スクウェア・エニックスが2023年2月24日に発売したPS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「オクトパストラベラーII」(Steam版は2023年2月25日発売)の開発者インタビューをお届けする。

「オクトパストラベラー」の発売から5年、ドット絵と3Dが融合したHD-2Dの映像や魅惑のサウンドなどが話題を呼んだ人気RPGの最新作となる「オクトパストラベラーII」が、ついに発売された。

さらに進化した映像、新システムの数々、魅力的なキャラクターたち、さらに聞き応えのあるサウンド――本作を彩る数々の要素はどのようにして生み出されたのか。発売を直前に控えた2月21日にプロデューサーの髙橋真志氏、ディレクターの宮内継介氏、作曲家の西木康智氏にお話をうかがった。

髙橋真志氏 宮内継介氏 西木康智氏

「オクトパストラベラー」の発売直後から「II」の開発が始動

――2月9日から配信された体験版はどのような反響がありましたか?

宮内氏:思っていた以上に好評価で、いろいろ楽しんでいただけたようなので安心しました。主人公の選択もさほど偏っていなくて、いろんな主人公でプレイしてくれていたので、うれしかったです。

髙橋氏:前作はかなり早い段階で最初の体験版を出したのですが、今回は発売直前の一本勝負みたいな形で、このタイミングまでプレイしてもらっての反応を見られなかったんです。今回が初めてで、ずっとソワソワしていただけにホッとしました。

西木氏:僕はけっこう頻繁にエゴサとかしているのですが(笑)、「II」の音楽がかなり期待されているのを感じていましたし、期待通りだとも言ってもらっています。もちろん、ネガティブな声もあったりしますけど、そうした意見も含めて皆さんからのフィードバックを拝見させてもらっています。

――なぜ、今回は発売直前の配信になったのでしょうか。

髙橋氏:新しいタイトルや、新しいジャンルのものは早いタイミングで皆さんの意見を聞きたいというのがあるのと、特に新しいハードで出す場合、触り心地なども知りたかったりするので1作目は早い段階で配信させてもらいました。ですが、「オクトパストラベラーII」は1作目の正統進化という位置づけで作ったので、実際にプレイするのを最大の楽しみに取っておいて欲しいという考えから今回は発売直前までお待たせしてしまいました。

――なるほど、わかりました。それでは改めまして、まず本作「オクトパストラベラーII」の制作が決定した経緯から聞かせてください。

髙橋氏:おかげさまで前作は大変反響が大きく、たくさんの応援のお言葉をいただきました。そうした後押しもあって、次回作の話は前作が出てすぐの時点でもう出ていました。

宮内氏:CEDECでの講演(※1)などもあったので、前作の開発が終わったあとも髙橋さんたちとやり取りしていまして、普通に「次、どうしましょう」みたいな話はしていましたね。

※1:宮内氏は2018年12月に開催されたCEDEC+KYUSHU 2018にて、前作「オクトパストラベラー」をテーマにセッションを行った。

――その時点で西木さんもオファーを受けていたのでしょうか。

西木氏:そうですね。早い段階で次回もよろしくと言われていましたが、そこからけっこう長い時間が……2年ぐらい空いたんですかね。その間はおふたりが頑張って作られていて、僕は音楽がキックオフできるのを楽しみに待っていました。

――サウンドは前作でもファンの評価が特に高かった部分のひとつだと思うのですが、やりがいとプレッシャーどちらが大きかったですか。

西木氏:プレッシャーが100です(キッパリ)。前作で最善を尽くして空っぽの状態だったので、「どんな新しいことができるだろうか」といろいろ考えましたね。宮内さんと大阪のコラボカフェにゲスト出演することになって一緒に行ったのですが、その道中でも「音楽的に何か面白いことができないかな」みたいなことを話したりしていました。

一新された世界、密度の上がった映像、そして昼夜の切り替えの導入

――ゲームの舞台を前作の「オルステラ」から「ソリスティア」に変えた理由を教えてもらえますか。

髙橋氏:このゲームは「旅」を楽しんでいただきたいものですので。知った場所をもう一度歩くのではなくて、この先どうなっているんだろうと思いながらワクワクしてほしかったので、まったく新しい世界にしました。

