セガが2026年初頭にPS5/PS4/iOS/Android/Steamで配信予定の「プロサッカークラブをつくろう!2026」。本作のプロデューサー・久井克也氏へのインタビューの模様をお届けする。
「プロサッカークラブをつくろう!2026」は、全権監督としてチームを作り上げ、ローカルクラブから世界の頂点を目指したり、自分が住む街やお気に入りの地域のクラブをトップクラブへと育て上げたりといったドラマを楽しめるサッカーシミュレーションゲームだ。
ゲーム内の箱庭世界でクラブの監督に就任して最強のクラブを目指す“サカつくモード”と、同モードで育成した選抜選手でチームを作ってPvPやPvEコンテンツなどを遊べる“ドリームチームモード”などのゲームモードが用意されている。
――本作における役割とこれまでの「サカつく」シリーズとの繋がりについてお聞かせください。
会社の中では第4事業部 副事業部長という立場で、主にスマートフォンのゲームタイトルを見ており、「サカつく」においてはプロデューサーを担当しています。
私は「サカつく6」でプランナー、「サカつく7」ではディレクターなど、様々なタイトルで「サカつく」シリーズに関わってきました。今回、当時のような「サカつく」を再現したいという思いがあり、企画を立ち上げました。
――発表会後から今日に至るまで、ユーザーの反響をご覧になった感想をお聞かせください。
発表会後だとコメントを含めて荒れていました。王道「サカつく」でプラットフォームも幅広い中、ビジネスモデルがガチャの課金モデルだったところに対して、批判的な意見が多く寄せられました。
我々としても発表会だけでは伝えきれていなかった部分があったとは思います。ただ、発表会の中でしっかりと説明した箇所、メディアの皆さんが書いてくれた記事で紹介していただいた部分への意見もありました。チームメンバーと話す中で、公式Xなどでちゃんと情報を発信していく必要があるという結論になり、ビジネスモデルは変わらずにガチャの課金モデルではあるものの、昔の「サカつく」を体験できることを赤裸々に情報として出していくことに決めました。
そこからは、私の個人Xや作品の公式Xで情報を出していき、ユーザーのセンチメントが良好に変わってきているのを見て取れて、今は応援してくださる方も多くなってきました。クローズドベータテスト(CBT)を終えて、開発としてもかなりドキドキしていたタイミングだったのですが、結果としてはかなり良好で、受け入れてもらえたと思っています。今では「早くリリースタイミングを教えてくれ!」という意見が寄せられてくるぐらいで、徐々に印象が良好になってきているのを実感しています。
――CBTで寄せられたユーザーからの要望などがあればお聞かせください。
CBTでプレイしてくださったユーザーさんは、コンシューマー(CS)から「サカつく」を愛してくれていた人が多く、CS時代にはあったものの本作でなくなってしまった要素について意見が寄せられました。
例を挙げると“留学”についての意見は多く集まりました。意図的に外したわけではなく、様々な要素を実装するにあたり、優先度が落ちてしまい、残念ながら入れることができませんでした。
これらの意見踏まえて、留学という要素は“期限付き移籍”という名前に変えて実装しようと思っています。期限付き移籍はもちろん、その他要素もリリース時には導入した状態でお届けします。
――CBTに参加できたのは日本のプレイヤーだけだったのでしょうか? もし海外のプレイヤーも参加できていたのであれば、海外ユーザーの反応がどうだったのかもお聞かせください。
タイと香港、韓国、インドネシア、イギリス、アメリカのプレイヤーも参加していました。
反応は場所によって異なりますが、我々が想定していたよりも継続率が高く、特にアジア地域が良かった印象です。イギリスやアメリカについては、「Football Manager」とは少し異なる体験なため、初期の継続率は落ちているものの、戦えない数字ではないというのが我々の見解です。
――CBTで寄せられたユーザーからのポジティブな意見にはどのようなものがあるのでしょうか?
プラットフォームがスマートフォンなど現代的になっていることを踏まえて、過去の「サカつく」よりもサクサク進む、テンポ間の良さというのは多く寄せられました。過去のシリーズだとロード地獄のようなものもあったので。
そのほかだと、昔の「サカつく」感があるという意見や、架空選手の存在などでポジティブな声をいただきました。



