1作目と2作目が合体・リニューアル！栽培キットも快感も2倍になった「元祖 なめこ栽培キット」レビュー

「元祖 なめこ栽培キット」はビーワークスがリリースしたスマートフォン向け放置型シミュレーションゲーム。「なめこ栽培キット」シリーズの最新作で、10周年記念作品となっている。その内容は、初代「なめこ栽培キット」と2作目「なめこ栽培キット Seasons」を合体し、大幅リニューアルしたもの。この「合体」というのが文字通り「合体」というのがまず面白い。なんと、1画面で「なめこ栽培キット」と「なめこ栽培キット Seasons」を同時に楽しめるのだ。

2画面で一気になめこを収穫する快感…！

本作はスマートフォン縦持ちと横持ちの両対応。横持ちでプレイした場合は、紹介した通り、「なめこ栽培キット」と「なめこ栽培キット Seasons」、2つの栽培キットが1画面に並んで表示される。縦持ちでプレイした場合は従来同様、1つの栽培キットだけが表示されるという形。この場合、ボタンタップで栽培キットを切り替えながらプレイしていくことになる。今作最大の特徴が、2つの栽培キットを同時に面倒見ていくという点だろう。

「栽培キットが増えることの何が面白いのか？」を紹介する前に、本作のゲームの流れに触れておこう。タイトルの通り本作は、なめこを栽培していくゲームだ。

プレイヤーの目的は全324種ある「レアなめこ」をコンプリートすること。…とはいえ、コンプリート目指してアグレッシブにガツガツプレイするような作品ではない。隙間の時間にまったりプレイして、新しい「レアなめこ」が生えてきたことに喜ぶ…そんな空気感の作品だ。

「レアなめこ」が生えてくる確率は、設備の開発状況によってアップしていく。そして、設備開発には、なめこ収穫時に手に入る「NP（なめこポイント）」が必要だ。なので、なめこの収穫を繰り返しつつ、NPが貯まってきたら設備開発、まだ見ぬ「レアなめこ」の収穫を期待する…というのが基本的なゲームの流れになる。

なめこの栽培と収穫そのものは、ほとんど放置でOK。なめこは栄養剤がある限り、勝手に生えてくる。なので、アプリを起動したときに栄養剤の補充すればOK。ただ、なめこの原木にカビが生えることがあるため、アプリを起動時にカビを見つけたらタップで退治しておく。「放置型シミュレーションゲーム」というジャンル名の通り、ま～ったりとプレイ可能だ。

さて、本シリーズの魅力は何だろうか？それは、なんといってもなめこ収穫時の気持ちよさだろう。指で画面をなぞると、心地よい効果音と共になめこが引き抜かれ、収穫用の箱やかごへ入っていく。非常に生理的な気持ちよさなので、文章で伝えることが難しいのだが、たとえるなら「プチプチ」を潰す気持ちよさだろう。

「プチプチ」とは、通信販売で商品を保護するために使われているビニール製のの緩衝材のこと。正式名称は「エアーキャップ」と言うようだ。ビニールの表面にプチプチした気泡が並んでいるため、「プチプチ」と呼ばれることが多い。緩衝材なので本来の用途は当然、荷物などを保護することなのだが、そんなことより、あの「プチプチ」を潰すのが気持ちイイ…そう感じる人は少なくないハズだ。プチプチの適度な弾力、潰すときの破裂音…こうしたものが生理的に気持ちイイ！本作の収穫も、快感の方向性は違うが、「生理的な気持ちよさ」という点では共通しているように思う。

そんな「生理的な気持ちよさ」を、2倍楽しめちゃうというのが本作最大の魅力！既に説明した通り、本作はスマートフォン横持ちなら2つの栽培キットが並ぶ。つまり、栽培キット2つ分のなめこを一気に収穫できちゃう。この気持ちよさ！シリーズの過去作とは収穫の量が違う。文章で書くとただそれだけの話なのだけど、生理的な快感なので、理屈では伝わらない。「プチプチ」だって、一気に大量の気泡を潰すとより気持ちイイ。それと同じ。なめこを大量に収穫できることが、たまらない快感をもたらすのだ。

快感はダブル！手間は据え置きの親切設計

栽培キットが2つになったことで快感がダブルになった本作。しかし、手間は以前とそれほど変わっていない。なので、快適にプレイできる。

たとえば、NP。栽培キット自体は2つあるので設備自体もそれぞれの栽培キットごとに開発していかなければならないのだが、設備開発に必要なNPは2つの栽培キットで共という扱い。なので、片方の栽培キットではNPが足りないのに、もう一方の栽培キットではNPが余ってしまった…ということにはならない。NPは、好きな方の栽培キットの設備開発に使用できる。

また、栄養剤の扱いも共通。2つの栽培キットそれぞれに栄養剤を補充する必要はなく、一回の補充で両方の栽培キットの栄養剤が満タンになる。このため、これまでのシリーズと変わらないお手軽プレイが可能だ。スキマ時間にプレイすることの多い作品なので、この仕様はありがたい。

「なめこ栽培キット」シリーズの新スタンダードを実感できる作品

本作は、「なめこ栽培キット」の新しいスタンダードとも言われているが、実際プレイしてみるとそれが実感できる。とりわけ横持ちでプレイした場合にその印象が強い。栽培キットが2つに増えたことで、収穫の快感がアップした上、様々な「レアなめこ」が大量に並ぶ様子がにぎやか。本作の快感に慣れると、なめこ栽培キットをプレイするなら、「元祖 なめこ栽培キット」横持ちだなという気持ちになる。シリーズのプレイヤーはぜひ一度本作をプレイしてみてほしい。

一方、これまで「なめこ栽培キット」をプレイしたことがないという人にも本作はオススメだ。本シリーズに手を出すのあれば、既存作ではなく本作からがいいだろう。ただ、本作はカジュアルな放置型シミュレーションゲームなので、「よし、時間を忘れて楽しむぞ！」と意気込んでプレイすると肩透かしをくらうだろう。プレイする際は、他のゲームをプレイするスキマ時間に楽しむという前提で、まったりと触ってみてほしい。本作の快感と楽しさが、毎日のスキマ時間をちょっと幸せに変えてくれるだろう。