テーブルトークRPGのゲーム性と魅力をそのままの形で再現したファンタジーRPG「パスファインダー:キングメーカー」試遊会レポート

発表会・イベント取材
0コメント 高島おしゃむ

EXNOAより、2021年5月13日に発売されるPS4/Xbox One/PC用ソフト「パスファインダー:キングメーカー ディフィニティブエディション」(以下、パスファインダー)。そのメディア向け試遊会が、4月某日に開催された。こちらでは、その模様をレポートする。

始めにDMM GAMES プロデューサー 岩切雄介氏より、ゲームの紹介が行われた。本作では、剣と魔法の世界で冒険を繰り広げて、王国を樹立していくストーリーが描かれている。ゲームの元となったのは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界を舞台にしたテーブルトークRPG「パスファインダーRPG」である。

それを、初めてコンソール向けにシングルプレイヤー専用ゲームとして再現したのが本作だ。すでにSteamでも英語版が配信されているが、そちらはセール数100万本を突破した大ヒット作となっている。

DMM GAMES プロデューサー 岩切雄介氏。

「パスファインダーRPG」自体を知らない人のために補足しておくと、こちらは米国のPaizoが2009年に発売したボードゲームだ。日本でもアークライトから、2017年1月に日本語翻訳版がリリースされている。また、カードゲームやコミックなどのメディアミックスでの展開も行われている。

このように、オリジナルがテーブルトークRPGということもあり、ゲームでもワード数は150万という膨大な数となっている。そうしたこともあってか、有志による日本語翻訳といったものも存在しなかったため、DMMがすべて独自に日本語翻訳を行っている。

ゲーム性もあり、独特な用語がゲーム内に多数登場する。そこで、コアルールブックの翻訳を手掛けた「チームPRDJ」代表の石川雄一郎氏に完全監修を依頼している。

こちらがゲームの元となった、テーブルトークRPGの「パスファインダーRPG」。

今回発売される「パスファインダー」の特徴は、緻密な戦略を立てて戦っていくターン制バトルと、リアルタイムバトルを好きなタイミングで切り替えることができるところだ。ある程度ゲームに慣れてきたら、シーンに応じてこれらを切り替えることでサクサクプレイすることができるようになる。

また、キャラクターメイクでは、クラスやステータス、種族に見た目、性格など、細かくパラメーターを設定することができる。特性も種族やクラスごとに異なる特性があり、ステータスにも変化が生じるようになっている。

ターン制とリアルタイムが切り替え可能な戦闘シーン。
突き詰めると、これだけでかなりの時間が取られそうなキャラクターメイクの画面。

最大の特徴は、RPGとしては珍しい王国統治システムである。ゲームの舞台となるのは、何世紀にもわたり乱戦が続いた「ストールンランド」だ。そこでプレイヤーは新たな王国を築き上げ、街や都市を建築して拡大していくことになる。

そうした中で、様々な問題が発生する。そこで適正に合わせて、役職や任務を与えて解決していく。このように、シミュレーション的な要素が含まれるところも面白いポイントだ。

「パスファインダー」には、追加シナリオやダンジョン、キャラクターなど6つのダウンロードコンテンツが含まれた状態で発売される。そのため、全体としてかなりのボリュームになっている。

初回生産特典として、アークライトが制作した完全オリジナルのシナリオ冊子「世界で一番小さな王国」が同梱されている。また、KADOKAWAが発行しているアメコミ「パスファインダーRPGコミック 第3弾」ともタイアップし、特設ページが掲載される予定だ。

翻訳家×オリジナルシナリオライターによるトークショー

続いて、ゲームの監修も務めたチームPRDJ代表の石川雄一郎氏と、オリジナルシナリオライターの銀河アズマ氏が登壇し、トークショーが行われた。こちらでは、その一部をピックアップしてご紹介していく。

石川雄一郎氏。

日本で出ている「パスファインダーRPG」のルールブックは、632ページもある。この日本語版が出るまで8~9年ほど掛かったが、石川氏はそれを勝手に翻訳してWikiにアップしていた。そうしたところ、「本にしませんか?」という話が来て作られたそうだ。

