5月6日に大田区民ホール・アプリコにて開催される「東京ゲームタクト2017」出演者へのインタビューを、計5回にわたって掲載する。第4弾は高田雅史氏、佐野電磁氏、上倉紀行氏、加藤浩義氏。

目次
  1. AB型の作曲家は人の話を聞いていない?
  2. 展示室公演内容
  3. 出演者プロフィール
  4. 公演概要

「東京ゲームタクト2017」に出演予定のアーティストらに、今回の「ゲームタクト」への意気込みなどを語ってもらう出演者インタビュー。第4弾では、無料で観覧できる展示室公演の「AB型作曲家座談会 ~坂本英城の『AB's』~」に出演する高田雅史氏と上倉紀行氏、そして「佐野電磁の『ど~してこの曲がイイの!?』」に出演する佐野電磁氏と加藤浩義氏のトークをお届けする。

AB型の作曲家は人の話を聞いていない?

左から加藤浩義氏、佐野電磁氏、高田雅史氏、上倉紀行氏

――展示室公演の皆様に色々とお話を伺いたいと思います。まず「AB型作曲家座談会」からお願いします。

上倉氏:AB型至上主義というか、AB型の作曲家はこんなことを考えているぞっていうね。出演者は全員AB型なんですけど、そもそも4人しかいません(笑)。ここの2人と、坂本さんと、あと細江慎治さん。

――この公演の見どころはどこですか?

高田氏:とりあえず打ち合わせでは、AB型がいかにすばらしいかをお話しすることになっています。

上倉氏:色々話し合ったんですけれど、結局AB型はすごいのかすごくないのか、よくわからないという結論になりました。

佐野氏:AB型ならではの作曲方法とかは?

高田氏:一応そういうのを捻出しようと思っていたんですけれど、なかったんですよね。

上倉氏:AB型は、二面性があるとか、頭の回転が速いとか、頭脳明晰とか……自分で言ってて恥ずかしいんですけど(笑)。

高田氏:今日3人で話していて、常に客観視しているというのは共通認識としてありましたね。

――AB型トーク座談会の主役、坂本さんがいらっしゃいましたが(笑)。

坂本英城氏(左から2番目)

佐野氏:大体なんなんですか、このAB型のトークコーナーって。1時間にわたってAB型は天才だという話をするんですか?

坂本氏:そうです。

佐野氏:このコーナー無料でよかったですね!

坂本氏:いや、本当にAB型ってすごいと思うんですよね。例えば誰かがおもしろいことを言うじゃないですか。みんな笑うじゃないですか。AB型は拍手するの。笑わないんです。

あとはAB型で打ち合わせするじゃないですか。終わるころにはその内容をほとんど覚えていません。途中から違うこと考え出しちゃうんですよ。今もちょっと違うこと考えてますね、二次会どこいこうかなとか。

佐野氏:じゃあとりあえずお客さんに、聴きどころをアピールしてください。

坂本氏:特にないです、ノーテーマです。このセッションは、細江さんがナムコ時代に自分も含めてAB型が多かったっていう話をされたところが始まりだったんですよ。じゃあ集まってやりましょうとなったんですが、細江さんが「前回のAB型座談会は台本も何もないしもう散々だった。打ち合わせをしっかりやってください、登壇する意義がない」というので、今日打ち合わせをセッティングしたんですよ。そしたら細江さんが今日来れなくて、結局打ち合わせできないっていうね(笑)。

佐野氏:そもそも細江さんがいたころのゲーム業界は、打ち合わせとか仕様書なんてものはないですからね(笑)。

高田氏:まあ、AB型がこうして集まることはなかなかないですよね、人口的にも少ないし。それでいてゲーム音楽作曲家となると尚更レアでしょう。

佐野氏:司会の方はいるんですか?

坂本氏:僕がぶんぶん回しますよ。AB型のすばらしさを知ってもらって、AB型になりたいと思っていただければ。AB型の人を見ると明日の仕事の活力になる、というくらいのセッションになるはずなんですよ。AB型以外の人に来ていただたいて、「僕はどうしてもAB型にはなれないけれど」みたいな気持ちになってもらえるような内容になります。

高田氏:AB型目指してがんばろう、みたいな。

佐野氏:AB型ならではの作曲的な話はしないの?

