コーエーテクモゲームスより発売予定の「アトリエ」シリーズ最新作「カリアのアトリエ ~夜の王国と追憶の道標~」。その発表に際して行った、プロデューサー・細井順三氏、ディレクター・福井大暉氏へのインタビューをお届けする。
本作は、2025年3月に発売された「ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~(以下、ユミアのアトリエ)」と世界観を共有する「追憶」シリーズの2作目。新たな主人公・カリアを中心に、まったく新しい物語が描かれる。

本作では「アトリエ」シリーズを象徴する調合の面白さや重要性を意識し、調合で作成したアイテムをさまざまな要素で活用できる作りになっているという。
そうした作りには前作「ユミアのアトリエ」でユーザーから届けられたさまざまなフィードバックへの反映が背景としてある。今回のインタビューでは、それらを細かく紐解きつつ、現時点で話せることをたっぷりと伺ってきた。

インタビュー・編集:TOKEN
文・写真:胃の上心臓
「ユミアのアトリエ」で得た手応えと学びをもとに、さらに進化する次世代の「アトリエ」
――この作品でのおふたりの立ち位置からお伺いできますでしょうか。
細井氏:「ユミアのアトリエ」から引き続きプロデューサーを務めている細井順三です。プロダクトデザインから商品設計、仕様であったり、作品性であったりを責任者として決めています。
福井氏:福井大暉です。「ユミアのアトリエ」ではリードプランナーを務めていましたが、本作からディレクターとなりました。現在はコアとなる調合システムの仕様設計を担当しながら、ゲーム全体の統括をしています。

――まずは前作についてのユーザーからの反応や、取り組みに関する振り返りをお願いします。
細井氏:前作から次世代の「アトリエ」シリーズを目指してきて、フィールドの遊び方の部分は非常に好評でした。その一方で、新たに「アトリエ」シリーズに触れる方たちのために間口を広げた部分や、シリーズの特長である「調合」については多くのご意見をいただいたと思っています。
RPGとして新たに挑戦した部分について好評をいただいたところもあります。一方で、シリーズならではの魅力とRPGとしての広がりを、よりよい形で結びつける余地があったと感じました。そういったご指摘をこれまでのタイトル以上にいただいたので、本作ではそれをひとつひとつ見ながら、どうすれば“次世代の「アトリエ」”としてさらに前進できるのか、そのためにどの部分をより磨き込むべきかを考えました。
――前作の段階から本作の構想はあったのでしょうか? また、その構想からフィードバックを受けて方針転換した部分もお教えください。
細井氏:「アトリエ」シリーズは三部作構成で制作することが多いので、今回も前作を作る前から構想を思い描いていました。前作では、私たちが挑戦した部分に対してさまざまな反応をいただきました。その中で、手応えを得られた部分もありましたし、さらに良くできると感じた部分も多くありました。
評価してくださった部分はさらに伸ばしつつ、そこからどう変えればユーザーさんに更に楽しんでいただけるのかを考えました。
その結果、ガスト内で議論を重ね、これまで以上に調合を中心に据えたゲームサイクルを目指すことにしました。

――前作「ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~」のキャラクターたちは登場するのでしょうか?
細井氏:はい、登場します。ただ、前作でアラディス大陸の調査が終わっている形なので、それぞれが違う仕事をしています。そのため全てのキャラクターが一堂に会するのではなく、前作とはまた違った関わり方をする形になっています。
――今回のキャラクターデザインは前作に引き続き、べにたまさんが担当されているのでしょうか?
細井氏:プレイアブルキャラクターは全てべにたまさんにデザインいただいており、その他のキャラクターもべにたまさんに監修していただきました。

主人公・カリアは食事することで変化が……!?
――キャラクターたちの中から、今回発表されたカリア、セルヴィオ、フィナについてお聞かせください。
細井氏:カリアは記憶を失ってしまった冒険者です。本作の物語は彼女が開拓団に入るところから始まります。何でも食べられるという特殊な能力を持ち、それによって成長したり、記憶が蘇ったりします。好奇心があり活発な女性を目指して作り上げました。

