声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第38回はSteamにてアーリーアクセス中の「キミガシネ -多数決デスゲーム-」を紹介します。
確か私が高校生の頃だったでしょうか。「ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編」をPCでプレイしたのは。PCで、しかも無料でサウンドノベルのゲームが遊べるという事で話題になっていました。
鬼隠し編丸ごと遊べますという記載に、短いプレイ時間で作品の導入を知れる内容なのかと思って軽くはじめたら最後、ボリューム満点で仲間との楽しい時間とミステリー要素やホラー要素にのめり込み、日を分けてプレイしつつ終盤になるとエンディングが気になって明け方まで一気にプレイしていたのを覚えています。
フルプライスゲーム一本分に匹敵する内容で、今まで見たことのないストーリー展開に加え、その後も綿流し編、祟殺し編などなど謎が謎を呼ぶ展開と背筋がぞくぞくする展開に夢中になって新作が発売されるたびに通販で購入したゲームでした。
どういう結末になるのか、あのシーンの意味とはなど、インターネット上考察を読んだり、ゲームの解答編をプレイしてみんなで展開を予想している期間も、すごく楽しい時間だったなぁと夏になると強く思い返します。
あんな楽しい体験もう二度と出来ないんじゃないかなぁと思っていたのですが、今回はその当時の熱を思い出すような探訪になると確信しています。
みんなでリアルタイムで続きを待ち望んでいる作品について、考察したりただただ楽しみにしてワクワクする日々を過ごしたい…!! そう、その探訪先こそ、「キミガシネ -多数決デスゲーム-」です。
主人公は女子高生の千堂院 紗良。突然知らぬ場所で、集められた10人の参加者と共に凄惨なデスゲームへの参加を余儀なくされます。果たして紗良は無事にこのデスゲームから生還できるのか…!? というストーリーです。
いつもはネタバレをなるべく避けて探訪していこうというポリシーですが、「キミガシネ -多数決デスゲーム-」ではどーーーーうしてもみなさまに知って欲しい! という部分もあるため、ほんの少しだけネタバレ要素があります。ご注意ください。
まず注目していただきたいのが、ジャンルがマルチエンディングアドベンチャーということ。多数決で脱落者を決めるデスゲームという題材上、誰かが死んでしまう可能性が十分にある今作。つまりはプレイヤーの選択次第で、デスゲームの脱落者が決定する場合があるという事です…!!
これが本当にすごい。途中の細かな要素もプレイヤーの選択によって展開が変わるのでユーザー同士で今作を語り合っても「え、あのキャラは死んだのでは?」と会話が噛み合わなくなる事が大いにあり得ます。
メタ的になってしまいますが、ストーリー上、マストの展開だと思える状況だと思っていたのに、二周目違う展開を狙って進めると異なるキャラと、異なる展開を迎えたりします。どんな選択をしても、大きな分岐だと気づかせない自然なゲーム展開と破綻しないゲーム展開に感動しました。
キャラクターはみんな癖があったり何かを隠していそうな人たちばかりですが、一緒にいる時間が増えるほど彼らに愛着がわいてデスゲームで死なせたくない…一緒に出たい…と思い、苦渋の決断の連続です。
紗良自体も、誰も選ばずみんなで脱出したいという気持ちでゲームが始まるので、感情移入しやすくあります。はじめは苦手だったキャラも、共闘して好きになったり、仲良くなれたと思ったキャラが不審な動きをしはじめたり…ここら辺の感じ方もプレイヤー次第で変わりそうです。私ですか?ケイジさん、ジョー、××プ×(ネタバレ防止策)が好きです! でもみんな健気で大好き!!
ゲームのパートは一章では探索、謎解き、会話をしていって多数決のデスゲームのパートがあるのですが、二章ではパートナーを選んでミニゲームを沢山攻略していくパートもあったりと、章ごとに斬新な試みが為されていて飽きが来ません。
デスゲームのパート以外なら死にはしないだろうという油断は禁物で、少しの緊張感を常に持たねばというハラハラさがあります。
そして重要なのが、多数決のデスゲーム。だれに投票して脱落させるべきかをみんなで話し合うのですが、会話を引き出したり討論したりするのは勿論ですが、持っているアイテムや情報を提示して事態を動かすこともできます。
何かを隠しているキャラを問い詰める時や確定していない情報の真偽を確かめる時など、画面の魅せ方や操作方法も細かく変化があって製作者のこだわりを強く感じます。
こんな少しのシーンをここまでワクワクさせるのか! とゲームユーザー視点の感動の連続をぜひ体感してみていただきたいです。
「キミガシネ -多数決デスゲーム-」はアーリ-アクセス中のため、2024年7月現在、本編は1章前編・後編、2章前編・後編、最終章前編Aパート・Bパートまでプレイできます。
章が進むにつれてプレイヤー独自の展開になり、分岐も物凄いことになっているのだろうなぁと思いつつ、今後のアップデートがどうなってゆくのか楽しみで仕方がありません。
最後がどうなるのか、そしてみなさまが多数決でどのような選択をし、誰に心を許し警戒しているのか気になって仕方がありません。今からでも熱く語り盛り上がれる、プレイしがいのある今作、この夏遊ぶゲームとしてぜひおススメしたい一本です。
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