クオンとの対峙を経て決まった覚悟――TVアニメ「うたわれるもの 二人の白皇」アンジュ役・赤﨑千夏さんインタビュー

インタビュー
0コメント TOKEN

2022年7月2日よりTOKYO MX、BS11ほかにて全28話で放送中のTVアニメ「うたわれるもの 二人の白皇」。同作でアンジュ役を演じる赤﨑千夏さんへのインタビューをお届けする。

TOKYO MX、BS11などで再放送も行われていたTVアニメ「うたわれるもの 偽りの仮面」の続編として製作されている本作。ゲームをプレイしている人はご存知の通り、「うたわれるもの」シリーズ3部作の完結作にあたるということで、シリーズにまつわる多くの謎が解き明かされる作品にもなっている。

今回のインタビューでは、7年越しのTVアニメ続編やキャラクターに対する思いなどを伺った。アンジュ役を演じる赤﨑千夏さんには、「偽りの仮面」での出来事を経て成長していく姿や、7話で印象的だった天子クオンとのやり取りなどについて語ってもらった。

――アニメ化の発表から放送開始まで間が空きましたが、放送決定の報を聞いた時はどんな感想を持たれましたか?

赤﨑さん:「ついに来たか」「待っていました」というのが第一です。アンジュはアニメ放送までもゲームの収録などがたくさんあったので、キャラクターを忘れているようなことはなかったですが、アニメとアニメの間でいろいろな出来事があったりしたので、「どういう座組みで集まってどんな風になるんだろう」という思いはありました。

――前作である「偽りの仮面」の感想や、印象に残っている場面があれば教えてください。

赤﨑さん:「偽りの仮面」は、前半では結構日常的なシーンが多くて、皆で楽しく暮らしている風景とか、オシュトルから言われた任務みたいなものを皆で乗り越えていく様子が描かれていましたが、後半の展開が怒涛すぎて。

とくにアニメ終盤の3話くらいで、オシュトルがハクに仮面を託すシーンは、やっぱり何度見ても感情がすごく揺さぶられるというか……。そのシーンを見てから日常のシーンを見返すと、この二人があとであんな風になってしまうんだという気持ちが大きくなってしまいます。前半の物語にも遡って影響を与えてしまうほどのシーンでした。

最終話でオシュトルが死んでしまい、ハクがオシュトルに成り代わった後で、便宜上ハクトルと言いますが、ハクトルとネコネがクオンに会って、ハクが死んだことを伝えるシーンが完全な無音のシーンになっているんですよね。台詞がないシーンで、何が起こったかクオンに伝える第一声が無音で描かれていて。そこが一番印象に残ったシーンかもしれないです。音のない、台詞のない芝居。

――最初はコメディ要素が多くて楽しい雰囲気だったのが、後半になるにつれて「おや?」と思う展開になってきて。

赤﨑さん:シリアスですよね。怒涛の展開で、とくに帝が亡くなってからの展開は胸が苦しくなります。

――アフレコ全体の雰囲気や、他の方との掛け合いなどについてもお聞かせください。

赤﨑さん:(インタビュー日時点で)アンジュの収録は終わったのですが、今日が本当の最終回というか、最終組が今日まさに録っているはずです。クオンとハクトルの掛け合いとか、最後のシーンを今日録っているんじゃないかなと。

分散収録なので、会える日と会えない日があったんですけど、オシュトル(ハク)役の利根健太朗さんとお会いした時に、利根さんが藤原啓治さんから役を引き継いでいるというのもあって、ものすごく真摯に取り組んでいる姿が印象的でした。アフレコの合間も、音声つきで読めるスマホのアプリでずっと確認していて、藤原さんの声を聞いて自分のお芝居に落とし込むという作業を1人でやってらっしゃって、声をかけづらいほどでした。

他の皆や女子チーム、とくにアトゥイ役の原由実ちゃんとかノスリ役の山本希望ちゃんと会った時はキャイキャイして、その時は前と全然雰囲気は変わらなかったんですけど(笑)、やはり利根さんがすごく重圧を受けているんだろうなぁと、真摯に取り組んでいる姿が一番印象に残りました。

――主人公の役を引き継ぐというのは、すごく大変ですよね。

赤﨑さん:そうですね。しかも本来であれば、利根さんがやっていた役が死んでしまって、ハクが成り代わったという構図だったのが、利根さんが藤原さんの役を引き継ぐという形になって。外から見てもご本人からしても、特別な想いがあったんじゃないかと思います。

――「二人の白皇」では、アンジュと天子クオンが対峙するシーンもありますが、クオン役の種田梨沙さんと掛け合ってみていかがでしたか?

