日本ファルコムが2022年9月29日に発売したPS5/PS4用ソフト「英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-」のプロデューサーで、同社の代表取締役社長を務める近藤季洋氏にインタビュー。ユーザーからの反響や発売後だから触れられる開発エピソードを聞いた。

目次
  1. ボスごとの特徴を際立たせることに立ち返った
  2. 「黎の軌跡II」はあの世界における異常事態
  3. タイムリープを扱うことは決まっていたものの、システムとしての課題も
  4. 次回作ではさまざまな謎が動き出す

インタビュー・編集:TOKEN
文・撮影:胃の上心臓

※一部ゲーム本編のネタバレになる部分もありますので、ご注意ください。

ボスごとの特徴を際立たせることに立ち返った

――「黎の軌跡II -CRIMSON SiN-」の発売から4ヶ月近く(※インタビューは2023年1月下旬に実施)が経過しました。クリアした方からの反響はいかがでしょうか?

近藤氏:前作では限られた期間で制作に打ち込み、新たな事にチャレンジしました。結果は出せたと思っていますが、時間が経過するにつれ反省点が出てきまして。それを反映して完成度を高めたのが僕らにとっての「黎の軌跡II」という作品です。

前作から内容を充実させ遊びごたえのある作品を目指した部分のひとつは、従来であれば遊べていた色々なミニゲームですね。前作はこれまでのシリーズにない新しい部分をやり切るだけで精一杯で、省かれてしまっていました。なので今作で定番要素をいつも通りやれた点は評価していただけたのではないかと思っています。

シナリオも驚くような概念が出てきて反響はあったものの、その概念に関連してファンのみなさんのお気に入りのキャラクターが何度も酷い目に遭うものですから、少し賛否両論になったのかなと。

戦闘システムにも大幅に改良を加えました。テンポの良いものをという考えで前作はああいった形になりましたが、もっと違うやり方があるよねという意見が改めて挙がってきたんです。

フィールドバトルはやれることが限られていますが、力を入れすぎると難しくなってしまうし、シンプル過ぎると「閃の軌跡」の頃までのフィールドアタックと変わらなくなってしまう。だからそこのバランスは前作の制作後も悩んでいました。

そうやって試行錯誤を重ねた上でフィールドバトルでアーツが使用可能となったり、コマンドバトルに新たな要素としてEXチェインを実装することになりました。これらが入ったことでようやくパズルのピースがハマった感覚を覚えましたね。

――バトルシステムについてもう少し掘り下げさせてください。フィールドバトルとコマンドバトルの切り替えの部分の調整や、今回はボス敵の行動がかなり特徴的で印象に残るものが多い印象を受けました。

近藤氏:前作の時にフィールドバトルが物足りないという声をいただいたので、もう少し何かできたらと考えていました。しかしそこを詰めていくと、一定数いらっしゃるアクションが苦手な方がプレイできなくなってしまう。やはり「イース」以上に「軌跡」のユーザーのみなさんはコマンドバトルを楽しんでいる方が多いのでジレンマがありました。

また、前作では敵のAIにこだわりきれない部分がありました。過去作ではキャラクターによって面白い攻撃をしてくる敵がいたかと思います。特に、「空の軌跡」の頃は多種多様だったのではないかなと。近年の作品ではそこが希薄になってしまっていて、敵もゴリ押しで来るようになった所を戻したかったんです。

例えば今作なら、“破戒”ことエルロイ・ハーウッドみたいな目玉となる敵キャラクターには新しい攻撃をしてきて欲しいと思うじゃないですか。そういった考えから今回は敵の攻撃バリエーションの意識はしていましたね。

前作では僕らもフィールドバトルをどこまでやって大丈夫なのかだったり、フィールドとコマンドのふたつのバトルのバランスだったり、そこを両立させる匙加減はおっかなびっくりだったんです。けれど前作を終えてユーザーのみなさんからのご意見をいただく中で、もう少し踏み込んで深みを持たせようとなりました。

難易度をイージー以下にしていただければゴリ押しプレイでも何とかなりますが、ノーマルからは敵の攻撃が多種多様になりますし、プレイヤー側の考える事が増えるようなバランスを目指しました。なので、ゲームとしてやりごたえのあるものになったと自負しています。

――プレイヤー個人のゲーム進行度で戦闘のバランスが変わって来るように思えたのですが、やはり「お伽の庭城(メルヒェンガルテン)」をプレイする事を踏まえた上での調整だったのですか?

