【TGS 2017】さらに新しくなった「信長の野望・大志」について小山プロデューサーと木股ディレクターにインタビュー

【TGS 2017】さらに新しくなった「信長の野望・大志」について小山プロデューサーと木股ディレクターにインタビュー

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千葉・幕張メッセにて9月21日より開催中の「東京ゲームショウ2017」。ここでは、「信長の野望・大志」のプロデューサー・小山宏行氏とディレクター・木股浩司氏へのインタビューをお届けする。

「志」という新システムをはじめとする多彩な新要素が取り入れられ、大きく生まれ変わった「信長の野望」。これらの新要素のポイントや導入の経緯、開発の裏話など、さまざまなお話をプロデューサーの小山宏行氏とディレクターの木股浩司氏にうかがった。

左から小山宏行氏と木股浩司氏
武将の考え方や行動指針となる「志」

――まず、サブタイトルを「大志」とした理由から聞かせてください。

小山氏:今回は「志」というものがゲームのポイントになっていて、それをダイレクトに伝えるにふさわしいということで「大志」としました。最初から第一候補になってはいたんですよ。ただ、これだけではということで、他にもさまざまな案を100以上出して、最後はシブサワ・コウに決めてもらったんですけど、やはり「大志」を超えるものはなかったですね。

――その「志」というものが本作の最大の特徴となっていますが、この要素を取り入れようと思い立った経緯を教えていただけますか。

小山氏:対戦相手となる大名が単に強い、弱いだけではなくて、それぞれいろいろな考え方があって、いろいろなアプローチの仕方をするようにしたら、さらに面白くなるんじゃないかという。そういった大名の人間性みたいな……本当の戦国武将と戦っているような感覚をもっとゲームの中で表現したいよねっていうところからスタートしました。やっぱり人間っていろいろな思いだったり目的だったりを持っているじゃないですか。そこから戦国武将らしくてゲームにも落とし込みやすい要素として、「志」というキーワードが出てきたって感じです。

――信長の「天下布武」のような「志」を表すキャッチフレーズはどのくらい登場するのでしょうか。

木股氏:今のところ50くらいだと思います。

小山氏:分かりやすいところだと毛利元就の「百万一心」とかですね。

木股氏:北条氏康の「禄寿応穏.」も北条家代々のスローガンのようなものですね。こうした歴史上ある言葉や武将のイメージに合わせて作ったものがけっこうあります。有力大名だけでなく、意外な大名や武将が特殊な「志」を持っていたりする場合もあるので、どのようなものが登場するか、楽しみにしていただけたらと思います。

――信長の場合「天下布武」を実現するものとして「兵農分離」と「楽市楽座」の2つが設定されていますが、その他の武将もこのような要素がそれぞれ2つずつあるのでしょうか。

木股氏:そうですね。正確を期すると、「天下布武」のような大きな「志」が1つあって、その下に先ほど言われました2つの志特性があって、さらに各特性にはそれぞれ4つの特性効果に分かれています。つまり、計8つの特性効果がありまして、そのうち2つはデメリットなんですね。例えば、信長の「楽市楽座」ですと、自由な商売ができてお金を儲けやすいんですけど、市場を独占できないという枷があります。6つのいい効果が得られる代わりに、このような悪い効果もあるわけです。

――それぞれの武将に「志」を設定するのはかなり大変だったと思いますが。

木股氏:いろいろな大名の考え方を調べることができたので、けっこう楽しい作業でした。ただ、デメリットを決めるのはなかなか難しかったです。メリットが強すぎないようにするにはこういうデメリットが必要というような、ゲーム的な側面からもアプローチしていかなければならなかったので、そこはちょっと大変でした。

――例えば「志」に大きく反する行動を取った場合、何らかの悪影響が出たりするのでしょうか。

木股氏:そういったペナルティみたいなものは存在しません。あくまでストロングポイントがつくという形になるだけで、それを利用しなければ弱くなるわけではないので、「志」にプレイが縛られるということもないです。ただ、コンピューター武将は、やはり自身の特性を活かして行動はしてくるでしょうね。

――つまり、「志」というのは武将の個性のようなものになるのでしょうか?

