「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第9回ではPSVita用ソフト「ハイリゲンシュタットの歌」についてストーリーを中心とした前編、キャラクターを中心とした後編でお届けします。

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回は文化放送エクステンドから2017年9月28日に発売した「ハイリゲンシュタットの歌」についてお届けします!
「ハイリゲンシュタットの歌」ここがポイント!
- 「音の喪失事件」を追う青年たちの複雑な過去が絡み合うストーリー
- 「音」をテーマとした作品ならではの、迫力のBGMやテーマソングたち
- 温かみのあるスチルや細部まで美しく描かれた背景ビジュアルにも注目
「ハイリゲンシュタットの歌」とは?
文化放送エクステンドが手掛ける女性向けコンテンツブランド「eXtend」の「逢魔が刻~かくりよの縁」「Side Kicks!」に続く乙女ゲーム第3弾。音楽のもつ不思議な力によって栄えた「シャル」という地を舞台に、人々を襲う「音の喪失事件」の謎に迫っていく。
キャラクターデザイン/原画には鈴木次郎氏、シナリオには二宮愛氏を迎え、テーマが「音楽」ということもありオープニング・エンディグテーマをはじめBGMにも非常に力が入っている。サウンドトラックは11月29日発売予定。10月19日からはキャラクターの人気投票をスタートし、中間発表を経て11月18日まで受付を行う。
音楽都市シャルを襲う「音の喪失事件」とは?
まず今回は、本作の世界観やストーリーについてご紹介。「ハイリゲンシュタットの歌」は音楽が不思議な力を持ち、鳥やオルゴールが喋るちょっと不思議な世界が舞台です。主人公のリートは音楽によって栄えた街「シャル」の孤児院で育ち、現在は音楽図書館の司書として働くごく普通の少女。そんな彼女が人々を襲う「音の喪失事件」と遭遇したところから、物語が大きく動き出します。
シャルという地は、かつて限られた人にのみ楽しむことが許されていた音楽を広く大衆に解き放った偉大な音楽家・ヴェートーヴェンの拠点でした。誰もが楽しめる芸術として親しまれるようになった音楽は人に愛され、その愛を受けた音楽は不思議な力を持つようになった……という歴史をもちます。
そんなシャルを象徴するような存在が“正しき音楽”を演奏し続ける「王立楽団」。その日も完璧で素晴らしいコンサートが行われるはずでしたが、大規模な音の喪失事件が発生します。その場に居合わせた人々は音を失い、リートと一緒にコンサートを聞きに来ていた孤児院の子供たちも歌を歌えなくなってしまいました。
しかしリートだけはその影響を受けずにいたため、音楽にまつわる事件を解決する専門機関「ファタリテート」に招かれることに。ここでは「ハルト(CV:小野友樹)」「アルシェ(CV:島﨑信長)」「ディー(CV:内田雄馬)」「クラヴィア(CV:鈴村健一)」「ヴィッセ(CV:岡本信彦)」といった5人の青年、そして謎に包まれた「忘却の使徒(CV:谷山紀章)」との出会いが待っていました。
5人は特殊な力をもつ「ファルガー」と呼ばれ、時には楽器を武器に変えて脅威と戦うことも。とはいえ全員が同じ目的を持った完全な一枚岩というわけではなく、楽団の演奏者としてステージに立つ一方、楽団やファタリテート、音の喪失事件への向き合い方はさまざま。リートは彼らと生活を共にするうちに、彼らが辿ってきた複雑な過去の一端や心の内に抱える闇にも触れていきます。
こうしたボリュームたっぷりの共通ルートを経て、攻略キャラクターごとに深く掘り下げられる個別ルートへと突入。本作のタイトルでもある「ハイリゲンシュタットの歌」のもつ意味や、「正しい音楽とは何なのか?」といった部分にも切り込んでいきます。
ここまで概要をご紹介してきましたが、事件にまつわるシリアスな要素もありつつ、基本的にはリートがとても明るく元気なので全体的にはコミカルな印象でが強いですね。彼女の真っ直ぐで、でも少しズレたリアクションは見ていてかなり楽しい気持ちになります。
とくにリートが赤ん坊の頃から一緒に過ごしてきた喋るオカメインコの「ソプラノ(CV:武内駿輔)」とは息がぴったりの掛け合いをしますし、しょっちゅうユニークな歌詞付きで歌い出すのも笑いが止まりません。孤児院のシスター・イヴァン(CV:篠永百合)も穏やかな雰囲気ながらシスターとは思えないほど過激な発言が多く、そんなシスターの元で育った子供達もしたたかに可愛いので癒されますよ。
ファタリテートの指揮官「アイゼン(CV:加瀬康之)」や指揮官補佐と主にアルシェのマネージャーとして日々仕事に追われる「ビアンカ(CV:今井麻美)」、自称(?)エリート警部の「ルドルフ(CV:石川界人)」とベテラン刑事の「アントン(CV:興津和幸)」といったコンビもポイントで、彼らの言動も物語を華やかに彩ります。
個人的に面白かったのは、ある理由で日本に造詣が深いクラヴィアの存在です。本作は全体的にヨーロッパのような雰囲気のファンタジーなのですが、意外と会話の中に日本文化の要素が飛び出してくるので親近感がわきました。まさか「こたつ」を見ることになるとは思わず、結構インテリアとして溶け込むのにも驚きましたね。
オマケ要素も楽しめるシステム面などをチェック
本作は、共通ルートで選んだ選択肢の結果によって個別ルートが解放されるという仕組み。クラヴィアや忘却の使徒は制限がかかっていますが、共通ルートでは全員のフラグを一度に回収できますし、章の選択画面好感度の数値などを細かく設定した上で再開できるのでサクサクプレイが進みますよ。
エンディングを迎えると「音のかけら」というアイテムが入手でき、消費すると「EXTRA」内で特別なスチルやボイス付きのショートストーリーを楽しめます。本編では見られなかったシチュエーションのスチルは必見ですし、エンディング後のタイミングで描かれるショートストーリーはキャラによってはだいぶ印象が変わるので見逃せません。とくにハルトあたりにはかなり驚かされました。
スチルだけでなく、シャルの街並みを緻密に描いた背景ビジュアルもぜひご注目を。日中や夕方、夜、雨など時間や天気での変化をとても丁寧に表現しています。こうした細かな部分へのこだわりが、ストーリーへより深みを与えるんだなと感じました。
このほか、音楽をテーマとした本作だからこそBGMも生の楽器で収録した非常に豪華な作り。ゆったりとした曲から激しいバトルを思わせるサウンドが本作を盛り上げます。30曲のBGMに加え、やなぎなぎさんが歌うオープニングテーマ「ironi」や、メインキャラクター5人が異なるアレンジと歌詞で歌うエンディングテーマ「君への歌」を収録したサウンドトラックは11月29日発売予定。ジャケットイラストは原画の鈴木次郎氏描き下ろしですので、こちらもチェックしてみてください。冒頭でもご紹介していますがオープニングムービーはものすごく動きがあって躍動感にあふれた映像に仕上がっていますので、ぜひ見てみてください!
後編では攻略キャラクターをはじめ、魅力的なサブキャラクターについてもたっぷり触れていきますのでお楽しみに!
(C) NIPPON CULTURAL BROADCASTING EXTEND INC.
※画面は開発中のものです。
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