近藤氏:きっと「創の軌跡」における「真・夢幻回廊」が浮かんだ方が多かったかと思うのですが、メルヒェンガルテンはやり込み要素としてはそちら以上に大きな扱いです。ただ楽しむためのものであって無理やりやらせるものではないと思っていて、その分メインシナリオできちんと設定として扱っていますし、ミスティックキューブの収集などできることが増えていることもわかってもらえたのではないでしょうか。

今回は物語の都合上どうしてもプレイヤーの操作できるキャラクターが頻繁に変わりますし、時系列も前後してしまいます。そういった色々な要素がある中でプレイヤーによってバラつきが出る部分をフォローする意図もありますし、前作以上にスポットが当たるキャラクターが多いことも考えなければなりませんでした。そこをRPGとして楽しんでもらうためのステージとして、メルヒェンガルテンありきのゲームデザインになったと思っています。

――真・夢幻回廊はある程度避けても進行できたと思います。そこからのフィードバックはあったのでしょうか?

近藤氏:ミスティックキューブの解析でソーシャルゲーム的な気持ちのいい演出を見せてあげたりする部分は、過去作の経験を踏まえた部分です。特に難しかったのはゲームのメインからは外れるクラフト強化のバランスで、どこまで成長要素を持たせていいのかどうかは苦心しました。

あまり力を入れないとやり甲斐のないものになってしまうので、プレイしてくれた方にそれなりのリワードは用意したかったんです。その中で一番適切だったのがクラフトの強化でした。

クラフト強化用のアイテム「錬成石」については、実はストーリーの進行度やタイミングによってドロップ率が変わるようになっています。参戦してきたキャラクターにスポットが当たるようなバランスになっているんです。

偏りが出てしまうのですが、その後別のキャラクター用の錬成石に変換できるので通して遊んでいただけると嬉しいです。実はユーザーサポートに、このキャラクターの錬成石しか集まらないみたいな問い合わせもあったりしましたね。

ミスティックキューブを集めすぎて鑑定するのに時間がかかる事も多いと思いますが、あのボタンを押しっぱなしにしている時間も意味がないように見えてあります。あの時間があるからお伽の庭城をプレイするという意見もあったので、気持ちのいいシステムに仕上がったのではないかと。

前作の頃はそういった事をやる余裕が無かったので、僕らとしてもプレッシャーの中にいたことを実感しています。今作ではそこから解放されて遊び心の部分を充実させようというスタンスになっていました。

開発期間が限られているのでやれること、やれないことはありましたが、その中で今までにあったものを楽しんで貰いたいと思っていましたね。

――先ほどボスの攻撃パターンを多様にという話がありましたが、ハーウッド戦は特に練り込まれている印象を受けました。

近藤氏:元々「軌跡シリーズ」はそういう事をきちっとやっていたRPGなんです。ですが、決して手を抜いていた訳ではないものの、近年の作品ではそこの優先順位が少しずつ落ちてしまっていました。やはり心に残るバトルってあると思うんです。例えば昔からプレイしてくださっている方なら、レンに最初のターンで全滅させられたみたいな思い出があるのではないでしょうか。

どうしても近年はゴリ押しで勝てる傾向になってしまっていて、前作では時間が取れずそこまでやり切れなかった。だから今作ではそういうところの復権を目指したんです。もちろん雑魚戦はサクサク進んだ方が気持ちが良いですが、やっぱり「軌跡シリーズ」は群像劇の側面もあるので戦闘もストーリーの一部であって欲しい。そういう意識から「イース」でも「軌跡」でも大切にしてきた、ボスごとの特徴を際立たせることに立ち返ったんです。

