エンターグラムは、PS4/Nintendo Switch用ソフト「あくありうむ。」の発売を記念したファンミーティングを11月27日に東京・豊洲にて実施した。ここでは、第1部の模様をレポートする。
ホロライブメンバーたち実況プレイで選択したルートに困惑
女性VTuberグループ“ホロライブ”所属の“湊あくあ”さんが主演を務める本作。その購入者を対象に実施された今回のファンミーティングでは、おなじみの「こんあくあ~」の挨拶と共に湊あくあさん本人が登壇。プロデュースも担当した本作に込めたこだわりや開発の裏話を語るトークや、ゲームにまつわるクイズ大会などの催しが行われた。
まず、本作のお気に入りのシーンについて質問されると、「自分のシーンを上げるのは恥ずかしい」と前置きした上で、ゲーム内であくあさんが料理で塩と砂糖を間違えた際、「初恋より甘い」と宝鐘マリンさんが反応するシーンをチョイス。ファンから突っ込まれることの多い、因縁の(?)数字である「44/5」が出たシーンについては、あくあさん自身も知らない間にシナリオに盛り込まれていたことが明かされる。
また本作は、ホロライブのメンバーによる多数の実況プレイが行われており、あくあさんも後でまとめて皆の反応を楽しもうと考えていたが、我慢しきれずに配信を見てしまったそう。ホロライブメンバーに何かと好意を寄せられることの多いあくあさんだが、配信ではホロライブメンバーの多くがマリンさんのルートを攻略しており、「“あてぃしのこと好き過ぎ”ってどこにいったの!?」とツッコミを入れていたのだとか。
その後には、「あくありうむ。」に関連した3択形式のクイズ大会も実施された。最初の問題となったのは事前にエンディング主題歌「カシオペア」の曲名を当てるというもので、直前のトーク中に主題歌についての言及があったこともあり、来場者全員が正解。
2問目の、「冒頭で主人公・テオが読んでいる本に登場する男性の名前」については、マリンさんが演じていることもあってプレイヤーの印象に強く残っていたようで、こちらもほぼ全員が正解する順調なスタートを切る。
しかし、ここから難易度が急激にアップ。3問目は「主人公・テオに自作の猫グッズを披露するシーンで写った猫の数」というかなりマニアックな問題で、一気に正解者が絞られることに。
ゲームのパッケージイラストに映っていないものを当てる、最終問題の正解者となったのはわずか3名。最終的にはじゃんけんの勝者に、あくあさんの直筆サイン入り「あくありうむ。完全生産限定版」のパッケージがプレゼントされていた。
続編への構想や収録時のエピソードが語られる
イベントの後半では、あくあさんが事前にファンから寄せられていた様々な質問に解答するコーナーが実施された。
最初の質問は「正規ルートのエンディングは最初から決まっていたのか?」というもので、当初からロミオとジュリエットをモチーフにした物悲しい終わりにするという方向性が固まっており、エンディングについても最初から決まっていたという。その一方でマリンさんやフブキさんのルートは内容が決まっておらず、とくにマリンさんのルートは、「ネタを多めにして欲しい」というあくあさんの要望を反映させて作られたのだとか。
「次回作があれば挑戦してみたいこと」という質問には、完全なノベルゲームだった「あくありむ。」に対して、続編では「選択肢以外にもプレイヤーが操作できる要素を増やしたい」と語る。
続編が出るかどうかはまだ決まっていないものの、あくあさんの中ではすでにかなり構想が出来上がっているようで「魔法少女」「闇堕ち」という2つのワードが登場。とくにあくあさんとしては、「ホロライブメンバーの誰かを闇堕ちさせたい」という欲望が強いようで、その筆頭としてホロライブの同期で仲のいい紫咲シオンさんの名前が挙げられることに。
会場では、どのホロライブメンバーの闇堕ちが見たいか、マリンさん・フブキさん・シオンさんの3人を対象にアンケートが行われたのだが、ファンからも圧倒的支持を得たのはシオンさんだった。シオンさんを闇堕ちさせたい理由として「ちょろいからすぐ闇堕ちしそう」「終盤に泣きながら助けを求めるのが想像できる」とあくあさんが語ると、客席から大きな拍手が沸き起こっており、解釈が一致したファンも多いようだった。
収録についての話題では、ゲームの音声収録が初めてだったこともあり、「正直辛かった」と当時の心情を明かす。とくに大変だったと語っていたのが、ゲーム内に登場する甘々な台詞の数々で、最初にシナリオを読んだ時は第三者目線でかわいいからOKを出したものの、後で自分が収録することを完全に失念してしまっていたのだとか。実際の収録では、ブースは想像していたより広く、その中で一人黙々と台詞を吹き込むのには、恥ずかしさや寂しさといった様々な感情がせめぎ合っていたそうだ。
中にはゲームと関係ない質問もあり、「姉か妹にしたいホロライブメンバーは誰か」と尋ねられると、姉にしたいホロライブメンバーとして、本作にも出演した白上フブキさんと、チームメイトとして共に大会にも出場した常闇トワさんの名前をあげて回答。それぞれの理由として、フブキさんはスタジオでの収録の度にあくあさんに話しかけたりゲームに誘ってくれるなど、何かと気にかけてくれること。トワさんは自宅に遊びに行った際、自分から注ぎにいけないあくあさんのことを気遣い、コップの水が無くなりそうになる度に「水大丈夫?」と注いでくれたという、それぞれの“てぇてぇ”なエピソードが披露されていた。
また、時折「陰キャ」として弄られるほどの引っ込み思案にも関わらず、ゲーム企画や大会への参加といった新しい挑戦に、どんな気持ちで挑んでいるのかという質問も。あくあさんは、「皆に楽しんでもらえるにはどうすればいいかをいつも考えていて、ゲーム制作は新しい挑戦というより自分の中での設計図がずっとあった企画。昔からやりたかったことの1つが実現した」と語る。
その一方で、大会への参加にはかなり大きな勇気が必要だったそうで、大会中は何度も胃が痛くなるほどのプレッシャーがあったのだとか。それでも、「大会に参加して欲しい」という声は昔からたくさん来ており、皆にワクワクしてもらう企画として挑戦を決めたという。また、現在はそんなワクワクできる次の企画を考えている最中であるとのことだ。
イベントの最後には、12月30・31日の2日間にかけて開催予定のコミックマーケット101にて、「あくありうむ。」のグッズが発売されることも発表された。「あくありうむ。」の続編も含め、今後あくあさんがどんな企画でファンをワクワクさせてくれるのか期待大だ。