7月22日~24日にかけて、パシフィコ横浜 ノースにて開催のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2025」。ここでは、7月24日に行われた「スマホゲームマーケの『嘘』2025 プロデューサー、ディレクター必見、ゲームマーケの新常識」の模様をお届けする。

本セッションではサイバーエージェントの家門真明氏が登壇し、実データや、事実をベースに誰でもわかる「マーケの深刻な問題」と解決方法を語った。

スマホゲームマーケで起きている問題
CEDECで毎年同じテーマのセッションを行っている家門氏だが、今年は3回目のセッションとなる。今回のセッションは、まず前半で過去2回のセッションの簡単な振り返り、そして後半で実データを使って本当にユーザに届くマーケ手法を紹介する。
まず、スマホゲーム市場が2021年以降、縮小傾向にあるという。その理由は、スマホの利用人口が停滞傾向にあり、スマホゲーム人口が増えていないことが挙げられるそうだ。

家門氏によれば、「もしも1億円の広告費を使ったとしても、おそらく2000万円程度のパワーしか出ていない」という。つまり、80%の広告費はただ無駄になっているのだ。
例えば「1万人獲得したと計測されても、実際には1000人しか増えていない」「広告を止めても、獲得数が減らない」「全然ゲームユーザーが見ていないメディアに広告が出ている」といったことが挙げられる。
その原因を「無関心」と「マーケティング担当とのコミュニケーションミス」と家門氏は分析。広告を打たない状態と、一般のイメージ、そして実態が、実はだいぶ乖離しているのだそうだ。


なぜ、実態でそんなことが起こっているのかというと、マーケティングの成果計測を外部のサードパーティ計測ツールに完全に依存しているからだという。
サードパーティ計測ツールに完全に依存している理由は、大規模開発になっていること、個の特定の難易度の高さなどが挙げられ、計測ロジックをハックして、計測ツール上の成果を大きく見せてしまうのだそうだ。

なお、広告には「クリックしてインストールしたユーザー」と、「広告を見てインストールしたユーザー」の2種類があるが、クリック経由:見た経由の比率は、なんと2:98で、圧倒的に見た経由のほうが多いという。つまり、スマホゲームの広告がはちゃめちゃな状態になってしまっているのだ。

では、実際に「見た」広告として効果が高いのはどこなのだろうか。それについて家門氏は、画面の一番下で全く視界に入らなそうな場所こそが、一番効果があると述べた。
大きな広告などは、本来見たいコンテンツの邪魔にしかならないものの、小さな広告は表示されていても邪魔ではない、というのが大きいそうだ。

せっかく出した広告が20%しか力が出せていない根本的原因は、「統一指標っぽいもの」と「サードパーティ計測ツールに完全に依存」していることであり、これらを捨てて諦めることが重要なのだと、家門氏は語った。
とはいえ、広告投資対効果を計測する必要はある、としつつ、家門氏は「騙されたと思って、これからはメディア毎の成果はいいから、広告をやっていない時より、トータル何件伸ばせたかと見よう、と言ってみてほしい」と述べた。これは「絶対に獲得数が伸びる、魔法の言葉」だという。
ちなみに、サードパーティ計測ツールに依存しない計測として最も効果的なのは、「事前登録(事前予約)」だそうだ。事前登録では、結局何件事前登録が増えたかだけを追い、リリース後は「統一指標っぽいもの」が出現するのだ。

また、広告の配信先とみているユーザー層がかぶっていることも、広告費を無駄にしている理由のひとつだという。無駄な配信をひとつ止めてみるだけで、結論としてトータルの獲得数はほぼ下がらず、広告を止めてオーガニックが増加し、全体のCPIでは200円程度下がったそうだ。



そして家門氏は、最新のマーケテクニックとして、事前登録の配信手法が本質的だと気付いたという。「事前機の配信面をリリース後にも反映させる」「ひとつのメディアの負担が減って獲得効率がアップ」「当たり前に認知効率もアップ」というメリットだらけの事前登録は、ぜひやるべきだと話した。
また、メガメディア(Google、Meta、Tiktokなど)は、自分たちの「固有面」以外に「外部の配信面」に配信が出ることもあり、メガメディアに配信が出ることが悪いのではない、としつつ、小さいクリエイティブが出てしまっていることが問題であるのだと述べていた。
さらに、ゲーム側データと計測ツールデータは結構異なるという。以前調査したあるゲームでは、43%もデータが乖離したという出来事が起こったそうだ。
これは計測ツールが悪いのではなく、仕様上やむをえないことであり、例えば計測ツールは端末変更して普通にログインしたユーザを「新規ユーザー」として判別してしまうために起こるのだという。そしてこの乖離は、計測ツールの担当者は必ず説明もしてくれるため、自分たちでこれを把握しにいくルール作りが大切。特に有名タイトルや長期間運営タイトルほど乖離は明確に現れるそうだ。
最後に家門氏は、「スマホゲームマーケのあるべきかたち=地動説を打ち立てたい」「みなさんが真摯に作り上げたゲームが100%ユーザーに届く世界を作り上げたい」と語って、セッションを終えた。

なお、CEDEC 2025は8月4日10時までタイムシフト配信が行われている。興味のある人は、ぜひ配信を見てほしい。
CEDEC2025公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2025/
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