9月19日から22日まで開催されている「東京ゲームショウ2013」の会期中、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)のシニアバイスプレジデントを務める植田浩氏にインタビューを行った。

先日お届けしたSCEJAプレジデント・河野弘氏へのインタビューでは、主にPS4やインディーズ向けの内容についてお聞きしたが、植田氏には新型PS VitaやPS Vita TVなどの狙いや、プレイステーションプラットフォームの今後について話を伺った。

――PS Vita TVではPS Vitaのコンテンツやゲームアーカイブスのタイトルがプレイできるということで、ユーザーさんにとっては機器認証の関心が高いと思いますがいかがでしょうか。

植田浩氏
植田浩氏

植田氏:機器認証に関するお問い合わせはいただいています。予約が開始されてからは、販売店さんから20代や30代の年齢層が多いと聞いていますが、この結果は日頃からPS3やPS Vitaを遊んでいただいているお客様が、PS3やPS Vitaのもうひとつのデバイス、ワンモアデバイスのような意味合いで考えてお問い合わせをいただいているのだと思います。

――その問い合わせというのは、例えばPS3で購入したゲームアーカイブスを別の機器で遊ぶのはどうしたらいいのかというようなことでしょうか?

植田氏:PS Vitaでは現在、購入したコンテンツを2台までシェアすることができます。元々PS Vita2台で認証を済ませていた場合、PS Vita TVを購入したらどちらかの認証を解除しなければいけないのかといったことですね。それだとワンモアデバイスの意味合いを持つはずが、ワンモアにならないのではという話があったりします。

――そういうことを不安あるいは疑問に思うということは、ゲームをやっている方ということですよね。

植田氏:そういうことになりますね。当然、認証台数などは簡単に変えられることではありませんが、そういうお声をいただいていますので、それを無視してはダメだと思っています。しっかりとお客様とコミュニケーションをとらないと、購入していただいた後に「あれ、使えないじゃん」となってしまいます。ですので、今いただいているご意見をベースに説明を行っていき、改善できるところは改善していく、そういう考えで動いています。

――問い合わせをしているユーザーなどはある程度ゲームの知識がある人だと思いますが、当初PS Vita TVで想定されていたターゲットとは違ってきますよね。

植田氏:そうですね。昔は「ゲームフォーマットは500万台を超えなければいけない」といった定説があり、我々はいつも普及台数を気にしており、お客様を広くしていきたいと思っていました。実はPS3を発売するときも同じように考えていたのですが、お客様の求めているものに応えられていないケースもあり、なかなか理想どおりにはいきませんでした。PS Vita TVも、PS2からPS3に移って離れてしまったお客様にリーチするものを考えていたんです。

そういったお客様にアプローチするのは今後も続けていきますが、今大きな反響をいただいているのは、PS Vitaを大画面でやりたいという方や、PS4とのリモートプレイができるなら買おうというお客様です。やっぱり常にゲームをプレイされている方に反応していただいているので、まずはそうした方々に商品のことを伝えていかなければと思っています。

――PS Vita TVや薄型のPS Vitaはライト層寄りを狙っていたと思いますが、その層を獲得した後にも、ゲームを定期的に遊んでもらうようにする必要があると思います。そうした施策は考えていたのでしょうか?

植田氏:はい。今仰っていただいたように、継続していただくことがすごく大事だと思っています。今年からそれをテーマに掲げて強化しているのが、実はPlayStation Plus(PS Plus)なんです。新型PS Vitaには1GBの内蔵メモリを搭載し、90日間のPS Plus利用チケットもご用意させていただいています。

ネットワークに繋いでいただくことが前提になりますが、カジュアルになった新しいPS Vitaを見てご購入いただいたら、PS Plusのチケットを使うことで、100タイトル以上あるゲームアーカイブスといった過去の名作を遊んでいただけます。

さらに、以前発表させていただいたとおり、「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動(以下、グラビティデイズ)」をPS Plusのコンテンツのひとつとして提供させていただくことになりました。大型タイトルの場合、別売りのメモリーカードを購入していただく必要はありますが、価格もお求めやすくなったメモリーカードを買い足していただくことで、「グラビティデイズ」のような人気のあるコンテンツまで遊んでいただくことができます。

そこが入り口になりますが、新しいソフトが出たら買って遊んでいただけますし、仮に新作があまり出ない時期があれば、またPS Plusで色んなコンテンツをお楽しみいただけます。そういった部分を強化していき、継続して遊んでもらうことをテーマに掲げています。

PS4ではPS Plusの会員になっていただくこと、ネットワークに繋いでいただくことを目指していますので、とにかくPS Plusの価値を上げなければいけないと考えていました。そのためにパブリッシャーさんに協力をお願いし、コンテンツを提供していただいたりと、ここまでやってきました。コンテンツ数だけで言えば、現状では日本が一番多いと思います。

――理想はPS4を持っている人は全員PS Plusに加入してもらうことでしょうか?

