【JAEPO 2016】タイトーと楽天Edyが打ち出す電子マネーの新たな一手とは？無線式決済端末の採用で利用シーンの拡大も狙う

タイトーは、JAEPO 2015でのマルチ電子マネー導入の発表会を皮切りに、5月にアミューズメント施設としては初となるマルチ電子マネーを導入、昨年10月には「Suica」をはじめとする交通系電子マネーに対応するなど、積極的にマルチ電子マネー決済システムの導入を推進してきた。

飯澤幸雄氏

発表会では、タイトーの代表取締役社長 飯澤幸雄氏より、これまでの振り返りと新たな展開、そして楽天Edyとの取り組みによる、楽天Edyカードを使用した新たな電子マネー施策の内容が語られた。

2016年2月現在で37店舗に設置完了、今期中には45店舗に約1万台の導入を予定しているという電子マネー決済システムだが、さらに3月からはフランチャイズ店舗へも導入していくという。

同時に、決済金額を1円単位で設定できる電子マネーならではの特徴を活かし、投入金額に応じてアームの数や強さが変わる「マッスル6」、投入金額に応じてプレミアムモードで遊べる「グルーヴコースター3」といった、既存タイトルのバージョンアップに伴う対応も予定。さらに、新規タイトルの投入も予定しているとのこと。

このように、現状でもオペレーションや利便性の向上が推進されてきたが、今後は顧客の利用シーンの拡大、ならびに顧客が電子マネーを利用することによるお得感を得るための施策を行っていくという。

無線式決済端末の採用で利用シーンを拡大

まずは利用シーンの拡大を図るために、通信の安定性の高さ、決済スピードの早さがメリットである一方、設置場所の制限や導入コストの高さがネックになっていた有線システム（リッチクライアント方式）のほかに、どこにでも設置でき、店舗側にサーバー等の設置が不要な無線式決済端末（リッチクライアント方式）の開発・導入を進めることが発表された。

3月下旬より、江ノ島や箱根などの観光地に向けて、実証実験のためにオリジナルメダル作成マシーン「メダリーフ」を設置。この施策が示すように、アミューズメント施設以外のシーンでの利用も可能性として生まれる。例えば野球場でのビールの販売時に決済システムを利用するといった、自動販売機感覚で使えるサービスの提供も想定しており、すでに複数の異業種企業とも協議を重ねているとか。

また、3月からは実験的にタイトーステーション神田店を電子マネー専用店舗にすることも発表。その詳細も気になるところだ。

楽天Edy機能付きのタイトーメンバーズカードを提供

続いて、お得感を得るための施策として、楽天Edyとの取り組みのもと、ゲームセンターでの楽天Edy機能付きメンバーズカードを発行することが発表された。

ゲームセンターとしては独占スタートとなる今回の取り組みだが、通常の楽天Edyカードでは、楽天スーパーポイントの付与が利用200円につき1ポイントであるのに対し、タイトーステーションで利用することで、2倍の200円につき2ポイントになるという。また、特定の利用に対するボーナスポイント、キャンペーンでのポイントの付与といった取り組みも可能だという。

同時に、タイトー側のメリットとして、カードを通して、景品の趣向、客の属性、入場者数、プレイ回数といったビッグデータの活用ができる点にも言及。これまでオペレーターの目視などで得ていたデータを、より正解に店舗運営に活かすことができる。

併せて、2016年春を目処にインターネットショッピングモール「楽天市場」内にECストア「Taito Toy's Market（タイトートイズマーケット、仮称）」をオープンすることも明らかに。ここでは、オリジナルEdyカード、キャラネーム印などが販売予定とのことだ。

中村晃一氏

説明が一段落したところで、楽天Edy 取締役 中村晃一氏より挨拶。タイトーと一緒に新しいかたちのお客様へのサービスを行うことを嬉しく思う、そして今回の発表にエキサイティングな印象を受けると、取り組みに対してコメント。今回提供する楽天Edy機能付き「タイトーメンバーズカード」についても、広範囲な顧客に向け、より便利でお得な、そしてスピーディーな決済していくと述べた。

両者が最後に述べたのは、今回の取り組みを通してアミューズメント業界を活性化していきたいということ。今後の導入の推移などにも注目したい。

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