしまうが、吸い込むモノからアクションを想像しづらいほうが、意外性があってワクワクを感じてもらえるだろうという方針になったためだ。

たしかにアーチなら、実際にアクションを実行してみるまで「風に乗って滑空する」ということは想像しづらいし、そのぶんはじめて操作するときのワクワク感は増すだろう。

その後、「ポン!」と一瞬で姿が変わってしまうとまだヘンシン感が強く、ヘンケイ時の演出もほおばり感を出すために大事だと分かった。カービィが対象物を「吸い込もうとしたけど……無理でした!」を表現する「びよ~ん!」&「バチン!」というほおばり過程のアニメーションを用意したことで、理想とするヘンケイ感に近づいたという。

ヘンケイの方向性が定まると、形を活かしたアクションのネタ出しが行われた。ここでは「この形で行きたい」という部分を決めてから、ほおばるモノを決め、ほおばり時のカービィのビジュアルを確定するという流れだったのだが、最後の行程となる「ほおばり方」の確定が大変だったとのこと。

仮モデルを作っていく中で「これはカービィの顔がまったく見えないから、謎の物体になっちゃうよね」、「鉄骨が口の中から見えてるのは痛々しいよね」などと試行錯誤を繰り返し、最終的なデザインが導き出されていった。

空気砲を放つ「わっかほおばり」や、コーンを地面に突き刺す「さんかくほおばり」も、いくつもの仮モデルを作って試行錯誤した。それぞれを個性づけする中で「こいつはどうやって歩くんだ?」というのも意識したポイントだという。

自販機は重いので「じはんきほおばり」はドシドシと歩かせる、「さんかくほおばり」は三角コーンが軽いのでテケテケテケ!と歩かせる、「わっかほおばり」は薄っぺらくて不安定な感じを強調させるなど、「最初はびっくりするけど、動かしているうちにかわいいと思える」バランスで、差別化を図っていったとのこと。

可愛く、愛される姿ではあるけど、まんまるなカービィが見たことのない形になっちゃうインパクトも与えたいというせめぎあいの中、「10人全員が可愛いと思わなくても、7人には可愛いと思ってもらえる」落としどころを攻めたという「ほおばりヘンケイ」のビジュアル。こうしてたくさんの個性豊かな姿・アクションの「ほおばりヘンケイ」が生まれていったのだ。

「かつては港だった砂漠」など、壮大なバックストーリーを感じさせる「新世界」

続いては「第2章:「新世界」のビジュアルをつくる」。

新作を作るたびに「カービィらしさ」というのは議題に上がるとのこと。一定の基準が記されたガイドラインはあるものの、これまでのファンタジー世界ならある程度担当アーティストの個性に委ね、「自由な多様さ」もまた「カービィらしさ」のひとつとしてきた。しかし現実世界をモチーフとした「新世界」は基準がなにも無いところからのスタートだったという。

初期のコンセプトアートでは特定の国や地域の特色をあえて押し出していたが、最終的には世界中の多くの人が「カービィが自分の街にやってきた」と感じられるように、特定の国らしさを抑え、「ニュートラルなそこそこの都市部」にしたとのこと。

また、シリーズお馴染みの「うずまき雲」や「宙に浮くオブジェ」といったファンシーなものは封印しつつも、まったく別のゲームにカービィが存在しているような感じではなく、あくまで「星のカービィ」のゲーム世界であるというバランスにも気をつけた。

新しいカービィをアピールするには背景グラフィックは責任重大。ただシリアスで怖いビジュアルや、既存タイトルと真っ向からぶつかるような印象は避けたかったという。

そこで背景制作の上で設けた大枠のルールが「全体を草や花などの自然物で覆う」「建物は破壊ではなく風化で崩れた表現にする」「できる限り鮮やかな配色にする」「被写界深度強めの見え方でちょっとしたミニチュア感を出す」などの項目。これにより、荒廃した世界でありながら、柔和で誰もが触れやすいものを目指した。

さらにカービィらしさを高めるため、背景装飾に驚きとワクワクを持たせることが課題となった。そのための「人が住んでいた現実感」と「カービィらしさ」のギャップを作るには、背景装飾には実際に人間が使っていたという説得力を持たせる必要があったという。