赤﨑さん:アンジュの成長としてはやっぱり「偽りの仮面」の最後にお父様が亡くなって、自分が後を継がなければいけないという想いがありながらも、なかなかうまくいかないというのがあったと思うんです。そこから「二人の白皇」になって、「父の遺してくれたものを取り戻したい!」という想いで立ち上がってはいたんですけど、気持ちが追い付けていない部分も結構あったというか。ちょっと風が吹けば、揺らいでしまうようなところがあったと思うんです。

それがトゥスクル皇女としてのクオンとの出会いによって発破をかけられたというか。「そんなものか」と挑発され、一度は心折られましたが、アンジュの心の中で本当に腹が決まったのは、再び立ち上がることができたあの瞬間なんじゃないかと思いますね。なのでクオンのお芝居を聞いて盛り立てていけたというか、やりとりができて良かったと思えたシーンでした。

ゲームでの収録だとクオンのお芝居が自分の想像の中でしかない部分はあるので、実際に一緒にお芝居をやって生まれるものは確実にあったと思います。

――序盤の見どころとして、アンジュの中でも気持ちの大きく動くシーンだったかと思いますが、演じる際に意識された部分はありますか?

赤﨑さん:アンジュの気持ちがどこを向いているのか、どこまで覚悟を持てているのかは常に考えないといけないと思っていました。「父の遺したヤマトを取り戻す!」と言ってはいるけれども、最初はとても個人的な想いというか、あくまで自分中心の考えだったと思うんです。失われたアイデンティティを取り戻したいという、その想いで何とか立ち上がっている状態でした。そこにトゥスクルの皇女とのシーンがあって、自分の無力さ、不甲斐なさを突きつけられ、かなり気持ちの方向が変わったのだと思います。

――アンジュとしても、さらに気持ちの上での変化が生まれていったというか。

赤﨑さん:オシュトルの「ハクとしての言葉」がかなり救いになったと思います。あの言葉が自分の弱さを認め、仲間たちや国、民のことを考えられるようになったターニングポイントでしたね。

――それまでのアンジュは、悪さをしてお灸を据えられるときもコミカルな感じがありました。

赤﨑さん:「偽りの仮面」の時は、ムネチカやクオンにお尻を叩かれたりお灸を据えられるシーンも多かったですが、「二人の白皇」ではクオンと対峙して覚悟が決まるまでというのは辛いシーンが多かったですね。結構「二人の白皇」はアンジュにとって辛いシーンが多くて、「偽りの仮面」の時のようなテンションで演じられたシーンはあまりなかったです。

――そういった出来事を経て、「二人の白皇」ではアンジュがどんな活躍を見せてくれるかをお聞かせください。

赤﨑さん:(これまでのインタビューで)利根さんや種ちゃんが一番成長したキャラクターだと言ってくれたということですが、私の中でも「偽りの仮面」のアンジュを今やれと言われたら「あれ?どんな風だったっけ?」となるぐらいには成長したと思っています。やんちゃで好き放題だったわがまま姫が、「國や民を背負う覚悟」を持つまでに至ったわけですので(笑)。

「二人の白皇」では演説のシーンが結構多くて、そこでどんな風に皇女として立っているアンジュを表現できるかというのは苦心した部分なので、ちゃんとアンジュの覚悟を芝居に乗せられたか、という点はぜひ放送を見ていただければと思います。

――アンジュのほかに注目してほしいキャラクターはいますか?

赤﨑さん:好きなキャラクターはたくさんいるんですけど、その中でも私はウルゥルとサラァナが好きなんです。いつも余裕をもっているキャラクターなので、彼女たちがピンチになると「本当に今ヤバイんだ!」という気持ちになって、すごくドキドキしてしまいます(笑)。

「二人の白皇」では戦闘しているシーンが多いのですが、その中でも皆の活躍というか、1作目の「うたわれるもの」を見ていた方々が二ヤリとするようなシーンが戦闘の中でもたくさんあると思います。「偽りの仮面」「二人の白皇」しか見ていない方で、「このキャラクターは何者なんだろう?」と気になったら、最初の「うたわれるもの」も見ていただけるとまた違った楽しみ方ができると思うのでオススメです。

――赤﨑さんから見てもっとも成長・変化したキャラクターは誰でしょうか?

