ユービーアイソフトが10月4日に実施した「UBISOFT MOBILE GAMES SECRET PARTY」。「レインボーシックス モバイル」と「ディビジョン リサージェンス」の開発者メンバーが登壇したインタビューセッションの模様をお届けする。

目次
  1. 「ディビジョン リサージェンス」は「2」をベースにより遊びやすく改良
  2. 「レインボーシックス モバイル」は「シージ」の資産を活かしつつ独自コンテンツの実装も

インタビューセッションに登壇したのは、Ubisoft Mobile APACのビジネスデベロップメント・パブリッシング ディレクターのコチョール・オザン氏、Ubisoft Mobile HQ エグゼクティブ・プロデューサーのファブリス・ナヴレズ氏、Ubisoft Mobile HQ コンテンツ・ディレクターのジョナサン・ラベルニュ氏。「レインボーシックス モバイル」及び「ディビジョン リサージェンス」について、ゲームの仕様から課金形体にいたるまで、様々な話を聞くことができた。

左から、コチョール・オザン氏、ファブリス・ナヴレズ氏、ジョナサン・ラベルニュ氏

なお、「Ubisoft Mobile Secret Party」での発表内容や、会場の様子については以下の記事を参照して欲しい。

「ディビジョン リサージェンス」は「2」をベースにより遊びやすく改良

――まず、Ubisoft Mobileのコンセプトや目標について教えてください。

ファブリス氏:最近のプレイヤーは、コンソール機での体験をモバイルにも求めている傾向が見られ、我々としては30年コンソールゲームを作ってきた経験をモバイルにも活かしたいと考えています。

今はスマホの性能がどんどん上がってきていて、プレイヤーが期待するクオリティに応えられるようにもなってきました。新しいプレイヤーを獲得するには、スマホは非常に適したデバイスなので、それを生かしてUbiのゲームをもっともっと知ってもらいたいと考えています。

――どちらも基本プレイ無料タイトルとなっていますが、課金形体はどのような方式となりますか?

ファブリス氏:まず前提として、2タイトルともまったく違うゲームなので、マネタイズもそれぞれで異なります。

「レインボーシックス モバイル」に関して言うなら、プレイヤーが競争心を持ち続けられるような戦略を考えています。ゲームプレイを進めるにつれ、様々なタクティカルオプションがアンロックできるようになっていきますが、課金によってそのスピードを上げることができます。課金だけではなく、長くプレイすればするほど、自分にあったオペレーターを作りあげられます。

アバターや銃のスキンといった、プレイヤー自身を表現するための要素も取り入れる予定です。ゲームはシーズンベースで進んでいき、シーズンごとにバトルパスの要素もあります。

ジョナサン氏:「ディビジョン リサージェンス」については、まだ発表から間もないタイトルでもありますので、現時点でお話できることはあまり多くありません。ただ、多くの人達にプレイしていただくため、すべてのプレイヤーが平等さを感じられるような仕組みを構築したいと考えています。従来のコンソールゲームと同じような形もあれば、モバイル版独自の形式も考えているので、詳細が固まり次第、改めてお伝えできればと思います。

――それぞれのタイトルのローカライズについて教えてください。

コチョール氏:「レインボーシックス モバイル」は、日本語吹き替えから字幕まですべて対応しています。オペレーターのキャスティングについては「シージ」と同様ですが、もちろん新しいオペレーターが登場した際には新しいキャストが当てられます。また「モバイル」では、独自の2つの特別なボイスも追加します(※攻撃側部隊長の声を小森未彩さん、防衛側部隊長の声を石川界人さんが担当すること)。

ファブリス氏:「ディビジョン リサージェンス」は、舞台がアメリカということもあり、よりリアルな体験を提供するため、全世界のバージョンを英語音声で統一しています。ただ、テキストはすべて日本語訳が行われますし、会話時には日本語字幕も表示されます。

――「ディビジョン リサージェンス」について、プレイ映像ではグレネードランチャーは「2」と同様にシグネチャーウェポンとして使用していたようでした。シグネチャーウェポンを採用した理由を教えてください。

ジョナサン氏:まず、リサージェンスは「2」をベースにより深掘りするような形で開発を進めています。より使いやすくなるように調整中で、スペシャリゼーションのアビリティについては「2」と同じものも入りますし、モバイルからの新しいものも実装予定で、武器だけではなく、ガジェットなども用意しています。

――デモプレイでは、サイドアームの枠が無いように見受けられましたが、サイドアームはどうなったのでしょうか?

ジョナサン氏:とても良い質問です。サイドアームについては無くしたわけではなく、また別の枠での扱いを考えています。まだ開発中の段階ですので、詳細についてはお話できませんが、従来のタイトルとは別の使い方になってくると思います。

――これまでの「ディビジョン」には、世界観を深掘りするための収集要素が存在していましたが、「リサージェンス」ではどうなるのでしょうか?