こちらの本は米国でも人気があり、一時は本体の「ダンジョンズ&ドラゴンズ」よりも売れていた。そうしたこともあり、アメコミや初心者向けのセットなども発売されている。テーブルトークRPGはシナリオ本が発売されているが、その6冊分が丸々ゲームに収録されている。石川氏は校正のためにゲームもプレイしているが、最終的には350時間ほど遊んだそうだ。

「パスファインダーRPG」には膨大なルールがある。「コアルールブック」は最初に出たものだが、同様の本が17~18冊ほど出ている。そこには、ゲームをプレイするための情報がすべて書かれている。キャラクターを作るところから始まり、魔法の呪文だけでも1000個ぐらい用意されている。

「パスファインダー」ではある程度こちらの内容をオミットして、遊びやすいように調整が行われている。ルールを細かく作り込んで尖ったキャラクターを作るのが好きな人が多いが、そうした部分もゲーム内で再現されている。

通常のRPGの攻撃で10ダメージ出るようなキャラクターが、ちょっと頑張って作り込むことで200ダメージ出せるようになるといった感じだ。そうしたところも、オリジナルの「パスファインダーRPG」の要素が再現されている。また、テーブルトークRPGでは、これらを数十冊の本を行き来しながら遊んでいるのを、すべてゲーム内でできるのでかなり簡易的に遊ぶことができる。

「パスファインダー」を350時間遊んだ石川氏は、「私の人生の中で一番面白いゲームだった」と太鼓判を押していた。

翻訳に関しても、ゲームを遊んでいないとわからない部分が多い。例えば「エナジー」という言葉ひとつとっても、3種類ぐらい異なる使われ方がされている。「生命力」であったり、エナジーであったり、あるいは単純に「エネルギー」という場合もあるのだ。これらは、文脈を把握していないと翻訳することができないため、すべてチェックしてゲーム用語に合うように翻訳が行われている。

「パスファインダーRPG」は、すでにかなり世界観ができあっているゲームだが、それに加えてオリジナルのシナリオを作ることになった銀河アズマ氏。いろいろと気を使う部分も多かったと思われるが、世界観が面白いゲームなのでそれをしっかりと再現しようと考えたそうだ。

銀河アズマ氏。

「パスファインダーRPG」の世界では、小さい国ができたり消えたりする。そのため余所に出かけたときに最初に心配しなければいけないのが、自分の国がまだあるのかということだ。出かけている間にクーデターが発生し、なくなっているということもザラである。また、40年以上革命運動を行っている国があるなど、今回冊子として付属するオリジナルシナリオではできるだけひどい設定の国を選んで取り入れているそうだ。

なかでも大変だったところは、冊子のサイズだという。普段はB5サイズほどの雑紙に書いている銀河アズマ氏。ページ数のしばりはなかったものの、8ページほどを想定して書いたところサイズが小さくて驚いたそうだ。しかし、印刷されたものを見て直っていて欲しいところもしっかりと直っていたため、安心したと感想を語っていた。

オリジナルのテーブルトークRPGと実機でのゲームプレイを体験!

実際にゲームをプレイする前に、オリジナルの「パスファインダーRPG」も遊ばせてもらうことができた。この手のテーブルトークRPG自体が初めての体験だったが、噂に聞いていた通りゲームマスターとのやりとりがなんとも人間味が溢れており、コンピューターのRPGではなかなか味わうことができないものがある。

ちなみに、本来は膨大な時間をかけてキャラクターを作り込んで来たものを持ち寄って遊ぶそうだが、今回は簡易的に用意されたキャラクターを選んでのプレイとなった。筆者が選んだのはヒーラーだ。結果的に、このシナリオではあまりたいした役割はできなかったが、それでもあっという間に時間が過ぎ去った感じだ。

シートに書かれたステータスを元にキャラクターを動かし、ダイスを振って攻撃などの判定を行うなど、遊びを複雑に発展させたようなものだが、その流れをコンピューターのRPGが受け継いでいるのは感慨深いものがある。

