「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第9回ではPSVita用ソフト「ハイリゲンシュタットの歌」についてストーリーを中心とした前編、キャラクターを中心とした後編でお届けします。

目次
  1. 「音の喪失事件」を追う青年たち
  2. 「ハイリゲンシュタットの歌」クリエイター陣コメント

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回は文化放送エクステンドから2017年9月28日に発売した「ハイリゲンシュタットの歌」についてお届けします!

音楽が不思議な力をもつ世界を舞台に、音楽都市シャルで巻き起こる「音の喪失事件」を解き明かしていく「ハイリゲンシュタットの歌」。今回は音楽に関わる事件を解決する専門機関「ファタリテート」に属する素敵な青年たち「ハルト」「アルシェ」「ディー」「クラヴィア」「ヴィッセ」やミステリアスな「忘却の使徒」をはじめとする、たくさんの魅力的なキャラクターについてご紹介していきます!

第9回「ハイリゲンシュタットの歌」――“音楽”に満ち溢れた世界で奏でられる、不思議な物語【前編】

「音の喪失事件」を追う青年たち

リート(CVなし/名前変更可/デフォルトで名前呼びあり)

まずは主人公・リートから。孤児院で育ち、現在は音楽図書館の司書をしながら子供たちに音楽を教えています。楽譜が読めなかったり、独創的な鼻歌を歌ったりと音楽的な才能があるとはなかなか言えませんが、とても楽しそうに音楽と接している子だなというのはひしひしと感じました。ディーのいたずらへ更に悪ノリしたり、意外と大食いだったりと結構はっちゃけた面もありますね。乙女ゲームの中でも、かなり個性の強い主人公のように思います。

音の喪失事件に遭遇したにも関わらず、影響を受けなかったことをきっかけに王立楽団へ身を寄せることとなるリート。時には悩む時もありましたが、どんな時も「伝える」ことを諦めようとしないのが彼女の良さでしょうね。これからも真っ直ぐにいてほしいです!

ハルト(CV:小野友樹)

真面目が服を着たようなハルトは、王立楽団の指揮者(コンダクター)。ちょっと固くて融通が利かない面もありますが、個性的な仲間をしっかりまとめて音を導くリーダーです。アルシェとは幼い頃から面識がありますが、コミュニケーション能力が高く女性にも優しい彼とは対照的ともいえる空気をまとっています。

最初はかなりキツイ物言いも多く、ちょっとおっかなびっくり接していましたが、少しずつハルトなりに抱えている音楽への愛情や仲間への信頼、リートと接するうちに見えてくるいつもと違った面が表に出てくると「なるほど!」と理解できました。とくにきちんとリートと気持ちを通じ合わせた後、とことん厳しかった表情が穏やかに変わっていくのがキュンとしましたね。

アルシェ(CV:島﨑信長)

王立楽団の自他ともに認める天才ヴァイオリニスト・アルシェ。その整った容貌も含めて女性からの人気は絶大で、彼目当てにコンサートを訪れる人も少なくありません。リートに対してもすぐ冗談交じりに口説くためこちらまでドキドキするものの、あまり周囲へ深く興味を持たない様子もあり、その真意はなかなか見えません。そこから徐々に「実は……」といった部分が見えてくると、だいぶ印象が変わりますね。

アルシェにとってキーとなるのは、家族の存在でしょう。大切な存在なのにどこか噛み合っておらず、どうにも切ない気持ちになることが多かったですね。色々な出来事を乗り越えた後、改めてその行動や想いについて考えてみると「アルシェはやっぱり、すごくカッコイイ人なんだな」としみじみ感じました。

ディー(CV:内田雄馬)

王立楽団のチェリストであり、ファタリテートでありながら練習も公演への参加も全く行わないディー。明るく快活なムードメーカーですが、その行動力はほとんどいたずらに注ぎ込まれています。アルシェによくいたずらを仕掛けるものの、大抵上手くいかない様子なのは微笑ましかったですね。そんなディーが「何故、演奏をしないのか?」という理由は彼の、そして王立楽団の過去が深く関わっています。

恋愛面では等身大というか、あまり女の子に慣れてない感じが可愛らしいのがディーですね。どちらかというとまだまだ仲間と騒ぐ方が性に合っているという印象ですが、そこからリートを意識し始めたあたりでニヤニヤしちゃいました。すんなりとはいかない、跳ねるような恋を楽しめます。

クラヴィア(CV:鈴村健一)