高田氏:それを今日打ち合わせで話して、何も出てこなかった。

坂本氏:一応打ち合わせで話はしていて、AB型で「あるある」とか言っていたら、打ち合わせに同席していたA型とB型の作曲家が「それ俺らもありますよ」って言い出して。

高田氏:ただの作曲家あるある(笑)。

加藤氏:僕はAB型じゃないですが、こっちからするとAB型の人たちは若干変わった人という感じですね。

坂本氏:このままだとこんな感じの無軌道トークになりそうなんですけど、細江さんが無軌道トークはダメだと言うんでね。

佐野氏:あの人ほど無軌道な人もいませんけど(笑)。

高田氏:一応たくさん話し合ったんですよ。でも途中でみんな「あ、オッケーだな」と思った瞬間から喋らなくなりました。もうできたな、と。上倉さんは途中で具合が悪くなるし。

上倉氏:すいません……。

佐野氏:とりあえず、一切油断してはいけない手に汗握る一時間になるのはわかりました(笑)。

――ひとまず、おひとりずつ意気込みを(笑)。

高田氏:あんまり意気込まないですよね。

坂本氏:そういう効果の薄いことに力を注がない。自分で思っておけばいいんです。強いて言うなら、とにかくAとBとOに勝ちたいんですね。勝っているんですが、勝っているということを、この一時間でゲーム音楽を通じて世界中の人たちに伝えたい。

高田氏:AB型に生まれたからには、AB型ならではの楽曲を作っていけたらいいなと。その分、他のところを他の血液型の方から学んで吸収していければいいなと思っています。

上倉氏:がんばりたいと思います。

――ところで佐野さんのコーナーのお話がないんですけれども(笑)。

佐野氏:「佐野電磁の『ど~してこの曲がイイの!?』」っていうやつですね。加藤さんと、あと上倉さんにも出ていただくことになりました。そして細江さんと、小塩広和さんにもご出演いただきます。

これは私が飲むたびに言っているんですけれど、「プレイリストは人生の棚卸し」です。プレイリストを見るとその人の人生が浮かぶんじゃないかと思うんですよ。

ただ今回は皆さんに何曲も持ち寄ってもらうと語る時間がなくなってしまうので、「この曲が好きだ!」という曲を一曲ずつお持ちいただいて、その曲について深く深く掘っていくと。この曲を聴いていたころに付き合っていたお姉ちゃんの話まで突っ込んでいければなと思います(笑)。

この曲がなんで好きなのかって、あまり話さないですよね。「このキックの音の入り方聞いた? すごくない?」みたいな話をしつつ、その人の人となりを探っていくコーナーです。

坂本氏:なんで俺を呼んでくれないの?

佐野氏:坂本さん、こういう時おもしろいこと言おう言おうとするじゃないですか(笑)。坂本さんはおもしろいこと言おうとしていない素の時のほうがおもしろいんですよ。

坂本氏:イトケンさん(伊藤賢治氏)みたいですね!

佐野氏:まとめにくい話ですみません、こういう感じの企画です(笑)。皆さん、お楽しみに!

――AB型のフリーダム感をそのまま読者さんに楽しんでいただきます(笑)。ありがとうございました。

展示室公演内容

※展示室の観覧は無料

AB型作曲家座談会 ~坂本英城の「AB's」~

個性豊かなゲーム音楽作曲家を、血液型で集めてみたらどうなるのか!?血液型以外の共通点が見当たらない、坂本英城・細江慎治・高田雅史・上倉紀行の4人が、意外な共通点を探るべく恐る恐るトークをします!

中條謙自の「ゲーム音楽家・一斉調査 2017」

作曲家が素晴らしい作品を作り出す裏にはどんなバックグラウンドが隠れているのか?中條謙自がゲームタクト出演音楽家たちに一斉調査を実施し、分析していきます。数々の踏み込んだ質問により、ゲーム音楽家たちの心の闇に踏み込んでしまうかも!?

佐野電磁の「ど~してこの曲がイイの!?」

「リッジレーサー」シリーズなどの作曲家でありながらラジオパーソナリティもこなす佐野電磁が、加藤浩義ほか、ゲストお気に入りの1曲を題材に、「この曲のどこが好きなのか」「この曲をパクったもとい影響を受けて作った曲は」「この曲が好きだった頃に付き合っていた人は」などの音楽的かつ個人的な背景へ、怒られるギリギリまで切り込んでいきます!

