「FFVII リベレーション」浜口直樹氏インタビュー:ボリュームあふれるゲーム体験の裏に意識された、幅広いプレイヤーニーズに応える配慮の数々

インタビュー
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スクウェア・エニックスが2027年4月8月に発売予定のPS5/Nintendo Switch 2/XBOX Series X|S/PC用ソフト「ファイナルファンタジーVII リベレーション」。本作を含む「ファイナルファンタジーVII リメイクシリーズ」のディレクターである、浜口直樹氏へのインタビューをお届けする。

なお、今回のインタビューは同タイミングに行われた、メディア/インフルエンサー向けの先行プレイ会の内容をベースにしているため、プレイ記事や動画も併せて参照いただくことをオススメする。

浜口直樹氏
浜口直樹氏

――今回用意されているデモのコンセプトや意図などをお聞かせください。

「ファイナルファンタジー」ってストーリーやキャラクター推しという印象があって、しかも「FFVII」に至ってはフランチャイズの中でもすごく人気のあるIPなので、そうなるとクラウドやセフィロスはみんな知っているという感じじゃないですか。

「リバース」の時ももちろんキャラクターや世界観は大事にしつつ、ゲーム体験の密度感やボリューム感もしっかりとあったと思うのですが、ユーザーへの市場調査やインタビューをしたところ、プレイしていない方にはそれがあまり伝わっていなかったんです。

今作では、良くも悪くもフランチャイズとしての印象がある中で、ゲーム性がすごく作り込まれているゲームだというところをしっかりと押し出していきたいと思っています。Summer Game Fest 2026(以下、SGF)で最初に出したトレーラーもストーリー推しというよりは、ウェポンや「WEAR」といった、ゲーム内の要素を中心にお届けしました。

今回のメディア用ROMもその点を踏襲していて、これまでは1章の冒頭のカットシーンなど、キャラクターを押し出すところから始まっていましたが、今回に関してはゲーム体験のところをとにかく触ってもらうというビジョンで準備しました。

――実際に選択肢を委ねることによって、各々が異なるところをプレイすると思うのですが、それはもう狙い通りという感じでしょうか?

そうですね。スケール感やボリューム感があって、ユーザーの介入度が幅広いことが特徴的なゲームというところを伝えたかったんです。実際に今回のプレイビルドだけで、細かくプレイしようと思えば15時間以上、何なら20時間くらい遊べるんです。

その上で、メディアの方にはいろんなエリアの中からひとつを選んでもらい、それぞれに代表的なクエストを進めていただくかたちで1時間ほど触っていただきました。選んだエリアやクエスト、操作したキャラクターの違いなど、結果的にプレイした内容がそれぞれ異なることで、このゲームってボリューム感があるんだ、いろんな遊び方ができるんだ、みたいなところを記事にしてもらえるので、ユーザーの方にも考察してもらったり、自分で触ってみたいと思ってもらえたり、というのは狙っています。

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――デモの冒頭ではハイウインドの艦内ツアーというかたちでチュートリアルを楽しめましたが、デザインや機能的な面で意識した点をお聞かせください。

ハイウインドは、私の中では今回のゲームにおけるポータル的な位置づけになっています。話が進んだらまたハイウインドの中でみんなで作戦を話し始めて、そこから目的地に向かうという、ゲーム上の進行をそこに集約させていくイメージです。

例えば、クエストの前後でプレイヤーの行動の結果が中の人たちの会話に影響して変わったり、ワールドマップでやっていることを褒めてくれて報酬がもらえたりと、ワールドマップを回る中でハイウインドが賑やかになっていく、景色が変わるといったところを狙っています。

――そういう細かなところを拾うことも楽しみ方としては魅力的ですが、その一方で最低限のメインストーリーを遊ぶというかたちでも進行はしていくイメージでしょうか?