植田氏:そうなっていただきたいなと思っています。正直なところPS Plusを開始してからお客様にしっかりと情報をお届けしておらず、努力が足りなかったと言わざるを得ませんが、ようやくPS Plusを認知いただけるようになってきたかなと思っています。

今我々がすごく気をつけているのは、例えば「PS Plusの利用権を差し上げます」と言うのではなく、「○○というコンテンツがPS Plusで利用できます」というように、コンテンツを主語にして情報をお伝えすることです。どうしても間違えてしまうときがあるのですが、自分たちが作ったPS Plusが利用できるかどうかではなく、PS Plusでは何ができるかを申し上げなければ、お客様には何も伝わりません。

――PS Vita TVはゲームに強い層に訴求していくとありましたが、それに関してはどのような施策を考えていますか?

植田氏:現在お客様からいただいているご意見にお答えするようなプロモーション映像を考えています。その映像と、個々のプロモーションをどう繋げるかが次のステップになると思います。

――今寄せられている質問に対して答えを出し、そこからと。

植田氏:最初に購入していただけるお客様に「この商品はいい」と仰っていただかないと次に繋がらないと思いますし、いい声が増えれば増えるほど、我々が当初アプローチしようと考えていた層にも声が届くのではないかと思っています。極端なことを言えば、「買います」と言っていただいている、購入していただけることが分かっているお客様がいらっしゃるので、まずはその方の声を重要視して、アプローチを切り替えました。

――PS3にあったLife with PlayStationのような展開は考えていますか?

植田氏:私はまだそういった話をあまり聞いていないですね。質問に対するお答えとは違ってきますが、今はゲームというものに真摯に向き合おうとしています。そこは間違いありません。例えばインディーズでも、海外が先行していますが日本でも有名な方がいらっしゃいますし、我々の中にも組織としてそういった方々とコミュニケーションをとるメンバーもすでに存在しています。

そのメンバーがまずやっていることは、海外のインディーズゲームを日本のPlayStatino Storeで発売していただくためにサポートすることです。実はインディーズゲームの販売もいろいろとハードルがあります。海外のインディーズゲームを日本のユーザーの皆さんに購入していただくためには、まずストアで購入できる状況にならなければいけません。もちろん、日本のインディーズの方ともコミュニケーションを取り、PS4やPS Vitaにゲームを出してもらえるように、できる限りのサポートをしようと動いています。

――PS3のときよりもゲーム機だ、という方向性を感じます。

植田氏:生意気を言うようですが、私はもう少しゲームというものの位置を広げていきたいんです。ゲームは限られた人だけのものではないので、コアゲーマーという言葉もあまり好きではなく、もっといろんな人がゲームをプレイして楽しんでもらえるものだと思っています。それを目指して以前はゲーム以外のアプローチをしていましたが、やはり新しいハードを打ち出すときに、逃げてはいけないと思うんです。ゲームで勝負しなければいけないと思うんです。

例えばゲームをやらない人からすると、PS4が発売されることも「へ~発売されるんだ」ぐらいにしか思わないわけですが、それは仕方のないことです。そのため、我々はゲームをやることで知らない人たちに楽しさを伝えていき、「これすごい面白いよ!」と話題になるように、ムーブメントを作りたいんです。だからゲームで勝負することから逃げません。

こうしたムーブメントを作るためには、普段ゲームをプレイされている方、今興味を持っていただいている方に、「これ面白いよ」と言っていただけるようにしたいと考えています。ただの理想かもしれませんが、プレスカンファレンスの最後に公開させていただいた映像も、信念を持って作っています。

――なるほど。まずはゲームを楽しんでいる姿を見せたいと。

植田氏:そうなんです。楽しんでいる姿というのは、ゲームをやっていない人が見ても不快にはならないじゃないですか。ですので、そういうものをやりたいと思っています。どこからでもプレイステーションの世界に入ることができ、そしてこの世界に入っていただいた後は、PS4やPS Vita、PS Vita TVなどが、色んなものが待っている世界にしていきたいです。今まではデバイス単体で考えていましたが、ネットワークや技術の進歩でできることが増えてきましたので、色んなデバイスで遊べる環境、それがプレイステーションという世界にも来ると楽しいなと思っています。

――PS4のシェア機能というのはゲームを楽しむ姿を見せるための最たる機能だと思いますが、これは今のトレンドを見て追加しようと思ったのと、どちらが先に来たのでしょうか?

植田氏:どちらかというと、シェア機能でゲームをやっている姿を見せたいというのは後になります。やっぱりPS4を発売するとき、Facebookなどソーシャルネットワークが一般的になってきている世の中の流れを見て、その中にゲーム機が入っていくには何が必要か考えました。ですので、シェア機能の発想に関しては、今のトレンドが先に来ていると思います。

――最後に東京ゲームショウでどこに注目して欲しいか、ユーザーの方へメッセージをお願いします。

植田氏:基本的には全部ですね(笑)。先ほど申し上げたとおり、PS3やPS4、PS VitaにPS Vita TVと、どこから入ってきてもプレイステーションの世界があります。この世界で我々がお伝えしたいことは、ゲーム機でこんな世界ができますということです。一日では回りきれないかもしれないことは申し訳なく思いますが、できれば二日間とも来ていただき、全部体験していただければ嬉しく思います。東京ゲームショウが終わった後は、会場までこれない方もいらっしゃいますし、体験会のような機会を必ず設けますが、まずは東京ゲームショウで全部を楽しんでください。

――ありがとうございました。

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