セルヴィオは学者肌で知的なキャラクターです。だけどコミカルな一面もあり、カリアをサポートするような立ち位置で活躍します。基本的にカリアとセルヴィオが、バディのような関係性で物語が展開していきます。

フィナはカリアのことが大好きな子です。カリアをとにかくサポートしたいと考えて、一緒に冒険に旅立つことになります。彼女に関しても前作から意識して変えようと考えた部分です。前作では錬金術が禁忌だったためシリアスなトーンで物語が始まりましたが、本作は全般的に明るい物語になっています。

――キャラクターや物語の雰囲気も意図的に変えている部分があるんですね。
細井氏:これもユーザーさんからのフィードバックにあった部分なんです。もうちょっと明るい「アトリエ」らしいストーリーが見たいというコメントをユーザーさんからいただきました。一方で、物語に緊張感をもたらす存在や展開も必要だと考えていますので、本作でも明るさや温かさを大切にしつつ、物語を動かす存在としてヴィランは登場します。
――キャラクターたちのデザイン面でもこだわった部分をお教えください。
細井氏:カリアは食事をすることで見た目が変わるキャラクターです。なので、顔周りのパーツやその変化がわかりやすいキャラクターデザインを目指しました。カリアは食事によって見た目が変化するキャラクターなので、その変化が分かりやすく伝わるよう、衣装のシルエットや細部のデザインにもこだわっています。食への好奇心や活発さが、ビジュアルからも自然に伝わるよう意識しました。

セルヴィオは身体に見られる縫い跡のようなデザインがこだわりです。謎が多いキャラクターなので、ぜひそこはプレイして確かめていただければなと。

フィナは可憐でガーリーな見た目ではありますが、武術に長けたファイターなので、そのギャップをかなり意識しています。

――フィナはこの外見から武術に長けているというのは確かに意外さがありました。
細井氏:バトルに参加するキャラクターは扱う武具を意識してデザインの方向性をまとめることが多いと思うのですが、彼女に関してはそれより可憐さや可愛さを重視する方向性のデザインにしています。「え? このキャラクターが戦うの?」と驚くようなところから、どんどん戦うキャラクターに寄せていったようなイメージですね。
――同じく登場することが発表されたユミアに関してですが、2年ぶりに大陸を訪れるということで、どのような変化をつけていったのでしょうか?
細井氏:ユミアは前作以降、さまざまな土地を巡って錬金術の痕跡であったり、錬金術が過去にどう扱われていたかを旅をしながら研究しているという立ち位置です。そういった活動での経験からか、前作よりかなり成長を遂げています。

「ライザのアトリエ」三部作……いわゆる「秘密」シリーズから入られたユーザーさんは、またユミアが主人公だと思っていたかもしれません。ですが「追憶」シリーズでは他の過去作と同様に、主人公を切り替えるスタイルを取っています。
ユミアはカリアの師匠という訳ではありませんが、カリアと一緒に錬金術をどう世の中に認めてもらうのか、広げていくのかというところに関わってきます。錬金術に関するストーリーでは、大きく寄与してくれます。
そんな本作のストーリーでは、錬金術が一般に広まっていくまでの過程……文明開化とでも言える部分を描いているんです。カリアは錬金釜を使う錬金術と出会い、それを通して錬金術に触れられるようになります。
対するユミアは天才肌で、だからこそマナをあまり使わず錬金術を行使できる。この二人が出会うことで錬金術の未来も変わっていきます。ユーザーさんからは錬金釜の復活を望む声も非常に多くいただいていました。そこで本作では錬金釜をゲームシステムだけでなく物語にも深く関わる要素として取り入れ、それをどう成立させるかを考えていく中で、現在の物語が組み上がっていきました。
――ユミアはかなり雰囲気が変わった印象ですが、デザインについてもお聞かせください。
細井氏:ユミアのデザインに関して、私たちから要望したことは実はありません。べにたまさんが設定をチェックして、そういう世界を旅したユミアならこうだろうという姿がポンと顕現した形なんです。きっとベにたまさんの中のユミアが動き出した結果、ああいう形にまとまったのだと思います。