木股氏:個性とはちょっと違いますね。いわば、武将の考え方や方針のようなものです。

小山氏:その武将のそれまでの人生の積み重ねによって出来上がった考え方の方向性といったイメージでとらえてもらえるとよいかと思います。ただ、あまりざっくりしすぎていると、ゲームに落とし込みにくいので、特性という形で具体化したわけです。

今回はその「志」が大名の場合に色濃く出るようになっていて、例えばプロ野球の広島カープは機動力野球を売りにしているじゃないですか。今回はそうしたカラーを各大名が「志」という形で持っているとイメージしてもらえたらよいかと思います。広島が機動力を使わなかったからといってまずいわけじゃないですよね。同じように織田信長も「楽市楽座」を持っているからといって商業に力を入れなくても別にいいんですよ。プレイヤーの戦略のとり方に自由さは残しています。ただ、それは信長の得意なフィールドから外れるので、あまりオススメはしませんけどね、というだけです。

じっくりと戦法を練ることができる戦略性あふれる合戦

――戦闘における「行軍」も本作の大きなポイントになっています。特に面白いのが出陣できる兵数を限定する「広さ」の概念ですが、どのような経緯で、この要素を取り入れることになったのでしょうか。

木股氏:やはり史実上の合戦を自らの手で再現できるようにしたいというのが大きかったですね。桶狭間の戦いや厳島の戦い(※いずれも寡兵で大兵力の敵に勝利したことで知られる合戦)などがそうですが、現代に語り継がれている合戦は少数の兵で大兵力を倒したものが多いですよね。狭いところに敵を引き込んで、小が大を倒すといった、有名な合戦と同じような快感を得られるようにしようと考えて、戦場の広さという要素を入れました。

――これまでですと兵力を揃えて、数で有利に立つというのが合戦におけるセオリーになっていましたが、そこも変わってくるのでしょうか?

木股氏:戦略ゲームなので、そうしたセオリー自体がまったく変わるということはありません。ただ、これまで以上に逆転しやすくはなっています。

今回は戦闘において、最初に作戦というものも決められるようになっています。例えば少数の部隊で敵をおびき寄せて後ろから回り込むなど、さまざまな作戦が存在しているので、より戦術的な戦い方ができると思います。

――ちなみに、相手の進攻ルートは見えるのでしょうか。

木股氏:ルートは見えますが、ルート上のどこでぶつかり合うかは実際に行軍してみないとわかりません。なので、相手の進攻ルート上で有利な地形を見つけ出して、そこで迎え撃つというのが基本戦術になります。逆に、不利な地形に誘い込まれそうなときには進攻ルートを考え直すということもできます。

――「決戦」は「命令フェイズ」と「進行フェイズ」という2フェイズ同時プロット制により進行します。最近のシリーズはリアルタイム制が続いていましたが、今回この形を採用した理由を聞かせてもらえますか。

木股氏:リアルタイム制は部隊操作の上手さが求められるという部分もあると思うんですね。今回はそれよりも、よく戦略を練って敵を倒すというのを重視したいなというのがありまして、同時プロット制にして、考える時間をユーザーに持たせるようにしました。

小山氏:読み合いですね。相手がこうくるかなっていうのに対して自分はこういう風に対応しようとか。今回は敵の部隊が初めは見えない――いわゆる視界の概念があるので、こっちに部隊を移動させて様子をみようといった探り合いの要素を入れたかったというのがあります。

あと、我々は画面を見て、「ここに敵部隊がいるから迎え撃とう」とか、すぐに対応できますが、当時の戦いではありえないですよね。相手の状況が分かっても前線に伝えるまでのタイムラグとかあるじゃないですか。そういったことも同時プロットのほうが表現しやすいかなというのがあって、今回はこちらでいこうとなりました。