基本的にはできます。こういった遊びのゲームを作る時、特にオープンワールドでコンテンツが膨大にある場合ですと、サイドコンテンツをやるかやらないかでプレイ感も全く変わるので、いつも難しいなと感じています。

新しいエリアやクエストが出るタイミングにはサイドコンテンツもプレイしてほしいということで、次のメインストーリーの推奨レベルは、ひとつ前のメインストーリーが終わったところから+2~3くらい開いていて、「足りないレベル分、サイドコンテンツをプレイしよう」という風に誘導する感じにはなっています。

ただ、やはり(サイドコンテンツを)やりたくない人は本当にやりたくないので、今回はゲーム中のマイルストーンとなるフェーズのところで、推奨レベルを補正するオプションを用意しています。例えばウータイに行くのに推奨レベルが40だとして、35だった場合にサイドコンテンツでレベル上げをしなくても、足りない5レベル分を補正して進むことができるというものです。

本当にメインだけやりたい人にとっての煩わしさを全部排除するかたちなのですが、SGFでインタビューいただいたメディアにもそれは良いアイデアだと言われたり、結構評判が良かったんです。

一方で、人によってはブライドを阻害されたみたいに思うかもしれないので、推奨レベルから少し離れていてもテクニックである程度押し切ることができて、その上でレベル差が大きいと経験値も多くなるので、必然的に追いつきやすくなります。そういったある程度上手く立ち回る人だったらいけるバランスというのは、私の中で常にチェックしながらやっています。

――ハイウインド内でワイヤーガンを体験できたのですが、広大なフィールドの中ではどのあたりで活用できるのでしょうか?

使えるシチュエーションは結構用意されています。この記事が出る頃にはさらに情報が出ていると思うのですが、特にウータイのように高低差がすごくあるような空間ではかなり積極的に取り入れています。

「リバース」もオープンワールドではありましたが、広大な世界を感じてほしいということで横のスケール感を感じてもらう作りだったのですが、今回はとにかく高さを感じてもらいたくて、パラシュートで降りたり、チョコボで空を自由に飛び回れたり、空を高速移動できたりといったことができるようにしていて、ワイヤーガンについても高さを感じてもらいたいということで、適材適所に入れています。

ワールドマップを探索する時はチョコボのほうが探索しやすいですし、探索している時にあちこちで「ワイヤーガンを使ってください」と促しても多分邪魔なだけなので、ワールドマップの中でも遺跡のようなちょっとチョコボでは探索し難いようなところには、しっかりとワイヤーガンのポイントが置いてあるといったように、棲み分けている感じです。

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――今お話に出たチョコボは本作ではピコのみを操作するかたちにされていますが、その仕様になった経緯はありますか?

今回3部作に分かれている中で、いくらそこが好評だったからといっても同じことをしては絶対喜ばれないと思っています。

「リバース」ではストーリー進行に合わせて1つずつエリアが開示されていく作りで、エリアごとに探索の仕方や手触りを変えていかないと同じことの繰り返しになるので、エリアごとに違う能力のチョコボを配置して、その能力によって探索の仕方を変えるという作りにしました。

今回はパラシュートもありますし、全てのエリアも探索できるので、ひとつずつに細かいルールを入れるともう煩わしくなってしまうことから、探索において目的地に向かうまではストレスなく進めるようにして、向かった先のコンテンツでいかに楽しませるか、というバランスにしています。

実際に社内でプレイしてもらっていても、チョコボですぐ行けるような近いところでもバラシュートで行っちゃう人がいる一方、パラシュートは初回のエリア到達くらいで以降はチョコボで移動する人もいます。

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――前作はストーリー進行に応じてマップとともに解放されていく仕組みでしたが、チョコボの仕様も含めて今作は最初からシンプルに遊んでもらおうという考え方なんですね。

今回の試遊版はあらかじめ機能を解放しているのですが、例えばパラシュートで降りる時に目的地のアイコンが全部見えていたと思います。ですが、本来は見え方には少し段階があって、パラシュートを開いたらアイコンが見えなくなるので、どこまでパラシュートを開かず引っ張るかを考える必要があります。

それも少し遊べばすぐに解放されて、パラシュートを開いても見えるようになりますし、もう少しやり込めばエリア中のアイコンが全部パラシュート中に見える、という状態になっていきます。それ以外にもパラシュートで降りて着地する瞬間にピコにジャストライドできるようになるなど、やり込んでいくことで利便性が上がるようにしています。

探索のストレスは与えないくらいのスペックは最初から持たせた上で、利便性が上がる要素に関してはあまり敷居を上げずに、序盤を進めたらすぐ解放されるようになっています。

――パラシュートを開く操作があるのはなぜだろうと思っていたのですが、今の話を聞いてなるほど、と思いました。

パラシュート自体もなるべく早く開いた方が遠くまでスライドできるのですが、早く開くとアイコンがすぐ見えなくなってしまう、というバランスにしています。

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――おなじみのクイーンズ・ブラッドは今回も新しい展開になりそうですが、ゲームとしてアップデートしている要素はありますか?

