バンダイナムコエンターテインメントからリリース予定のiOS/Android向けアプリ「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」のレビューをお届けする。

目次
  1. 育成リソースの入手量が増え、ネットワークテストよりユニットの開発がスピーディに
  2. 「ZZ」や「00」、「水星の魔女」といったシリーズのステージも登場
  3. エンドコンテンツでは、開発を繰り返して自軍戦力の底上げが重要に

スマートフォン向けにリリースされる『ジージェネ』シリーズ最新作「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」。2025年春から放送がスタートする「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」を始め、サービス開始時は約70ものガンダム作品から500以上の機体が参戦し、家庭用の「ジージェネ」シリーズに引けを取らない戦闘アニメや、本格的なSLG(シミュレーションゲーム)パートが特徴のタイトルだ。

「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」レビュー:様々な作品のユニットを育てたくなるサイクルが新鮮な新しい「ジージェネ」の画像

現在事前登録を実施中だが、今回は一足先に先行プレイをする機会を得たので、そのレビューをお届けする。

なお、細かなシステムや仕様についての概要は、以下のネットワークテストのレポートも参照して欲しい。

育成リソースの入手量が増え、ネットワークテストよりユニットの開発がスピーディに

まず簡単に「ジージェネ エターナル」の特徴を紹介すると、「ジージェネ」シリーズの魅力である「開発」を軸とした収集要素と、本格的なSLG体験をスマートフォンで味わえるタイトルだという点だ。

ユニットのレベルを上げることで異なるユニットへと変化させられる「開発」はもちろん本作にも存在しており、ガシャと並ぶ自軍の戦力強化に欠かせない要素として位置付けられている。

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とくに大きく従来のシリーズの異なるのは、開発後もレベルを引き継ぐようになったこと。これまでは開発を行うとユニットのレベルが1に戻るので、場合によっては弱くなることもあったのだが、本作では開発前のユニットのレベルを引き継ぐ仕様に変わったので、開発により戦力が一時的に低下するようなことがなくなっている。

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加えて、「機動戦士ガンダム」なら一年戦争、「機動戦士Ζガンダム A New Translation」ならグリプス戦役時代といったように、大まかな作品ごとの時代と組織の区切りで開発経路図か完結するような形に変更されている。

従来のように、61式戦車からユニットを育てていき、ジムやガンキャノンを経てガンダムにすることはできるが、ガンダムからガンダムMK-ⅡやZガンダムを作ることはできない……ということだ。

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その代わりに、そのシリーズの開発経路図を一定割合埋めるごとに、ユニットの育成に使える強化レポートなどのボーナスを得られ、開発経路図を100%にすると、最高レアであるURへの昇格が可能な特別なSSRユニットや、SPチップ(UR以下のレアリティのユニットレベルの上限をURと同じ100に引き上げる)を獲得できる。

新しい作品が解放されたら、まずは開発経路図を埋めてボーナスの獲得を目指し、自軍戦力を底上げしていくのが主なサイクルになる。このコツコツと開発経路図を埋めていくのは、ゲーム的なメリットだけではなく、作業自体に中毒性がありなかなかに楽しい。

ネットワークテストからの変更点として、ユニットのレベルを上げるための強化データや、開発に必要になるCAPITALといったリソースの入手量が目に見えて分かるほど増えたことで、開発経路図埋めがかなりテンポよく進むようになった。

ネットワークテストでは、このあたりの管理がなかなかシビアで「強化データかCAPITALが足りずに、経路図を埋めたくても埋められない」という状況がかなり頻繁に発生していた。入手量自体が増えたことで、この部分のストレスが減り、非常に快適にプレイできるようになったと感じた。

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一方、バトルパートは家庭用の「ジージェネ」シリーズのSLG部分がしっかりと受け継がれている。中でも戦闘アニメは『クロスレイズ』にもまったく引けを取らないクオリティで作られており大きな見どころだ。

