ネクソンが開発中の新作アクションRPG「Vindictus: Defying Fate」。6月9日からSteamで実施されるパブリック・アルファテストに先駆け、ディレクターのオ・ドンソク氏にメールインタビューを実施した。
――「マビノギ英雄伝」をベースに制作されているということですが、同作からどのようなインスピレーションを受けて開発していったのでしょうか?
「マビノギ英雄伝」の世界観やアクションシステムといった要素は、現代の技術とデザインで再構築する価値があると考えました。開発チームには、長年アクションRPGを開発してきた豊富な経験がありますので、この強み活かして、エキサイティングなゲームを作る自信もありました。
プロジェクトの承認は簡単なものではありませんでしたが、世界中のプレイヤーから「マビノギ英雄伝(Vindictus)」の新作を望む声が多く寄せられたことが、私たちに大きなモチベーションを与えてくれました。

――アクションRPGは現代では主流なジャンルの一つだと思いますが、本作ならではの差別化をどの点に意識していったのでしょうか?
「マビノギ英雄伝(Vindictus)」のアクションスタイルは時代とともに大きく進化し、最新版は初期のバージョンから大きく異なります。「Vindictus: Defying Fate」では、初期から最新版まで、その歴史全体をしっかり検証し、現代のプレイヤーに最もご満足いただける要素を特定することを目標としました。それらの要素を選択的に取り入れることで、親しみやすさと新鮮さの両方を感じられる、新しいアクションRPGを作り出し、現代のゲーマーが心から楽しめる体験を提供することを目指しています。
オリジナルの「マビノギ英雄伝」は、基本的にマルチプレイヤーシステムを中心に構築されており、プレイヤー同士の対戦やトレーディング、パーティベースの戦闘バランスといった要素が盛り込まれていました。対照的に「Vindictus: Defying Fate」は基本的にシングルプレイで、オプションでマルチプレイが楽しめる形になっています。
これにより、プレイヤーはそれぞれのプレイスタイルに合った方法で、ゲームをプレイすることができます。「Vindictus: Defying Fate」は、オリジナルの「マビノギ英雄伝」と比較しても、より物語性を重視し、深い没入感とストーリーテリングを目指し、リッチなシングルプレイ体験を提供することに重点を置いています。


――昨年プレアルファテストが実施されましたが、そこで得られたフィードバックの中で特に印象的なものはありますか?
特筆すべきフィードバックの一つとして、レベルデザインに関するものがありました。単なるマップ上の移動や、ボスとのバトルを何度も繰り返すのではなく、もっとバラエティに富んだインタラクションを望んでいるというものです。
こうしたフィードバックを受けて、今回のアルファテストではレベルデザインを大きく変えています。プレイヤーはよりインタラクティブな移動要素や新しい環境トラップを体験できるようになり、もっと魅力的でダイナミックなゲームプレイをお楽しみいただけると思います。

――今回のアルファテストで特に注目してほしいものがあればお聞かせください。
戦闘のアクションシステムはもちろんですが、キャラクターを操作する際の、流動的で自由な感覚にも注目いただきたいです。歩く、走る、止まる、曲がるといった基本的な動きでも、入力した瞬間から満足感を得られるような、スムーズな反応を提供できるよう注力しました。加えて、キャラクターの衣装や身体の物理エフェクト表現にもこだわっています。シンプルな動きでも、繊細で緻密なアニメーションを加えていますので、よりキャラクターの存在感が増し、没入感のあるゲームプレイがお楽しみいただけると思います。
こうしたエフェクトは戦闘にも採用されていて、アクションシークエンスでは、キャラクターの動きに合わせて衣服や身体が滑らかに反応するのがお分かりいただけると思います。


――今回はプレイアブルキャラクターが4人になりましたが、操作性の違いなど差別化する部分はあるのでしょうか?
プレアルファテストからのキャラクターであるリシタとフィオナは、「Vindictus: Defying Fate」のアクションシステムに慣れていただくための基本キャラクターとしてデザインされました。今回追加されるデリアとカロックは、状況に応じたアクションや意図的な制約といった、特殊なメカニズムを中心にデザインされていて、特定の戦闘シナリオに適したプレイスタイルが特徴になっています。
プレアルファテストのフィードバックをもとに、ゲーム全体の戦闘の方向性がより洗練されていき、これはプレアルファテスト後に開発されたデリアとカロックだけでなく、リシタとフィオナの開発にも波及しました。ですので、リシタとフィオナの戦闘システムも、今回のアルファテストでは大きくアップデートされています。例えば、リシタのヒューリーはより素早く直感的に使えるようになります。フィオナのシールドスキルは、戦闘での有用性が増したほか、よりダイナミックで新しい選択肢をもつようになりました。

――ストーリーも用意されているようですが、本作のゲームサイクルはどういったものを想定されているのでしょうか。
メインストーリーを含め、ゲーム内のすべてのコンテンツは、すべてシングルでプレイ可能です。またメインストーリーとは別に、「特殊依頼(Special Missions)」という高難易度のコンテンツを用意しており、これはソロプレイと4人協力プレイの両方に対応していて、プレイヤーは好みのスタイルを選ぶことが可能です。「特殊依頼」はメインストーリーとはまったく別のもので、メインストーリーの進行に必要なものではありません。難易度が高いため、戦闘スキル磨きたい方に向けたオプション的なコンテンツという位置づけです。
まだアイデアの段階で、具体的な内容はお話しできませんが、メインストーリーとは別のフォーマットで、各メインキャラクターの物語を紹介する可能性も検討しています。これらの物語は、キャラクター間の関係を描きながら自然と浮かび上がるかもしれませんし、完全に独立したコンテンツとして登場するかもしれません。

――今回日本語がサポートされていないようですが、正式リリース時にはサポートされるのでしょうか?
日本語への対応は、開発の初期段階から前向きに検討しています。現時点ではどこまで日本語がサポートできるか申し上げるのが難しいですが、UIや字幕のサポートは必須だと思いますので、実現できるように向けて全力を尽くしています。
――本作を注目されている方々にメッセージをお願いします。
数年前、「マビノギ英雄伝」のディレクターとして日本に行き、プレイヤーの皆さんと直接お会いする機会がありました。そのときの思い出は今も心に残っています。今回、新しいタイトルを日本の皆さんにお届けできることになりました。「マビノギ英雄伝」をプレイいただいていた皆さんには、新しい興奮とともに当時の思い出が蘇ってくることを願っています。そして、本作に初めて触れる方にとっては、喜びや驚き、そして冒険する価値のある世界を提供できる作品となるよう、全力を尽くしたいと思います。
Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/2814860/Vindictus_Defying_Fate/
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※画面は開発中のものです。
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