カード自体のスペックについても一部バランスを取り直しているものはありますが、一番大きいのはルールブレイクという機能が新たに追加されていることです。ストーリー進行の中で、ネームドにあたるキャラクターたちがみんな使ってくるもので、盤面に設定される特殊ルールの中でクイーンズ・ブラッドをすることになるので、ルールを意識しながら配置していく遊びが特徴的でかなり面白いです。

――前作でのクイーンズ・ブラッドは全体のストーリーの流れに沿って話が進行していくかたちでしたが、今作もそのような認識で間違いないでしょうか?

そうなります。ここに強敵のバウターが現れた、となってもまだそこに行けない時があったりと、クイーンズ・ブラッドのコンプリートはある程度メインストーリーと紐づいています。

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――「WEAR(ウェア)」システムはジョブシステムを参考にされたということですが、結果的に4種に絞った経緯をお聞かせください。

元々ウェアの仕組みを入れたいと提案してきたのはバトルディレクターの遠藤(皓貴氏)なのですが、これまでの「ファイナルファンタジー」では20以上にも及ぶような、多くのジョブを作るじゃないですか。見た目を変えずに能力だけでやるならもしかしたら可能かもしれないですが、まず今の時代にジョブをやると見た目が変わらないというのは違うなと。

特に今回はキャラクター数も多いですし、20とかの見た目を作ることはスケジュール感を考えると不可能なので、差別化できずに使われないよりは今回のアクションとATB(アクティブタイムバトル)双方に対して棲み分けできる4つに絞り、見た目もユニークに作るという方向になりました。ウェアという名称もその流れから後付けで決まっています。

正直、その決断をした時にすらゲーム内には激震が走りましたけどね(笑)。「こいつは頭がおかしいのか」「作るのにどれだけのコストがかかるのかわかっているのか」という空気はありましたが、これは今回のゲームの強みになるので、もうやり切りましょうということになりました。

――4種それぞれの特性というのもその話の流れで決まっていったのでしょうか?

戦士、ナイト、召喚士、黒魔道士の4つに絞ることに決めてからは結構早かったです。パーティメンバーが3人に対してウェアは4つなので、どれかをひとつ外すか、もしくは好みなものを複数入れてしまうかという点で好みが分かれるところもありますが、結構良いバランスになっていると思います。

例えば戦士は前線で戦うウェアですが、通常のATBゲージを溜めてアビリティを撃つというのとは別に戦士用のゲージがあって、それを消費することでATBゲージを消費せずにアビリティを撃てるので、アビリティを主体にする上では非常に有能です。

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黒魔道士の場合はファイアを撃つと、次にファイアを撃つ時のMPが段階的に減るようになっていて、同時に1回使うごとに炎のエレメントが溜まっていき、3つ溜まるとより強力なファイジャが使えるようになります。属性系が苦手なボスに対して押し切りたいといった時に活用できると思います。

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ナイトはリミットゲージを主体としているので、リミットゲージを溜めやすくするアビリティを持っています。本来、リミットゲージは大技を使う際に消費しますが、ナイトの場合はリミットゲージを細かく消費して使えるアビリティを持っているので、選択の幅が広がっています。

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そして、召喚士は召喚獣と連携して戦うウェアになっています。召喚獣が追撃を加えてくれるようになり、本来なら他の仲間と行う連携技が、自分と召喚獣とでも発動できるようになります。

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それぞれに棲み分けができていることで、好みや倒しに行く敵などに応じてバトルにおける組み合わせでやりやすいものを試行錯誤することができるので、本当に4つに絞って良かったなと思っています。

――MAIレポートも新たに確認させていただきましたが、デザインがグラフィカルになっていて面白かったです。過去2作の雰囲気から結構ガラッと変えていますが、このようにした経緯などあればお聞きしたいです。

