カプコンから2023年3月24日発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「バイオハザード RE:4」(以下、「バイオRE:4」)のレビューをお届けする。

目次
  1. 恐怖の表現に際限がない、これが現代の「バイオハザード」
  2. ナイフの使い心地、アクション不慣れな人でも手軽に楽しめる
  3. 敵を倒すために、色んな武器も使ってみよう
  4. アシュリーとふたりで進んでいくバトル
  5. アクション要素が強めな本作だが、恒例の謎解きも奥が深い

本作は、2005年に発売された「バイオハザード4」(以下、「バイオ4」)のリメイク版で、2020年に発売された前作「バイオハザード RE:3」から続く「RE」シリーズ3作目。

本稿ではその製品版をプレイしてのレビューをお届けする。なお、本稿は基本的にネタバレはないので、今回初めて「バイオ4」の物語に触れる人も、原作版「バイオ4」をプレイ済みの人も、安心してほしい。

前回のハンズオフプレビューでもさまざまなことをお伝えしたが、今回は実際に触ってみての手触りが中心となる。あらかじめお伝えしておきたいが、筆者は「バイオ」シリーズは好きだがアクションは下手である。そのため、どちらかというとアクションが苦手な人向けの内容になるかとは思うが、ご了承願いたい。

恐怖の表現に際限がない、これが現代の「バイオハザード」

まず「バイオ」といえば、ホラー要素。どこでどのような出来事が起こるかについてはもちろん一切触れないが、原作を知っている人でも新たな恐怖体験を味わえるということだけは強く言える。

ベースは原作の「バイオ4」だが、細かいところでかなり現代風のサバイバルホラーへと変貌を遂げている。原作に忠実で、「そうそう、こうだったよね!」と頷いてしまうところもありつつ、思わずビクっとしてしまう恐怖演出は”今風”といったところで、古臭さを全く感じさせない。ただ「懐かしい」と感じるリメイクではなく、本作から新たに「バイオ4」の世界観へと踏み込む人は、完全な新作として本作を楽しむことができる。

その恐怖演出にひと役ふた役買っているのが、効果音、光、そしてBGMだ。効果音についてはガナードのうめき声はもちろんのこと、足音ひとつ、血の音、風の音、グチャっとした肉を踏み潰したような不快感のある音……他にも効果音は山のようにあるが、それら全てがプレイヤーの緊張感を高めていると言っても過言ではない。

次の光については、やはりハードの性能が高まったことによるものと言えるだろう。真っ暗で何も見えない場所では、レオンがライトの光を頼りに進むことになるが、光量の加減が「見えそうで見えない、見えなさそうで見える」という絶妙さを生んでいる。他にも薄暗い照明、炎を中心とした暖色系の揺らぐ光、夜の闇、閑村らしい淀んだ湿り気のある光……などなど、本作の光量のバランスには常にドキドキハラハラさせられた。

BGMについては言うまでもない。「ここで盛り上がってほしい!」というタイミングはもちろんのこと、環境音のようにも感じられる冷たい空気感のある音楽、まるで肌を撫でていくかのような不快感すら感じさせる音楽、さまざまな音楽がプレイヤーの気持ちを盛り上げる。

実際、「バイオ4」についてはわかっている筆者でも、プレイ中はラストまで緊張感がほぼ和らぐことがなかった。この恐怖はやはり「バイオハザード」でしか味わえないと、ひしひしと感じる。ちなみに一応心が和らいだ場面に触れておくと、絶対安全地域な武器商人の配置箇所と、レオンの多彩なボイスである。

レオンのボイスについてはここで少々触れておきたいのだが、レオンは自身の状況次第でさまざまなセリフを口にする。さすがに10時間以上プレイしていれば同じセリフを数回聞くくらいは普通にあるのだが、その多様さはなかなかのものである。プレイヤー自身に楽しんでほしいため、ここではあえて具体的なセリフについては紹介しないが、驚愕からボヤキのようなセリフまであるので、楽しみにしていてほしい。なお、筆者がプレイ中に思わず和んだのは、言うまでもなくボヤキのセリフである。

ガナードが寄生体になった時のボイスなどもあり。

そんなセリフの多さひとつとっても、やはり「ハードの性能面からの向上」はひしひしと感じられる。現代風に生まれ変わった本作から感じさせられるのは、「恐怖演出には、まだまだ際限がない」ということだろう。よりリアルになった映像だからこその恐怖。より身近に感じられるようになった恐怖。これぞ“いま”の「バイオハザード」である。

