2024年7月15日に東京・両国国技館にて開催された、「ガンダム」ゲームのeスポーツ大会「GUNDAMGAME GRAND PRIX2024(以下、GGGP2024)」賞金制大会・本戦のPHASE2からの模様をレポートしていく。
目次
2019年の大会以来の有観客開催で開催された「GGGP2024」。今回の競技タイトルは2023年6月から稼働がスタートしたアーケードゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」だ。


当日行われた本戦のPHASE1には、3月から始まった事前のオンライン・オフライン予選、会場での当日予選を勝ち抜いた64チーム128名が参加。8つのブロックに分かれ、PHASE2に進出する8チームが選出された。


準々決勝の中からとくに熱戦の2試合をピックアップ
先に2勝したチームが勝ち上がりとなる、シングルエリミネーション方式で行われたPHASE2だが、準々決勝で行われた4試合中3試合が互いに1勝ずつを取りあい、3ゲーム目までもつれ込むという大混戦となっていた。

中でも大きな盛り上がりとなったのが、「天国の山本へ」チーム(レキ選手・れいんぐぜろ選手)と、「適当盾投げバズーカ」(ラジカル選手・ちりめん選手)の対戦。1戦目はタイムアップでのスコア差で「適当盾投げバズーカ」チームが先取したものの、2戦目は「天国の山本へ」チームが早い段階でラジカル選手のシナンジュ・ちりめん選手のガンダムF91を共に落とし、大きくリードする。
しかし、そこから「適当盾投げバズーカ」がペースを取り返し始め、レキ選手のガンダムAGE-FXが落とされると一気にイーブンに戻るという状況にまで盛り返す。しかし最後には、ちりめん選手のF91の格闘攻撃がAGE-FXを捉えたかと思いきや、撃破しきるには僅かにダメージが足りず、「天国の山本へ」チームが2本目を取り返す。

1-1で迎えた3戦目は、序盤からちりめん選手のF91の特殊射撃の狙撃が冴え渡り、レイン選手のストライクノワールの耐久が大きく削られてしまう展開。しかしレキ選手が耐久を完璧に残した完璧な立ち回りでそれをカバーし、ほぼ互角の一進一退の攻防が続く。
ラストでは、ちりめん選手のF91の格闘が瀕死のストライクノワールを捉え、「適当盾投げバズーカ」の勝利かと思われた瞬間、レキ選手が送っていたCファンネルのバリアがギリギリのタイミングでストライクノワールを守り、すぐさま追撃に移ろうとしたシナンジュをAGE-FXが格闘で止めて撃破するという劇的な幕切れで、「天国の山本へ」チームが勝ち上がりを決めた。

一方、「毎日練習」チーム(みねね選手・GBH選手)と「ユウマさん隣失礼しません」チーム(ぱん選手・勇者選手)の対戦は、「EXVS」シリーズの全国大会である「PDF」(PREMIUM DOG FIGHT)でチームを組んで全国優勝を果たした経験のある、みねね選手とぱん選手の対決ということもあり、注目度が高いカードとなった。
1戦目は耐久がお互いにほとんど減らず、「毎日練習」チームは1回目のEXバーストすらたまらないという膠着したスコア対決をクレバーな立ち回りで「ユウマさん隣失礼しません」チームが制せば、2戦目は「毎日練習」チームは作戦を大きく変更し、Hi-νガンダムの弱点である時限強化前のタイミングを徹底的に攻め立てる戦いで、完全にペースを崩して2戦目を取り返す。

3戦目は試合中盤まで完全に互角の展開となるも、みねね選手のHi-νガンダムの特殊射が赤ロックギリギリの距離でぱん選手のHi-νガンダムにヒットしたことで、一気に流れが「毎日練習」チームに傾く。それでも「ユウマさん隣失礼しません」チームも、みねね選手のHi-νガンダム、GBH選手のザクアメイジングを1回ずつ落とすところにまでもっていったものの、最後は「毎日練習」チームが残していたEXバーストも使って凌ぎきり、準決勝への勝ち上がりを決めた。

