スクウェア・エニックスは6月17日、東京・池袋「STORIA」にて「ロード オブ ヴァーミリオン」の公式大会、およびシリーズの新情報を発表する生放送イベント「9th Anniversary of VERMILION」を実施した。

現在稼働中の「ロード オブ ヴァーミリオンRe:3」最後の公式大会となる「救急魔療病棟」決勝大会、さらに2017年7月13日からの稼働を予定しているシリーズ最新作「ロード オブ ヴァーミリオン IV」の発表という2部構成で行われた今回のイベント。ステージにはMCの花奈澪さんと実況のナス隊長さん、さらに運営担当のいちのせ氏といった面々が登壇し、会場を盛り上げた。

大会のほうは別エリアの筐体で行われ、客席ではモニターに映される映像で観戦する形だった今回の大会。カフェの雰囲気もあってか、客席は常に和やかな空気に包まれており、ファンは談笑も交えながら試合展開を見守る独特の大会となっていた。

左からMCの花奈澪さん、いちのせ氏、ナス隊長さん

新たなプロデューサーには平田重之氏が就任!コラボ展開を続々発表

左から柴貴正氏、丹沢悠一氏

新情報の前に、まずはシリーズプロデューサーの柴貴正氏、プロデューサーの丹沢悠一氏が登場し、運営を開始してからの9年間を振り返っていくことに。ファンからはゲーム内に関する思い出はもちろん、「使い魔カード排出口にネシスカードを詰まらされた」というエピソードから、アルカナストーンズのライブ、そしてゲームを通じて知り合った相手と結婚したという人まで、たくさんの感想が寄せられ、これを見た柴氏、丹沢氏も懐かしんでいる様子だった。

また初期のディレクターを務めていた上原利之氏からのメッセージも到着。そこには「たまに初期からプレイしている人の発言をTwitterで見ると嬉しく思います」とつづられており、今でも変わらぬ愛情を持っていることを示した。「サガ」シリーズの河津秋敏氏からもコメントが。「ロード オブ ヴァーミリオン」と「サガ」シリーズはこれまでも何度かコラボを行ってきており、「これまでも良いパス交換から、美しいゴールを決めていきたいです」と期待を寄せた。

平田重之氏(写真右)

続いては「ロード オブ ヴァーミリオン IV」の最新情報を発表するため、新たなプロデューサーとなる平田重之氏が登壇。平田氏によると新作は「正統進化」を掲げており、美麗なカードゲームという良いところを引き継ぎつつ、さまざまなアイディアを詰め込んでいくという。

そんな平田氏も交えたうえで、まずはひとつめのコラボレーションタイトルとして、昨年発売されたばかりの「ファイナルファンタジーXV」が発表された。同作とのコラボは「JAEPO 2017」のステージで明かされていたが、今回は主人公のノクティスに加え、アラネア、コル、イリスといった具体的な登場キャラクターも発表された。

「ロード オブ ヴァーミリオン」はこれまでにも「FF」とのコラボを行ってきたが、主人公が登場するのはこれが初めてのこと。丹沢氏は「XVとコラボするのに、ノクティスが出ないのはあり得ない」と判断し、新たな試みとして実装することにしたという。そんなノクティスはアタッカータイプで、非常に攻撃力が高い代わりに、攻撃するたびに自身もダメージを受けてしまうそうだ。このあたりはノクティスが扱う武器「ファントムソード」と似通った内容といえるだろう。

また、こちらも昨年発売された「サガ スカーレットグレイス」からもゲストキャラクターが登場する。魔術の女神ヴァッハ神、戦技の神マリガン神、そしてキービジュアルにも使われていたファイアブリンガーの3体だ。「サガ」シリーズといえば伊藤賢治氏が手がける楽曲は欠かせないが、「ロード オブ ヴァーミリオン IV」で流れるBGMは本作のためにアレンジしたバージョンになるという。また原作ではボイスがないが、コラボによってボイスも実装されることに。声優はヴァッハ神が西田望見さん、マリガン神が近藤浩徳さん、ファイアブリンガーが杉田智和さんとなっている。

そして2月に発売を迎えたばかりの「ニーア オートマタ」からは2B、9S、A2の3キャラクターが参戦を果たす。これまでのもコラボを行ってきた「FF」「サガ」と違い、やや意外性のあるタイトルであるが丹沢氏によると「『ロード オブ ヴァーミリオン IV』の初期は他社とのコラボではなく、スクエニ内とのコラボで統一したい」という考えがあったそうだ。その一方で、次のコラボでは他社作品も含め「いろいろ考えていきたい」と平田氏が語った。

続いては「ロード オブ ヴァーミリオン IV」に登場する新たな使い魔として、ヴァン・ヘルシングが公開。イラストを内藤泰弘氏、ボイスを大塚明夫さんが担当するヴァン・ヘルシングは、知的で静謐な印象を受けるキャラクターだ。平田氏は「新しく入った人でも使いやすい能力になる」とこのキャラクターを紹介していた。

次に童話「白雪姫」をモチーフにしたスノーホワイトは、イラストを夜汽車氏、ボイスを早見沙織さんが務める。一見しておっとりしたかわいらしいキャラクターだが、平田氏いわく「どぎつい一面もある」とのこと。能力だけでなく、その性格やセリフにも注目だ。さらに前作にも登場していた風神と雷神は衣装などのデザインを一新して登場。どちらもlack氏がイラストを担当しており、イメージも統一されている。キャラクターボイスは風神が内海祐紀さん、雷神がささきのぞみさんだ。

最後に発表されたのが、日本神話をモデルにした使い魔「アマテラス」だ。キャストに伊藤静さん、イラストにひと和氏を起用したアマテラスは、岩戸隠れ、日輪天照という2つのアビリティを持っている。このうち岩戸隠れはデメリット能力で、一時的に味方の能力を下げてしまうとのこと。しかしもう一方の日輪天照は「それを補って余りあるほど強力」と平田氏。

またアマテラスのカードには、エクストラコスチュームレアとして水着姿のイラストも用意される。こちらはカードのクオリティにもこだわっており、縁の部分に凹凸加工を施したバージョンもあるそうだ。またアマテラス以外にも数種類、同様の加工をしたカードが存在するらしい。ちなみにパックの上からカードを触れば購入前に分かってしまいそうだが、平田氏は「探す途中で心が折れるくらい珍しいです」と注意していた。

なお、7月27日には「Ver3.5」シリーズで追加された使い魔カードイラストを収録した公式画集「芯愛」が発売される。イラストだけでなく200体以上の使い魔のフレーバーテキストなども収録され、実に416ページというボリュームでの登場となる。購入特典には「ロード オブ ヴァーミリオン IV」で使用できる使い魔カード「ミリア」を用意。ミリアはロケテストでも出てこなかった、画集が初披露となるカードだ。

最後に平田氏は「歴史があるタイトルですが、新しいことにもチャレンジしていきたいと思っています」と意気込みを語ると、プロデューサーからは降りるものの今後もシリーズに関わるという丹沢氏は「『ロード オブ ヴァーミリオン』10周年に向けて、準備を進めていきたいです」と抱負を述べた。

そして柴氏は、長時間に渡り付き合ってくれたファンに感謝の気持ちを伝えるとともに「10周年のタイミングで、皆さんとまた楽しめればと思います」と話し、イベントは終了した。

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