Behaviour interactiveが開発した、非対称型対戦サバイバルホラーゲーム「Dead by Daylight」。本作を手がけたゲームディレクターのマシュー・コート氏にインタビューを実施した。
――本日はよろしくおねがいします。「Dead by Daylight」は、今回始めて日本の東京ゲームショウに出展されましたが、その経緯などを教えてください。
マシュー氏:ちょうど昨年、PS4で「Dead by Daylight」をローンチしてから、日本のプレイヤーの増加を感じており、正式に皆さんにご挨拶したいと思いました。私達は日本に来るのが初めてなので、個人的にも凄く良い機会でした。
――東京ゲームショウはもう回られましたか?
マシュー氏:まだ少しだけしか見れていないので、今日しっかり時間を取りたいなと思っています。東京ゲームショウはとても大きなイベントで凄くクレイジーだなと感じています。物凄い人の数でびっくりしました。
――東京ゲームショウに出展しているタイトルで、マシューさんが気になっているタイトルなどはありますか?
マシュー氏:実際に見て回った中で気になったのは、インディー開発者たちのワークですね。本当に凄いものを作っている方もいますし、後はVRのセットが凄いなと感銘を受けました。
――「Dead by Daylight」でVRなども面白いのではないでしょうか?
マシュー氏:「NO」と言う気持ちはありませんが、実際に試作版を作ってプレイしてみたところ、相当集中力が必要になるので、中々難しいなというのが現状です。最初のプロトタイプは、まだ皆さんにお見せできる段階ではないですね。
――改めてにはなるかもしれませんが、「Dead by Daylight」を開発するに至った経緯を教えてください。
マシュー氏:10年ほど前、何人かの仲間と集まってホラー映画のヴィランに焦点を当てたゲームを作れないかと考えていたのが最初でした。そのときに形になったわけではないのですが、ある時、鬼ごっこを型にしたゲームを作ってみたら凄く面白かったんですよね。そこに昔考えていたアイデアを入れていようと思ったのが始まりです。
――「Dead by Daylight」には実際の映画のキャラクターをモチーフにしたキラーやサバイバーが登場しますが、そういった経緯だったんですね。
マシュー氏:オリジナルのキラーを作るときにも、とある地域のおとぎ話や伝説からインスピレーションを受けているものもあります。例えば“スピリット”や“ハントレス”もそうですね。
――特に影響を受けた作品などはありますか?
マシュー氏:最新のチャプターであれば、日本の民族や伝説、“リング”や“呪怨”といった作品からインスピレーションを受けています。
――本作はホラーゲームという側面もあると思いますが、ホラーという部分で重視していることはありますか?
マシュー氏:これから何かが起きるのかもしれないというドキドキ感や不安感を重要視しています。
――「Dead by Daylight」は、累計販売数500万本以上を突破する大ヒットタイトルになったわけですが、ローンチの頃と比べてなにか変化などはありましたか?
マシュー氏:ローンチした2年半前は、30人程度の小規模なチームだったんです。サービスを続けていく中でコンテンツ追加や修正のため人数を足していったので、今は100人を越えています。その中で大きな変化というのは、パブリッシャーの役割を会社自身が負うようになったことです。それによって自由がきくようになったかなと感じています。また、実際に世界各国に足を運んでファンの皆様に直接会うことができるようになったので、私の立場は凄くラッキーだなと感じています。
――では、東京ゲームショウでマシューさんを見かけたら、ファンの方には是非気軽に声をかけてほしいですね。
マシュー氏:そうですね。既にたくさんのファンと一緒に写真を撮ったりしました。その時に特に驚いたのがキャラクターのコスプレをしてくれている人がいたことですね。どれだけ皆さんが愛やパッションを持ってくださっているのかを感じられました。私達もさらに面白いものを作っていこうと励みになります。
――本作がヒットした要因はどこにあったと認識していますか?
マシュー氏:怖いものから隠れて出し抜いて逃げるという体験は、全世界の人が楽しむこと出来ると思います。そういった部分に秘密があるんじゃないでしょうか。ゲームそのものは簡単ではないかもしれませんが、目標が分かりやすいのも良かったかもしれません。また、ゲームを見ているだけでも楽しいというのも秘訣ですね。
――日本でも多くの配信者が「Dead by Daylight」の実況動画などをアップしています。
マシュー氏:おっしゃる通りです。なのでインフルエンサーの方やコミュニティとは、できるだけ近い距離にいたいですね。インフルエンサーの方々はパッションを持っていますから、私達はそういった方たちが楽しめるツールを提供しているようなものだと思っています。
――先日追加されたばかりの“スピリット”のお話も聞いてみたいなと思うのですが、日本をモチーフにしたキラーを実装した経緯を教えてください。
マシュー氏:私達のチームの中にもホラーファンがいるのですが、その中でジャパニーズ・ホラーが持つ独特の雰囲気をいつか再現してみたいね、と話しており、今が凄くいいタイミングだろうということで実装しました。私達なりのイメージはあるわけですが、既にある伝承やホラー作品に対してリスペクトを持たなければならないと思っており、上手くできたのではないかと思っています。
――日本のホラーに登場する霊などは呪いのような、直接的ではない手段でこちらに干渉してくるじゃないですか。それをゲームに落とし込む上で苦労したことはありますか?
マシュー氏:フレディをモチーフにした“ナイトメア”を実装したときもそうでしたが、実際にゲームの中で動き回る実体がないといけないと思います。今回の場合も、幽霊のような雰囲気を持ち合わせてはいますが、実際にサバイバーとインタラクションが必要になってきます。そこで、見えない時と実体がある時のコントラストを工夫しました。
――実装前の予告映像では、サムライが実装されるんじゃないかと話題になりました。
マシュー氏:皆さんの予想の裏をかけたので凄く良かったなと思っています(笑)。もちろん男性的なサムライのようなキャラクターも選択肢にはありました。
――実装してみてユーザーの方からの反応はどうですか?
マシュー氏:凄くポジティブな反響が大きくて驚きました。今まで実装直後は、バランスなどを指摘されることが多かったのですが、今回は“スピリット”だけでなく、サバイバーやマップに関してもポジティブな反応が多かったですね。
――新チャプターが追加されたばかりなので、少し気が早いかもしれませんが、今後のアップデートの予定などを教えてください。
マシュー氏:3ヶ月毎に新しいチャプターを追加するとアナウンスしていますが、その約束は必ず守れるように動いています。なので次の予定では12月に何かがあるはずです。後はハロウィンですね。ハロウィンは死者の祭りなので、私達にとってはクリスマスと同じくらい大イベントです。そこで特別なイベントを行いたいなと思っています。
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
マシュー氏:これはいつも申し上げていることですが、皆さんが愛を示して期待をしてくれることに感謝しています。私達はこれから先も、様々なストーリーを展開していきたいと思いますし、凄くクールなコンテンツも追加していきたいと思います。より世界観が大きく、力強くなっていくように頑張りますので期待していて下さい。
――ありがとうございました。
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