大きく異なっているのは戦艦の扱いで、戦艦にユニットを収容してHPやENを回復することができない分、特定のユニットに対するバフを与えたり、戦闘中に1回だけ使用できるサポートスキルを発動して自軍をサポートするという位置付けになっている。

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複数のユニットで同じ敵を攻撃できる支援攻撃、味方の攻撃を代わりに受ける支援防御はそれぞれ支援タイプと耐久タイプのキャラクターのアビリティという位置付けとなり、1ターンごとに発動回数の制限も設けられ、タイプごとの編成バランスや、支援の使用タイミングも重要になった。

マップ上でユニットが撃破されても従来の『ジージェネ』のようにロストはしないものの、クリア時の評価に影響するため、特に難易度が高いマップでは支援防御の存在が重要な印象で、今まであまり目を向ける機会が少なかった防御系や回復系アビリティの価値が高まっている。近い感覚でプレイできるものの、このあたりの違いは新鮮で面白かった部分だ。

「ZZ」や「00」、「水星の魔女」といったシリーズのステージも登場

「ジージェネ エターナル」におけるメインステージは、従来のシリーズにあった「ジェネレーションブレイク」などのクロスオーバー的な要素はなく、純粋に個々の原作のシチュエーションを再現したものとなっている。

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ネットワークテストでは、プレイできるのは「機動戦士ガンダム」「機動戦士Ζガンダム A New Translation」「機動戦士ガンダムSEED」の3作品だけだったが、先行プレイでは「機動戦士ガンダムZZ」「新機動戦記ガンダムW」、「機動武闘伝Gガンダム」、「機動新世紀ガンダムX」、「機動戦士ガンダム00[ダブルオー]」、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の7作品のステージが追加されていた。

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「G」、「X」、「00」、「鉄血のオルフェンズ」、「水星の魔女」の5作品に関しては前半部のストーリーのみ収録。そのため、ゴッドガンダムにガンダムダブルエックス、ダブルオーガンダムといった後期機体は未実装で、現時点では開発経路図も「?」となっていた。

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その上で個人的に驚いたのは、各作品ごとの再現ステージ数の豊富さだ。「機動戦士ガンダム」が14、「Z」が15、「ZZ」が18、「SEED」と「W」が17、前半のみの作品についても「G」が10、「X」が8、「00」が11、「鉄血のオルフェンズ」が13、「水星の魔女」が8と、リリース時から100を有に超える原作のシチュエーションを再現したステージが用意されている。

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「ZZ」や「X」は、「ジージェネ」でも厚めの原作再現をされることがあまりなかったのでしっかりとした再現があるのは嬉しい。とくに「X」は、「ジージェネ」でもなかなか見かけることないエスタルドスがすでにユニットとして実装されているので、後半のステージでは、「ついに『おさらばで御座います』が再現されるのでは……」と勝手に想像を膨らませたりもしていた。

早く後半の機体を使いたいというもどかしさはあるものの、「開発経路図のここに入るのはあの機体だろう」と予想するのも結構楽しく、このあたりのワクワク感は運営型の「ジージェネ」ならではの魅力となっている。

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また、2025年4月からの放送を間近に控えるシリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」も参戦。さすがにリリース時には再現ステージはないものの、SSRレアのGQuuuuuuX(ジークアクス)が配布されるのも嬉しい点だ。

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GQuuuuuuX(ジークアクス)は、初心者ミッションを進めることで最大まで限界突破ができるという強みがあり、序盤から限凸したSSRユニットは非常に貴重で、序盤のお助け戦力として役立ってくれる。

現時点ではストーリーはないものの、キャラクターやユニットのみが参戦している作品は他にも多数あり、「ジージェネ」初参戦の作品や、久しぶりに見かけるユニットの姿も。筆者も相当長いこと「ガンダム」ファンをやっているが、今まで知らなかったモビルスーツの存在をまだ知ることができるのが『ジージェネ』のすごいところだと改めて感じた。

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なお見どころである戦闘アニメーションは、「クロスレイズ」に参戦した機体以外はほぼ新規で作成されており、家庭用のジージェネとまったく遜色ないクオリティのアニメーションが見られるのも嬉しい。