前作発売から5年経ちますし、このゲームはクリアまで60~70時間くらいかかるので「まずは1作目からやってね」となるとハードルも上がってしまいます。「II」からでもちゃんと楽しめるものじゃないといけないという考えもあって、前作とお話のつながりのない新しい世界がいいだろうということになりました。また、オルステラを舞台にした場合、スマホ版の「大陸の覇者」と、どのタイミングでどうすり合わせるのかという問題もありました。

宮内氏:でも、最初の最初はまだ悩んでいたように思いますね。

髙橋氏:そうですね。「II」で行くのか、「オクトパス○○○○○」みたいな別の名前にするのか、なんて話もしていました。

宮内氏:なので、絶対に別の世界の話にすると最初から決まっていたわけではないですが、いろいろ決めていく中で、やっぱり新しい世界の方が作り手側としてもいいし、ユーザーにも伝わりやすいよねとなりました。

――本作の最大の特徴となっているHD-2Dの映像ですが、かなり強化されていると感じました。今回の映像を制作するにあたって特に意識したことは何でしょう。

宮内氏:どの景色をスクショで撮っても一枚のドット絵と錯覚するような、美しさが連続している世界を作りたかったので、そのためにすべての絵の密度を上げています。キャラクターの等身も高くなっていて、それに合わせて背景のスケール感も変わっていますし、相対的にドットも細かいサイズになっていたりと凝縮した絵作りを意識しました。

――引きの絵のときに遠景がぼやけていて、それでいてしっかり描き込まれていたりと、ドット絵なのにすごく立体感が感じられる映像になっていますよね。

宮内氏:確かに、遠景や高低差の見せ方もこだわったポイントですね。立体感でいうとカメラの角度もけっこうこだわっています。密度の高い世界を作ったことによって、多少カメラの角度を変えても耐えうる絵になったので、それを積極的に活用していこうということになりました。

――カメラワークというと、戦闘でフルブーストしたときにキャラクターの背後にカメラが回り込む映像もダイナミックで驚かされました。あの演出を入れた理由は何でしょう。

宮内氏:戦闘って敵をブレイクしてブーストして一撃を叩き込むみたいな感じで、同じようなシーンの繰り返しになってしまいがちなんです。もう少し戦闘をドラマチックに見せられないかというのがあって、ああいった演出を入れてみることにしました。かなり初期の段階でサンプルを作って髙橋さんにもお見せしましたよね。

――髙橋さんはこのシーンをご覧になったとき、どのような印象を持たれましたか。

髙橋氏:「これは新作じゃん!」と(笑)。今までになかった動きでHD-2Dの進化を感じましたね。細かいところなのでことさらアピールするものでも無いのですが、今回は敵もちゃんと動きますし、武器によってグラフィックも変わりますし、バトルのモーションもリッチになっています。「前作でやり残したことを全部やる」というのがコンセプトのひとつで、見てほしいポイントが本当にたくさんあるので、いろんな進化を楽しんでもらえたらと思います。

――今作では昼夜が自由に切り替えられるようになっていて、主人公たちがそれぞれ昼と夜2種類のフィールドコマンドを使えるようになっています。このシステムを導入しようと思い立った理由を聞かせてください。

宮内氏:密度の高い絵作りをするなかで、時間の変化でも美しくなっていくというのをマップ上で見せられないかと思ったんです。ただ、時間の経過を待つというのはストレスになったりするので、だったらいっそワンボタンで自由に切り替えられるようにしたらいいのではないか、そのほうが楽しくプレイできるんじゃないかと考えて提案させていただきました。

髙橋氏:昼と夜の存在自体はRPGによくあるものですが、それをワンボタンでいつでも即座に切り替えられるところが本作の一番の特徴かなと思っています。

――夕日の映像などもかなり作り込まれていますよね。昼夜を自分で切り替えながらプレイしていると見落としてしまいそうな部分だけに、開発陣のこだわりを感じました。

宮内氏:夜だけでなく朝や夕方の時間も作りたかったんですけど、さすがに時間帯が4つあるのはくどいですからね。ただ、見せたい景色ではあるので、放っておくと夕日の映像になって「キレイだな~」と思ってもらえたら、みたいな感じで安易に開発メンバーにお願いしました。結果的に作業がかなり増えちゃいましたけど(笑)。

でも、実装して良かったなと思っています。自然のキレイさって、ふとした瞬間に気付くことが多いじゃないですか。そういう感覚も入れていきたいというのが夕方や朝方の映像には含まれていますね。