ハーウッドもそうですが、イクスとヨルダの兄妹にしても同時に倒さないといけなかったり、こういう苦戦した記憶ってプレイしていればすぐに思い出せるじゃないですか。やっぱりRPGにはひとつふたつは理不尽が無いと駄目だと思うんです。綺麗なだけじゃ駄目なんですよ(笑)。

――(笑)。

近藤氏:「空の軌跡」だと最初のダンジョンの攻略に入る前に、ちゃんと武器を買い換えて回復アイテムを揃えていかないと全滅するようにきっちりバランスを取っていたんです。けれど最近のトレンドはそうではない。例えばソーシャルゲームでは、いきなり最初のダンジョンで全滅させるなんてそうそう無いですよね。そういう事をやってしまうと何だこのゲームはと思われてしまいますし。

じゃあどうしたら良いんだろうというのは僕らも毎回悩んでいて、やっぱり心に残るようなバトルを目指していくと多少の理不尽は必要になってくると結論付けました。だからそういう気持ちで制作を進めています。

難易度が高いやり甲斐のあるゲームって、その理不尽を楽しめるような導入や誘導が必要なんです。だからここで今作の反省点を挙げるとしたら、その理不尽をいきなりぶつけすぎたことでしょうか。徐々にではなくいきなりだったので、ユーザーのみなさんをビックリさせてしまった部分はあったかもしれません。

「黎の軌跡II」はあの世界における異常事態

――前作ではL.G.C.アライメントや4spgがストーリーに密接に関わってきている印象がありましたが、今回はそのあたりがセーブされているように思いました。

近藤氏:確かにセーブしています。今作でヴァン達が関わる事件では、時間が巻き戻ったり別の時間軸の並行世界に行き来します。例えば時間が戻った時に上昇した数値がどうなってしまうのかなど、この展開はL.G.C.アライメントとの相性が悪かったんです。

ただL.G.C.アライメントや4spgは「黎の軌跡」の基本なので、次回作ではまたしっかりスポットを当てることになります。今回はあの世界にとっての異常事態だったので、鳴りを潜めたと考えてもらえればと。

――サブクエストやミニゲームも増えた印象があります。釣りなどは伝統ではありますが、ファンの中には大変だという声もあったかと思います。今回の仕組みはかなりやりやすくなっていたと思いますが、どんなことを考えられたのでしょうか。

近藤氏:釣りに関してはこれまでがシンプルだったので、もう少しちゃんとやってみたいと思っていたんです。後、そもそも釣りは前作でも実装予定でした。単に間に合わなかったんです(笑)。

システムとしては完成していたのですが、釣り場の配置が間に合いませんでした。泣く泣くオミットすることになったので、より洗練させてちゃんとやろうと思いましたね。みなさんに楽しんでもらえていれば幸いです。お伽の庭城のおかげで攻略自体は楽になっているのではないかとも思います。

ただ、どうしても釣りの操作が苦手な方からやめて欲しいという声もあったりします。それこそ「空の軌跡」の頃からそういう意見はあって。あれが苦手な方は「閃の軌跡」にあった水泳のミニゲームなんかも苦手なようで、そこは幅広くリサーチして難易度を設定するしかないんだろうなと。

後は気づかずにハイスピードモードで釣りをやっていて1回もクリアできないとおっしゃっている方だったり、ハイスピードモードでフィールドバトルがクリアできないという声も見かけましたね。

ハイスピードモードって、人によっては常習化しちゃっているみたいで。細かくそこでオフになると良いのかなとも思うのですが、ハイスピードモードでやりたいから強制的に切らないで欲しいという声もあったので難しいところです。

――ちなみにミニゲームの評判という部分でお伺いしたいのですが、「ポムっと」は今後も復活の予定はないのでしょうか?