「機動戦士ガンダム カタナ」のストライカー・カスタムや「機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校」のル・シーニュがURユニットとして実装されているという意外性のあるチョイスにも「ジージェネ」らしさを感じられる。

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エンドコンテンツでは、開発を繰り返して自軍戦力の底上げが重要に

また、今回はネットワークテストよりも長い期間プレイできたのもあり、エンドコンテンツにあたる「エターナルロード」もある程度触れることができた。

開発経路図を埋めるとURへの昇格が可能な特別なSSRユニットが入手できると記載したが、そのレアリティアップのために必要な素材が獲得できるのが、このエターナルロードとなる。そのため、なんとしてもクリアしたいコンテンツではあるのだが、エンドコンテンツである以上、当然難易度は高い。

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エターナルロードには、「宇宙世紀ユニットやオルタナティブユニットのみが出撃できる、比較的、編成難易度が低いステージ」と、特定シリーズのユニットしか出撃できないステージの2種類が存在しており、とくに厄介だと感じたのが後者のステージ。

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本作では出撃制限自体は珍しくなく、メインステージにおいても、出撃可能な2部隊の内、片方はプレイする作品の時代に該当するユニットとキャラクターしか編成できない部隊という制限が設けられている。

ただ、メインステージではもう片方の自由編成側の部隊でのフォローが十分可能なのに対し、エターナルロードの編成制限では自由編成枠が一切ないことも多い。HARD以上のステージだと2部隊出撃可能になるので、「機動戦士ガンダム」なら「ガンダム」、「Z」なら「Z」の時代のユニットとキャラクターだけで10枠分を埋める必要がある。

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……と、ここまでを読むとただ制限が厳しいだけのコンテンツのようにも感じられるかもしれないが、このエターナルロードは、本作を長くプレイしていく上のモチベーションとしてうまく機能していると感じられた。

というのも、メインステージや自由編成のステージについては、ガシャで入手したURユニットがいればある程度のゴリ押しが効くようになっている。一方でエターナルロードではそのURユニットが出撃できるステージが限られるため、部隊全体の戦力の底上げを自然と求められる。

従来の「ジージェネ」では、出撃可能な2部隊以上のユニット以外を育成するメリットがあまりなかったのだが、本作では様々な作品のユニットを幅広く育成していく必要ができたのは、今までにあまりなかった感覚だった。

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ここで役に立つのが「開発」で、例えば「Z」の時代の開発経路図を進めると、最終的にZガンダム、キュベレイ、ジ・O、百式といったSSRユニットが開発できる。「Z」のステージを繰り返しプレイして専用素材を集め、2機目、3機目のZガンダムやキュベレイを開発して部隊に複数編成したり限界突破したりすることで、ガシャで「Z」時代のユニットが一切引けなかったとしても、時間をかければ着実に戦力を高めていくことができる。

「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」レビュー:様々な作品のユニットを育てたくなるサイクルが新鮮な新しい「ジージェネ」の画像

「ジージェネ」のソーシャルゲーム化で一番心配していたのが「結局ガシャで自軍のユニットを揃えていく以上、最終的に開発を進める必要性がなくなるのでは?」という部分だったのだが、その点エターナルロードはしっかりと「ジージェネ」における開発の必要性というものを生み出すタイプのコンテンツとして機能している。

その作品内のユニットだけでやりくりするしかない関係上、この時代ではどのユニットが強いのか、それぞれのアビリティや武装の性能も含めてよく調べるようになるし、Zガンダムや百式は「Z」と「ZZ」の両方のステージで出撃可能なので育成のコスパが良いということに気づいたり、今までの「ジージェネ」にはあまりなかった方向性でユニットに愛着が湧いたりするのも面白いポイントだった。

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ソーシャルゲームでありながら、しっかりとした「ジージェネ」らしさを感じられる、シリーズのファンの目線でもかなり期待できる出来になっていると感じた本作。正式サービスが開始される日が今から待ち遠しい。

※画面は開発中のものです。

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