――西木さんにお聞きしたいのですが、昼夜を切り替えたときに映像だけではなくサウンドも変化します。ワンボタンでの操作に対応してスムーズにサウンドが切り替わるようにするのは大変だったと、ご自身の配信でも述べられていましたよね。

西木氏:そうなんです、夜のアレンジは静けさを表現する為に昼に比べて穏やかなものにしないといけないので、必然的にテンポを少しだけ下げたいなという曲がどうしても出て来てしまいます。しかし、そうすると昼と夜とで折角小節数を揃えても、テンポが遅くなった分曲の長さが変わってしまうので、それをいかにスムーズに繋がるようにするのか。音楽の実装を担当していただいたアクワイアの田崎(寿子)さんとも綿密に相談して、どのぐらいのテンポの変化だったら大丈夫か、いろいろテストしました。ですから、どの曲もきれいに切り替えられるようにするのは、かなり難儀しましたね。

時間が経過して夕方になると、夕日に照らされて周囲が赤みを帯びた光景に変化する。

キャラクターたちの個性を際立たせ、戦闘にドラマをもたらす能力の数々

――主人公たちの新たな能力として導入された「底力」と「EXアビリティ」についてお聞かせ願いますか。

宮内氏:主人公側に「これが使えたから勝利できた」みたいなシステムが欲しくて、そこから「底力」というものが生まれました。先ほども少しお話ししたように、戦闘って流れがある程度できてしまって単調になったりするんです。でも、底力はゲージをためる必要があって、決まったタイミングで必ず使えるものではありませんから戦闘にドラマが生まれるんじゃないかと思ったんです。

「EXアビリティ」に関しては、各キャラクターの個性をもう少し出したいというのが一番の理由です。この主人公だけしか使えないアビリティがあるといいなというのは、1作目のときから思っていたんですね。「底力」も主人公ごとに違う能力になっているので、キャラクターの個性はさらに強くなったんじゃないかなと思います。

――「底力」の能力もキャラクターに合うように考えられたわけですか。

宮内氏:単純に戦闘で便利というだけではなく、キャラクターに即したものがいいよねという話は髙橋さんともしていましたね。「このキャラって、こういうことをやりそうだな」とか「やってもらいたいな」とか。いずれも、そういうところに紐付いたものにしています。

――固有アクションもキャラクターの個性を表す能力のひとつですが、個人的にはオーシュットの「捕獲」が、自動捕獲機能が付いたりしてかなり便利になっていたという印象があります。

宮内氏:前作の「捕獲」もいろいろバランスを考えてのものでしたが(※2)、それってプレイヤーにはあまり関係ないですし、むしろ汎用性を高くして、もっといっぱい使ってもらった方がいいよなと思ったんです。自動捕獲を入れたのもスクウェア・エニックスさんのテストプレイがきっかけですし。

※2:前作の「捕獲」には自動捕獲がなく、「けしかける」で呼び出せる回数も魔物ごとに決まっていた。

髙橋氏:いったんゲームとして形になったあと、ブラッシュアップのために大人数に遊んでもらって、使いにくいジョブや能力などはないか調査して調整するための時間を取っているんですが、そのときに「捕獲」が使いにくいという意見が出てきたんです。

その時点での「捕獲」はまだ1作目と同じ仕様で、前作の中ではバランスが取れていたんだと思います。でも、今作で新しく追加された要素やジョブの調整もたくさんあって、例えばヒカリの「覚えた技」などに比べるとちょっと、みたいな意見がけっこうあったんです。そこで、もうちょっと使いやすくするにはどうしたらいいか宮内さんと相談して、いろいろアイデアを出してもらって現在の形になりました。

――そのほかの固有アクションもかなり能力が改変されていますよね。

宮内氏:それらの能力もキャラクターに即したものにしようということで、いろいろ調整していった結果というのが強いですね。

髙橋氏:前作でいうと剣士オルベリクは屈強な戦士で、ガタイがよくてみんなを守る盾みたいであったことから、防御力をアップして味方をかばう「防御ブースト」が固有アクションになりました。でも、今作のヒカリはどちらかと言うと小柄で、力よりも技で勝負みたいな感じの剣士ですからね。「防御ブースト」だとイメージと違うので、いろんな人と試合をして青魔法みたいにアビリティをラーニングできる「覚えた技」になったわけです。

前作の商人トレサの「歩いてリーフ(※3)」もトレサは歩いていて「いいもの拾ったー!」みたいなことをやりそうじゃないですか。でも、今作のパルテティオは人と人をつなぐビジネス的なことが得意なキャラクターだと思うので、だったら「一緒に商売」がパルテティオらしいかな、みたいな感じです。