近藤氏:「ポムっと」が一番言われるんです。ミニゲームとしてあるのは良いけれど、トロフィーに絡めるのは止めて欲しいって。僕らももっとキッチリ詰められると良いと思っているのですが、まだ少し運の要素が大きいゲームなのでいつも採用するか悩むんですよね。

その結果として今回はパスしましたが、ご要望がたくさんあるようでしたら復活させたいです。前に単体のアプリ版が出ましたがゲーム中のミニゲームそのままだったので、アプリ版もいつか出したいと考えていて。あれはゲームの中のミニゲームだから許されていて、きっちり完成させようと思うとクリアしないといけないことがたくさんあるんです。

タイムリープを扱うことは決まっていたものの、システムとしての課題も

――ここからはストーリーについて少しネタバレありでお話を伺わせてください。まず、タイムリープを扱ったことには驚きがありました。

近藤氏:今までのシリーズを遊んでくださったユーザーのみなさんは、こういう事が起きる世界だと思っていなかったのではないでしょうか。実は「黎の軌跡」の前からタイムリープを扱うことは決まっていて、前作時点から“刻”というキーワードは出していました。

時間的な物がなんらかの大きな影響を及ぼすことは既に触れていて、その中の表層化した事件のひとつとしてあのようなことが起きてしまうんです。「空の軌跡」や「閃の軌跡」を制作していた頃からあった設定なので、今回の「黎の軌跡II」でようやくみなさんにお届けできたと思っています。

――最初こそ驚かされたものの、プレイしていくと演出的な側面を強く感じるようになっていったのですが、これは意図したことだったのでしょうか?

近藤氏:演出的な要素のひとつになってしまった事はこちらとしても把握しています。最初はもっと複雑なシステムを予定していて、自由に時間を行き来できる案もあったんです。けれどRPGのシステムと上手くマッチしない事がわかり、その解決策を見いだせないまま制作を続けざるを得ずあの形になっていきました。これは今後の課題だと思っています。刻をキーワードにした物語は次回作にもある程度引き継がれますので、そこでもう少し色々とやれる事をお見せしたいです。

――制作の過程で自由に時間を行き来するという案もあったのですね。

近藤氏:チャートをある程度行き来させるという案ですと、さまざまな問題が出てきてしまうんです。例えば先ほどもあったL.G.C.アライメントを例にすると、時間を移動するたびに増減したポイントが元に戻ってしまうのかどうかという疑問が出てきたんです。その結果として、表現・演出のひとつという形に留めて次回への課題となりました。

実は「那由多の軌跡」も最初はタイムリープを扱ったRPGだったように、タイムリープネタは過去に何度もチャレンジしています。けれどやっぱり難しくて、納得のいく作品に仕上がったことは中々ありません。毎回同じような問題にブチ当たるんですよね。

アドベンチャーゲームとの相性は良いのですが、キャラクターたちの成長要素があるRPGだと時間が戻った時にステータスも戻ってしまうのかなどは気になってしまいます。ステータスが戻らないとなると、今度はプレイヤーが動かせるキャラクターを絞らないと全体のバランスが取れなくなってしまいますし。そういった問題が山積みなので、タイムリープをRPGで扱うことはもう人生の宿題みたいになっています。

キャラクターの多さがネックなのはそうですが、そこは「軌跡シリーズ」に期待されているところでもある。どうしてもせめぎ合いになってしまうんです。多分何年もかけて考えないと中々上手くいかないんじゃないかな。

制作期間はほぼ10ヶ月ですからね。「軌跡シリーズ」は2作ワンセットの形でリリース時期を早めて採算の帳尻をあわせているところがありますが、そんな中でもスタッフのみんなは頑張ってくれたと思っています。ただ、ユーザーのみなさんの意見は真摯に受け止めて、次回作への課題として進めていきたいです。

――「創の軌跡」は別のチームが制作していると以前伺いましたが、スウィンとナーディアが本作で再登場する流れは、並行して動いていたからこそのフィードバックなのでしょうか?