今回プレイしたのは町にある酒場でくつろいでいたときに、テーブルの上に現れた小人の願いを聞いてあげるという、ちょっと変わったシナリオだった。

実機では、まずメインストーリーとダウンロードコンテンツなどのシナリオを選ぶ。続いてゲーム難易度を選ぶのだが、これがストーリー、イージー、ノーマル、チャレンジ、ハード、アンフェアといった感じでかなりバリエーションに富んでいる。また、カスタムを選んで自分好みに設定してからプレイすることも可能だ。

キャラクターメイクは1から作ることもできるが、プリセットの中から選んで遊ぶこともできる。

ゲームは基本的に英語の音声に加えて、日本語のテキストで表示される。ときおり選択肢が表示され会話を進めていくことができるが、この辺りは一般のRPGと変わらない。テキストの一部は用語集にも対応しており、その場でどんな意味なのか調べることもできる。

マップ上では様々なアイテムを入手することができるが、これらは気にせず取っても盗んだことにはならない。途中で入手できる食料などは、後々回復するためにパーティでキャンプを張ったときに、食事を作るのに利用する。

テーブルトークRPGがベースということもあり用語も多いが、その場で意味を調べることができるのはありがたい仕様だ。

戦闘はリアルタイムかターン制か選べるのだが、コントローラーを使用している場合はR3ボタンを押し込むことでいつでも切り替えが可能だ。ザコならリアルタイムで適当に戦っても問題ないが、敵の数が多いときなどはターン制に切り替えてじっくりと考えながらプレイすることもできる。

戦闘は一時停止の状態になっており、各キャラクターのアクションを指定した後で一時停止を解除することで戦闘が始まる。これは、いきなり始まると魔法などの準備ができないことから、こうした仕様になっているのだ。

初期に選んだキャラクターは物理攻撃しかできなかったが、仲間が加わった後で切り替えることで魔法などのスキルも使うことができる。それぞれの効果も確認することができるので、最も効果的なものを選んでいくといった感じだ。

ユニークなのは、各キャラクターの移動範囲が戦術にも影響するところだ。キャラクターを選んで移動するときに、緑色や黄色のラインが表示される。黄色のラインは移動限界を表しており、そのままでは移動だけしてターンが終わる。そのため、緑のラインまで移動させてから攻撃することになる。遠隔攻撃ができない場合は仕方がないが、遠隔攻撃ができるキャラクターのときはこのラインの色を意識しながら移動と攻撃を加えていくのが効率的ということになる。

戦闘では、緑と黄色のラインを意識しながら戦っていく。

ファンタジーRPGということで、ドラゴンやトロールなどの敵も登場するという。どんな場面で出くわすことになるかは、プレイしてからのお楽しみだ。

ということで、テーブルトークRPGをプレイした後にゲームも遊んだのだが、たしかに普通のRPGとは異なり、ボードゲームの特色を上手く反映した作りになっていることがわかった。元々コンピューターゲームのRPGは、テーブルトークRPGをある程度オートメーション化してひとりで遊べるようにしたものだが、本来はこうしたスタイルで実現したかったのかもしれないと思わせる作りになっている。

「パスファインダー」に続く作品も日本で登場か?

イベントの最後に登壇したのは、本作を開発したKoch Media カントリーマネージャーのロベルト・ポントウ氏だ。この試遊会に参加するにあたり、面白い話を聞かせてくれと言われていたロベルト氏だが、辛い話しかないと達者な日本語で笑いながら答えていた。

ロベルト・ポントウ氏。

Koch Mediaはヨーロッパで一番大きいパブリッシャーだが、あまり日本のことを知らずしっかりローカライズをしようというような意識がないのだという。本作もマニアックでターゲットも限られているが、ローカライズも良くできているのでありがたいと語った。

Koch Mediaのゲームは、本作以外にもいろいろと用意されているようなので、今後の続報についても注目しながら楽しみに待とう!

※画面は開発中のものです。

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