赤﨑さん:“変化”という意味ならやっぱりハクですね。最初にオシュトルから仮面を受け継いで、クオンたちにすら自分はハクだと伝えられない苦しみってものすごくあったと思うんですよ。言ってしまおうかと思ったけど、自分はオシュトルとしてヤマトを再興しなければいけないんだという想いがあったので、仲間の誰にも言えなかった。ネコネは知っているけど、ネコネもネコネでしんどくて。そんなハクが最後にクオンとどうなっていくのか、是非見ていただきたいです。

――赤﨑さんから見たアンジュの魅力を教えてください。

赤﨑さん:なんだかんだカリスマ性があるのかなという風には思いますね。人を惹きつける魅力みたいなものがあるんじゃないかなと思います。結構トラブルメーカー的なところはありますけど、ちゃんと謝ることもできるし、ただただ唯我独尊で自分の好き放題やるだけではない。そういう部分が皆からなんだかんだ愛される部分になっていて、それが「偽りの仮面」を経て、「二人の白皇」ではカリスマ性という部分になっていくんじゃないかなと思います。

なんだかんだありつつも……そのなんだかんだの部分が大事なんですけど(笑)、人から愛される存在なんじゃないかなと思います。

――ご自身との共通点はありますか?

赤﨑さん:あまり似ているところはないですね(笑)。

――憧れる部分だとどうでしょうか。

赤﨑さん:度胸はありますよね。「偽りの仮面」でも民の前に立って演説するシーンがありましたが、その時から物怖じしていないというか。オンとオフの切り替えがちゃんとできる人なんだなと思いました。羨ましいですね(笑)。

――「二人の白皇」は非常に壮大な物語ですが、物語全体を通してのアピールポイントを教えてください。

赤﨑さん:「うたわれるもの」シリーズって、「偽りの仮面」の時のテーマソングだった「不安定な神様」の歌詞にもあるんですが、「繰り返す出会いと別れ」というのが結構大きなテーマなんじゃないかなと思っていて。「誰かが誰かに会えなくなってしまう」物語というのが、各作品の終盤で共通していると思うんです。それが「二人の白皇」ではどうなるかにも注目していただきたいですね。

――「うたわれるもの」シリーズは、オリエンタルな雰囲気がありつつも独特の世界観が魅力だと思いますが、その中で好きな部分があれば教えてください。

赤﨑さん:街の雰囲気は本当に好きですね。もともとオリエンタルな雰囲気が好きなので魅力的に感じます。ヤマトの城下町の裏通りでは、若い女の子たちが行く流行りの本屋さんがあったり(笑)、たくさんおいしそうなご飯が売っているお店があったりして、あの城下町は一回歩いてみたいと。すごく活気があっていいですよね。

――時代の背景に変に縛られていないというか。一見すると過去みたいな雰囲気があるんですが、ちょいちょい見ていると違っている部分も多いですよね。

赤﨑さん:SF的な部分もありますからね。実際と違うものとしては、馬が違う生き物だったりするところとか面白いですよね。

――「うたわれるもの」シリーズの時間軸を知っていると、「時間を経てこうなったのか」と想像することもできて。

赤﨑さん:「うたわれるもの」って、前半と後半で雰囲気が違いすぎて、結構面食らう人も多いと思うんですけど(笑)。それも含めて世界観が凄いですよね。オリエンタルな部分も近未来的な部分もある作品なので、そこが融合しているのが面白いポイントだなと思います。

――作中の食べ物というのも印象的な要素で、とくに「偽りの仮面」では、皆が何かを食べるシーンも多かったかと思います。印象に残っている作中の食べ物はありますか?

赤﨑さん:料理は本当にたくさんありますよね。印象に残っているという意味では、「偽りの仮面」でアンジュが狂言誘拐を企てた時に、皆が呆れた様子ですすっているうどんが美味しそうだなと思った記憶があります。わざわざうどん屋のおっちゃんあそこに来ているんだって(笑)。

「偽りの仮面」はそういうコメディシーンが多くて。その雰囲気があったからこそ「二人の白皇」での落差が効いているというか、「あの日常がまた戻ってきたらいいのに……」という気持ちはすごく掻き立てられます。

――最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。

赤﨑さん:7年お待たせしました。ついに「うたわれるもの」シリーズ3部作の最後をアニメでお見せできることになり、私としてもとても嬉しいです。「うたわれるもの」をずっと応援してくれた人も、最近知ったという人も、ここまで“うたわれてきた”のには理由があると思いますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

<公式サイト>
https://utawarerumono.jp

<公式Twitter>
https://twitter.com/UtawareAnime

本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連タグ

注目ゲーム記事

ニュースをもっと見る

ゲームニュースランキング