ナイフの使い心地、アクション不慣れな人でも手軽に楽しめる

さて、前回の記事でお伝えした本作のナイフの使い方の多様性についてだが、これは実際アクションが下手な筆者でも非常に良く感じられた。

本作のナイフには耐久度があるのだが、アクションが下手でも敵に掴まれた時の脱出に使用したりあと少しまで追い込んだ敵へのトドメに使ったりなんだりと、意外と耐久度が減っていく。減った耐久度は武器商人のところで修復が可能で、なんだかんだと稼いだお金はこの修復費用に充てられていくこととなる。

また、本作は原作に比べて早い段階でボディアーマーが手に入るのだが、このボディアーマーも、筆者の場合常に修復に追われているような状態だった。

ナイフは敵のさまざまな攻撃のパリィにも使えるとのことだったが、実際にはパリィに使う余裕はほとんどなかった。これは、銃などでの攻撃に必死すぎて、そこまで頭が回らなかったという、筆者の余裕のなさからだったのだが、そんな筆者でも唯一と言っていいほど気持ちよくナイフでのパリィを決められまくった場面がある。それはナイフでのバトルが中心となるクラウザー戦だ。ここでは面白いくらいにナイフのパリィが決まり、実際のところナイフのパリィについては結構入力時間に猶予があるというのは事実のようだ。少なくともナイフ攻撃を連打をしているだけでも、いい感じに弾いてくれる。

もちろん、筆者のことなので一度パリィに失敗するとあっという間にクラウザーに連撃を入れられてしまうのだが、アクションが上手い人ならば相当うまく捌けて、爽快感を味わえるのではないだろうか。

ナイフ同士の戦いとなるクラウザー戦。

もうひとつ、ナイフが活躍したのは、しゃがみ状態(ステルス状態)で足音をたてずにそっと敵に背後から近づき、ステルス攻撃で敵を即死させるというもの。同じ場所を徘徊している系の敵も、背後を取れるまで待ってから忍び寄りブスっと即死させられるので、筆者のようなアクションが下手なユーザーには非常に有り難かった。もちろん、普通に銃で倒したほうが明らかに早いのだが、弾数の節約はもちろんのこと、敵が団子になって襲ってくると慌ててしまうプレイヤーにはぜひ有効活用してほしいのが、ステルスだ。

ちなみに筆者程度の腕前でもナイフの耐久力がゴリゴリ減っていくのだが、ナイフにはいわゆる「使い捨て」のものがあり、そのナイフはかなりの数が手に入る。使い捨てのものは緊急脱出時に使用したりするとそのまま消えてなくなってしまうのだが、ナイフを多用する人はいくつか使い捨てナイフを持っていると安心だ。

ただ、耐久力が結構減っていくとはいえ、修理をしてくれる武器商人についてもいい頃合いの位置に配置されているので、大体は「そろそろヤバいな……」と感じるあたりで武器商人に出会うことができることが多かった。そのため実際にはナイフが壊れたりすることはほぼなかった(悲しいことにボディアーマーは割とよく壊れた)。

使い捨てナイフについては、自身のプレイスタイルにあわせて、必要ないと感じたら捨ててしまう勇気も必要だ。なお本作にはアイテムボックスはなく、武器はストレージに預けておくことができるものの、消耗品は預けることができないので注意が必要だ。

そのため、アタッシェケースを大きくするのは何よりも大事。ショップでアタッシェケース拡充を見つけたら、どんなに他の武器が欲しくても、まずアイテムボックスを拡充することにあてたい。特に、武器がアタッシェケースの中でかなりの大きさを占有する。さまざまな武器を使いこなすのが「バイオRE:4」の特徴のひとつだけに、いくつもの武器を入れられるようにしておきたい。

敵を倒すために、色んな武器も使ってみよう

原作「バイオ4」を遊んだ人ならば大体察しはついていると思うが、「バイオRE:4」は敵の数が多めである。また、以前のインタビューから本作のメインクリーチャーであるガナードの数は、原作よりも増えていることが判明している。つまり、普通にガナードをハンドガンのみで倒そうとしていくと、全然弾が足りなくなってしまう(筆者の場合、無駄撃ちも多いのだが……)。