――意見の内容というのは日本/海外どちらのユーザーも内容的には同じようなものだったのでしょうか?
架空選手については、日本ユーザーからの意見が多いです。海外のユーザーは印象や意見は異なり、「Football Manager」と比べている人が多く、ポジティブ/ネガティブどちらの意見も寄せられました。
――ネガティブな意見ではどういった内容のものが寄せられたのでしょうか?
すでに対応することは決定しているのですが、「成長期が短い」という意見はありました。特にガチャの選手はどうしても伸びる設計になっている中で、サカつくモードだけで得られる普通の選手たちは1年しか伸びない、成長期がないというのがあったので、そこは長くするように調整をかけています。
――架空選手のお話が出ましたが、本作ではどの程度、網羅的に登場するのでしょうか?
架空選手は意識的に入れていきたいと思っている要素です。
少し内実の話になってしまうのですが、開発チームの中には、20年前の作品を開発していたというメンバーはいません。私も「サカつく6」から入ったので、名作と言われる「サカつく2002」や「サカつく04」を作っている側の人間ではないので、当時出てきて有名になった架空選手をよく知りませんでした。
CBT直前のバージョンだと、架空選手自体の数がかなり少なかったのですが、情報を発表していく中で、ユーザーから「この選手はいるのか?」という声をよく目にしました。中には自分もピンとくる選手はいたのですが、開発メンバーは「えっ、誰ですかこれ?」となるわけですよ。アルガンチューワでさえ、その状態になりました。
「この選手は入れなきゃだめだ!」ということを一人ずつピックアップしても伝わらないので、まずは過去の攻略本や選手名鑑などを用意し、ユーザーから挙がったものも網羅していきまいた。
Discordでは「入れて欲しい架空選手」についてアンケートを行ったのですが、すごい量が出てきて我々としても興味深く見させていただきました。それをゲーム内に入れていこうと思ったのですが、あまりに膨大だったので、徐々にアップデートで追加していこうと思っています。

――…余談にはなるのですが、開発の皆さんはサッカーは好きなのでしょうか?
はい! …いや、はいって言えるのかな(笑)? サッカーが好きでゲームも開発できる人間は限られるので、難しいですね。人によってまちまちにはなりますが、すごい知識を持っている人もいます。特に、今回選手データを作っている人間は5年目くらいの若手で、私が新卒の際に面接した人間ですけど、サッカーの知識という点で採用したほどです。
――どのような面接内容だったか気になりますね(笑)。
一般的な面接で自分ともう一人の面接官がいて、ゲームプランナーとしての質問をしていく中、趣味を尋ねると「サッカーが好き」と答えたので、どのくらい好きなのか掘り下げてみました。
たまたまもう一人の面接官が、「Jリーグってもう落ち目じゃない?」と話したのです。当時は2020年のコロナ禍前でしたが、実際Jリーグはどんどんファン数を伸ばしていって、落ち目ではありません。
一般の印象だとそう思うのかと感じていたのですが、面接した彼はそれに対してすごいムキになって答えたんですね(笑)。Jリーグの現状、彼の地元の熊本の現状、熊本にJリーグクラブがある意味を説明してきて、その時に彼は日本のサッカーの本質を理解していることが伝わってきたので採用しました。

――今回のCBTはスマホ/PCが対象プラットフォームでしたが、今後コンシューマーを加えてのテストなどは考えられているのでしょうか?
現時点ではもうテストを実施しなくても大丈夫かと思っています。今回のCBTでネガティブな意見が多かったり、開発として一度回収して確認しなければならない要素が存在すれば、やる必要はあると思っていましたが、ネガティブな意見というものはそこまで多くなかったので、テスト自体は今後するつもりはありません。
――ユーザーとしてはサービスインを待つ形となりますが、今後はゲーム情報の発信のほか、「サカつくをつくろう!」企画などの展開も行われていくのでしょうか?
我々としては、どうCBTの意見に向き合うかを今まで続けていたため、なかなか発信する機会がありませんでした。今後は、まずCBTの結果を皆さんに共有するほか、「○○をつくろう!」といった企画はやっていこうと思っています。
――企画自体はリリース後も続けていくのでしょうか?
やっていきたいと思っています。事業的にうまくいけば、シーズンごとに選手データを切り替えていくつもりですので、例えばJリーグで新しく入ってきた選手に対してファンの方に投票してもらう形でスキルや能力を決めていきたいです。
――現在の開発状況をお聞かせください。
CBTで寄せられた意見に向き合って、いくつか追加しなければいけない要素の対応している状況です。なので、リリースを含めた目標というのは見えています。2026年初頭にリリース予定です。
――最後ファンへのメッセージをお願いします。
まずCBT参加者の方は、プレイしていただき本当にありがとうございました。この結果は我々としてもすごくポジティブに受け取っています。
「じゃあ早くリリースしてよ!」という話になると思いますが、まだ完成度として上げられる部分もあると思っています。アップデートで追加できることだったかもしれませんが、思い残すことがない形でリリースを迎えたいので、開発チームとともに意見を出し合って要素を出し、検討を進めています。
それをやり切って皆さんに届けられるように開発してまいりますので、よろしくお願いいたします。

(C) 2026 Manchester City Football Club / LICENSED BY J.LEAGUE / (C) J.LEAGUE / K LEAGUE property used under license from K LEAGUE / The use of images and names of the football players in this game is under license from FIFPro Commercial Enterprises BV. FIFPro is a registered trademark of FIFPro Commercial Enterprises BV. / (C)SEGA
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。

















































