配信日が8月31日に決定した「信長の野望 出陣」完成発表会レポート――信長との縁が深い市川團十郎さんもプレイを熱望!

発表会・イベント取材
0コメント 仁志睦

コーエーテクモゲームスは、iOS/Android向けアプリ「信長の野望 出陣」の完成発表会を、8月24日に神田明神ホールにて開催した。

「信長の野望 出陣」は、シリーズ初となるスマートフォン向けの位置情報ゲーム。本作では“天下布歩”を合言葉に、プレイヤーが現実の世界を実際に歩くことで領土を拡大していく。この話題作が2023年8月31日より配信されることが、シリーズの生みの親であるシブサワ・コウ氏より発表された。

シブサワ氏は「実際の地図の上を歩きながら名所をめぐったり武将に出会えたりする位置情報ゲームならではの要素と、歴史シミュレーションゲームとしての「信長の野望」らしい要素が融合した作品で、私自身非常に楽しみにしております」と挨拶。すでに8月24日より事前登録が開始されており、「ぜひ、このタイミングで登録していただき、リリース日まで楽しみにお待ちいただけますと幸いです」と語った。

コーエーテクモゲームスのゼネラルプロデューサーであるシブサワ・コウ氏

今回行われた発表会では、まずコーエーテクモゲームスの代表取締役社長である鯉沼久史氏が挨拶を行った。鯉沼氏は「本作はシリーズ初であり、当社としても初となる位置情報ゲームとして特に力を入れて開発を進めてまいりました」とコメント。完成までにさまざまな創意工夫を重ねてきたことを改めて強調し、「ようやく皆様に新しい情報を届けることができ、とてもうれしく思います」と感慨深げに語った。

左から菊地啓介氏、シブサワ・コウ氏、ゲストの十三代目 市川團十郎白猿さん、鯉沼久史氏

「信長の野望 出陣」の魅力を開発プロデューサーの菊地氏が紹介

続いて、開発プロデューサーを務めたコーエーテクモゲームスの菊地啓介氏が本作の特徴について説明を行った。「武将を集めて采配をふるう」「内政で国を豊かにする」「戦いで領地を広げていく」というのが「信長の野望」シリーズの基本だが、本作はそれらの要素を自ら歩くことで進められるのがポイントで、文字通り「歩く“信長の野望”」を目指したと菊地氏は述べた。

最大の特徴は自分の住んでいる場所や通勤・通学先など、あらゆる場所がゲームのフィールドになっていることだ。フィールド上には城、拠点、武将、農民、商人などがいて、実際に戦国の世を歩いているような体験ができるという。

このフィールドを実際に歩いて領地を拡大していくのが本作の基本だ。日本全国が10数万の区画で区切られていて、それぞれの区画には「拠点」というものがある。この拠点に向かってプレイヤーが歩いていき、バトルに勝利してその拠点を攻略すると自分の領地となるわけだ。配下の武将を派遣して拠点を攻略することも可能。自分が実際に歩いて回れる範囲には限りがあるが、配下の武将をうまく活用することで、効率よく領地を拡大していくことができる。

もちろん、日本全土を制覇することも可能だが、かなりのトッププレイヤーでも「何年もかかるだろう」と菊地氏は予測。裏を返せばそれだけ長く遊べるわけで、まずは千代田区や横浜市西区といった身近なエリアの制覇を目指してほしいと語っていた。

フィールドにいる武将に話しかけ、友好度を上げていくことで配下にすることも可能になっているという。フィールド上の武将には地域性があり、たとえばプレイしている場所が関東地方なら安房(現在の千葉県)の戦国大名・里見義堯、九州なら豊後(現在の大分県)の大名である大友宗麟が登場するなど、地方によって出現する武将が変わってくるそうだ。