※公式サイトより

出演者プロフィール

坂本英城

作曲家・ノイジークローク代表取締役。4歳からクラシックピアノを学ぶ。早稲田大学を卒業後、2004年にノイジークロークを設立、作曲家兼代表取締役となる。

多彩な表現で魅力ある音楽を提供し、その担当作品数は200タイトルを超える。2011年5月には「無限回廊 光と影の箱」にて「世界で一番長いゲーム用書下ろし楽曲」(1曲で75分07秒)の作曲家としてギネス世界記録に認定。2012年12月には琉球フィルハーモニック チェンバーオーケストラ“イオ”ゲーム音楽ディレクターに就任し、2014年3月に「沖縄ゲームタクト2014」を開催。そのメーカーや制作会社の枠を越えた、ゲーム音楽そのものを文化として捉えた積極的な活動は高く評価され、同年9月にはCEDEC AWARDS 2014 サウンド部門最優秀賞を個人として受賞する快挙を果たした。

さらに同年中に「TIME TRAVELERS(タイムトラベラーズ)」の主題歌「The Final Time Traveler」が、フィギュアスケートゴールドメダリスト羽生結弦選手の2014-2015年季エキシビジョンプログラムに選曲され、大きな話題となる。

このほかにも、自社バンド「TEKARU」でのパフォーマンスや、ゲームコンポーザーによるトーク&ライブの配信など、話題作りやファンサービスを忘れない姿勢を貫いている。

代表作として「討鬼伝」シリーズ、「文豪とアルケミスト」「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」「タイムトラベラーズ」「モンスターストライク」(アニメ/3DS)「ぐるモン」「くまぱら」「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー Wii U/3DS」「無限回廊」シリーズ、「勇者のくせになまいきだ:3D」「100万トンのバラバラ」「龍が如く」シリーズ、「428~封鎖された渋谷で~」「ポケモン不思議のダンジョン時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊」などがある。

高田 雅史

サウンドプレステージ合同会社代表

幼少時より音楽教育を受け、数々のゲーム音楽を手がけている。アトリエドゥーブル、HUMAN、GRASSHOPPER MANUFACTURE、TangoGameworksと所属し、現在は自身の会社SoundPrestige LLC.でゲーム音楽を主体としながら、アニメ、舞台、歌モノと活動の幅を広げている。

  • 「ダンガンロンパ」(ゲーム、アニメ、舞台)全シリーズ
  • 「地球防衛軍」シリーズ
  • 「夢王国と眠れる100人の王子様」
  • 「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ
  • 「デジモンストーリー サイバースルゥース」
  • 「新・光神話 パルテナの鏡」
  • 「サイコブレイク(The Evil Within)」
  • 「beatmania IIDX」
  • 音100シリーズキャラソン
  • TKDz2b「Never Say Never」(ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation オ-ープニング)
  • 緒方恵美「NEXT STAGE」(アルバム「Desire -希望-」に収録)
  • 椎名へきる「嘘つき女王~la reine du menteur!!~」

他、多数

作る楽曲の幅広いことで知られ、代表作を見ただけでもバラエティに富んでいるが、ジャンルが違っても高田氏が作ったと感じる何かがある。ゲームの世界感を音楽で強烈に印象付け、楽曲を聴いただけで、それぞれのゲームの世界に没入できるように制作しているとの事。その為、ダンガンロンパ、夢100等、メディア展開の際も音楽担当に抜擢され、舞台、アニメになっても世界感の統一の一翼を担っている。

上倉紀行

1980年神奈川県生まれ。

大学在学中より音楽活動を開始。作曲やアレンジ、またキーボードプレイヤーとして各種レコーディングやライブのサポートなど幅広く行う。卒業後、レコード会社等を経て2006年、有限会社ベイシスケイプに活動の拠点を移し、数多くのゲーム音楽制作に携わる。2011年よりフリーランスとなり、アニメの劇伴音楽や主題歌、声優アーティストへの楽曲提供など、さまざまな分野で活躍中。