――カリアというキャラクターや、本作の物語についてもう少し掘り下げさせていただけますか?
細井氏:カリアはなんでも食べるキャラクターなのですが、なぜそうなのか……という部分はやっぱり大きなところなんです。もうひとつは、なぜこのタイミングで地下世界が出てきたのか。我々としても大きなファクターだと思っています。
本作は地下世界のお話、カリア自身のお話、錬金術のその後のお話、この3つの線が平行するような物語なんです。これまではひとりの主人公の物語を追いかけるような流れでしたが、本作では複数の線で物語を描いていますのでぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。また、キャラクターエンディングも用意しているので、気に入ったキャラクターひとりひとりとの交流も楽しんでみてください。

食事を始めとした、アイテムとシステムとの親和性向上の試み
――システム面についても伺わせてください。今回はアイテムの活用が大きく打ち出されています。この方向性になった意図はなんだったのでしょうか?
福井氏:こちらも前作へのユーザーさんのコメントを受けて、方針を決めました。
前作では、作成したアイテムをもっとさまざまな場面で活用したいというご意見をいただきました。そこで本作ではフィールドでアイテムを投げられるようにしたり、食事などの新要素でアイテムを活用できるようにしたり、そういったアイテムとシステムとの親和性を向上させました。
また、錬金釜を使うとなると、調合の方式が前作とはまったく違うものになってしまいます。前の調合からの進化も検討しましたが、最終的に別物にするかたちで調合システムに関してもイチから作り直しました。

――シリーズの歴史が長い分だけ、遊び続けてきたユーザーによってはかなり印象が変わる部分でもあるかと思います。
福井氏:前作の調合システムは、より多くのユーザーさんに遊んでもらいたかったことから、かなりシンプルに作っていました。ですが、もっと調合をやり込みたい、もっと作ったアイテムを色々な場所で使いたいという要望を多くいただきました。
前作の調合は集めた良い素材を投入するだけでひと際良いアイテムが完成していたので、正解がわかりやすかったかと思います。ただ、それだと拡張性が足りなかった。本作では探索用のアイテムにそれ専用の効果を付与したり、食事用のアイテムにも効果を付けたりすることが可能です。
特性に関しても過去シリーズと同様に素材に付く形になっているので、目的別に、こういうアイテムが作りたいから、ある素材と素材をかけあわせて調合を行う……といった具合に幅を持たせる設計にしました。

――食事という要素を組み込むのはシリーズでもあまりなかったかと思います。この発想はどういった経緯で生まれたのでしょうか?
福井氏:前作では、オープンフィールド化にあたり、フィールドでの遊びの価値を高めることを重視しました。
たとえば採取では、1回の採取で「素材」と「資材」の両方が手に入るようにしました。素材は調合に、資材はハウジングに使うことで、採取という行動がゲーム内の複数のシステムに関わるようにしたんです。その結果、フィールドを探索する意味や価値は、これまで以上に高まったと考えています。
一方で、RPGとしての遊びには一定の手応えがあったものの、「アトリエ」シリーズの核である調合を中心としたゲームサイクルとの結びつきについては、さらに深められる余地があると感じていました。
そこで本作では、ゲーム全体の基点をフィールドから調合へと改めています。前作は、どちらかというとフィールドを中心に、そこから戦闘やハウジングにつながっていく設計でした。対して本作では、調合によって戦力を整え、フィールドの強敵を突破し、新たな素材を入手する。そして、その素材を使った調合によってキャラクターたちをさらに育成していく、というサイクルにしています。さらに、その進行に応じてハウジングエリアも広がっていきます。
また、次世代の「アトリエ」シリーズを目指すうえで、本作では食事システムも調合と結びつけました。これまで、調合で作ったアイテムは主に戦闘で使用するものでしたが、本作ではカリアがそれを食べることで、できることが増えていきます。
つまり、調合で作ったアイテムの使い道を戦闘だけに限定せず、探索や育成、食事システムなどにも広げることで、調合そのものの価値をより高めることを目指しています。前作で評価いただいたオープンフィールドや戦闘の遊びを基礎にしながら、本作ではそれらをさらに調合と強く結びつけることで、「アトリエ」らしいゲームサイクルをより深く楽しめる形にしています。