もちろん、自分の住んでいる地域以外の武将を配下にする方法も用意されている。それがカフェや喫茶店のある場所に出現する「茶室」で、全国の武将たちに出会うチャンスがある。「ぜひ探してみてください」と菊地氏は呼びかけた。また、「案内状」というアイテムを使って「茶会」を開き、そこに全国の武将を呼んだり、期間限定のイベントなどで武将を獲得できるようになっていたりするとのことだ。

さらに、集めた武将は歩いて獲得した経験値で強化することが可能。同じ地方の武将を揃えれば部隊が強くなるといった仕組みもあるそうで、そうしたところにも注目してほしいと菊地氏は語った。

内政で国を強くできるのも特徴のひとつ。区画内には水田や兵の訓練所といった施設があり、それらを育ててレベルを上げていくと、得られる兵糧が増えたり部隊の能力が強化されたりして国全体が強くなっていく。それぞれの施設には武将を配置することが可能で、武将の能力によって得られる効果が変わってくるので、誰をどこに配置するか考えるのもポイントのひとつになっているそうだ。

「民忠(たみちゅう)」というパラメータも重要になる。民衆の忠誠度を表したもので、領地にした場所を実際に歩いて見回ったり、「具申」という施設に配置した武将からの意見を聞き入れたりすることで上がっていく。数値が高いほど得られる収穫量が増えたりするので、「できるだけ歩き回って民忠を上げていくことも大切になります」とのことだ。

「列伝イベント」という特定の戦いにフォーカスした期間限定のイベントも用意されているという。条件をクリアしてストーリーを進めたり、育てた部隊で強敵と戦ったりするというもので、配信時には今川義元に挑戦する「桶狭間の戦い」を楽しめる予定とのこと。また、サービス後のアップデートで駅や公園などに城を配置し、そこをみんなで取り合う「攻城戦」というイベントも開催予定であると菊地氏は明かした。

多くの人にプレイしてもらうため、列伝イベントのストーリーなどは日々歩いていれば誰でもクリアできるようになっているとのことだ。もちろん、強敵の撃破やイベントのランキングを競うといったやり込み要素も多数用意されていて、プレイスタイルに合った楽しみ方ができることを強調していた。

各地方の歴史や地理を知ることができるお出かけ要素も充実。そのひとつが名城の訪問で、日本の百名城を訪れると図鑑が埋まっていき、さらに上田城では真田幸村、熊本城では加藤清正というように、一部の城では有名な武将も獲得できるようになっているそうだ。そのほか、歩いた歩数だけ東海道の宿場を進んでいき、それらの宿場の情報も得られる「歴史紀行」、領地にした区画に存在する名所をコレクションできる「名所録」なども用意されているとのことだ。

市川團十郎さん、信長について大いに語る

イベントの後半では、歌舞伎俳優の十三代目 市川團十郎白猿さんが特別ゲストとしてステージに登場。本シリーズの主役である織田信長の魅力について、シブサワ・コウ氏とトークを展開した。

「信長の野望」の第1作目が発売されたのは1983年で、團十郎さんはまだ5歳だったが、父の十二代目 市川團十郎さんは「信長の野望」が大好きで、家にもファミコンがあったという。「あなたもやってごらんなさい」と父からも勧められたというが、「7歳ぐらいだったんで、“登用”といった言葉が難しすぎて心が折れてしまいました」と、当時は挫折してしまったことを明かした。ただ、由緒ある歌舞伎の家に生まれ、初代の市川團十郎は武田氏の血筋を引くとも言われていることから、歴史自体には幼少期から興味を持っていたそうだ。

特別ゲストの十三代目 市川團十郎白猿さん

役者としての團十郎さんと信長の関わりは深く、祖父である十一代目市川團十郎さんのために作家の大佛次郎さんが書き下ろした歌舞伎の演目「若き日の信長」を父と自分も継承、この作品で200回近く信長を演じてきたという。ドラマでも信長の幼少時代である吉法師を演じたのに始まり、NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」、TBSの「桶狭間~織田信長 覇王の誕生~」で、それぞれ信長を演じたと改めて振り返った。

