エンターグラムは、9月10日に「竜騎士07Project 最新情報オンライン発表会」を開催した。ここでは、そこで発表された新情報をまとめるとともに、その後に行われたメディアセッションの様子をお届けしよう。
新キャラクターのウィッチ・ザ・ピースとフラウロスのイラストが公開!
オンライン発表会は「ひぐらしのなく頃に奉」で保土田かすみを演じる滑川恭子さんをMCに竜騎士07氏と大原さやかさんが出演。「うみねこのなく頃に」の世界観を再現したスタジオで「ひぐらしのなく頃に奉」「うみねこのなく頃に咲 ~猫箱と夢想の交響曲~」「幻想牢獄のカレイドスコープ」の最新情報が発表された。
まずは「うみねこのなく頃に咲 ~猫箱と夢想の交響曲~」について、竜騎士07氏は、本作がシリーズの全シナリオが収録されている作品で、本編後のシナリオには面白い内容のものもあれば本編以上にシリアスな内容のものもあり、バラエティあふれる内容であることを語った。
また、追加シナリオには本編では戦死している“シエスタ556”にも出番があり、本作でボイスが追加されることが発表された。
追加シナリオ“Last note of the golden witch”の収録を終えた大原さんは今回も演技の幅があるベアチトリーチェを演じたことを語り、改めて彼女のことが好きだと感じたという。
ここでは、新キャラクターのウィッチ・ザ・ピースとフラウロスが公開。ウィッチ・ザ・ピースは駒の魔女で、とある理由でベアトリーチェのゲームにやってきた刺客だという。一方のフラウロスはベアトリーチェが喚び出していたかもしれない可能性の物語に登場する悪魔。
続いて思い入れのあるシーンやキャラクターの話題になり、大原さんは新エピソードに収録されるバレンタインのベアトリーチェが、駄々っ子ヴァージョンでかわいいことを挙げた。竜騎士さんもベアトリーチェはこれまで生み出したキャラクターのなかでもいちばん表情が豊かで主演女優でもあるのではないかと振り返った。
好きなキャラクターについては大原さんがベアトリーチェの師匠であるワルギリアで、アフレコのときの井上喜久子さんとの掛け合いはほっこりするものがありつつ緊張感があり、キャラクター同士の関係にも似ていることを振り返った。
竜騎士さんはこれまで戦人やベアトリーチェを贔屓にすることが多かったが、最近では親族の大人たちのような人間臭いキャラクターが好きになってきたことを明かした。
続いて「ひぐらしのなく頃に奉」のベスト版が発売中であることが告知された。また、新たに始まるアニメ版について竜騎士さんは新しくアニメで本作を知る人はもちろん、物語を知っている人でも楽しめるように工夫されていることを説明。何も知らないよりも以前のアニメを観ているほうが楽しめる部分も多いそうだ。
最後は「幻想牢獄のカレイドスコープ」について。可愛らしいPVが流れたあとにプレイ動画が公開されたが、こちらはPVから一転して不穏な流れの展開に。
竜騎士さんは本作がデスゲームものであることを改めて説明し、キャラクターには“断罪者”、“ピエロ”、“死刑囚”というカードが渡されるが、その渡されたカードによって大きく立ち位置が変わること。また、そのカードを渡すのがプレイヤーの役目であると語った。
番組終了後のメディア記者会見の模様をレポート!
――「ひぐらしのなく頃に」と「うみねこのなく頃に」が令和の時代に復活することの感想をお聞かせください。
竜騎士07氏:「ひぐらしのなく頃に」を発表したときも「昭和58年という時代をご存じない方々にもプレイしてもらいたい」ということを言っていったのですが、それが今では平成が終わり令和の時代がはじまりました。ぜひ「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」を知らない人にもプレイしてもらいたいですね。時代によってみなさんの作品の受け取り方も変わってくると思うので、今の令和の時代にどのように受け取ってもらえるのか楽しみです。
大原さやかさん:最初にベアトリーチェの音声を収録したときから、だいぶ時間は経っているのですが、不思議なことに今回はあまり久しぶりという感覚はありませんでした。つねにベアトは心のなかにいた気がして、それはファンの方が根強く応援してくれているからだと思います。イベントなどでも「うみねこ」のファンと言ってくださる方が多かったり、ベアトのセリフをリクエストされることも多かったりしたので、作品に関わっていないときもベアトは近くにいました。今回の収録にあたって懐かしい気持ちはもちろんありましたが、もういちど演技について考える必要はありませんでした。それは「うみねこ」に参加しているすべてのキャストがそうであったのではないかと思います。
滑川恭子さん:わたしはもともと「ひぐらしのなく頃に」も「うみねこのなく頃に」も原作からのファンでした。どちらも今の時代にも求められる強いメッセージ性のある作品なので、プロジェクトが広がって新しいファンが増えることがなによりうれしいです。
――「うみねこのなく頃に」は多彩なエピソードがありますが、みなさんが好きなエピソードはありますか?