ジョナサン氏:もちろん、「リサージェンス」にも同じような収集要素があります。世界観についてより深く知ることができるようになっています。

――1や2と同様に世界を拡張するDLCのような要素をリリースされる予定はありますか?

ジョナサン氏:開発段階なので明確な答えは返せないのですが、運営型のサービスなので、長期間にわたってゲームを進化させていく必要があるでしょう。なので、DLCに近い形で、世界を拡大していきたいとは考えています。他にも、プレイヤーが長く遊べるようなコンテンツを企画中です。

「レインボーシックス モバイル」は「シージ」の資産を活かしつつ独自コンテンツの実装も

――「レインボーシックス モバイル」について、モバイル版ならではの付加価値について教えてください。

コチョール氏:この場では話しきれないくらいたくさんあります(笑)。いくつか挙げるなら、まずモバイル端末への最適化です。「シージ」はライトユーザーには敷居が高くなっている部分もあると感じていたので、チュートリアルは大幅に改善しています。

また、「シージ」の体験をモバイルに落とし込む上で、もっとも大きな課題となったのは操作性でした。モバイルでは、「タクティカルフォーカス」という本作独自のシステムを搭載しています。これは完全なオートではありませんが、エイムの大きな助けとなる機能で、プレイ中にオンオフを切り替えられます。

オペレーターの育成や武器のカスタマイズなど、より長いスパンで自分なりのオペレーターを作り上げていけるのも、モバイル版ならではの楽しみになっています。

――オペレーターのカスタマイズは、具体的にどのような要素になるのでしょうか?

コチョール氏:あくまでもスキルゲームなので、お金を払うことでプレイヤーが強くなる、「Pay to Win」的な要素にはしません。その分、スキルのバランスが重要となりますが、少しだけ早く走れるようになるブーストがあったり、監視カメラをより多くの位置で利用できるなどの効果があります。いわゆるパワークリーピングではない、ホリゾンタル的な考え方で調整を進めていて、自分のプレイスタイルにあわせてカスタマイズを行う形になると思います。

――オペレーターは基本的に「シージ」と同じになるというお話でしたが、モバイル版オリジナルのコンテンツを提供する予定はありますか?

コチョール氏:コンテンツについては、この10年間「シージ」で作ってきた資産がたくさんあるので、それを活かしたいと思っています。「シージ」を体験していないプレイヤーもまだ大勢いると考えておりますので、フェーズ1では「シージ」に実装されているコンテンツからリリースしていく予定です。

フェーズ2からは、オペレーターであったりマップであったり、モバイル独自のコンテンツを提供することも検討しています。また、運営型のゲームならではの体験という意味では、「シージ」よりも早く提供することができるかもしれません。

――ローンチ時のマップやオペレーターについては、どのような基準で選ばれたのでしょうか?

コチョール氏:マップ・オペレーター共に、これまでの「シージ」のコミュニティを踏まえた、人気の高いものをチョイスしています。まずはプレイヤーの方々に納得してもらえるものをチョイスしていき、将来的には新しいオペレーターやマップを追加していきたいと考えています。

――モバイル版では、オペレーターをお試しで使用できるチケットシステムが新しく導入されていますが、導入の理由について教えてください。

コチョール氏:チケットシステムを採用した理由は、元々の「シージ」ではオペレーターをアンロックするのに多くの時間をかけてプレイするか、お金を支払うかのどちらかが必要でした。

「モバイル」では、いろいろなプレイスタイルとオペレーターを気軽に試せるように、チケットシステムを採用しました。チケットはルートボックスのラインナップの他にも、試合が終わったあとの報酬やバトルパスでも獲得できます。なので、早い段階からいろいろなオペレーターを試せるようになっています。

――オペレーターの見た目が「シージ」と異なるのには理由があるのでしょうか?

コチョール氏:「シージ」初期のオペレーターはミリタリー色が強く、それが少しずつ変化していったという経緯がありましたが、「モバイル」は最初から「ミリタリースーパーヒーロー」としてオペレーターを定義していて、ミリタリーよりはスポーティな雰囲気に変更しています。

ただ、コスメやスキンについてはこれからも多数のアイテムをリリースする予定なので、各々が好きな外見に設定していただければ良いのかなと。ただ、現在のものも最終版ではなく、リリースまでの間に変わる可能性がありますので、楽しみにしていただければと思います。

――モバイル版でも、eスポーツ的な展開は予定されていますか?

コチョール氏:対戦がすごく大事なゲームですので、当然eスポーツ的な展開も考えています。今回はまだ具体的な話ができる段階ではないですが、技術的な問題はありません。

ただ、本格的にeスポーツ展開を始めるにはいろいろな準備が必要になりますので、リリース後のどこかのタイミングで、そういった展開も行っていければと考えています。

――ありがとうございました。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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