ただこれをすると難易度が上がってしまう点はネックでした。色々なユーザーから指摘があったことからも、前作は残念ながら誰もが認める名作とはなりませんでした。しかし、そこで一定以上受け入れられた部分を基礎として、オープンフィールドの遊びであるとか、戦闘であるとか、そういうところに作用する物も作っています。
――前作に触れた方がイメージしやすいよう、前作を踏襲しているところとここは明確に新しい要素だという部分もお聞かせください。
福井氏:フィールドに関しては前作で高低差のあるフィールドが好評でしたので、その部分は継続しています。ただ、上下や横の移動は広大なマップに対して足りなかった部分があるので、フィールドアクションを用いることで素早く移動できる要素を足しました。
フィールドで採取物をそのまま食べる「つまみ食い」という要素があるのですが、これによってカリアの見た目が変化します。また、つまみ食いやアイテムを使うことでフィールドのギミックを解決できるので、よりフィールドがシステム的な要素と紐づくように設計しています。


前作では地上のリグナス地方からシバーシュ地方、アウルーマ地方といった流れで探索を進めていたと思います。本作では新フィールドが地下の方にありますので、地上との違いを楽しんでもらえればと。


バトルは前作のベースシステムから大きく変化はしていません。インレンジとアウトレンジを切り替えながら戦う部分は踏襲しています。一方で、本作では新たにコマンドバトルの要素を取り入れ、アクション性と戦略性の強化を図りました。
パリィは本作から追加された新要素です。タイミングよくガードすることでパリィが発動し、その成功後には一定確率でカウンターが発生します。アクションゲームが得意な方は、そうした部分もやり込んでいただければと思います。後は仲間との協力要素です。仲間たちに攻撃を肩代わりしてもらって、その間に自分が攻撃する……そうやって仲間たちとの連携感を強化するなどして、アクション性の部分は進化させています。
コマンドバトル部分については、アイテムやチャージスキルを使用する時に、コマンドメニューから選択します。その間は時間経過がないので、じっくりパーティキャラクターの行動を選べます。

また、前作ではアイテムは使った瞬間に即発動でした。なので、強いアイテムを作っておけば楽勝だったのではないかと思います。本作ではアイテムを使ってから発動するまでの待機時間を設けており、その間に攻撃されると使用がキャンセルされることもあるんです。
敵をブレイクするためなど、アイテムをどういう場面で使うのか。使うための待機時間をフォロー仲間たちに引き受けてもらって、より強力なアイテムの発動を狙う……とか。どうすれば強力なアイテムを使えるのか、いつ使うのかを考える要素を戦闘に取り入れたことで、戦略性を担保しています。
さらに、本作ではで超巨大な敵と戦うことがあるのですが、そこに関してはまったく別のシステムを用意しています。ぜひ発売を楽しみにしていただけたらなと。

――各キャラクターのバトルにおける特徴も聞かせてください。
福井氏:今回はスキルが弱攻撃と強攻撃に分かれているのですが、カリアは強攻撃でエネルギーをチャージし、そのエネルギーを剣に纏わせることで属性が付与されたり、一定時間自身の能力がアップしたり、そうやって自己強化を駆使しながら戦うキャラクターだと考えていただければと。また、食事を用いた「スタイルチェンジ」という能力を持つのですが、詳細は今後の続報をお待ちください。