滑川恭子さん:わたしは新エピソードの「咲」です。新キャラクターのピースが活躍するストーリーで、台本は読ませていただきましたが、製品版でプレイするのもすごく楽しみです。
竜騎士07氏:エピソード3やエピソード6あたりが好きですね。戦人とベアトの心がやっと通じたような、やはり通じないような、どちらになるかわからないような展開は「うみねこ」のなかで、もっともラブストーリーになっていて、書いていて楽しかったです。エピソード6を書いたときは、エピソード6ロスのようなものになり、「これ以上おもしろいものは書けないんじゃないか」と数週間スランプになりましたね。
大原さやかさん:演じるほうとしてもそれは感じました。「これは本心なの? それとも嘘なの? ベアトどっちなの!?」と。揺れ動く乙女心のようなものは演じていても楽しかったです。ちなみに私が印象に残っているのは戦人に首輪をつけて引っ張るシーンですね(笑)。
竜騎士07氏:エピソード2のラストですね(笑)。
大原さやかさん:これも演じていて楽しかったです(笑)。
――新キャラクターについてもお話できる範囲でお聞かせ願えますでしょうか。
竜騎士07氏:エピソード3ではエヴァ・ベアトリーチェが刺客として現れたり、各エピソードごとに刺客が現れるのですが、ピースは久々に訪れた刺客となります。見てくれはかわいいのですが、「うみねこ」のキャラクターは容姿と関係なく最低最悪なゲロカスだったりするので、ピースもどんなゲロカスになるのか楽しみにしていてください。
大原さやかさん:ピースのキャラクターは衝撃でした。これ以上どんなキャラクターが出るのだろうと思っていたのですが、「そこから来るんだ!」と驚きました。私自身、「うみねこ」の台本は台本というより濃密な小説を読んでいるような感覚に近くて、自分の出ているところ以外も読んでしまうのですが、ピースに関してはぜひ注目してみてもらいたいです。
「ゲロカス」という略称に込められた意図
――ゲロカスという言葉が出たところで「幻想牢獄のカレイドスコープ」についてお聞かせください。こちらは樋上いたるさんがキャラクターデザインを担当していますが、竜騎士さんの感想をお聞かせください。
竜騎士07氏:樋上いたる先生とは「Rewrite」という作品で最初はご一緒させていただいたのですが、「Rewrite」は後から自分が呼ばれて参加したタイトルでした。もともと、樋上いたる先生とは一緒に組んで参加してみたいとは思っていたので、エンターグラム様から「ゲロカス」のお話をいただいたときには、樋上いたる先生のふわっとした可愛いキャラクターを僕のワールドのなかで徹底的に料理したいと思ったんです(笑)。その話を樋上いたる先生にお話したところ、先生自身もホラーチックな作品に興味があり、挑戦してみたいということをおっしゃってもらえました。最初にたいへんかわいいキャラクターデザインのイラストがあがってきたときは、こんなかわいい女の子たちを阿鼻叫喚させることができるんだと思ってうれしかったです(苦笑)。
――ちなみに「ゲロカス」という略称は竜騎士さんが発案されたのでしょうか?
竜騎士07氏:はい、仕込みです(笑)。美しいタイトルなんだけど、よくよく見てみると……という仕掛けがやりたかったんです。本当はもっと隠しておきたかったのですが、発表と同時にバレちゃいましたね(苦笑)。
――「ゲロカス」という言葉は作品内にも関わってくるのでしょうか?
竜騎士07氏:キャラクターというのは美しい面もあれば、その反対の陰もあると思っています。万華鏡は観るたびに絵が変わりますが、同じように樋上いたる先生の描く可愛いヒロインたちが見方によっては最低最悪な面を見せるというのが本作になっています。「幻想牢獄のカレイドスコープ」という美しい名前と「ゲロカス」という最低な略称があるのも、そういったテーマに繋がっています。
――「ゲロカス」は、プレイヤーがキャラクターに役割を渡せるということで相当なボリュームになりそうですが、見どころを教えて下さい。
竜騎士07氏:仰るとおり、物語のパターンはかなり多いです。なんとか書ききることができました(笑)。PVでは風華が変貌するところがピックアップされていますが、プレイヤーによってどのキャラクターのどの面から観るかはまったく変わってきます。そのため、好きになるキャラクター、嫌いになるキャラクターは全員バラけると思います。同じ登場人物で同じ環境なのに、どうしてこんなに物語が異なるのか、文字通り万華鏡のように変わるので、その展開もぜひ楽しんでいただければと思います。
――カードを選んだあとも物語は分岐するのでしょうか?
竜騎士07氏:ネタバレなので語るのは難しいですが、プレイヤーがいちばん物語に関与できるのはカードを渡す部分になります。そのあとは少女たちがどのように立ち回ってどういう末路で誰が死ぬのかを観察するような展開になります。じつは最初の開発コードは「惨劇サンドボックス」というタイトルでした。サンドボックスは“砂場”や“試す”といったもので、この惨劇環境に特定のモルモットを4体加えたらどうなるのか、プレイヤーは研究者のような気分で虐殺を俯瞰するというテーマからはじまった作品だったんです。そのため、もともとプレイヤーが選択肢でヒロインを救おうという次元の話ではないんです。
――竜騎士さんは現在、07th Expansionで「キコニアのなく頃に」という新作を発表されていますが、こちらは今後「竜騎士07Project」に加わる予定などはありますか?
竜騎士07氏:これはみなさんの応援次第といったところで、現在はなにもお答えできません。申し訳ないです。
――最後にファンにひとことお願いします。
滑川恭子さん:「ひぐらし」の世界、「うみねこ」の世界、そして新しい「ゲロカス」の世界がどんどん広がっていってくれるとうれしいです。みなさん、今後ともぜひ作品に注目していただければと思います。
大原さやかさん:発表会でもお伝えしましたが、スタッフやファンの愛情が深い作品になっています。今回の発表もスタジオや衣装を用意してくださり、世界観をすごく大事にしてくれています。せっかく「うみねこ」が復活できたので、これを機会にアニメの続編や朗読劇、海外のイベントなどが再スタートできたらうれしいですね。
竜騎士07氏:たくさんの応援のおかげでこのような発表をすることができました。本当にありがとうございます。令和の時代に作品を届けることができてうれしいです。今後ともよろしくお願いいたします。