――「広さ」によって兵力が制限されるわけですが、決戦の開始後に追加の兵力を投入するといったことはできないでしょうか。

木股氏:決戦の開始後、部隊を動かさずにその場に留まっていれば、後からくる兵を徐々に合流させることは可能です。ただ、戦いが始まってしまうともう合流することはできなくなります。つまり、先に敵を見つけて戦いに巻き込むことで合流を止められるので、小勢力の方はスピード重視になるかと思います。

――内政についても聞かせてください。今回、「商圏」というシステムが取り入れられるなど、経済のウェイトが増した印象がありますが。

木股氏:増したと言えるかもしれませんが、「信長」シリーズは基本、お金がなければ何もできませんから、そういう意味では今回も同じです。ただ、今までのような商業値を上げるというものではないですね。そもそも商業値とは何なのかという疑問が以前からありまして。商業とは商売する場所を広げていって、いろんなところで商売をすることで儲けるんじゃないかと。そこには敵の商人も入ってきて競争しあうだろうとか、そういう発想があったんですね。それで、今回は内政においても他の国を意識して競争するというものにしました。ですから、今回の商業は外交や対外勢力との関係とも密接に絡み合っています。

――「言行録」というフリークエストが設定されているとのことですが、どのくらいのエピソードが用意されているのでしょうか。

木股氏:150から200くらいですかね。山県昌景が白い猿に導かれて温泉に辿り着いたという平湯温泉発見の由来とか、そうしたちょっとした地方の伝承なども今回は盛り込んでいます。前作「創造」にも戦国伝というフリークエストを用意してましたが、イベント量や採用したエピソードは、前作よりも多くしてます。どんなものがあるかは、ぜひ楽しみにしてほしいですね。

――歴史好きな人は「名将言行録」(※有名な大名や武将の言行や逸話を紹介したとされる書物)をイメージすると思いますが、そこは狙っている部分があるのでしょうか。

木股氏:はい、もちろん「名将言行録」もかなり参考にしています。史実かどうかはともかく面白い話が多いですからね。

従来のイメージと最新の研究や新説とのはざまで悩むことも

――今回、一部武将は戦時とは別に平時用のイラストが用意されていますが、こうした要素を取り入れようと思った理由を教えてください。

小山氏:やっぱり評定のときに甲冑姿だったり、合戦のときに袴を着ていると、どうしても違和感はあるよねというのがありまして。ただ、登場武将は2190人ですからね。さすがに全員を描き分けることはできないので、有名武将だけでもなんとかしようということになりました。理想としては全員用意したいんですけどね(笑)。

――例えば、武田信玄だと、有名な肖像画が本当に信玄を描いたものか疑問符がつけられています。こうした場合、どのように対処されているのでしょうか。

木股氏:社内でもまさにその議論は交わされてました。ただ、信玄はこれまでに築き上げてきたイメージがものすごく強く、いきなり痩せた信玄を出すと、イメージと合わないと思われるプレイヤーのほうが多いだろうということで、今回はいつものスタンダードなビジュアルになっています。でも、「正しい信玄像は、実はもっと痩せていた」みたいなものがより一般的なイメージになったら、そちらに変わる可能性はあります。

――最近は戦国時代の研究が盛んで、さまざまな新説も出てきているので大変ですね。

木股氏:いろいろ難しいですが、武将のイメージを最新のものにアップデートしていくというのは楽しいですよ。例えば、昔の今川義元はただの麻呂でしたが(笑)、最近ではすごく再評価されているので、それに合わせて能力値が高くなって、顔もどんどんかっこよくなっています。

最近だと松永久秀が意外と忠義の人だったという説も出てきていますよね。ただ、急に久秀が善人になると、それはそれでイメージが違いすぎて、今までのユーザーさんたちからどうなんだろうと思われそうじゃないですか。ですから、相変わらずの感じは残してはいるんですけど、私自身気になっていた部分でもあるので、そうした新しい要素も感じ取ってもらえるような雰囲気にはなっています。

――旧来のイメージと乖離しすぎるのも問題であると。

小山氏:ですから、どのくらい認知されているかというのも基準になりますね。単純に最先端の情報にアップデートするというわけではなく、歴史研究の進み具合やユーザーさんへの浸透度などを踏まえつつ。もう、こっちが主流だよねとなったら変えてしまうんですけれども、そこの判断はなかなか難しいですね。

――では、今回ビジュアルが大きく変わった武将はいますか?