主な担当タイトル

ゲーム
  • タクティクスオウガ運命の輪
  • 朧村正
  • 鉄拳6
  • 英雄伝説閃の軌跡
  • パズドラバトルトーナメント-ラズール王国とマドロミドラゴン-
  • インペリアルサガ
  • 聖剣伝説-ファイナルファンタジー外伝-
TVアニメ
  • ロミオ.ジュリエット
  • ドルアーガの塔~the Aegis ofURUK~&~the Sword ofURUK~
  • 召しませロードス島戦記
CD
  • 「世界樹の迷宮IV 伝承の巨神」スーパー・アレンジ・バージョン
  • Re:Birth II/ロマンシングサ・ガバトルアレンジ
  • PIANO-BURST KAKUSEI
  • 千葉ロッテオープニングテーマ集2010-2011 野球があるから
  • 昆夏美「心はひとつじゃない」(TVアニメ「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」EDテーマ)
  • everying!「希望のヒカリ」(TVアニメ「召しませロードス島戦記~それっておいしいの?~」EDテーマ)

佐野電磁

ゲーム音楽作曲家、音楽制作ソフトプロデューサー。

「リッジレーサー」「鉄拳」「ドラッグオンドラグーン」「ビートマニア」「太鼓の達人」「グルーヴコースター」等のゲーム音楽、ニンテンドーDS用ソフト「KORG DS-10」「KORG M01」、iOS用アプリ「I am Synth」、ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフト「KORG DSN-12」等の音楽制作ソフトの開発を手掛ける。最新作はiOS用シンセサイザーアプリ「KORG iDS-10」。

オリジナルアルバム「Gradation」「Sanodg's Drawings for 23 minutes at an Exhibition 1-2-3」「佐野電磁アーケードゲーム音楽作品集」、ノイジークローク加藤氏とのEDMユニットSATOとして「EDM IS GAME」もリリース。DETUNE代表取締役社長。

加藤浩義

ノイジークローク執行役員兼作曲家。

「消滅都市」や「クラッシュフィーバー」「DanceDanceRevolution」シリーズ、「龍が如く」シリーズなどで楽曲制作を担当。ダンス、クラブ系やデジタルロックなどアッパーな楽曲を得意とする。過去には浜崎あゆみのリミックスや小柳ゆきのアルバムでの作曲・編曲などの経験もある。

「沖縄ゲームタクト2014」「東京ゲームショウ2015」など、近年ではDJパフォーマンスを披露する機会も増えている。2015年には佐野電磁氏とのEDMユニット「SATO」名義で「グルーヴコースター」への楽曲提供を行い、ますます注目を集める。

中條謙自

コーエーテクモゲームス出身。「真・三國無双」シリーズの作曲に関わったのち、ゲーム制作におけるサウンドの総責任者=サウンドディレクターとして、「戦国無双」シリーズ、「討鬼伝」をはじめ、数々のヒットタイトルを歴任。これまで何度も修羅場を潜り抜けたことで多くのスキルを身につけ、音楽制作、効果音制作、音声制作、TVCFやプロモーション映像MAなどに多才ぶりを発揮。特に日本を舞台にしたアクションゲーム制作経験は豊富であり、和の世界観表現は得意中の得意である。

また、業界に先駆けてサラウンド制作、フォーリー録音、インタラクティブ演出を採り入れるなど、新しい挑戦が大好きであり、その過程を楽しみながら確実に成果を出して行くポジティブ精神の持ち主。他、CEDEC、GDC、AESなど各種カンファレンスにおける登壇実績や、各媒体における取材実績なども多く持つ。

細江慎治

作編曲家 兼 飲酒担当責任者

「ノーゲーム・ノーライフ/TVアニメ」「ケロロ軍曹/TVアニメ」「ロードオブヴァーミリオン/スクエアエニックス」「ギガレッカー/ゲームフリーク」「刻のジレンマ/スパイク・チュンソフト」をはじめ多数の作品を手がける。

最新作は「タブゥータトゥー/TVアニメ」をはじめ、自社制作のCDや、劇伴、ゲームと幅広く作品を製作中。スーパースィープ代表取締役社長。

公演概要

公演タイトル

東京ゲームタクト2017

開催日

2017年5月6日(土)

大ホール・オーケストラ昼公演

開場:12時15分
開演:13時00分

大ホール・オーケストラ夜公演

開場:16時45分
開演:17時30分

※そのほか、小ホール/展示室でも公演多数

会場

大田区民ホール・アプリコ

チケット

大ホールS席:6,500円
大ホールA席:5,500円
小ホール:2,000円(各公演)

※未就学児の入場はご遠慮願います。

公式サイト
http://gametakt.com/

主催

ノイジークローク/公益財団法人大田区文化振興協会

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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