準決勝(「横綱」vs「天国の山本へ」、「毎日練習」vs「あしかファンクラブ」)
その準決勝で際立った強さを見せたのが、前回大会にあたる「GGGP2022」でタッグを組んで優勝を果たした、Re-sinon選手とちゃんるい選手のチームである「横綱」(当時のチーム名は「まゆげ信者」)。
「横綱」は、準々決勝で会場を大きく沸かせていた「天国の山本へ」チームを相手に、ちゃんるい選手のHi-νガンダムが積極的に前に出て注目集め、フリーになったRe-sinon選手のライジングフリーダムがダメージを着実に取っていくという戦術で、1戦目・2戦目ともに終始安定した完璧な試合運びで決勝進出を決める。

一方、同じく準々決勝を沸かせた「毎日練習」チームと「あしかファンクラブ」チーム(こざやま選手・みことばーすでぃJr選手)の対戦は、当初「毎日練習」チームが有利を作るも、要所要所でみことばーすでぃJr選手のストライクノワールの格闘CSが的確に刺さり、徐々に「あしかファンクラブ」チームのペースに。攻めざるを得なくなった「毎日練習」チームは、終盤果敢な攻勢に転じ、みねね選手のHi-νガンダムの格闘がヒットする場面もあるも、僅かにダメージが足りず「あしかファンクラブ」チームが先取。
1戦目は「毎日練習」チームが攻める場面が多かったのに対し、2戦目は「あしかファンクラブ」チームは戦い方を変え、積極的な攻めでみねね選手のHi-νガンダム、GBH選手のザクアメイジングの耐久を序盤から大きく削り、再び試合のペースを握ることに成功。「毎日練習」チームも、GBH選手のザクアメイジングが撃破されてアメイジングブースターになった瞬間、みねね選手が怒涛の攻めでこざやま選手のHi-νガンダム、みことばーすでぃJr選手のストライクノワールを連続で撃破し、ワンチャンスを作ることには成功するも、復帰したこざやま選手が冷静にGBH選手を落としきり、「あしかファンクラブ」が決勝進出を決めていた。

3位決定戦(「天国の山本へ」チームvs「毎日練習」チーム)
3位決定戦として行われたのは、共に準々決勝で会場を大きく沸かせていた「天国の山本へ」チーム(レキ選手・れいんぐぜろ選手)と「毎日練習」チーム(みねね選手・GBH選手)のマッチアップ。
当初、れいんぐぜろ選手のストライクノワールが耐久を大きく削られる流れになるも、準々決勝と同様にレキ選手のガンダムAGE-FXが耐久をしっかりと残しつつ、要所要所ではFXバーストモードで前に出てロックも集める、終始完璧な立ち回りを披露。れいんぐぜろ選手も後半からは完全に立て直し、ほとんど隙を与えない盤石の流れで1勝を手にする。

流れを変えたい「毎日練習」チームは、2戦目でみねね選手が使用機体をHi-νガンダムからインフィニットジャスティスガンダムへと変更し、より攻撃的な作戦で打って出る。この作戦が見事にはまり、れいんぐぜろ選手のストライクノワールを早々に落としたと思えば、レキ選手のAGE-FXも耐久を大きく削られる、1戦目とはまったく異なる流れに。

その後はみねね選手・GBH選手も共に1度ずつ撃破され、後がない状況に追い込まれるも、怒涛の粘りでレキ選手のAGE-FXをついに撃破。どの機体も残された耐久はごく僅かで、誰かが倒される側が敗北という接戦へともつれ込む。
終盤の攻防では、れいんぐぜろ選手のストライクノワールが落とされそうになった瞬間、準々決勝と同じ絶妙なタイミングでCファンネルのシールドが送られて窮地を脱し、会場を沸かせる一幕も。最後はれいんぐぜろ選手が、レキ選手がブーストを使わせたあとのみねね選手の着地の隙を見逃さず取り切り勝利。「天国の山本へ」チームが、息が詰まるような接戦を制した。

