Gamerで執筆しているライターに、年末年始に合わせて自由に書いてもらおうという企画。ここでは近藤智による「ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~」の記事をお届けします。

目次
  1. 波乱もありながら大盛況だった「The Game Awards 2024」
  2. 納得のガイドライン!「PlayStation.Blog ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2024」
  3. 日本のゲーマーやゲームクリエイターから人気を集めたタイトルは?

波乱もありながら大盛況だった「The Game Awards 2024」

一部のゲームファンにとって、年末の風物詩となっている「The Game Awards」。11回目を迎えた2024年、もっとも優れたタイトルが受賞する「Game of the Year」は「アストロボット」でした。おめでとうございます!

ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~【年末年始企画】の画像

「The Game Awards」にノミネートされた時点で売り上げが大きくアップしたという話もでるほど、ゲーム業界の表彰式典のなかでも強い影響力をもつ本アワード。しかし今回はDLCや拡張パック、リメイク/リマスター作品もすべてのカテゴリで対象となること、ユーザー投票のみで決定する「Players' Voice」に基本無料タイトルが並び「受賞記念の報酬目当てで票が入るのでは?」などの点で物議を醸しました。

とはいえ「ELDEN RING」のDLCや「FINAL FANTASY VII REBIRTH」などのノミネートはあれど「Game of the Year」に輝いたのは前述のとおり「アストロボット」で、「Players' Voice」もアクション面での評価が高い「黒神話:悟空」に。近年、問題視されていたトークの長さなども個人的には気になるほどでもなくテンポよく進み、「大神」新作など嬉しいサプライズも飛び出していました。

本イベントをプロデュースするジェフ・キーリー氏は、累計視聴数は2023年を上回る1億5400万に達したと発表。結果として事前の懸念は、すべて杞憂で終わったといえるでしょう。果たして次回以降はどうなるのか、引き続き楽しみにしていきたいと思います。

ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~【年末年始企画】の画像

納得のガイドライン!「PlayStation.Blog ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2024」

一方「PlayStation.Blog」でも、今年度のもっとも優れたゲームを決定するユーザー投票イベント「PlayStation.Blog ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2024」が行われました。ここではDLCや拡張パック、リメイク/リマスター作品には一定の区切りが設けられていて、「再リリース賞」はアップグレード、移植、リマスターが施されたものの元のゲームとほぼ同じ内容のゲームが対象で、フルスケールのリメイクが施された古いタイトルは含まないとしています。また「ELDEN RING」のDLCなどは「エクスパンション賞」としてノミネートされました。

「SILENT HILL 2」や「FINAL FANTASY VII REBIRTH」を実際にプレイしてみれば、これらの作品を新作と同等に扱わないことのほうが腑に落ちないでしょう。同様に「ELDEN RING」のDLCも、大きな期待とそれに応えるだけの内容だったのも間違いなし。「The Game Awards」のようにすべてのカテゴリで対象とするのも概ね理解はできますが、このようにもう少し条件が整えられれば納得できるユーザーもより多くなっていく気がします。

ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~【年末年始企画】の画像

なお「注目ゲーム賞」では、過去にプラチナトロフィーを獲得したタイトルは同部門で対象外となること(「Grand Theft Auto VI」など)が挙げられています。ここで気になったのが、コンピュータエンターテインメント協会が主催する「日本ゲーム大賞」で、東京ゲームショウで発表/展示された未発売の作品を対象とする「フューチャー部門」です。

さまざまな理由でゲームの開発期間は長期化しやすい状況にあり、未発売の作品が注目を集め続けるのも簡単なことではありませんが、2024年は2023年と同じ作品が連続受賞しているケースがありました。より多彩なタイトルへ焦点が当たってほしい部門なのにガイドラインは今後もこのままでいいのか、個人的には少々疑問が残ります。

日本のゲーマーやゲームクリエイターから人気を集めたタイトルは?

このほか、テレビ東京のゲームバラエティ番組「有吉ぃぃeeeee!~そうだ!今からお前んチでゲームしない?」でもゲームショップの利用者や販売スタッフ、番組公式X(旧Twitter)経由で募集した視聴者投票、ゲーム業界の関係者など600人に聞いた「ゲームBEST15」が発表されていました。

ここでは「メタファー:リファンタジオ」をはじめ多数のアワードで高い評価を受けた作品が並ぶ中、1位は「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」、2位は「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」に。3位の「ドラゴンクエストX 未来への扉とまどろみの少女」をはじめ「プロ野球スピリッツ2024-2025」「パワフルプロ野球2024-2025」など日本らしいタイトル、実況配信で盛り上がる「8番出口・8番のりば」「ファミコン世界大会」「PICO PARK 2」などもランクインしていたのが独特で印象的でした。

ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~【年末年始企画】の画像

さらに直近で、こうした人気ゲームの開発に携わったゲームクリエイターや著名人181人が選んだ「超流行りゲー大賞2024(主催:ファミ通)」も発表になりました。本記事執筆時点で公開されていたのは上位5タイトルで、2~4位はこうしたアワード常連タイトルでしたが、11月半ば発売のため2024年のアワード関連でノミネートされにくい「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」が1位となっていました。発売時期や地域、注目しているファン層などの要因で支持がガラリと変わるタイトルがあるのもアワードの興味深い部分ですね。

ゲームアワードよもやま話~所変われば受賞も変わる?~【年末年始企画】の画像

各種アワードの評価基準については色々な課題も感じますが、どのタイトルも何らかの魅力があって人気を集めたのは言うまでもありません。一ゲームプレイヤーとして思い入れのある作品の評価は気になるところですが、あまり深く一喜一憂しすぎずに結果を見守っていこう思います(個人的に2024年は誰がなんと言おうと「FOAMSTARS」が優勝なので!)。

趣味のゲーム系をはじめ、IT/ビジネス系などWeb媒体を中心に活動。AAAタイトルから乙女ゲーム、インディーズまで何でも遊ぶ雑食ゲーマー。あらゆる次元のアイドルと映画も愛してます。

https://contacos.hatenadiary.jp/

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー