「科学アドベンチャーライブ2015」昼公演をレポート！「STEINS;GATE 0」実機プレイ＆「Live5pb.2016」発表など盛りだくさん

先週10月18日、赤坂BLITZにて「STEINS;GATE」の5周年を記念したアニバーサリーライブ「科学アドベンチャーライブ2015」が行われた。

3年ぶりとなる今回の科学アドベンチャーライブでは、「STEINS;GATE」「CHAOS;CHILD」「ROBOTICS;NOTES」など、科学アドベンチャー作品の楽曲を担当したアーティストたちが勢揃いし、思い出深い楽曲の数々や、最新作で使われる新曲、パチスロ機のオリジナル楽曲なども披露。

また、アーティスト陣のパフォーマンスのみならず、ゲーム出演声優陣によるトークコーナー、初公開となった2015年12月10日発売の「STEINS;GATE 0」の実機プレイ、さらに特報として明かされた「Live5pb.2016」など、内容も多岐に渡っていた。なお、本稿ではイベント計2公演の内、昼公演の模様をレポートしていく。

昼公演 参加アーティスト（順不同）

いとうかなこ
今井麻美
後藤沙緒里
小林ゆう
桃井はるこ
佐々木恵梨
彩音
Zwei
仲谷明香（昼公演のみ）

ライブのオープニングはいとうかなこさん！

まずは、牧瀬紅莉栖（今井麻美）による観客への注意事項からライブが開幕。喫煙に関する説明で噛んででしまってからの今井さん、怒涛のアドリブ「タバコは体に悪いのよ！？将来のこと考えなさい！？」で会場に笑いをもたらす。喫煙者には耳の痛い忠告である。

そしてライブの開幕を担当するのは、科学アドベンチャーシリーズのアーティストといえばこの人、いとうかなこさん。まずはゲーム「STEINS;GATE」のオープニングテーマ「スカイクラッドの観測者」を披露。ここから本シリーズに踏み入ったという人も多いであろう名曲に、観客のテンションも出足からうなぎのぼり。

続いてゲーム「STEINS;GATE」のイメージソング「A.R.」、ゲーム「CHAOS;CHILD」のオープニングテーマ「シンギュラリティー」、さらに最新作「STEINS;GATE 0」より、オープニングテーマ「アマデウス」がゲームに先駆けて歌われる。皆PVは当然のごとく見通してきたのか、ノリノリの様子でいとうさんにサイリウムを向けていた。

声優陣コーナーで「STEINS;GATE 0」実機プレイ！

続いて声優コーナーとして、「STEINS;GATE」シリーズより牧瀬紅莉栖役の今井麻美さん、桐生萌郁役の後藤沙緒里さん、漆原るか役の小林ゆうさん、フェイリス・ニャンニャン役の桃井はるこさん、さらにゲストとして「CHAOS;CHILD」香月華役の仲谷明香さんが登場。シュタゲとカオチャの声優陣が揃った科学アドベンチャーライブらしい顔ぶれだ。

舞台監督からは“フリートークな感じで自由に”というディレクションが下ったとのことで、「いつ、ドクターペッパーとコラボするの？」と期待感高まる話題へ。ここで今井さんは「近所の自販機から最近ドクターペッパーが無くなった」といい、これを機関の陰謀であると提唱した。さすがだ。さらに5年間くらい前から秋葉原界隈で増えたドクターペッパーの謎（？）が語られつつ、ここからスペシャル生アフレコのコーナーへ突入。

本コーナーは、「STEINS;GATE 0」のキャラクター立ち絵と、「CHAOS;CHILD」のキャラクター立ち絵を使用した特別映像付きで、シナリオも林直孝氏が担当するなど、正に本気の公式コラボミックス。

物語は、ラボにギガロマニアックス（妄想を現実に変える力）の香月華を呼んできてしまったフェイリスが、紅莉栖、萌郁、るかを加えた女性陣（？）で、“岡部倫太郎を男らしく変える方法”を話し合うというもの。ちなみにシュタゲとカオチャの作品間は5年ほど時間の隔たりがあるのだが、「こまけぇことは気にしねーニャ！（フェイリス）」というスタイルで進行した。