このように何度も信長を演じてきた團十郎さんだが、信長という人物は時代によって切り取り方が変わってくると感じているそうで、「祖父の時代の信長像、父の時代の信長像、私の時代の信長像は違うし、その時代に生きている方々の感じ方も違うんですよね。ですから、そういったことにピントを合わせるように心がけています」と、信長を演じることの難しさを語った。

信長という人物については、「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」という言葉が子供のときにもっとも響いたそうで、もちろん人を殺すことは「やってはいけないこと」とは思っていたが、その決断の速さに計り知れなさを覚えたそうで、「男のロマンを感じた」と語っていた。また、そうした部分は信長を演じる際にも意識しているそうだ。

いずれは息子の新之助君が信長役を継承することになると思われるが、團十郎さんは「信長という人物は役者を選ぶ。誰でもできるわけではない」と考えているそうだ。そのため、「息子が信長をやるとしたら、信長役者としての教育をしたいと思っている。逆に、彼はゆっくりしたところがあるので、どちらかというと家康の風情がある。ウチの父もそうでした」と家族目線で語った。

20年くらいゲームはやっていなかったという團十郎さんだが、最近は子供と一緒にオンラインのゲームなどを楽しんでいるそうだ。本作「信長の野望 出陣」についても、かつては心が折れてしまったが、「今は“登用”などの専門用語も全部分かるので、やってみたいと思います」と、意気込みを見せた。

シブサワ氏は「私が本能寺に行くなら、200人じゃなくて2万人ぐらいの部下を連れていって明智光秀を返り討ちにします。そういった歴史ifがゲーム上ではできます」と、「信長の野望」シリーズの魅力を團十郎さんに説明。また、「豊臣秀吉も徳川家康も大願を成就しましたが、信長は残念ながら非業の死を遂げてしまいました。ですから、ゲームプレイヤーとして信長の夢・野望を叶えたいと考えて1作目を作りました」と、改めて信長を主人公にした理由を明かした。

この話を聞いて、團十郎さんも「やるんだったら光秀を返り討ちにしたいですね。“敵は本能寺にあり”ってところで“待っていたぞ、光秀!”っていう方が面白いですよね」と、興味津々。ただ、普段は飛行機、新幹線、車での移動がほとんどで、ゲームのためにスマホを持って歩いていると「また写真週刊誌に撮られて、何か悪いことをしているみたいに書かれてしまいそう」という不安を吐露。しかし、シブサワ氏から「(スマホを)ポケットに入れて歩くだけで歩数を計算してくれます」と聞いて、「じゃあ大丈夫ですね」と、来場者を笑わせた。

そんな團十郎さんに、シブサワ氏は「なるべく歩き回ってください。できれば自分で直接お城や神社仏閣に出向いてポイントを稼いでください」とアドバイス。さらに司会者より、どんな人に本作を楽しんでほしいかを聞かれ、「すべての皆様に楽しんでいただきたいです。小さいお子様でもスマホを持っていれば戦国武将に会えますし、きっと戦国時代に興味がわいてくるんじゃないかなと思います。あまり歴史を知らない方も、名所旧跡や神社仏閣にはそれぞれに歴史的な物語がありますから、そういったところに行かれたら興味が出てくるでしょうし、再発見もあると思います。歩いたり散歩したりするのが好きな人にもぜひプレイしてもらいたいです」と訴えた。

最後に今後の“野望”を聞かれて、團十郎さんは「次の作品には初代團十郎を出していただきたいです、よろしくお願いします!」とシブサワ氏に談判。シブサワ氏も乗り気で「積極的に検討します」と答えていた。また、シブサワ氏は自身の野望として「これからも今までにない新しい面白いゲームをもっともっと作っていきたいと思います」と決意を述べ、イベントを締めくくった。

※画面は開発中のものです。

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