フィナは回避特化のキャラクターです。パリィで敵の攻撃を回避することでゲージが溜まり、逆に敵から攻撃を受けることでゲージが下がってしまいます。とにかく攻撃を回避することが重要で、回避を行って溜まった神速ゲージを用いることで、敵から攻撃を受けることなく一方的に攻撃を叩き込むことができるキャラクターになっています。

セルヴィオは典型的な魔法使いタイプで、光属性のスタイルと闇属性のスタイルを切り替えながら戦います。光属性の時は敵からの被ダメージが減る代わりに、自分の与えるダメージも少なくなります。敵にダメージを与えることで自分のHPが回復し、その回復量に応じてゲージが溜まっていきます。
闇属性の時は攻撃すると逆にHPが削れてしまうのですが、その分強力な攻撃が可能です。その相反する力を使って戦闘を繰り広げ、光と闇のゲージが両方最大まで溜まると、光属性と闇属性……ふたつのスタイルがあわさった状態になるんです。この時は光と闇の両方のメリットを得られる最強の状態なので、立ち上がりに時間がかかりますが、この状態にいかに早くもっていくかが肝になります。

ユミアは攻撃するための銃弾が蓄積されて、一定時間射撃を行えるモードに変わります。今回は狙いをつけなければならないので、戦闘中に狙いを付けて射撃する形の効果を能力として持っています。

――本作ではパリィが実装されるとのことですが、これが入るとアクションゲームのスキルが如実に反映されると思います。できない方のプレイ体験はどれくらい変わるのでしょうか?
福井氏:パリィに関してはできないとボス戦をクリアできないだとか、そういうレベルのものではありません。パリィを狙わずとも回避を優先したり、より強い装備を作って戦ったりすることも可能です。
また、パリィに挑戦してみたい方のために、パリィの難易度を緩和する装備や、仲間に攻撃を受けてもらって判定を楽にするといったフレンドアシスト機能があるので、そういったものを活かしてパリィにチャレンジしてみていただければと思います。
どちらを選んでいただいても、より難しいとか優しいとか、そういうことにはなりません。あくまでユーザーさんがどういうかたちで戦闘を楽しむのか、その幅を持たせた要素になります。

――何を優先するかによって、その組み合わせも変わってくると。
福井氏:パリィによって自分のスキルを高めたいのか、もしくは敵を簡単に倒していきたいのか。強いフィールドアイテムを投げて敵を一撃で倒すことで、そのまま戦闘自体を避けることもできます。どういうかたちでゲームを進めるのかは、ユーザーさんひとりひとりで考えつつプレイを進めていただければと思います。
――アイテムの発動までの待機時間があるとのことですが、その幅に関しては調合したアイテムの強さや品質などと関係があるのでしょうか?
福井氏:序盤から作れるようなアイテムよりも、後半から作れる強力なアイテムのほうがベースとなる待機時間は長くなります。その代わりに威力がかなり高くなるのですが、逆に威力を落とす代わりに待機時間を短くする効果や特性を付与することも可能です。プレイスタイルに応じて、調合でアイテムの効果を調整してみてもらえればと。
また、戦闘中にアイテムを使う時もコストを支払う必要があるので、いきなり強力なアイテムを使うことは難しくなっています。装備品などの効果で最初からアイテムを使用できる状態にし、いきなり強力なアイテムを使うといった芸当もできます。そのあたりは、調合をやり込むことで実現できます。
調合では錬金釜の復活に加えて、カゴの撤廃も
――調合に関しては新しい要素はあるのでしょうか?
福井氏:前作とは異なり、今回は錬金釜を用いる形になっており、調合システムも完全に一新しています。一番の軸となるのが、アイテムにさまざまな効果を付与できる点です。例えばフラムであれば火属性の効果が中心になりますが、本作ではそれ以外の効果も、ある程度自由に付与できるようにしました。
例えば、探索で使うためにコストを軽くしたり、食事に使う場合は食べたときにより強力な能力が付与されるようにしたりと、特性を付ける感覚でさまざまな効果をアイテムに与えることができます。
また、そのアイテムの用途を考えながら作るだけでなく、特定の効果を付与するためにピースを特定の形に配置しなければならない、といった要素もあります。どのようなアイテムを作るかによって調合の進め方も大きく変わるため、プレイヤーごとに異なる調合体験になると思っています。
それに加えて、利便性についても見直しを行いました。過去シリーズからの変更点で特に大きいのは、カゴをなくしてコンテナに統一したことです。これまでの作品では、アイテムの装備変更や補充を行うためにアトリエへ戻る必要がありました。しかし本作では、その制約が遊びの幅を狭めている部分もあると考え、コンテナに統一することで、探索中でも装備品を切り替えたり、必要なアイテムをすぐ取り出したりできるようにしました。より自由度の高い冒険を楽しんでいただけるようになっています。