近藤氏:「創の軌跡」の制作が終わった時点でそちらのチームにも「黎の軌跡」チームに合流してもらったので、フィードバックしているところはたくさんあります。リアルタイムで随時追加していった部分も多いです。

物語的にはスウィンとナーディアが大きく食い込んでいましたが、実は当初の予定にはありませんでした。「創の軌跡」が同時期に制作が始まって先にリリースされる形になり、ユーザーのみなさんの反響や自分たちとしても手ごたえのあった部分の影響がありまして。それを受けて「黎の軌跡II」を仕切り直した時にある程度吸い上げています。

ただ、物語であそこまでスウィンとナーディアを取り上げるとは僕も思っていませんでした。スウィンなんかはもう主人公みたいなポジションでしたよね。大きな謎をひとりで抱えて姿を消してしまったり。またあのふたりは操作のしやすさもあって人気があったようです。

次回作ではさまざまな謎が動き出す

――大きな物語の合間に断章という形で入っていたネメス島の探索は、どういう立ち位置になっていたのでしょうか?

近藤氏:ネメス島は初期段階から箱庭的な形で制作することが決まっていました。今作の構成上どうしても他の章だと登場人物や物語の流れが決まっていて、バラエティー的にみんなで集まってワイワイやるコンセプトの章を実現するにはこの形が最適でした。

当初はもっと色々な観光スポットがあったのですが、D.G.教団の謎に触れることもセットで決まっていたので、断章という割にかなりのコストが制作にかかっています。評判も結構良くて、デバッグをしていただいた会社の副社長さんからゲームらしくて良かったという反響をもらったことは印象深いです。

――過去作のネタの清算みたいな展開もありました。

近藤氏:結構古いネタを持ち出しました。舞台が共和国へ移ることが決まった際にどこかでやろうという事は決まっていたんです。レンの結末的なところであったり、彼女の所属していた組織の物語であったり、持ち越していた宿題がようやくある程度済んだのではないかなと思っています。

とはいえ、ヴァンたちの物語と合致するところではないので、今回はちょうどいいポイントだったのかなと。カトルの過去も若干接点のある部分で、本当に盛りだくさんになりました。あそこに真面目に手をかけると、2~30時間分のボリュームがあるRPGになるんじゃないかな。

――ハーウッドが活躍した章でもありましたが、次回作以降の活躍は期待できるのでしょうか?

近藤氏:今回の事件は結社が表立って介入していないのですが、その中でも彼らにはスポットを当て続けなければなりません。またハーウッドのようなタイプのキャラクターは「軌跡シリーズ」としても珍しいので、人気があることは把握しています。

彼なら結社が動かなくとも何かしらやらかしてくれる、何かを起こすとしたらこのタイミングしかないと思っていました。加えて庭園との関わりが深い人物なので、ここでその決着を付ける上では外せない存在でした。ヨルダたちの後見人みたいな設定は元からあったものですしね。

執行者は独断で何をやってもいいのですが、使徒は人によりけりな形で盟主に従っています。ノバルティス博士なんかはいつもやりたい放題ですし、クロチルダはもうしばらく離れていますし。そんな結社の面々は次回作で大きな展開を見せますので、期待していただければと思います。

――今回はヴァンを中心とした物語というより群像劇のような印象も受けました。

近藤氏:基本的に「黎の軌跡」の主人公はヴァンであることは変わりません。今回に限り色々なエピソードを描く必要があったので、群像劇という形を取りました。ただ彼の正体や何故あんな力を持っているのかなど、まだまだ多くの謎が残っています。

次回作ではまたヴァンの物語に集約していくことになります。本当なら今作でもっと大々的に展開するべきだったという想いもあるのですが、その周辺を描いたことは次につながっていくと思いますし、今後に繋がる伏線もすでに出てきています。

