「Kloot Arena」をレビュー。レースゲームのような操作感とビリヤード的な戦略性を持つスマートフォン向け対戦型アクション。本作ならではの魅力について紹介したい。
「Kloot Arena」は、Itatakeからリリースされたスマートフォン向け対戦型アクションゲーム。「コア」と呼ばれるボールを操作し相手プレイヤーの「コア」を破壊するいう本作のシステムは、様々な対戦型ゲームの中で異彩を放つものだ。このためパット見はおもしろさが想像できず、とっつきにくいように感じられるかもしれない。しかしプレイしてみると、非常におもしろい。レースゲームのようなとビリヤード的な戦略性を併せ持っており、それが本作独自のおもしろさへと昇華されている。筆者としては、このおもしろさをなるべく多くの人に知ってもらいたい…!
攻撃はレースゲーム!防御はビリヤード!新たな味わいの対戦型アクション
プレイヤーが本作で操作するのは、「コア」と呼ばれるボール状の物体。この物体は「バトルマスク」というパーツを装備しており、「バトルマスク」によって性能が変化する。この「コア」を動かして相手プレイヤーの「コア」を攻撃、ひとつでも多くの相手「コア」を破壊するというのが本作の目的だ。
ゲームの進行はターン制となっている。自分と相手プレイヤーは交互に「コア」を操作。フィールド上には相手と自分、それぞれ複数の「コア」が存在し、自分のターンが回ってくると、このうちの1つを操作するというかたちだ。それぞれ3ターンずつ操作するとハーフタイム。前半3ターン、後半3ターンの合計キル数によって勝敗が決まる。
「コア」が行えるアクションは、移動と攻撃の2つ。仮想パッドを使って自由に移動可能だが、「コア」の挙動は自動車に近く、左右への平行移動や急旋回が行えない。このため、イメージ通りに動かすためにはコツを掴む必要がある。
一方、攻撃は攻撃ボタンタップ後に指を離すことで行う。攻撃ボタンをタップするとコアが攻撃準備動作に入り、画面がスローモーションに。この状態でボタンから指を離すか、一定時間経過すると攻撃が発動。どんな攻撃が発動するかは装備中の「バトルマスク」によるが、初期装備の「レイジ」であれば、「コア」を中心に爆発を発生させ、攻撃範囲内の相手「コア」へダメージを与えることができる。
本作で覚えなければならない基本ルールはこれだけ。非常にシンプル。でもだからこそ、どこがおもしろいのかわかりにくいのではないかと思う。本作のおもしろさは大きく分けて2つ。1つは、レースゲームのような操作技術を競う攻撃。そして、ビリヤードのような戦略性を持つ防御だ。
本作の攻撃においてポイントとなるのが、「1回の攻撃でいかに多くの相手コアをキルするか?」という点。複数の相手「コア」をうまく攻撃範囲内に入れることができれば、同時にダメージを与えることが可能。また攻撃範囲内だとしても、爆発の中心に近ければ近いほど大ダメージを与えられる。このため、相手「コア」が密集するポイントへ的確に移動できるかどうかという操作テクニックが重要なのだ。
それだけではない。相手「コア」を自分の「コア」で押すことができるため、たとえ相手「コア」が密集していなくとも、操作が上手ければ密集させることができてしまう。相手「コア」を運んで密集させ、同時キルできた時の気持ちよさは格別!爽快な爆発エフェクトもさることながら、自分の操作が上手く決まったという達成感がたまらない。自分の操作ターン中に相手プレイヤーは一切行動できないため、攻撃が上手く決まるかどうかは完全に自分次第。そこに運は影響しない。だからこそ、成功した時の達成感が強力なのだ。
相手「コア」をいかに密集させるか?がポイントとなる攻撃時に対し、防御時には自分の「コア」をいかに散乱させるかがポイント。ただ「防御時」とはいっても、相手ターン時にこちらが行動することはできない。そこで自分のターンで攻撃する際、同時に相手ターンの盤面をイメージしつつ立ち回ることになる。
自分の「コア」を散乱させる方法は、相手「コア」を密集させる場合と同様。攻撃に巻き込んだり、操作中の「コア」で押したりといったかたちで行う。自分の「コア」が十分に散らばっていれば、相手は密集させることが難しくなる。となると、複数キルが狙いにくくなる…というわけだ。この点は、ビリヤードで相手が得点しづらい盤面を作るのに似ている。
レースゲームのような操作テクニックによる楽しさと、後の盤面をイメージして作り上げていくkビリヤードのような戦略的楽しさ。この2つを見事に融合させつつ、シンプルなルールに落とし込んだ手腕が素晴らしい。現段階で問題点を挙げるなら、プレイヤー人口がまだ少ないせいか、マッチングに時間がかかる場合があることくらいだろう。逆にいえば、マッチングが改善されたなら不満はない。だからこそ、プレイヤーが増えてほしいと切に願う。
メタル的な雰囲気・ビジュアルがイカす!メタル好きならプレイする価値あり
対戦ゲームとしての新たな楽しさを開拓しただけで十分評価できる本作だが、個人的にはゲーム性以外にも高く評価するポイントがある。それは、本作の世界観だ。本作の世界観は、音楽ジャンルでいう「メタル」なのだ。
バトルマスクをつけた「コア」のデザインや、バトルが行われるフィールドのデザインも「メタル」的な空気を感じさせるが、やはり強烈に「メタル」を感じさせるのが、ロゴデザインや、チュートリアルを担当してくれる死神的キャラクター。このロゴ、このキャラクター、これがこのままCDジャケットになっていたとしても、まったく違和感はない。もちろん、BGMも「メタル」だ。
シンプルなルールで、新しい味わいの駆け引きを味わわせてくれるゲーム性は、対戦ゲーム好きならプレイ価値あり。けど、たとえ対戦ゲームに興味がなくとも、「メタル」好きなら本作をプレイする価値がある。そう感じさせるほど、ゲーム内の様々な部分が「メタル」だ。対戦と「メタル」、どちらかに引っかかるなら是非一度プレイしてみてほしい。
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