――食事システムの効果や注目してほしいポイントについてもお教えください。
福井氏:フィールドでつまみ食いしたものによって、カリアにケモミミが生えたり、魚を捕まえられるようになったりします。そういったカリアの見た目や能力の変化は合計で100種類以上用意しています。

――何を食べたらどうなる……みたいなところは、やってみないとわからないのでしょうか?
福井氏:フィールドに存在するつまみ食いできるものによって変わるので、あまり見覚えがないものを見つけたらいったんつまみ食いして試してみて貰えればと思います。
――つまみ食いで変わった見た目はそのままになるのでしょうか?
福井氏:一度解禁した見た目に関しては、拠点でコスチュームチェンジが可能です。見た目の変更を反映しない設定もあるので、無効化した上でコスチュームチェンジすると、自分の好きな見た目に固定されます。
カリアの見た目の変化を楽しみたい方は機能をオンにしたまま遊んでいただければ良いですし、この見た目が好きだからこれにしたいというこだわり派の方は、いったん設定をオフにして楽しんでいただければなと。


――前作にもあったハウジングは、今回はどのようなかたちになるのでしょうか?
福井氏:前作では独立した仕様だったので、本作では拠点レベルを設けました。アトリエの目の前に大きなハウジングエリアがあるのですが、そこをアイテムを使って拡張していくかたちです。アトリエのレベルは様々な条件を達成することで上昇していくのですが、これによって調合の素材投入回数が増えたり、より調合がしやすくなったり、探索に関しても恩恵があります。
それとは別に、戦闘や食事に影響を及ぼすような恩恵もあり、例えば先ほどお伝えした超巨大な敵との戦闘ですと、攻撃武器や防御武器を設置することで戦闘中に使うことができます。他のゲームシステムともより密接したものになったと思います。


――前作ではハウジングできる場所が各地にあったと思います。今回も同様のかたちになるのでしょうか?
福井氏:本作では地上がマナ枯れという特殊な状態になっているので、そのランドマークのマナ枯れを解くことによってハウジングエリアが解禁されます。前作では高濃度のマナ領域を解いてから開拓というかたちでしたが、ある意味逆の状態ですね。
――最後に発売を楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
細井氏:毎作これまで以上の「アトリエ」を目指して開発しているのですが、今回はこれまで以上を超えて、大きくジャンプアップする作品にするべく、開発体制もさらに強化しながら、チーム一丸となって取り組んでいます。本作がユーザーのみなさんに評価していただけるよう、シリーズの未来を切り開く作品になるよう全力で取り組んでいますので、発売されたらぜひ楽しんでいただければと思います。
福井氏:本作は調合を軸として、作り出したアイテムが冒険のすべてにつながるように設計しました。フィールド探索や食事でもアイテムが活躍しますし、様々な要素でアイテムを使えるよう他のシステムも構築しました。「アトリエ」シリーズの根幹である「調合」から広がる本作ならではのゲーム体験をぜひ楽しんでいただきたいなと思っています。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
※画面写真はPS5で開発中のものです。
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