※3:前作の主人公のひとりであるトレサの固有アビリティで、一定距離を移動するごとにお金を入手することができた。

――「歩いてリーフ」は便利すぎてカットされたのかと邪推していたのですが、そういうわけではないんですね。

宮内氏:便利すぎるという理由で抑えたものはないですね。パーティを組むときに、そのキャラクターになりきって旅をしてもらいたかったので、キャラクターに合わせることを優先事項として考えていました。

そもそも、このゲームはある程度ズルをしてもいい設計になっています。かなり低確率だったら便利すぎるものがあってもいいかな、くらいのユルい認識でまず作って、テストプレイで調整していきました。テストプレイヤーの方々がすごく優秀だったので、ダメなものはそこで大体潰せると思ってやっていましたね。

「弱体化しない」を前提にジョブのアビリティ、サポートアビリティを決定

――ジョブについてですが、剣士、学者、商人といったベースジョブは前作と同じ名称になっています。一方で伝承ジョブは名称から完全に一新されていますが、この理由を教えてもらえますか。

宮内氏:ベースジョブが同じなのはプレイヤーが混乱しないようにするためです。続編なのに前作で培った知識が使えないというのは、ちょっと違うよねというのもあって種類はそのままでいこうと髙橋さんとも話していました。

髙橋氏:前作の剣士、踊子、神官などはファンタジーRPGの王道の職業なので、そうしたものを8個また考えるとなると、騎士とか吟遊詩人みたいなちょっと奇をてらった職業ばかりになってしまいそうで。初めてプレイする人が「なんでこんな特殊な職業なの?」みたいに受け取られてしまうのは、それはよくないなと。前作をプレイした人がもちろん楽しめつつも、初めての人も混乱しないようにという考えからベースジョブは同じにしようと早い段階で決めていました。

宮内氏:ただ、ゲームの後半になると初めてプレイする人も慣れてきますよね。だったら中盤~後半からは遊び心地を少し変えてあげた方がいいかなと思って伝承ジョブはすべて新しくしました。

――ジョブの数は前作と同じ12種類ですが、もっと増やすという考えはなかったのでしょうか。

宮内氏:多分、自分たちとしては12種類がバランスを取る限界なのかなと思います。新しいものを増やしすぎると、覚えることも多くなりすぎてイヤなゲームになってしまうんですよね。また、いらないアビリティが出てくるのを避けたいというのもあって、今の形でまとめました。

――主人公たちのテーマ曲はキャラクターの個性に合わせて作られたと思うのですが、ジョブの要素も反映されていたりしますか。

西木氏:そのジョブが持っている特徴といいますか、たとえば剣士であれば力強さ、盗賊であればダーティさみたいなものは音楽的にも表しています。

じゃあ、前作の剣士オルベリクと今作のヒカリをどう差別化するか。先ほどもヒカリはちょっと小柄という話が出ていましたが、彼の自国への思いみたいなものはオルベリクと共通する部分があると思っていて、そうしたヒカリの秘めたる闘志みたいなものを剣士の持つ力強さとして音楽でも表しています。ただ、一方で物悲しさといいますか、将来を憂いているヒカリの感情みたいなものも込めていたりします。

あと、ヒカリがアジアっぽい世界観を表現しているキャラクターなので、ちょっとアジアっぽい楽器を入れてみようとかですね。それぞれが持つベースジョブのイメージを大事にしつつ、そのキャラクターの旅にかける思いみたいなものも表現するように意識しました。

――その作業を8人分ですから、かなり大変だったでしょうね。

西木氏:そうですね、前作もキャラクターのテーマの作成には時間がかかったんですけど、「II」もけっこう作り直したので同じぐらいかかっています。

――ジョブシステムの話に戻りますが、アビリティやサポートアビリティの能力を決めていく際、特に気を使ったことは何でしょう。

宮内氏:効果を落とさざるを得なかったものも一部ありますが、基本的に弱体化はしないという前提でやっていました。効果を落としてバランスを取るのは簡単ですが、そうすると全部が弱くなってしまいがちなんです。ですから、むしろ戦略性が広がるものを増やすとか、前作では思ったより使われなかったものを調整するとか、よりプレイヤーに楽しんでもらうことを意識していました。