ここで例として挙がったのが、「遊園地の小部屋を電気室に。物置代わりにされていたため乱雑」「砂漠ステージがもともとは港だった」など、バックストーリーを感じさせる背景。壮大な世界観を感じつつ、これから待ち受ける遊びへの期待にも繋がる。

また、長く続く直線的な壁は、街の路面店に。サンシェードはカービィが乗るとアイテムが出現するなど、レベルデザイナーと連携して設計していったという。

「星のカービィ」シリーズの多くのステージは“遊び然”とした作りのため、リアリティのある空間を演出するのはかなり難しいとのこと。それでもプレイヤーに世界観へと浸ってもらうため、本作では可能な限りこういった工夫をしているのだそう。

作業の順序としては、レベルデザイナーから素体のマップが上がってきてから「もとの住人はここで◯◯していた」「ここは◯◯な場所だった」などの提案を行い、必要ならばマップの形状をレベルデザイナー側で再度調整してもらっていたという。

3Dアクションにする上で立ちはだかった「カービィ丸すぎ問題」

「第3章:3Dアクションになって発生した課題とそれに対する工夫」では、いままで2Dアクション前提だった「星のカービィ」が3Dアクションになったことに伴う問題と、それに対する解決策がテーマとなった。

実験期間中は実装を効率的に進めるため、カービィのモデルやモーションは前作「星のカービィ スターアライズ」のものを移植して使用していたという。あわよくばそのまま流用したかったのだが、横スクロールアクションで効果的に見えるように作られていた「スターアライズ」のモーションは3Dに向いておらず、結果的にはすべてのモーションを作り直したとのこと。

例えば「スターアライズ」ではカービィが体をねじるようにしていたボム投げのモーションは、「ディスカバリー」では手足を揃えて両手で投げるように変更。これにより3Dのフィールドでも投げる方向が分かりやすくなっている。

スライディングはモーションだけでなくエフェクトを強調することで、カービィがどちらに進んでいるか分かりやすく。ファイアカービィの帽子も後頭部に追加することにした。どれもカービィが“丸すぎる”ため、3D空間では向いている方向が分かりづらいことへの対策だ。

この「カービィ丸すぎ問題」にはさまざまなところで悩まされ、カービィにプリッとしたお尻をつけてやろうかと思うこともあったとか(それはそれで見てみたい)。走るモーションも「スターアライズ」では体全体を左右にブンブン振っていたカービィだが、「ディスカバリー」ではこうしたブレが極力抑えられている。微妙な違いにも思えるが、少しでも遊びやすくするための調整だという。

ゲームの3D化は敵キャラクターのデザインにも影響。いままではカービィ同様に白目の無い、一頭身の敵キャラが多かったが、それでは3D空間を走り回るカービィを「目線や体の向きで追う」といった表現ができなかったので、とくにボスキャラクターは白目があってどちらを見ているか分かりやすく、関節も多い頭身高めのデザインが増えている。

なお、こうしたデザインには、現実世界に近い「新世界」という舞台とマッチさせるためという理由もあったという。

カービィはしょっちゅうジャンプやホバリングで地面から離れることもあり、3D空間上の位置が分かりづらくなるという問題もあった。カービィほか、地面から離れることが多い敵キャラや弾(飛び道具)からは、通常時に表現されている光源をもとにした影をOFFにし、真下にデカールシャドウと呼ばれる影をつけて位置関係を把握しやすいようにしている。

このデカールシャドウは別のオブジェクトの影の中でも、より濃い影として表示される。現実的に考えたら違和感があるが、ゲームとしての遊びやすさを優先した表現だ。

キャラクターやアイテム、ギミックが背景に馴染みすぎて目立たなくなるという問題も。これに対処するため、重要なものだけライトの値を補正できる「キャラクターライト補正」という機能を導入。

これはキャラクターやアイテム以外にも、壊せる箱や進行方向を示す矢印など、目立たせたいものに適用できる。また、シーンごとに任意のライトカラー補正を入れたり、オブジェクトの上面と側面のライトの値を変えてメリハリを足すなど、ステージの個性にあった設定もできたという。

また、どんな場所でも「キャラクターの印象の色」を保つために、キャラクターモデルの外周と内側とで彩度を変えるといった機能も追加したとのこと。

青い空と緑の草原がある場所で、こうした環境の色がカービィの色味にも反映されるとリアルな印象を受けるが、「カービィらしい色」からは離れてしまう。これを防ぎつつ、キャラクターだけが浮きすぎないバランスを試行錯誤した結果、こういった表現になったのだとか。