そこで重要なのが、撃つと爆発するドラム缶などが設置されているところにうまくガナードを数体誘導してまとめて倒す、ボルトスロアーの弾頭に弾薬を設置して地雷のように使用する、ガナードが投げてくる手榴弾を撃って爆発させる、近接攻撃を使用していく、活用すべき場所でスバイパーライフルやマグナム・サブマシンガン・ショットガン・手榴弾・閃光手榴弾などさまざまな武器を使い分ける……といった戦略だ。

少々難しく感じるかもしれないが、ようは「どの場面でどの武器に切り替えるか」という戦略性の高さが「バイオ4」であり、「バイオRE:4」である。

武器は十字キーで、さっと持ち替えることができる。

もちろん、主体となるのはハンドガンである。とにかくドロップで弾を拾いやすいし、アタッシェケースでも場所をあまり取らない。ただ、そのハンドガンにもさまざまな種類がある。1周目だけでもいくつものハンドガンが店売りに出される。それぞれのハンドガンに特徴があり、どういったハンドガンを選ぶかはプレイヤー次第だ。

また、本作には改造が取り入れられている。お気に入りの武器は改造をして、威力や装填速度などの項目をカスタマイズすることができる。その中で、更にライフルやショットガンなどにもさまざまな種類が登場し、買い変えていくか、改造を重ねた武器を愛用していくかなどの選択を迫られることとなる。

ちなみに一応告げておくと、「この場面で、あったほうがいい武器」はあるが、「この場面で、ないとクリアできない武器」は存在しないと言って良い。強いて言うならばハンドガンなしでのクリアなどはやり込みの域に達すると思うので外させてもらうものの、ショットガンがないとクリアできない場面、ライフルがないとクリアできない場面……というようなものはないように感じられる。言うなれば、ハンドガン一本でのクリアも可能ではあるだろう。

とはいえ、さまざまな武器・戦略を使いこなしたうえでお気に入りを見つけ出すという原作「バイオ4」の良さはそのままに、より豊富になった戦略で敵を上手く打ち倒していけるようになった本作ならではの楽しさを、まずは感じてほしい。

本作で大きく変わった武器といえば、ボルトスロアー(旧マインスロアー)だ。原作では矢で飛ばす手榴弾というようなマインスロアーだったが、本作では少々勝手が変わっている。ボルトスロアーから打ち出される矢のようなもの自体は爆発能力はなく、ただ刺さるだけだ。しかしボルトスロアー用の火薬弾頭(マイン)を手に入れたら、その火薬をつけることで(ボルトスロアー装備時にL3ボタンでマイン装着)、着弾から地雷のように爆発させられるようになった。

爆発させるためのひと手間は増えてはいるが、本作でもボルトスロアーが活躍する場面は非常に多い。筆者は今回、マイン弾頭ばかり使用してしまったが、素の状態のボルトスロアーを上手く活用できる場面も振り返ればいくつか思い出せる。弾薬が潤沢に手に入る武器ではないが、原作からの熱烈なマインユーザには、ぜひその活用法を新たに開拓してみてほしい。

なお本作では、改造に使用した金額の大半は売却時に返還されるようになった。大量のお金が返ってくるので、気軽に武器を買ったり売ったり改造を楽しめるようになっている。活用して、さまざまな武器を買ってみてほしい。また、改造費用もケチらずにどんどん投入していってもらうと、より楽しさが味わえるだろう。

ちなみに本作にはトレジャー要素があり、トレジャーを売却すると多額のお金を得ることができる。そこかしこに張られている青い依頼書で得られる「スピネル」というアイテムで交換できる「宝の地図」でトレジャーの場所がわかるようになるので、トレード欄に宝の地図があるときは真っ先に交換したい(宝の地図はエリアごとにある)。

トレジャーとトレジャーを組み合わせて更に高額で売ることもできる。

今少し触れた青い依頼書についてはいわゆるサブクエスト的なものとなり、かなり豊富に用意されている。全てこなせば資金が潤沢になる反面、それに伴いプレイ時間も跳ね上がる。ちなみに原作にあった「青コイン」についても、本作では基本的に青の依頼書になっている(報酬面も変わっている)。

スピネルで交換できるものは宝の地図以外にもあるので、自身の中で折り合いをつけて交換してほしい。

青の依頼書

アシュリーとふたりで進んでいくバトル

本作の大きな特徴といえば、アシュリーとふたりで進んでいくシーンだ。

アシュリーには攻撃力は何もなく、基本的にレオンにひたすら着いてくる“護衛対象”である。そんなアシュリーには、「共に進む(隣にいる)」「離れる(待て)」のふたつの命令を使い分けることが可能で、例えば大量の敵が襲ってきて混乱しているバトル中では、「離れる」の合図をしてアシュリーを遠ざけておくことができる。