チェンバロの奏者であり、調律師としても王立楽団に貢献するクラヴィア。もともと図書館でリートと面識があったこともあり、右も左も分からない中でとくに頼りになる存在です。楽団の中でもクセの強いメンバーをフォローする役回りが多く、時には「母親」などと言われながらも慕われています。年長者として落ちついた振る舞いが多い中、時折ものすごくからかわれるのについ笑ってしまいました。

つねに穏やかな印象ですが、彼もまた王立楽団の過去を知る存在。その内に抱えるものは決して小さなものではなく、これからも困難は続くのでしょうが、リートと2人で幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。

ヴィッセ(CV:岡本信彦)

ヴィッセは、常に“完璧”な演奏をする王立楽団唯一のピアニスト。あまり感情的ではなく少女のようにも見える出で立ちですが、かなりユニークな会話が繰り広げられることも多いですし、見た目以上にリートにも積極的でちゃんと「男の子」なのにびっくりさせられました。彼は猫が大好きですが、それ以上にヴィッセが掴みどころのない猫のような印象でした。

どんな時も全く狂いのない、正確な演奏ができてしまうヴィッセ。その技術自体は素晴らしいものですが、そうなってしまった経緯は涙なしでは読み進められません。きちんと過去と向かい合い、真実を知った後にはリートともっと心から笑い合っていてほしいなと思いました。

忘却の使徒(CV:谷山紀章)

忘却の使徒とはシャルの中で出会い、音の喪失事件と深いかかわりがあると思われる謎の多い青年です。彼自身については本編でもなかなか明かされず、顔のない喋るオルゴール「レルム(CV:能登麻美子)」との不思議な関係性やその能力、過去などは「いつ分かるんだろう!?」とプレイ中ずっと気になっていました。個人的には演出を含めてかなり印象に残る部分があったので、ぜひゲーム内で確かめてほしいなと思います!

このほか、リートとずっと一緒にいるオカメインコのソプラノ(CV:武内駿輔)は非常によく喋るので見ていて飽きませんし、惜しげもなく美声を披露してくれるので出番をずっと心待ちにしていました。ファタリテートの指揮官であるアイゼン(CV:加瀬康之)もユニークなオジサンといった感じですし、指揮官補佐でありマネージャーのビアンカ(CV:今井麻美)もさっぱりとしていて気持ちの良い女性です。

エリート警部のルドルフ(CV:石川界人)はおよそ警部らしからぬコミカルな言動が特徴で、ディーのことを無二の親友だと本人は思っているようですが、果たして…!? そんな彼に付き添い、何だかんだと面倒を見ているベテラン刑事のアントン(CV:興津和幸)とのコンビはさまざまな場面で本作を盛り上げてくれます。

今回ご紹介したキャラクター以外にも「ハイリゲンシュタットの歌」には、まだまだ多数のキャラクターが登場します。そんなキャラクターたちの人気投票が10月19日から実施中で、1位になると描き下ろしイラストと書き下ろしショートストーリーが用意されます。前半戦は10月19日~11月2日、11月3日の中間発表を挟んで後半戦は11月4日~11月18日までとなっていますので、ぜひゲームをプレイしてお気に入りのキャラクターに投票してみてください!

人気投票サイトURL
http://vote.joqrextend.co.jp/extend/Heiligenstadt/awards2017/

「ハイリゲンシュタットの歌」クリエイター陣コメント

シナリオ 二宮愛氏

音楽の聞き方、感じ方は人それぞれで、
「ハイリゲンシュタットの歌」に登場するキャラクターも、
心を宿した音に対していろんな感情を持っています。
逆もまた然り……。
きっと音楽に正解なんてなくて、だからこそ衝突もするし、すれ違うし、
時々いやになってしまって、それでも愛おしくて手放せなくて、
人と同じように思い悩むことがあったりするんだろうかと
今もふっと考えます。

今回シナリオを担当する上で
「キャラクター同士の繋がりもきちんと描いて欲しい」
ということで、まともに楽器も弾けない私に任せて大丈夫だろうか……と思いながらも、
「大切にしたいものの為に一生懸命生きている人達」の物語を命を削って書きました。

喜怒哀楽、どんな感情でも、この音楽都市シャルに飛び込んで頂き
感じて頂けたら幸いです。

キャラクターデザイン・原画 鈴木次郎氏

「ハイリゲンシュタットの歌」は作品自体が鮮やかな交響組曲のような作品です。
明るい所は明るく、切ない所は切なく…プレイヤーをぐんぐん引っ張ってくれます。
作品におけるそういった緩急の温度差みたいな物が私自身大好きで、
得意な部分だったりするのでとても楽しく作画をさせていただきました。
普段から乙女ゲームをする方は勿論、
乙女ゲームをあまりやらないという人にも是非遊んでもらいたいです!

※画面は開発中のものです。

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