これはカービィ以外の敵キャラクターやオブジェクトにも適用されており、とくに周囲の色味の影響を受けやすい彩度の低いオブジェクト(下の画像でいうと建物の上にある貯水タンク)などに適用することもあったという。

ゲームの世界は嘘だらけだが、そういった嘘は、プレイヤーが夢中で楽しむためにあるものだ。嘘のつき具合の塩梅は難しいが、工夫したり、新たな仕組みを実装することで、よりよい嘘をついていくという課題はこれからも続いていくだろうとのこと。

「ディスカバリー」でこうした背景制作に関わったスタッフの人数は、「スターアライズ」と比べると2倍以上にもなっているという。2Dのゲームならば省略できた部分をどこから見ても違和感のないものにする必要があったり、日常的に目にするものだと同一オブジェの連続した配置は目立ってしまうというのが主な理由だ。また、ステージ数も過去最高だったという。

普通に制作していては肥大化する一方の制作コストに対処するため、「各々が最高峰のグラフィックを目指す」のではなく「3Dアクションのカービィに何が期待されているか」を優先する、多くのステージで開発ツールや機能をあえて制限し、コスト削減と表現の統一を目指すなどの方針を打ち出した。

各々が最高峰を目指すのではなく、ルールや方針を設けることでチームとして最高のスペックを出すというのは、組織によるものづくりでは当然のことではあるが、やはり非常に大事なことだという。

一方で、ボスステージや「魅せマップ」ではルールや縛りを取り払い、各スタッフへ表現力を存分に発揮してもらう場を提供することも、合わせて行っていたとのこと。

レベルデザイナーと背景装飾チームの連携がもたらした絶妙なマップデザイン

第4章は「ビジュアルをより良くするためのレベルデザイン連携」。もとよりレベルデザイン(※マップの地形やギミックの配置などのゲームプレイに関わる環境デザインのこと)と背景装飾は切っても切れない関係だったが、「ディスカバリー」は3Dアクションになったことで、この連携がより必須になったという。

いままでのシリーズでは遊びを考えたあとで背景装飾を埋めていくような流れが多かったが、本作では遊びや企画の実験と同時進行でアーティストが世界観やビジュアルの検証を行った結果、豊富なコンセプトアートを作成することができていた。

これにより「こういう場所にカービィがいると絵になる」というシチュエーションを活かし、ビジュアルから遊びを作る流れが増えたという。また、コンセプトアートから連想される要素をレベルデザインに取り入れるというような、ビジュアルと遊びの関係をより濃密にする作り方もできるようになった。

「ショッピングモールなら、エレベーターを遊びに取り入れよう」、「遊園地ならパレードそのものをギミックにできないか?」などのアイデアがこれに該当する。

本作は3Dアクションの初心者でも遊びやすいよう、固定カメラを採用している。これにより、一枚絵としてスクショ映えするビジュアル・エモーション重視のエリアを導入。これをスタッフ間で自然と「魅せマップ」と呼ぶようになった。

魅せマップは絵的に魅力的ではあるが、「遊びづらいカメラ」になりがちだ。そのため敵やギミックをあまり入れないようにしたものの、「ただ歩かされている」印象にはならないよう、綿毛や蹴れる石などの干渉できるものを配置したり、「スキップしたい」とは思われないような移動時間に調整するといった工夫をした。

最終的にはプロモーションでも重宝され、ユーザーを引き付けやすい印象的な場面を作れたのではないかとのこと。特にこうした魅せマップは新しいエリアや建物の入口など、カービィにとって環境が変わるような導入部に設定。カービィと一緒に冒険しているという印象が残りやすいシーンにするというのを意識したという。

続いては「3Dアクションを邪魔しない背景装飾」について。本作のマップは大きく「遊びを立たせて飾るマップ」と「シチュエーションをつくるマップ」の2種類に分けられるという。

「遊びを立たせて飾るマップ」は空間をかっこよく埋めればOKで、比較的ストレートな作業。一方の「シチュエーションをつくるマップ」はストーリーや冒険を演出し、没入感を増すためのマップ。大事な局面のマップなので、リテイクの往来が激しく、専用オブジェクトも多いためコストも掛かるのだとか。