もちろん、すべてのサポートアビリティが並列で便利というわけではないですが、基本的に序盤・中盤・終盤で、それぞれ役に立つようにという考えでアイデアを出しつつ、とはいえ終盤になったらもう完全にいらない、となるようなものは削ったりしました。あと、そのアビリティばかり使われてしまうというのも気にしていた部分で、戦略の固定化が起きるものはアビリティもサポートアビリティも直すという指針にしていました。

髙橋氏:そのあたりはテストプレイでもよく見ていた部分で、みんなが「これさえあればいいじゃん」みたいに使用が偏っているものは修正の対象になっていたと思います。逆に使われ方がバラけていたら、そこそこ強いなと思っていたものでもオーケーにしていました。

宮内氏:前作でもそうだったんですが、薬師の「調合」などは評価が真っ二つでした。もっと強力にしたほうがいいという人もいれば、便利すぎるから大幅に弱体化したほうがいいという人もいて、これはこれでバランスが取れているから大丈夫だなとなりましたね。

――そこまで極端に意見が分かれるなら、それもそれでアリだと。

宮内氏:それはもう全然アリだと思います。

――商人の「いきなり底力MAX」など、一定以上育てるとザコ戦で有利に戦えるようになるといいますか、キャラクターのレベリングが簡単になる能力が増えたなとも感じたのですが、そのあたりはどうでしょう。

宮内氏:おっしゃるとおりです。戦闘開始時に底力ゲージがマックスになっていればザコ戦で有利になりますが、ボス戦ではそこまでではないですよね。もちろん、レベルアップ用の物ですよとは言っていませんけど、その意図で用意した能力のひとつですね。

ドット絵で展開されるストーリーがプレイヤーの想像の余地を生み出す

――キャラクターの設定でこだわった部分はどこになりますか。

髙橋氏:その前段の話になるのですが、前作では中世ヨーロッパの地中海沿岸みたいな、わりと狭い範囲で展開される物語をあえて選択したんです。でも、本作はもっといろんな風景を楽しめる広い世界、新しい時代みたいなものをテーマにしていて、そうした世界の広がりを意識していました。

主人公である8人も同様で、獣人という新しい種族のキャラクター、東洋風のキャラクター、新しい時代を感じられるキャラクターなど、今回のテーマや世界観に沿ったキャラクターを描こうと一番に心掛けました。ですから、まず世界の枠組みを決めて、そこからキャラクターを詰めていった感じですね。

――確かに、今作は産業革命を思わせる時代感の場所もあれば、ク国のようなオリエンタルな国もあるなど、各地方の個性がより際立っていたように思います。

宮内氏:前作と同じ景色で映像がキレイになっているだけでは、小さいスクリーンショットで見るとドット絵だけに違いがわかりにくいんです。ですから、スケール感を大きくして大陸からも離れられるようにしたり、わかりやすく時代感を先に進めたりするのは必須だよね、と髙橋さんとも話していました。

――今作のストーリーですが、ソローネ編やオズバルド編のようなダークなものもあれば、パルテティオ編やアグネア編のような明るく痛快なものあって、前作よりも物語の幅が広がっているように思います。ストーリーの内容についてシナリオ担当の普津澤画乃新さんと、どのように詰めていかれたのでしょうか。

髙橋氏:今作では8人の旅を体験できるものにしよう。みんな同じ旅ではなくて別々の体験ができる。これをゲーム的にもシナリオ的にも達成しようというのがまずありました。

ですから、前作と違いストーリーの数もキャラクターによって異なりますし、どの章からでも順不同で進められるキャラクターもいるなど、構成の部分でもいろいろ味付けをしています。で、ダークなお話はこのキャラとこのキャラ、明るいお話はこのキャラとこのキャラといったことを規定して、全体のバランスを取りながら普津澤さんに書き進めてもらいました。

――ただ、復讐に血道を上げているオズバルドが、明朗なアグネアと彼女のストーリーで一緒に行動していると、「そんなことをしている場合か」みたいに思われてしまうといった難しさもあったと思うのですが、その点についてはどうお考えでしたか。

髙橋氏:ずるい言い方かもしれませんが、そこについてはプレイヤーの想像に委ねている部分があります。きっとオズバルドはアグネアと会ったときにこう思って、だからこういう風に行動しているんだろう、みたいなものは、自分の中にもありますし、宮内さんの中にもあるでしょうし、普津澤さんの中にもあると思います。それをシナリオとして描いて正解とすることもできますが、そこはそれぞれの想像に任せたいなと。特に、やることや学ぶことの多い序盤において、ややテンポを阻害してでも全部シナリオに落とし込むべきではないかなという判断がありました。