木股氏:上杉謙信の戦時の姿がけっこう変わっています。これまでは定番の頭巾姿でしたが、今回は三宝荒神という変わり種の兜をかぶって登場します。ただ、平時はいつもの僧衣姿なので、謙信のイメージ自体はさほど大きく変わってはいません。この兜自体も謙信が所用していたとして有名なもので、所説では実際には使用していないとする説もあるようですが、あくまでこういう姿もあったであろうというものを取り入れてみただけです。

――公式サイトでは小田原城と稲葉山城が紹介されていますが、他に注目の城はありますか。

木股氏:あえてひとつあげるなら上杉謙信の居城、春日山城でしょうか。城自体は現在はまったく残っていないですが、実際に行ってみたらすごい山で、こんなところ攻められるわけないってなるんですよ。うまくそうした険しい山に沿った自然な形の城になっているので、ぜひ注目していただきたいなと思っています。

北条早雲や太田道灌など、少し時代をさかのぼる人物も登場させたい?

――ちょうど発売日が大河ドラマ「おんな城主直虎」のクライマックスの時期になりますが、今年の大河を踏まえた新たな登場人物などはいますでしょうか。

木股氏:すでに公表していますが、小野政次が登場します。あと、井伊直親もビジュアルを刷新しています。

――スマートフォン・タブレット版もリリースされるとのことですが、その狙いを聞かせてもらえますか。

小山氏:「信長の野望」シリーズは時代やプラットフォームの進化に合わせ、さまざまな機種で発売をしてきました。これは、より多くの人に遊んでほしいというゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウの考えでもあります。最近はスマートフォン、タブレットをお持ちの方が多いですし、スマートフォンといえば、据え置き機よりだいぶ低スペックのイメージがありましたが、昔とは違い、高いスペックを要求しても動作する機種の登場や普及も進んできたので、これらのデバイスで遊べれば選択肢が増えていいのではないかと。もう最近のゲーム専用機を持っていないけど、こうした機器は持っているという方もたくさんいらっしゃると思います。昔、「信長の野望」で遊んでいた人にも手に取ってもらいやすいのではないかというのもありましたね。

――通常版とスマートデバイス版で、何らかの連動のようなものは考えておられますか?

小山氏:両方を持っていないと何らかの特典が得られないとか、そういった形での連動は予定していません。ただ、PC版とスマートデバイス版のセーブデータの共有は考えています。例えば、PC版を家で腰を据えてプレイして、出先や仕事の休憩時間では同じデータをスマートデバイス版で遊べるような、そういうライフスタイルの提案ができるようになるといいかなと。

――DLC展開などでは何か考えておられますか

小山氏:ソニーさんの協力の下、「デジタルデラックス」という特別版を現在プレオーダー中でして、そこにシーズンパスが付いているんですけど、その内容が追加シナリオと顔グラフィックとBGMになっています。そこまでは一応予定していますね。ご要望があればその後もやる可能性はありますが、現在は製品版の開発が佳境なのでそちらに集中しています。

――分かりました。それでは最後にファンへのメッセージをいただけますか。

小山氏:今回はいろんな大名家が「志」を持っていて、それぞれの大名家によって違った楽しみ方ができるので、島津ファンや伊達ファンといった特定の武将だけで遊ぶ方にも、一度お気に入りの大名家でクリアしたら他の大名家でもちょっと遊んでみてほしいです。

木股氏:ゲームシステムも新しくなって、「信長の野望」シリーズのユーザーの方にも、いろいろ新しいゲーム体験を提供していけたらと思っています。戦国時代やシミュレーションゲームの魅力をどんどん伝えていきますので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。

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