たとえば「夜の遊園地」ステージの最初のマップは「静かで寂しい資材搬入口」となっており、次のマップの綺羅びやかさとのギャップを狙ったものとなっているとのこと。装飾発注時点でそのマップの存在意義をレベルデザイナーから探り、イメージを構築しなければならない。

また、背景装飾はプレイヤーが迷わずゲームを進めるための、メインルートへの誘導という役割も担っている。さまざまな装飾で飾った結果、進むべき方向が分からなくなってしまっては、ゲームとしては本末転倒なのだ。

これを防ぐための具体例として、「例1」ではルートを遮るものを排除し、メインルートを示す道を描く、「例2」では影やアンビエント表現を用いてメインルート以外の印象を落とす、「例3」では道の脇に扉のような気になるものを配置しないといった、実際のゲームにも取り入れている工夫を紹介。

加えて、反応があるオブジェクトで進行ルートを示すという方法も紹介。「くるまほおばり」へのヘンケイ直後に現れるヒビの入った壁などを用いた誘導を「例4」として挙げた。

実際のデザインでは、これらに加えて寄り道・探索したくなるサブクエストへのアプローチも必要となる。こちらはさりげないながらも気になる、かといってメインルートほどは目立たないような特殊な装飾が必要だ。

大げさなオブジェを配置したり、スポットライトを配置して目立たせるなどの方法がここでは挙げられた。レベルデザイナーによる敵の配置やカメラの挙動などでも、こうした誘導は強化されているとのこと。ミッションの難易度によってもバランスが変わってくるので、慎重に作業を進めていったという。

高品質なビジュアルとコスト削減の両立の中で生まれた「背景装飾大喜利」

ラストは「第5章:さまざまなビジュアル的取り組み」。

非常にシンプルな見た目をしているカービィというキャラクターだが、パッと見で分かるビジュアル的な変化は表現できないながら、シリーズごとに少しずつ進化していっているという。「ディスカバリー」では3Dでさまざまな角度からカービィを見れるため、角度によって目の光彩が変化したり、これまで通常時はテクスチャだった口がちゃんと凹んでいるといった部分がブラッシュアップ。

ほかには環境によって受ける変化を強調。水に入ると体が濡れて、しばらくすると上から乾いていく。濡れている状態だと足跡も濡れているといった変化をつけた。

画面全体の見え方については、コントラストや色域の調整を行う“カラーグレーディング”により、多くの場面でメリハリのある表現にしている。空気中の霧や煙といったモヤは、あえて濃淡を作ることで、奥行き感の強調や移動方向の指定に利用。

これらを組み合わせることで、別のゲームのようなリアリティのある世界ではなく、カービィの世界らしいメリハリと鮮やかさを表現するのにも役立っている。裏ステージ的なマップは、通常マップと装飾を共有しつつも、これらを応用して固有のアイデンティティを持たせているとのこと。また、装飾はデカールを多用して、全体の雰囲気を底上げしている。

続いて、本作のマップ・背景制作における独自機能として、地形自動生成システムを紹介。レベルデザイナーが作成したマップ形状に合わせて、地形モデルが自動生成。マップ制作の効率化に加え、見た目の共有が容易になり、レベルデザインと背景装飾を同時進行できるに至ったのはこのシステムのおかげなのだという。

ここまでに紹介してきたカラーグレーディングやフォグ、地形自動生成システムは、限られたリソースの中で高品質なレベルデザイン・グラフィックデザインを可能とする「コストを意識した向上」のための技術であるとのこと。

同様にコストを意識したアセットの削減方法として「既存の装飾パーツを組み合わせて新たなパーツを生み出す」、開発チーム内で「背景装飾大喜利」と呼ばれた大胆な手法も導入。エレベーターはスチールパイプと工事現場用パーテーション、手術台は工場用貯水タンクと車体整備用機器を組み合わせて表現されているという。

ともすれば手抜きのように感じられかねないこの「背景装飾大喜利」だが、その工夫やひねりに対して、上手く行ったらみんなで褒め合うといったアットホームな開発環境で高め合うことで、一丸となってコスト削減を実現できたとのこと。

これにて、当講演は幕を閉じた。

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