――ユーザー側が想像できる余地を残しておこうと。

髙橋氏:ドット絵ならではという部分もあるでしょうね。CGで描かれた等身が高くてリアリティのあるキャラクターだったら、「もうちょっと会話してよ」という違和感はより強くなると思います。でも、ドット絵のキャラクターなら「こういう会話があったんだろうな(あったらいいな)」みたいなことをプレイヤーの側で補完しながら進めていけるのではないかと思います。

――HD-2Dという映像の利点ですね。

髙橋氏:まさにフィールドコマンドなどもそうです。突然街の人とバトルしたり、アイテムを盗みまくったりっていうのが成立するのもドット絵の表現だからこそですよね(笑)。

――ふたりのキャラクターが主人公になるクロスストーリーの存在も本作の特徴のひとつですが、なぜこの要素を入れようと思われたのでしょうか。

宮内氏:キャラクター同士が絡む話をもっと見たいという要望が多く、何かしらそういった仕組みを入れたいとは思っていました。

ゲームの都合上、必要になったというのもあります。ネタバレになるので、あまり具体的なことは言えないですが、8人の冒険を進めている傍らで最終章に向かっていくお話を1本作りたかったんです。最終章に徐々に近づいていくためのストーリーで、だったらクロスストーリーという形にしたら面白いんじゃないかと。ですから、クロスストーリーと最終章は合わせて9本目のシナリオみたいな認識で作っていました。

――ストーリーの進行度が確認できる「旅の記録」で、クロスストーリーと最終章は「エクストラストーリー」という同じカテゴリーになっていましたが、これらはひとつのまとまったストーリーという位置づけだったわけですね。

宮内氏:おっしゃる通りで、そこが一番わかりやすい見え方になっているかなと思います。

――ちなみに、クロスストーリーのキャラクターの組み合わせは、どのようにして決まったのでしょうか。

髙橋氏:もう記憶があいまいなんですけど、全部が男女の組み合わせだと公式カップルみたいに見えてよくないとか、いろいろな要素を考慮した結果、最終的に1章の発生する場所が近いふたりにした、みたいな流れだったような気がします。

宮内氏:序盤で同じパーティになりやすいとか、いろんなメリットがあって今の組み合わせにしたと思います。パルテティオとオズバルドはけっこう遠かったりするんですけどね。

――では、パルテティオに「商売の匂い」という独自のストーリーが追加された理由は何でしょう。

宮内氏:パルテティオはシンプルな4章構成のキャラクターなので、特徴付けとしてその4章とは別に、商売を開拓していくというパルテティオ独自のお話を入れるのが彼に合っているだろうということで提案させてもらいました。

たとえばソローネで言えば“ファーザー”と“マザー”のどちらから殺しにいくのか自由で、そうしたところがソローネ編の特徴になっていますが、それと同じです。主人公それぞれに特徴を設けた結果で、パルテティオだけが特殊なわけではありません。

――最終章についてですが、今作では各キャラクターのストーリーにもそれぞれ伏線があり、最終章で明らかになっていくという流れになっています。こうした形にするのは最初から決まっていたのでしょうか。

宮内氏:これもクロスストーリーのコンセプトと同じで、主人公同士が一緒になって何かをするものをストーリーとして入れたいというのが強かったんです。

髙橋氏:まだ攻略中の方も多いと思いますのでボンヤリしたことしか言えないのですが、こういうことをシナリオに組み込んでバラまいておこう、最終的にこうしようといったようなものはビジョンとして最初からありました。

サウンドをアップデートするための西木氏と宮内氏の妥協なき取り組み

――今作のサウンドについてですが、前作とアプローチの仕方を変えた部分はありましたか。

西木氏:基本的には前作のフォーマットを踏襲しようと思っていました。前作で良いと思ってもらえたところはどこだったのか分析して、そこは変えずにアップデートするにはどうしたらよいか。先ほどおふたりがビジュアル面をアップデートするため、いろいろ細かい部分でブラッシュアップされたと話されていましたが、じゃあ音楽の方ではどういうことができるかというところで、いろいろ考えましたね。

映像をアップデートするにあたってHD-2Dの情報量を増やす試みをしたというお話があったと思うんですけど、音楽もそれに合わせてちょっとだけ広い空間を感じられるものになるように意識をしました。昼夜切り替えの仕様に合わせることで曲数もシンプルに増えています。また、8人それぞれのテーマを使った楽曲を……これはまだ言わない方がいいのかな(笑)。そういった「オクトパストラベラー」らしいやり方で音楽もアップデートできるように、いろんな細かいチャレンジをしています。

――制作の過程で開発陣とさまざまなやり取りがあったと思いますが、印象に残っている出来事はありますか?

