コーエーテクモゲームスが2021年3月4日に発売予定のPS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ DX」「アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX」。ここでは、両作の特徴を紹介する。
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「サージュ・コンチェルト DX」と呼ばれる両作は、2014年にPS Vitaで発売された「シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~」と「アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~」の高画質リマスター版。本稿では、画質の向上だけでなく、UIの最適化などさまざまな点で遊びやすくなった両作の魅力をお届けする。
なお、今回プレイに使用したのはPS4版のビルドとなる。製品版や他ハードとは内容が異なる場合があるので注意して欲しい。また、ストーリーに関するネタバレは可能な限り抑えているので、ファンだけでなく初めてシリーズに触れる方にも読んでいただけると幸いだ。
少女イオンとのコミュニケーションを大画面で楽しめる!「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ DX」
「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~」は、7次元先に実現する世界で過ごす記憶喪失の少女・イオンとの交流を楽しめるコミュニケーションゲーム。イオンのいる世界と偶然つながったプレイヤーは、彼女と絆を深めながら、失われた記憶=心の世界を修復していく。イオンとは果たして何者なのか、そして7次元先の世界とはどこなのか…? 彼女との日常を楽しみながら、世界の謎に迫ろう。
画面の向こうでリアルタイムに生活しているイオンには、食事や入浴といったライフサイクルが存在する。彼女が睡眠中の時など、できる行動が制限されることもあるが、「シェルノサージュ OFFLINE」のリマスターとなるDX版では、ゲーム中のさまざまな場面で手に入るHymP(ヒュムノポイント)を使って時間を進めることが可能。自分のペースで彼女との交流を楽しめる。
またDX版からの特徴として、ボタン操作に最適化。独特な世界観にマッチしたUIや演出はそのままに、対応するボタンは画面上に表示されるなど、直感的に操作できるようになっている。
□ボタンを押しながら左スティックを動かしL3ボタンを押す(長押しする)と、イオンを“トントン”したり想いを伝えることができる。L3ボタンを押しつつ左スティックを動かせば、頭をなでたりすることも可能だ。 |
イオンに呼びかけるには〇ボタン。誤操作を防ぐため、設定で2度押しに変更することもできる。 |
ゲームを進めると、イオンの精神世界(夢セカイ)へ行くことが可能に。シャールと呼ばれる妖精の力を借りて、廃墟となってしまった彼女の記憶を修復しよう。修復が終わると、記憶にまつわるエピソードを見ることができる。
修復にはイオンの行動と同様に時間を要するが、ここでも時間を進めることが可能。 物語の続きが早く見たい方は、試してみてはいかがだろうか。 |
HymPは、記憶を修復したりシャールのお願い「シャールウィッシュ」を達成するなどさまざまな条件で手に入れることができる。時間操作以外にも使う場面が多いので、ご利用は計画的に。 |
記憶の修復に必要なシャールは、現実世界のバーコードから生み出せる。PS Vitaではカメラを使ってバーコードを読み取っていたが、DX版ではバーコード下の数字を入力する形に。数字はランダム生成も可能なので、手元にバーコードが無くても安心だ。
記憶が戻ると、イオンは服や料理などさまざまなレシピを思い出していく。レシピをもとにアイテムを作ってもらったり、必要な素材を採取してきてもらったりして、さらなるコミュニケーションを楽しもう。親密度が上がると、プレイヤーとの関係性が変化することも…?
さらに、後ほど紹介する「アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX」との連動要素「ジェノミリンク」も搭載。進行状況を共有すると連動シナリオが展開するほか、アイテムの変換やコスチュームの転送が可能となっている。
加えて、Webコンテンツ「シェルノサージュ コンソール」および「シェルノサージュ オフラインコンソール」に収録されていた「七次元転送BOX」がゲーム内に登場。イオンからプレイヤーに送られるボイスメールやピクチャメールを、日常の合間に楽しもう。
“走る”モードで移動が快適に!バトルの爽快感も増した「アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX」
「サージュ・コンチェルト」シリーズ第二弾となる7次元RPG「アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~」では、「シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~」から繋がる壮大な物語が展開。「詩魔法」で敵を一掃する戦闘やキャラクターの精神世界にダイブする「ジェノメトリクス」、ヒロインと絆を深める「禊ぎ」など、独自のシステムが魅力となっている。
DX版では画質の向上はもちろん、フレームレートやロード時間が改善。特に、次々と現れる敵を倒していくバトルは爽快感が増した印象だ。また、DX版ではフィールドマップ中にL3ボタンを押すと“走る”モードに切り替えが可能。タウンマップやフィールドマップを巡ってバトルをし、さまざまな施設でキャラクターを強化しながらイベントを楽しむ、といった一連の流れを、より快適にこなせるようになっている。
バトルは、主人公がヒロインを護りつつ戦うタクティカルアクションターンバトル。フレンド技やスキルなどを駆使しながら、トドメの強力な詩魔法で敵をなぎ倒そう。
DX版はフレームレートの安定により、攻撃を繋いでいく「チェイン」やタイミングよくボタンを押す「ガード」など、アクション性の高いバトルをより直感的に楽しめるようになった。 | |
バトルを彩るフレンド技や詩魔法は、その華やかさに見合った効果を誇る。 どちらも戦闘中に1度しか使用できないので、使いどころが重要だ。 |
「ジェノメトリクス」では、バトルで入手可能なお金やDP(ダイブポイント)を使ってキャラクターの心の内面に潜ることができる。普段は見せないキャラクターの一面を見られるほか、禊ぎに使用するジェノメトリカ結晶や新たな詩魔法を入手できるので、積極的に挑戦しよう。
また、ジェノメトリクス内のイベントではヒロインの性格傾向「ジェノマップ」に影響する選択を迫られることも。性格傾向によってバトルで受けられる補正が変わってくるので、現実のコミュニケーションと同じく慎重さも重要となる。
泉で行われる神聖な儀式「禊ぎ」では、ジェノメトリクスで手に入れたジェノメトリカ結晶をお互いの体に取り込み、記憶や心を通わせる。ヒロインと急接近できるだけでなく、結晶に付与されたさまざまな効果でバトルを有利に進めることが可能だ。また、さまざまな場所で手に入る会話のネタ「トークマター」を使った世間話も楽しめる。
タウンマップには、「ジェノメトリクス」や「禊ぎ」を楽しめる施設のほか、複数のアイテムを組み合わせて新たなアイテムを作る「調合屋」も存在。戦闘で役に立つアイテムなどを作ることができるほか、店員であるキャラクターとのイベントや可愛らしい“歌”も魅力の一つだ。
全体として、「サージュ・コンチェルト DX」はレスポンスやフレームレートが安定しており、サクサクと遊べるような印象だ。リマスターとしてはスタンダードだと思うかもしれないが、実際にプレイすると、魅力あふれる本シリーズの世界観にどっぷりと浸る上で、そうした改善の恩恵が大きいと感じた。
過去のダウンロードコンテンツを多数収録し、痒い所に手が届く機能も揃っている両作。あの頃イオンたちと過ごしたファンが再び遊ぶだけでなく、初めてプレイする方にとっての入り口としても最適な作品と言えるだろう。