9月4日に公開予定の劇場アニメ「SEKIRO: NO DEFEAT」について、新規場面カットおよび沓名健一監督のオフィシャルインタビューが公開された。
以下、発表情報をもとに掲載しています
美しくも切ない世界で、生と死に対峙する九郎と狼──キャラクターの息遣いまでをも感じる最新カットが一挙公開!
この度、激しい剣戟のバトルシーンとは一線を画す、物語のもう一つの軸である、美しくも切ない本作の世界観が窺える場面カットが解禁に!回生を繰り返すことで不死の力を手にいれる「竜胤」の血を引く九郎(CV:佐藤みゆ希)と、不死の契りによりその力を授かった狼(CV:浪川大輔)。解禁されたカットには美しく荘厳な自然の風景が映り、寄る辺ない孤独な主従が背負う壮絶な運命を想起させる。


美しい瞬間は、指の間をすり抜けるように流れていってしまう――そんな時の流れに対する人間の無力さを感じると同時に、この世界に生を授かったことを祝福するような壮大な自然の美しさ。苔むす岩や、天に向かい一直線に伸びる竹林などの自然の表現は、霊験あらたかな作品の世界観を、スクリーンを超えて拡張するのに役立っていると言える。眠る九郎の柔らかな頬に差し込む一筋の光は、その場面の時間帯だけでなく、家屋の立て付けや隙間風、漂う埃っぽい空気までもが鼻先をくすぐるような、そんな臨場感を表現。


流れる水の透き通る美しさは、その冷ややかな手触りを、幼き日の狼がたった一人佇む水鏡は、怖いくらいに静かで底知れない孤独を、見るものの心に届けてくれる。全編手描き2Dアニメーションだからこその温もりや冷たさが、九郎と狼の覚悟やその移ろいまでをも考えるきっかけをくれるカットの数々となっている。何のために生き、そして何のために死にゆくのか。美しくも切ない世界を旅した末に、2人が下す決断を是非スクリーンで見届けてほしい。

「“切なくて、美しい。”ストーリーとビジュアル」監督・沓名健一のオフィシャルインタビューが公開に
「キャラクターたちは、ストレートにしゃべったり感情を表に出したりすることが少ないです。キャラクターデザインでは、それでも怒りや悲しみと言った様々な感情を絵で表現する必要がありました。」と沓名監督が語る課題を解決するために選んだキャラクターを描く線は、繊細で、見る者にキャラクターの存在を実感させるだけでなく絵から湧き出る感情を強く印象づける。あるいは、「風景の存在感や空気感を絵画的に情報を取捨選択した「絵」で表現することが大切だと考えました。」と語るその言葉通り、本作品では映像世界の光と空気が、スクリーンを超えて伝わってくる。
日の光は思わず目を細めてしまうような眩しさを孕んでおり、木漏れ日や日陰はひんやりと涼しい。作品全体を通して漂う独特な雰囲気が、他の作品にはない特異な芸術性の鍵になっている。そしてキャラクターの色使いについては「キャラクターの色は黑澤明監督の「乱」の色の使い方をイメージしていました。」とアニメの常識を打ち壊すようなアイデアについて語り、制作現場での”化学反応”を振り返っている。
また、原作ゲームのプレイ後の感覚と、映画を観た後の感覚が似たようなものになることを意識したという。その上で、「映画」としてのテーマについて、「九郎は命を懸けて災いを除こうとし、狼は九郎の命を助けるために苦闘する。お互いを想いあっているが直接的に言葉には出さない関係」を描くことを選んだと明かした。
人間が描く絵であることを最大限に生かした線と美術と色彩の表現、そして孤独なふたりが、言葉を介さず命を懸けて支えあう物語。これが、“切なくて、美しい。”という本作の軸を醸成し、見るものの心に残り続ける作品たらしめている。
<沓名健一監督オフィシャルインタビュー全文>
―原作を映像化するにあたって、最初にどのようなことを考えましたか?
原作元に提出する企画書にも書いたのですが、最初にストーリーとビジュアル両面にわたるコンセプトとして「切なくて、美しい。」というキーワードを設定しました。原作ゲームをプレイして感じた印象です。物語りとしても切なく美しいし、その世界の描き方も切なく美しい、と感じたんです。この最初に感じた印象を最後まで貫徹することが、芯の通った作品にするためには必要だと考えました。
―物語は狼と九郎の主従関係を軸として展開していきますが、監督としてはこの二人をどんな人物と捉え、どのような関係として描こうと考えていたのでしょうか?
原作資料にもあったのですが、ふたりは孤独な主従です。九郎は年齢の割には大人びた振る舞いをする少年なので、狼への素直な感情が表出することはあまりありません。
また、狼は忍びとして九郎との関係がはじまり、主従関係を超えた言動は基本的にしません。しかし、ドラマが進展していくと互いに逸脱する瞬間が少しずつ出てくる。そんなときに、二人の関係が近くなりすぎないように注意しました。
九郎は命を懸けて災いを除こうとし、狼は九郎の命を助けるために苦闘する。お互いを想いあっているが直接的に言葉には出さない関係として描くことで、切なくて美しい物語を表現できるのではないかと考えました。
―そういった物語を表現する上で、どういったビジュアルにしようと考えましたか?
狼をはじめとしたキャラクターたちは、ストレートにしゃべったり感情を表に出したりすりことが少ないです。キャラクターデザインでは、それでも怒りや悲しみと言った様々な感情を絵で表現する必要がありました。
今作のキャラクターデザインを多くの作品で活躍する岸田隆宏さんにお願いしたのですが、岸田さんの繊細な絵なら、語らずともその佇まいや表情で感情を表現できると考えました。その上で、目元やまつ毛などは少女マンガ的なアプローチを取り入れつつ、全体としては渋みを感じさせる劇画テイストを漂わせるようにお願いしました。
―作品全体のルックに関してはいかがですか?
キャラクターたちがいる世界を描く美術は、現在のアニメで主流であるデジタルで細部を描き込んだ写実的なものではなく、風景の存在感や空気感を、絵画的に情報を取捨選択した「絵」で表現することが大切だと考えました。それを実現するためには、紙に絵の具を使って描く従来のアナログの手法が最適でした。美術監督をお願いした金子雄司さんには、作品世界の美しさを絵の具で表現して頂きました。
また、キャラクターの色は黑澤明監督の「乱」の色の使い方をイメージしていました。江戶時代以前の日本の服装を調べていくと、意外と鮮やかなんですよね。黑澤の「乱」では、「この人は赤、この人は青、この人は緑」みたいな、わかりやすい色使いがストーリーテリングに有効に使われています。その発想を今作に形を変えて持ち込んでいました。
アニメでは背景美術に対してキャラクターの色がなじむように設計するのが一般的です。しかし今回は、なじませないで違和感を出したかった。そのため、色彩設計をお願いした佐々木梓さんにはプロフェッショナルとしての方法論を、一度捨ててもらう必要があったんです。そんな話に乗ってくれた佐々木さん、本当にありがたかったです
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