「リバース」から「リベレーション」に移るにあたって、変えたかったことが2つあります。

まず、「リバース」におけるワールドレポートはストーリー性がほぼなくて、埋めていくことにモチベーションがある人がチェックをつけていくみたいな作りになっていたと思います。それはそれでゲームとして成立していますし、「リバース」でもそのエリアのレポートを全部埋めるまで絶対に次のエリアには行きません、というかたちで好きな方もいらっしゃったと思います。

――私はそうでした(笑)。

ただ、先ほどもお話した通り、同じことをやったら絶対に新鮮さがないということで、今回はそこにもう少しストーリー性を足したかったんです。ですので、マイを経由したり、依頼主や関係者にストーリーを持たせることで世界観の体験として組み込みたいというところがあり、「リバース」よりも作品世界の一部を体験できるという感覚はすごく広がったと思っています。

もう一つ、「リバース」の結果として自分がクリエイターとしてもう少し良い表現の仕方がないかと考えて取り入れたのが、コンテンツに対しての報酬物を前回よく分かりやすくすることです。そこはある意味、スマートフォンゲームなどのミッションタイプのもを参考にしていて、分かりやすさを意識しています。

ミニゲームが多すぎる、というご意見についてもそのコメント自体が本質ではなく、ミニゲームやバトルをやらないといけないという義務感があった時に多いと感じるのだと思っています。

やらない人にとって、あってもなくてもそれはストレスにはならないようにすればいいのですが、前作ではチャドリーのマテリア開発にサイドコンテンツを全部紐付けて、結局ミニゲームやワールドマップ探索をしないと全部集まらないかたちになってしまい、依存関係を強くしすぎました。

ですので、今回はレポートごとにこれをやればこれをもらえる、というものを明確にしています。クイーンズ・ブラッドを遊んでも報酬がカードのみであれば興味のない人はやらなくても問題ないですし、ミニゲームに関してもバトルコンテンツやカスタマイズ性に絡めない、という点は意識しました。

逆に言うと、ワールドマップにいる強敵に関しては倒すことでマテリアやスキルブックをもらうことができます。コンテンツと報酬の紐づけを分かりやすくすることは、「リバース」の反応を見えて変えた部分です。

――MAIレポートに関連して、本作では探索ツールが用意されているようですが、どのようなものになっているのでしょうか?

探索ツールも「リバース」以上にユーザーがゲームの中に介入してほしいという意図があります。「リバース」でカメラで写真を撮ろうというクエストがありましたが、実際にそのフェーズに入ったらもう勝手にカメラを持っていて、あとは構えるだけという感じで全部お膳立てされているような感じでした。

逆に言うと、そのくらい「リバース」においては分かりやすさを優先していたんです。ユーザーが自分でどうこうするより、その場に行けば何をやればいいかも含めて、とても丁寧に進めてくれました。

今回はそこをあえて自分でこのシチュエーションだったらこのツールを出してみよう、みたいに能動的にすることで、自分でやっている感をもう一歩引き出したかったんです。

ただ、毎回共通ツールのUIを出してから選ぶと手間だと感じる人もいると思うので、必要な時にはこれを今使うと良いみたいなガイドを出したりしています。

それとメインストーリーとは関係ないところで、例えばカメラをキャラクターに向けるとポージングをしてくれたり、ライトを何もないところにかざしてみると何かが起きたりと、そういうフレーバー的な使い道もいろいろ仕込まれています。そういう意味で、ただその場所でのゲーム進行のために使うだけじゃない、という広がりを生み出すものとして入れました。

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――そうなると、フィールド探索自体のアプローチも前作とは大きく変わりそうですね。

それこそ、ゲームデザインの話として、例えば前作ではグラスランドからジュノンに行こうとなったら、もうグラスランドは全部遊びきってから行くという感じだったと思いますが、今作では各エリアにいろんなコンテンツがバラバラにあって、グラスランドですら、ゲーム中盤に行ってもまだ強い敵がいたりするので、どこからどう回る、というのをユーザーが自分で決められるというところは前作と比べて圧倒的に違いますし、そこをすごく意識したゲーム設計になっています。

――ありがとうございました。

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2011年イクセル入社後、Gamerをはじめとした媒体の運営に携わる。好きなジャンルはRPG、パズル、リズム、アドベンチャー(ほぼギャルゲー)。実はゲームよりもアニメが大好きです。

※画面は開発中のものです。

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