Electronic Artsが2021年9月10日に発売するアクションアドベンチャーゲーム「Lost in Random」。本作は、ダイスのランダム性をアクションに取り入れたユニークな作品だ。リリースに先駆けてプレイする機会を得たので、今回はそのレポートをお届けする。
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ゲームの舞台となるのは、クイーンが支配する闇に包まれた王国のランダム。ここでは、12歳の誕生日を迎えるとダイスを振ってその後の人生が決定される。姉のキースーが、女王の暮らすシクストピアの宮殿に行くことになってから1年。彼女の妹で主人公のグースーは、夢の中で姉に危機が迫っていることを悟り、助け出すために冒険へ出るのだ。
冒険の途中、生命が宿ったダイスのダイシーと出会ったグースー。そこでクイーンの手下たちと戦うための不思議な能力を手に入れ、様々な謎を解きながらクイーンの住む宮殿を目指していくのである。
ゲームの雰囲気としては「不思議の国のアリス」のような、ダークだがちょっとキュートなキャラクターたちが登場する作品になっている。登場するキャラクターたちも個性派ばかりで、彼らとの会話を通して徐々にゲームの世界に感情移入していくことができた。
バトルはダイスのランダム性とカードを組み合わせた戦略性の高さが特徴
このゲームの最大の特徴は、ダイスを使ったバトルだ。といっても、テーブルトークPRGのように、ダイスの目で攻撃や防御が決まるといった類いのゲームとは大きく異なる。戦闘中に相棒のダイシーを投げて、ダイスが出た目の数だけカードトークンがもらえる。そのカードトークンを消費してカードを使いながら戦いを有利に進めていくといった感じである。
いきなり敵と戦闘ができるわけではなく、まずはダイシーを投げるために必要なクリスタルを集めていく必要がある。クリスタルは、襲いかかってくる敵にこびりついた氷のようなものだ。スリングショットで氷のようなものを狙ってクリスタルを集め、一定数クリスタルが溜まると、「投げろ!」の表示が出て、ダイシーを投げられるようになるのだ。
ダイシーを投げると、ダイスメンションに入り自分以外の時間が止まったような状態になる。このときに、敵の近くにボムや動作が遅くなる罠などを仕掛けておくことも可能だ。ダイスメンションの状態から抜け出すときは、敵を攻撃するかボタンを押すことで離脱することができる。
戦闘で使えるカードは5枚。使えるカードの枚数は戦闘中に溜まっていくが、5枚揃う前でもダイシーを投げてカードを使うこともできる。登場するカードの種類は、あらかじめメニューのカードバインダーでカスタマイズしておくことができる。
カードの種類には、ダメージ、ディフェンス、武器、罠、イカサマといった種類が用意されており、これらを組み合わせて自分だけのデッキを組み上げていくのだ。デッキにどのカードを入れるかというのは、実際の戦闘に直に結びつく要素なので慎重に選ぶ必要がある。たとえば、高台にいる敵は弓などでしか倒せないが、そのカードがデッキにないとクリア出来なくなる。
それぞれのカードがどれだけ有用なのかは、実際の戦闘で体験しながらカードを入れ替えていき、自分のデッキを作り上げていくのがいいだろう。ちなみに新たなカードはゲームを進めていくことで手に入るほか、マニー・デッキスから購入することもできる。
6つの異なるエリアを冒険
女王が支配するランダムは、大きく分けて6つのエリアに分かれている。ダイスの面に合わせるように、それぞれの世界はその数に基づいた世界観が設定されているのだ。グースーは、住み慣れた土地のワンクロフトから冒険をスタートし、ツータウン、スリーダム、フォーベルグ、ファイブトロポリスといった感じで、それぞれのエリアを移動しくことになる。そして、最後にたどり着くのが女王が支配するシクストピアだ。
このマップとダイシーを投げたときに出るダイスの目の数も、連動している。最初は1~2までの目しか出せないのだが、新たなエリアに進んでいくごとに出せる目の数も増えていく。
各エリアでは、メインとなるクエスト以外にもサイドクエストが用意されている。どこでどんなクエストを受けることができるかは、マップを表示して確認することが可能だ。エリア内で出会うおかしなキャラクターたちは、非常におしゃべりである。役に立つ情報もあればそうでないものもあるが、ゲームの世界観を堪能したいならば、ひとりひとりの会話に耳を傾けてみるのもいいかもしれない。
エリア内には、コインが入手できる青いツボが様々なところに配置されている。それをスリングショットで壊すことでコインを入手することができる。また、青く光ったダイスドアをダイシーに探索してもらってコインを入手することができる。集めたコインは、先ほどのマニー・デッキスのカードショップで新たなカードを購入するときに使うことができる。
また、ちょっとしたパズル的要素を解くことでアイテムを入手できることもある。何はともあれ、エリア内を移動するときは様々なところに目を光らせておくようにしよう。
ボードゲームのようなルールのアリーナやボス戦もあり
通常の戦闘とは異なり、ボードゲームのようなルールや目標が設定された場所がある。それがアリーナだ。アリーナでは、挑戦する前にどんな条件を満たせばクリアできるのか、簡単なブリーフィングが表示される。
ただ闇雲に敵を倒していても、条件を満たしていなければクリアできないこともある。そのため、まずはブリーフィング画面を読んで、自分が何をするべきなのかしっかりと確認しておこう。
また、時には小物ばかりではなく強力なボスとの戦いも待ち受けている。どうしても勝つことができないというときは、難易度を変更してプレイするのもいいだろう。難易度はデフォルトの「普通」と、ストーリーモードの「簡単」の2種類が用意されている。本作ではゲーム中、いつでも難易度を変えることができる。
謎解きありアクションありのあらゆるエンターテイメントが詰め込まれている
ゲーム序盤、とくにダイシーに出会うまでは戦闘らしい戦闘はないためやや長く感じるが、そこから先はついつい時間を忘れてプレイしてしまうほど熱中してしまった。基本的にオートセーブになっていることもあり、ちょうどいいポイントになるまでゲームを続けてしまうということも長時間遊んでしまった理由かもしれない。
アクションシーン以外の演出も、いろいろと見所が多くて楽しませてくれる。まるで夢の中をさまよっているかのような演出があったり、あるいは建物数階分もあるような巨大なキャラクターたちとやりとりがあったりと、物語の展開自体も飽きさせないような作りになっている。
最初にも少し触れたが、「不思議の国のアリス」のような世界観のゲームが遊びたいと思っているならば、このゲームはまさにうってつけだ。謎解きあり、アクションありとあらゆるエンターテイメントの要素が盛り込まれているので、ぜひ遊んで欲しい1本である。