西木氏:今回は宮内さんとかなり綿密にやり取りできたことが大きかったのかなと思っています。いろいろなところで話していますが、前作ではすべての制作が終わったあとの東京ゲームショウで初めて宮内さんと顔合わせしたんです。曲を作っている段階では、お互いのことをまったく知らなかったのですが、「II」ではアタマから宮内さんと一曲一曲について、いろいろ話し合いながら進められました。

――宮内さんは西木さんとのやり取りの際、どういったことを意識されていましたか。

宮内氏:変えること自体はウェルカムですけど、変えすぎて「オクトパス」のサウンドじゃないものになるのが怖かったというのはあります。たとえば、パルテティオのメインテーマはギターサウンドが入っていたりして、自分としてはすごくいいなと思っているんですが、「オクトパス」の音楽として求めているものになっているかどうか。そういった変える幅といいますか、西木さんがちゃんと狙ったバランスなのか、その確認が多かったような気がします。

西木氏:宮内さんはすごくフラットな意見をくださる方なんです。僕はいいと思うけどユーザーがどう思うかはわかりません、とか。それは音楽を作る上で非常に大事な部分で、自分ではいいと思うけどユーザーがどう思うか――この温度差を感じるのはすごく難しいんです。

ときには取っ組み合いまではいきませんけど、お互いにかなり険悪になるくらいのこともあったりしましたよ(笑)。でも、それは互いにゲームを良くしたいという気持ちが強くて、譲れない部分があっての言い争いですから、それもポジティブな形でゲームに反映できていたと思います。

――音楽についてのやり取りは髙橋さんが間に入ってバランスを取ったりしていたのでしょうか。

髙橋氏:今作では宮内さんと西木さんとの間で細かくやり取りされた上で、「こうなったんですけど、どうですか?」みたいな感じで、あとから自分のところに上がってくることが多かったのですが、自分は「すごくいいじゃないですか」としか言っていなかったような気がします。おふたりでそれだけ話し合ってできたものなら、もう何も言うことはないですよ、ということが多かったですね。

もちろん、おふたりの間で煮詰まってしまってAもBもいいんだけど決められない、みたいなこともありました。そういうときは自分の好みでAにすることもあれば、「西木さんはBと言ってほしいんだろうな」というのを汲んでBにすることもあったかなと思います(笑)。

――では、宮内さんと西木さんとの間でいろいろディスカッションして、リテイクもあったりするけれども、そこで決まったらほぼ確定みたいな流れですか。

宮内氏:リテイク出してもそんなに直してくれないですけどね(一同笑)。

西木氏:そんなことはないでしょう(苦笑)。ただ、曲を作っていると、その曲への思い入れってどんどん強くなっていくんですよね。でも、それをラブレターのようにしたためてですね。この曲はこうこうこういう思いでこだわって作ったんです、みたいなことをしても、その時はOKが取れるかもしれませんが、ゲームがリリースされた時に結果的にお客さんにあまり好意的に受け止めてもらえないことが多いです。

プレイされる方にその曲を僕の文章込みでお伝えすることはできないですからね。やっぱり曲を聞いたときの第一印象がすべてだと思うので、まずは聞いていただいて真摯なご意見をくださいと。その意見を受け止めた上で、どうしても譲れない部分があるときは、そこはこういう要素なので別にぶつからないですよねとか、こういう風に捉えることもできますよとか、他の部分でバランス取るのでここは許してください、みたいなことはあったかもしれないです。でも、なるべく素直に受け止めるようにしています。

宮内氏:西木さんは前作からやってくれていることもあって、求められているサウンドの比率みたいなものも理解されているので、大きく意識がズレていることはなかったです。また、本当にズレているときは「シナリオ上、ここまで暗いテンションではないです」とか、ちゃんと説明すれば、すぐに理解してくれます。西木さんが言われた喧々諤々というのも、だいたいはスケジュールの問題で曲のことで争ったことはほとんどなかったですよ。