そして各自が妄想（愚痴？）を集約したことで、「生き別れの妹を探している」「実はダークヒーロー」「超強い」など設定てんこ盛りの“超強い岡部倫太郎”を、香月が呼び出してしまうのだが…何故か現れたのは巨大アルパカマンで…？　と、ドタバタ感のあるファンシナリオが楽しめた。

生アフレコが終わると、壇上に原作者・志倉千代丸氏、プロデューサー・松原達也氏、さらにリアルアルパカマンが「STEINS;GATE 0」のパッケージとPS4を持ってきた。志倉氏は今井さんに向けて、「挨拶しないと怒られるので」「いつもこうやってますよね？」と唐突に土下座で挨拶。大慌てで訂正する今井さんの姿に会場がドッと沸く。付き合いの長さがあってこその親密な芸だ。

そして壇上では、本邦初公開となる実機プレイが行われることに。現時点では、開発スタッフの中でも実機プレイを見ていない人の方が多いとのことで、観客にとっても一層プレミアムな感じだ。

本作の物語は、前作でいうトゥルーエンドに向かう前のシーンから始まる。“一度目のタイムマシン”で牧瀬紅莉栖を救うことを諦めた主人公・岡部倫太郎。前作では椎名まゆりのとある行動をきっかけに、トゥルーエンドへと繋がっていった。しかし、本作ではまゆりが岡部を想い、岡部の諦めを許してしまう。そして、紅莉栖を救うことを諦めた世界線へと進んでしまったのだ。

なお、ゲーム冒頭のシーンは一部が前作のままとなっているが、セリフに関しては全て撮り直しているという。今から聴き比べの用意をしてみるのも一興か。

セーブ＆ロードを挟んで次の場面は、外伝小説に登場していたキャラクター「比屋定 真帆（ひやじょう まほ）」との出会いのシーン。彼女は紅莉栖のかつての先輩であったが、岡部はその容姿の第一印象でいぶかしんでいる様子だ。

また、そこに桐生萌郁が姿を見せる。世界線を渡りに渡ってきた岡部に彼女は不審な存在でしかないが、萌郁はどうやら真帆の取材に訪れただけのよう。前作におけるキャラクター同士の関係性を用いつつ、岡部とプレイヤーの心象を上手く揺さぶってくる。

さらにここで、フォーントリガーに変わる新機能「RINE」がお目見え。携帯もスマートフォンに進化している。RINEの画面には、さまざまなキャラクターたちからのメッセージが届く。プレイヤーはそれぞれのメッセージに対して2～3択の回答を選び、返信していくことで物語の流れを変化させていく。中にはスタンプも送られるようだ。

場面はところ変わって「世界脳科学総合研究機構 日本オフィス準備室」へ。ここは真帆の職場であり、場所は和光市にあるという。なお、松原氏によると建物の取材先は筑波だったとか。そしてここで岡部は、物語のキーを握っているであろう、“岡部倫太郎と出会う前の牧瀬紅莉栖”の記憶を持つ人工知能「Amdeus（アマデウス）」と出会うのだ。

今回は時間いっぱいとなってしまったため、ゲームはここで終了。ひたすらに発売日が待ち遠しくなるコーナーであった。

さらにここで「キーワードミーティング」なるコーナーへ。ここでは次々と出されるテーマに対して、“結論のないなんやかんや”が話されるというもので、最初のお題は「○○マン」。

アルパカマンをはじめ、さまざまな○○マンが登場している科学アドベンチャーシリーズだが、唐突な入りだったか一同困惑。しかし、ここで桃井さんから「志倉さんがラジオ収録の合間にやたら力士シールについて力説している」という話題に飛んで檀上も盛り上がった。

