千葉・幕張メッセにて9月17日~20日にかけて開催の「東京ゲームショウ2026」。SELECTED INDIE 80ブースに出展された「Unknot! -アンノット!-」のプレイレポートをお届けする。
本作は、物理シミュレーションを用いた“結び目をほどく”パズルゲーム。TGS2026への出展にあたり、斬新なゲームアイデアを発掘することを目的とした企画“センス・オブ・ワンダーナイト2026”の準グランプリに輝いたタイトルだ。
そのゲームとしての特徴についてブースで説明を受けて筆者が驚いたのは、本作をプレイすることが、数学の“未解決問題”の解明に役立つ可能性があるということだった。本作のリリース自体は2025年9月17日だが、この未解決問題に挑戦する“研究レベル”と呼ばれるパズルが遊べるようになったのは、今年の8月13日と、つい1ヵ月ほど前のこと。
なぜそのようなアップデートが行われたのか? ゲームプレイやコンセプトの成り立ちを把握していくと、納得することができた。
“理論値”を達成する解法が未だ発見されていない10問のパズルがプレイヤーを待ち受ける

「Unknot! -アンノット!-」のゲームルールはいたってシンプル。絡まっている紐をPCマウスのクリック&ドラッグで動かし、交差している箇所がなくなるところまでほどけばレベルクリアだ。紐の挙動には物理シミュレーションが活用されており、リアリティがありつつもユニークな手触り感が楽しめるのも特徴のひとつ。
複雑に絡み合った紐をほどく上で重要なのが“スワップ”というテクニック。これを使えば、ボタン一押しで交差している紐の上下を入れ替えることができる。クリア時に手に入る星の数は、スワップの使用回数が少ないほど多く貰える。いかに少ないスワップ回数で紐をほどけるか、頭を悩ませることになるのだ。


このゲームのパズルは、“結び目理論”という数学の学問に基づくものとなっている。この学問は端のない“輪っか状の紐”を前提とし、その絡まり方について研究するものであるという。ゲームのルールとしてもスワップで絡まりの上下を入れ替えることはあっても、「紐を切る」ことはできないというように、研究内容を逸脱したものにはなっていない。
基本レベルで登場する結び目の数は100種類に上る。一見複雑に絡んでいそうに見えても、まったくスワップを使わずにスルリとほどけるものも。レベルによっては、“出題中の結び方に関する豆知識”が読めるものがあるのもおもしろい。




そんな本作に、Ver1.1.0の大型アップデートが追加されたのが、8月13日のこと。その最大の追加要素となっていたのが、101~110問目のレベルである、計10問の“研究レベル”の実装だ。
これら10問は、すべて結び目理論の“未解決問題”となっているという。「計算上は◯回のスワップでほどけるはずだが、実際にこの回数でほどくことに成功した者はいない」という問題なのだ。どのレベルも目標として“スワップ回数の理論値”が表示されるものの、この回数を超えて解いた場合でも、そのレベルはクリア扱いとなる。

これら研究レベルに挑戦する前には、「研究に協力するかどうか?」を決める選択肢が表示される。自分のプレイデータを未解決問題の研究に活用しても問題なければ「同意して送信」を選び、プレイデータを渡したくない場合は「プレイのみ」を選ぶのだ。ゲームをプレイする前に、“被験者として誓約書に同意のサインをする”ような段階を踏むこと自体が新鮮でおもしろかった。

東京ゲームショウが終わってからも筆者は本作をちょこちょこ遊んでいるのだが、当然ながら研究レベルにおける目標達成は、現状では叶っていない。
もしも本作をプレイしていて、研究レベルを目標となるスワップ回数でクリアできたとしたら、それは“数学史における偉大な発見”と言えるのである。うっかり成功(?)したときは、計り知れない興奮が味わえそうだ。

目標は達成できなくとも、クリアした試行は異なる攻略方法の比較に役立つ場合があるとのこと。パズルを楽しみながら、数学史を発展させる研究に貢献できるというこの「Unknot! -アンノット!-」は、なんとも浪漫があるゲームだ。
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。
