――前作でも好評だった各キャラクターのテーマ曲から戦闘曲への移行、いわゆるバトルエクステンドですけど、今回も苦労がありましたか。

西木氏:スマホ版の「大陸の覇者」でも大量のバトルエクステンドを作ったので、だいぶ僕の中でこなれてきた感があります。キャラクターのテーマをどのようにバトルエクステンドにしたら演出として効果的かという部分での自信がついてきたので、今作のバトルエクステンドも気に入ってもらえるんじゃないかなと思っています。

――ご自身の配信では、そのひとつ手前のキャラクターのテーマ曲がかかり始める部分もかなりこだわったと話されていましたが。

西木氏:曲を納品したあと、それらがどのようにゲームの中で使われているのか全部確認させてもらいましたから。1作目は曲を納品したら、次にプレイするのはユーザーの人たちと同じくらいのタイミングだったんですけど、今回はおふたりとの関係性がより深いものになっていたので、ちょっと見てみたいと頼んだんです。

それを言ったら全部プレイしなきゃならなくなるリスクもあって、最初は迷ったんですけどね(笑)。案の定、やるなら全部やってくださいみたいな感じで宮内さんからロムが送られてきまして。デバッグコマンドなども教えてもらって、主要なイベントは全部チェックしました。で、この部分はこっちの音楽の方がいいかもとか、この音楽がかかり始めるタイミングはこっちで、みたいなことを全部列挙させていただきました。

宮内氏:曲を作った本人にしかわからないこともあったりするんですよね。ですから、これで本当にきれいに切り替わっているのか、それとももうちょっときれいにできるのか、みたいなことは最後までお話しさせていただきました。自分がちょっと違和感を持ったところについて西木さんに相談したら、もう少しきれいに(曲を)鳴らせるかもみたいなこともあったりしたので、やってよかったなと思いますね。

――ちなみに、髙橋さんと宮内さんが特に気に入っている曲はありますか。

髙橋氏:この話題が出るたびにコロコロ変わっていて浮気性と思われるかもしれないですけど、「今」一番繰り返し聞いているのは砂漠のフィールド曲である「ヒノエウマ地方」です。前作の砂漠のフィールド曲もすごいメロディアスで大好きだったんです。あの地方に伝わる古い歌を曲にしているんじゃないか、じつは歌詞が付いているんじゃないか、みたいな想像を勝手にしていたんですが、この曲でも同じようなことをいろいろ想像して楽しんでいます。

宮内氏:好きな曲はいっぱいあるんですけど、ひとつ挙げるなら西木さんの配信の中でも話した「背中を押して」ですね。西木さんから「ラフを上げるから使いどころがあったら教えて」みたいな感じで上がってきた曲なんですが、その時点で「何に使うかわからないけど、とにかく完成まで持っていって!」と、お願いしました。それぐらいお気に入りです。

――「背中を押して」はグッとくる場面で使われていますが、理由がわかった気がします。

本作の「オリジナルサウンドトラック」も発売中。
公式サイトで髙橋氏と宮内氏が推した曲のサンプルを聴くことができるのでチェックしてみよう。

――それでは最後に現在プレイ中、もしくはこれからプレイするであろうファンに向けて一言ずつお願いできますか。

西木氏:前作でファンの皆さんがよいと思ってくれたものを極力残しながら、さらに全力でブラッシュアップできたと自信を持って言うことができますので、皆さんに楽しんでいただければと思っています。

宮内氏:このゲームの見所を聞かれたら、自信を持って「全部」と言えるぐらい制作に打ち込むことができたタイトルです。開発のメインメンバーはほとんどが前作からの続投で、みんな「オクトパストラベラー」シリーズのファンでもあります。本当に皆さんが楽しめるように細部まで作り込むことができたので、細かいところも含めて楽しんでいただけたらと思います。

髙橋氏:1作目と同じメンバーで新作を作れることって、ありそうで実はあまりないありがたいことかなと思うんです。ですから、西木さんや宮内さんも含めた前作とほぼ同じメインメンバーで作れたことが、今回の「オクトパストラベラーII」のクオリティに繋がっている部分は大きいと思っています。本当に「オクトパストラベラー」を大好きな人たちが全力で作ったゲームですので、1作目が好きだった方も、そのときはまだ知らなかったという方もお手に取ってもらえるとうれしいです。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

オクトパストラベラーII

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Picross -LogiartGrimoire-
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UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも
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