なお、大変残念なことに、あまりに時間を押していたために「コーナーを止めるか」「楽曲を削って、コーナーを続けるか」という2択の自体に。ここはどう考えても歌を取るほかないので、各々「楽しい時間はあっという間でした」とコメントし、ステージを後にした。

クライマックスに向けてライブパートへ！

ライブに戻ると、まずは佐々木恵梨さんがゲーム「STEINS;GATE 0」のエンディングテーマ「GATE OF STEINER」を熱唱。本楽曲はオフボイスのBGMがシリーズのさまざまな場面で使われていたこともあり、科学アドベンチャーシリーズの楽曲の中でも、特に耳馴染みである人は多いだろう。佐々木さんの美しいハイトーンには心揺さぶられるものを感じた。

続いて現れた彩音さんは、アニメ映画「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」のエンディングテーマ「いつもこの場所で」に加え、パチスロ機「想定科学パチスロ STEINS;GATE～廻転世界のインダクタンス～」のオリジナル楽曲「IF」を初お披露目。

当日はパチスロ機が実際に会場にも展示されており、ホールにはあまり足を運ばないという人にも嬉しいサプライズ。みな興味津々に写真を撮っていた。なお、CDは12月25日のリリースが決定している。

ここからは先程の声優コーナーでも活躍した今井麻美さん、桃井はるこさんが続けて姿を見せる。今井さんはアニメ「STEINS;GATE」より牧瀬紅莉栖のイメージソング「迷宮のイデア」を、桃井さんはフェイリス・ニャンヤンのイメージソングより「Nyan☆Nyan☆Galaxy！」を歌い、それぞれのキャラクターの魅力を存分に届けてくれた。

次はこちらもお馴染み、Zweiの2人。まずはゲーム「ROBOTICS;NOTES」のオープニングテーマ「拡張プレイス」で、激しいマイクスタンドのパフォーマンスと、ノセてくるコール＆レスポンスを実行。ここまでの流れとは一味違うパンクな振る舞いに、観客もいっそうヒートアップしていた。

そしてZweiからも最新作「STEINS;GATE 0」より、エンディングテーマ「ライア」がお披露目される。一転したバラードの緩急にあてられ、ライブの雰囲気も最高潮へ。

そしてライブのラストはオープニングも務めた、いとうかなこさん。アニメ映画「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」の主題歌「あなたの選んだこの時を」を歌い上げ、最後にはアニメ「STEINS;GATE」のオープニングテーマ「Hacking to the Gate」と、文句なしのセットリストでフィナーレを飾った。

ステージの最後には、アーティスト陣が一堂に会して来場者へ挨拶。中でもいとうさんは、科学アドベンチャーシリーズだけで既に27曲もの楽曲を歌っているということで、「次はいとうかなこ27曲ライブできるんじゃない？　千代丸、聞いてる？」と偉い人へのプレッシャーをかけていく。シリーズの年月と、これからの勢いを存分に期待させてくれるライブとなった。

……と来場者が帰りの支度を始めたその瞬間、スクリーンに「特報」の文字が。なんと、来年2016年1月16日に東京・新木場「STUDIO COAST」にて、イベント「Live5pb.2016」が開催されることが明らかにされた。どうやら年が明けても、熱狂は冷めそうにないようだ。

セットリスト

1.「スカイクラッドの観測者」/いとうかなこ
2.「A.R.」/いとうかなこ
3.「シンギュラリティー」/いとうかなこ
4.「アマデウス」/いとうかなこ
5.「GATE OF STEINER」/佐々木恵梨
6.「いつもこの場所で」/彩音
7.「IF」/彩音
8.「迷宮のイデア」/牧瀬紅莉栖（CV：今井麻美）
9.「Nyan☆Nyan☆Galaxy！」/フェイリス・ニャンヤン（CV：桃井はるこ）
10.「拡張プレイス」/Zwei
11.「ライア」/Zwei
12.「あなたの選んだこの時を」/いとうかなこ
13.「Hacking to the Gate」/いとうかなこ