決勝戦(「横綱」チームvs「あしかファンクラブ」チーム)
先に3勝したチームが勝利となる決勝戦で激突したのが、「横綱」チーム(Re-sinon選手・ちゃんるい選手)と「あしかファンクラブ」チーム(こざやま選手・みことばーすでぃJr選手)。「横綱」チームはライジングフリーダム、「あしかファンクラブ」チームがストライクノワールという違いはあるものの、共に3000・2500コストの組み合わせで、3000側は両方Hi-νガンダムと、共通点の多いチーム同士での対戦となった。
1戦目は、序盤からRe-sinon選手のライジングフリーダムが大きく耐久を削られるという、今まであまりなかった展開となるも、そこからRe-sinon選手が躍動。残り耐久54という状況から、耐久が半分以上残っていたこざやま選手のHi-νガンダムをほぼ1on1で完全にさばいて落としきったかと思えば、その間にちゃんるい選手に撃破され復帰してきたみことばーすでぃJr選手のストライクノワールにも速攻で詰めよると、あっという間に撃破。結局一度瀕死になってから耐久が減ることが一切ないまま、試合を決めることに成功する。

2戦目は共に3000コストが先落ち、2500コストが順落ちするほぼ互角の展開。Re-sinon選手のライジングフリーダムに攻撃が集中し、最後のEXバーストを使わざる得なくなる「横綱」にとってやや危うい展開となるも、Re-sinon選手を追いかけようとしたこざやま選手のHi-νガンダムに、ちゃんるい選手の放った特殊射撃のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーが完璧なタイミングでヒットして撃破し、優勝にリーチをかける。

後のなくなった「あしかファンクラブ」だが、3戦目ではちゃんるい選手のHi-νガンダムとRe-sinon選手を立て続けに撃破し、優位な状況を作ることに成功する。
「あしかファンクラブ」は、コストオーバーしたRe-sinon選手に攻撃を集中させ、一気に勝負を決めようとするも、ちゃんるい選手がそれを見事にカバーし、反撃で逆にこざやま選手のHi-νガンダムが落とされてしまい、一気に状況はイーブンに。
最後はコストオーバーしたこざやま選手のHi-νガンダムに、Re-sinon選手が格闘攻撃をヒットさせたところに、ちゃんるい選手がトドメの追撃を入れて撃破し、見事な3連勝を飾る。「横綱」チームがその名の通り文句なしの「横綱」相撲で、「GGGP2024」優勝の栄冠を手にしていた。

優勝の瞬間には、喜びのあまり激しく抱き合って転倒するというハプニングがありつつも、ちゃんるい選手とRe-sinon選手は「GGGP2022」に続いて「GGGP」を2連覇するという偉業を成し遂げた形となった。

表彰式では、優勝賞金である500万円とトロフィーが授与され、「夢かな?と思っているくらい実感がないんですけど、自分たちが最強だと証明できたかなと思えるくらいいいプレーができたので、今日は帰ってゆっくりしたいと思います」(Re-sinon選手)、「気持ち的には、本当に現実?みたいな感じなんですけど、自分たちが一番強いと思っている相手に3-0で勝てたのはめちゃめちゃ嬉しかったです。2連覇したんで、俺らが最強ってことですね!」(ちゃんるい選手)と、それぞれに喜びを爆発させたコメントも寄せていた。



大会終了後には、本大会の協賛を務めたサムライエナジーと「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」とのコラボが発表。発売は8月下旬を予定しており、詳細は追って公開されるとのことだ。

さらに、8月24日に実施される「GGGP2024 後夜祭」に、本大会の公式ウォッチパーティーを行っていたプロゲーマーのかずのこさんと、実況を務めたなかおさんがタッグを組んで参戦。来場者の即席タッグを相手に対戦を行うようで、なかおさんによると、既に大会にむけて10000戦以上練習を重ねているほど、本番に向け気合を入れている様子。後夜祭に向けて、まだまだ「オーバーブースト」と共に「GGGP」も盛り上がっていきそうだ。


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