また、原作でのアシュリーのHP制は廃止になっている。

敵は基本的にアシュリーを積極的に狙ってくるため、こちらが戦闘で必死になっているとアシュリーを連れ去られてしまうというのは、よくある話。

アシュリーが連れ去られてしまいそうになったら即座に助け出さなければならないのだが、ここでも活躍するのは主にナイフだ。というのもアシュリーに銃弾が当たってしまうとゲームオーバーになってしまうので、ナイフで敵をグサリと一突き、これで救出するのが一番確実なのである。

この時うっかりアシュリーを連れ去った敵に向かってショットガンやライフルを撃たないようにしたい。貫通効果はアシュリーにも適用されてしまうので、敵を撃ったつもりがアシュリーを撃っていたり、ショットガンやサブマシンガンのような武器は、救出には向いていない。

しかしこの「うっかりアシュリーを撃ってしまった」という誤射については、本当に明らかに「やってしまった……」と自分で感じるような時以外は、ほぼゼロに近いと言ってよかった。

以前のインタビューでもアシュリーのAIの性能が大幅に上昇し、自ら弾を避けたりしてくれると語られていたが、まさにその通りというプレイフィールになっており、原作よりもアシュリーパートは比較的楽になっているように感じられた。

ただし、「原作より楽になっている」というのは簡単になった、という意味ではない。ガナードや邪教徒の数が増えている分、戦闘に集中しているとすぐアシュリーは見えない方角から襲ってきた敵に捕らえられ、「囚われ」状態になってしまう。そうなったら、画面右下の囚われゲージが0になる前に、救出しなければならない。その緊迫感たるや、手に汗握るものとなっており、それが「楽にはなったけれど、簡単にはなっていない」という結論につながるのである。

「RE:4」はあくまで現代風にリメイクされた作品で、難易度についてもプレイヤーが「難しくなった」「簡単になった」と感じないよう、細心の注意が払われていると感じられる。原作が“ゲーム体験”であったのに対して、本作ではアシュリーもひとりの人間として非常に重要に扱われており、より“没入感”を大事にしている、というのが伝わってくるのが、アシュリーとのふたり行動パートだった。

アクション要素が強めな本作だが、恒例の謎解きも奥が深い

「バイオ」シリーズといえば、ホラーだけではなく謎解き要素も忘れてはいけない。もちろん謎解きについては深くは触れないが、「原作を知っているからと言って解ける謎にはなっていない」と感じられた。

謎解きも全て現代風にリファインされていると言ってよく、特に一部の謎解きは「これ、あったなぁ!」という懐かしさもあるものの、解き方については全く異なっている。

中には護衛対象のアシュリーとふたりで解く謎などもあり、頭を悩ませることは必然。ネット社会の昨今、答えを見てしまうのは簡単だが、いずれも注意深く周囲を観察・探索することなどで、答えは必ず導き出せるようになっているので、ぜひ自身の手で解き明かしてほしいところだ。

「答えは(なんとなく)わかるのに解が出せない」という謎解きもあり、とてもやりがいを感じた。単純に解を得て終える謎だけでなくなっているのは、非常に興味深い。一部の謎については、何周プレイしても頭を悩ませることになるのは必然であり、また、そういう謎解きを導入してきたことへのチャレンジ精神も感じさせる。

現在、無料体験版を配信中の「バイオRE:4」。まずは原作からどう進化しているのか、ぜひ無料体験版で確かめてほしい。ちなみに無料体験版だけでも「こんなことができるのか」という驚きは随所に込められている。しかしその驚きは、まだまだほんの片鱗に過ぎない。製品版では、更なる驚愕へと変貌を遂げるだろう。

これ以上ない、原作をリスペクトしたリメイク「バイオRE:4」。原作ファンはもちろんのこと、新規プレイヤーも楽しめる内容となっている。発売日を楽しみにしていてほしい。

バイオハザード RE:4

カプコン

PS5パッケージ

  • 発売日:2023年3月24日
  • 18歳以上のみ対象
バイオハザード RE:4

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  • 発売日:2023年3月24日
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バイオハザード RE:4 デラックス エディション

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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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