国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット2025春」をレポート。大にぎわいの会場で出会った、アナログゲームならではの楽しさを持った作品たちについて紹介する。
目次
「ゲームマーケット2025春」は、ボードゲームやカードゲーム、テーブルトークRPG、シミュレーションゲームといった「電源を使用しないゲーム」=アナログゲームが集うイベント。「ゲームマーケット」はアナログゲームイベントとして国内最大規模であり、企業・個人がアナログゲームを販売する以外にも、試遊することができたり、周辺グッズが販売されていたり、美味しそうなフードまで売られていたり…と、アナログゲームを味わい尽くすことができるイベントなのだ。
今回の「ゲームマーケット2025春」が行われたのは、2025年5月17日(土)・5月18日(日)。筆者が取材を行った5月17日(土)は、雨というあいにくの空模様にも関わらず、会場は大量の人に溢れていて熱く盛り上がっていた!それはもちろん、お客さんを盛り上がらせるだけの魅力を持ったボードゲームに溢れていたから。そこでこの記事では、筆者が会場で出会った、アナログならではの楽しさを持ったボードゲームを紹介したい。

理不尽すぎて爆笑必至!クソレビューを作り上げる「クソレビュージャングル」

筆者がまず目を奪われた作品が、ブース名「ClaGla」の「クソレビュージャングル」。ネットでよく目にする、不尽なレビューや信ぴょう性のない口コミ…すなわち「クソレビュー」を作り上げるというなんともユニークなカードゲームだ。

プレイヤーは、ランダムに配られた6枚のカードと、手持ちの10枚のカードを組み合わせてレビューを作り上げる。たとえば、「★1 中途半端に剝き出しで喜んでくれています。二度と買いません」のように。作ったレビューが最も面白く、他プレイヤーから共感を得たプレイヤーが勝利。理不尽過ぎて思わず笑ってしまう…多人数でプレイしたら、盛り上がること間違いなしな一作だ。
購入スタイルも都市伝説!?謎に包まれたゲーム「鮫島事件の真相」

さらに、会場で一番驚いた作品が、ブース名「DragonCreate」の「鮫島事件の真相」。「鮫島事件」といえばネット上で流れた都市伝説…ネットロアのひとつで、語ることがタブーとされる、正体不明の事件。そんな事件の名前が冠せられたこのゲーム、なんとブースに置かれていなかった!というのも裏メニュー扱いになっており、このゲームの存在を知る人間じゃなければ買えない…という購入スタイルになっていたのだ。まさに都市伝説!
ちなみに当日のブースでは「TRiNiTY(トリニティ)」という推理ゲームがメインメニューとして置かれていた。「TRiNiTY(トリニティ)」は、相手プレイヤーの指定した3ケタの数字を当てる推理ゲーム。シンプルなルールだが、「指定した3ケタの数字を変えてしまう」「手札を増やしたり減らしたりする」といったカード効果によって奥深い駆け引きが味わえるようになっている。「TRiNiTY(トリニティ)」も人気で、筆者が取材した際には通常版が完売、ハイグレード版も残量僅少という状況になっていた。
ボードゲームに異変を仕掛けろ!「異変ボドゲ」

都市伝説的な空気感をまとった作品といえば、ブース名「デイリーポータルZボドゲ部」の「異変ボドゲ」もユニークだった。異変チームと指摘チームに分かれ、何らかのボードゲームをプレイ中に、異変チームが5つの「異変」を仕掛ける。そして、指摘チームは異変の発見と指摘に挑み、4つ以上の異変を指摘できれば勝利となる。
本作はボードゲームに組み込むための異変カードだけで構成されており、ボードゲームは別途用意するという形式。好きなゲームと組み合わせることで、いつもとは異なる新鮮な楽しさが味わえそうだ。ちなみに本ブース、名前の通りWEBメディア「デイリーポータルZ」のスタッフさんたちによるボードゲーム部とのこと。これまた筆者が会場で驚いた出来事だった。
コミュニケーションの楽しさが詰まった一作!「マウントル」

アナログゲームならではの魅力のひとつが、「コミュニケーション」。プレイヤー同士が対面でプレイし、ゲームによってそこで交わすコミュニケーション自体が楽しいものへ変化する…というのは、なかなかデジタルゲームでは実現が難しい点だ。
そんな「コミュニケーション」の楽しさがつまった一作が、ブース名「Kodaka OtonaShi」の「マウントル」。「お金持ち」だとか、「いい学校出ている」だとかいった自慢できるポイントをアピールする行為…「マウント」をテーマにしたゲームで、言葉を組み合わせ、川柳の形式でマウントを取るというゲームだ。
すなわち、マウント川柳!リアルで言われたらイラっと来てしまうだろうマウントワードも、ゲームだと、思わず笑ってしまう。友だちとこのゲームをプレイして、大量のマウント川柳に大笑いした後なら、たとえリアルでマウントを耳にしたとしても、笑って流せる…かもしれない!?
アナログならではの手触りが心に染みる!「おばあちゃんのおもちゃ箱」

アナログゲームならではの魅力として、「手触り」も挙げられる。コマやカードなどのコンポーネントを触れる感覚は、デジタルゲームにはない楽しさだ。そんな手触りの楽しさを最大限活かした作品が、ブース名「きまぐれボックス」の「おばあちゃんのおもちゃ箱」。おもちゃ箱がモチーフの謎解きゲームで、駄菓子屋のおばあちゃんから受け取ったという設定に基づいてデザインされている。
おばあちゃん子だった筆者としては、箱のイラストの時点で涙腺が刺激されてしまうのだが、それ以上に箱の中のコンポーネントが郷愁を誘う。一定以上の年齢なら「懐かしい!」と叫んでしまうレベル。この感覚は、まさにアナログゲームならではと感じた。
駆け引きと爽快感!手ごたえのあるゲーム性が味わえる「シャセンブル」

腰を据えてじっくり戦術を考える…そんな奥深い手ごたえも、アナログゲームの魅力の一つといえるだろう。ブース名「Miyabi Lab」の「シャセンブル」は、まさにそんな、奥深い手ごたえを味わえる作品。相手の駒の配置がわからない状態で戦う「軍人将棋」をベースに、射撃による爽快感をプラスしている点が特徴だ。
ゲームの目的は、相手プレイヤーの「スナイパー」3体か、「ターゲット」を撃破すること。タイトルにもある「射線」…つまり、撃った弾の軌道上の敵を貫通できるというルールが気持ちイイ。一方、相手の「射線」からいかに「ターゲット」を守り抜くかという要素がスリリングな駆け引きをもたらしている。じっくりプレイしたい一作だ。
誰もが笑顔に満ちていた!大満足できる内容に次回も期待大

今回、会場を歩いていて気づいたのが、参加者の笑顔。会場に並んだゲームを見回っている人、試遊している人、フードブースで食事している人、皆が笑顔だった。このため、会場にいるだけでも思わず楽しくなってしまった。まさしく、人と人が対面で楽しむというアナログゲームの魅力を体現したイベントだと思う。秋に開催が予定されている次回の「ゲームマーケット」にも期待大!今回参加できなかった人も、次回はぜひ参加してみてほしい。
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