元々「空の軌跡」が終わった後、本当はそのまま帝国編にいく予定でした。けれどその間にクロスベルを描いているんですよね。ここでクロスベルを描くことで帝国を描けるという意図があったので、同じようなノリで今作を挟んで次回作へ向かうというイメージだと思っていただけると嬉しいです。

――情報の開示の仕方もかなり思わせぶりですよね。ハミルトン博士やニナみたいな謎の多いキャラクターも気になるところです。

近藤氏:ニナに関してはどこの組織に所属しているのかが遂に明かされました。聖女というと過去作にも何人か実は登場していますよね。例えばリアンヌ・サンドロットでしょうか。それからクロスベルの聖ウルスラ医科大学の名前の由来となったウルスラ。

種明かしのタイミングは既に決めていまして、現状は寸止めみたいになっているので確かに申し訳ないのですが、次回作で間違いなく明かされる内容になると思います。ハミルトン博士や大統領の目的、そしてエルメスはヘルメットの下の素顔を見せてくれるのか。それからアニエスやヴァンに残された謎も共和国のストーリーの中で決着を付けます。

――次回作にあたって、気に留めておいてほしいシーンなどはありますでしょうか?

近藤氏:「黎の軌跡」「黎の軌跡II」の両作を通して色々な勢力が描かれたので、カルバード共和国がどんな場所なのかは大体理解して頂けたのではないかと思います。ですが「軌跡」を描くのはここからです。

今までのシリーズの舞台となったリベール王国やクロスベル、エレボニア帝国など各地でどんな事件が起きたのかを振り返って行くと、まだ触れていないものがあることに気づけると思います。例えば聖獣や至宝の謎、結社のオルフェウス最終計画です。まだその辺に触れられていないことは過去作からのユーザーの方たちなら気づいていると思います。

当然共和国においてもある意味伝統となっているそれらは用意していますので、今出ている情報とどう絡んで決着していくのか注目してください。目の前の物事には気づけると思うのですが、その影で進行しているものが色々あるのでそこを振り返っていただければと。

例えばこれまで登場した至宝がどのようなものだったのかとかですね。至宝を登場させる時は二ついっぺんに登場させてみたり、本物だと思ったらそれを真似たものであったりと、必ず一ひねりを加えています。今回はどのような形になるのか楽しみにしていてください。

ゲネシスについても今起きている現象は副次的なものでしかありません。本来の用途があって、そのためにエプスタイン博士が開発したものですから。その本来の用途が何だったのかというところです。

オーブメントってそもそも、あらゆる事象を引き起こす原理構造がわかっていないシステムなんです。その最先端にあるのがヴァンたちが使っている戦術オーブメントのザイファになっていて。そういうシリーズの基本要素が実は結構重要になってきます。

ついつい普通の魔法ユニットかのように思ってしまうのですが、あれは「空の軌跡」がはじまった時からの最大の謎です。その原型であるゲネシスが何を目指すものだったのか、「軌跡シリーズ」を通して共和国を眺めた時に気づける事がいくつか出てくると思います。そういう部分に注目していただけると嬉しいです。

――次回作についての話もいくつか出てきましたが、具体的な時期はいつ頃になりそうでしょうか?

近藤氏:なるべく早くお届けしたいと思っています。3年も空いてしまうと「空の軌跡SC」の時のように忘れられてしまいますからね。今年はどうしても「イース」が中心になりますが、それだけの期間をいただき、力を貯めないといけないと考えています。

ゲームシステムの部分は今までのシリーズと同じように、ある程度「黎の軌跡」や「黎の軌跡II」を踏襲しより洗練されたものになります。新しいアイディアを取り入れたものになっていくので、引き続き安心して楽しんでいただけるものを目指します。

基本的に次回は寸止めなしです。ただそれだけお話としても大掛かりになるので、もう少しお時間をください。その分の期待に応えられる内容になりますので、ぜひ最後まで「黎の軌跡」の物語を見届けていただければなと思います。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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