ハイテンポで歯ごたえのあるアクションとド派手で爽快な育成が魅力!「不機嫌なラクーンさん」レビュー

プレイレビュー
0コメント 田中一広

ローグライク・アクションゲーム「不機嫌なラクーンさん」をレビュー。ハイテンポで歯ごたえのあるアクションや、ローグライクならではの育成の楽しさなど、本作が持つ魅力を紹介する。

「不機嫌なラクーンさん」は、XDからリリースされたスマートフォン向けのローグライク・アクションゲーム。ゲーム的にはスマートフォンやインディーゲームなどで見られる、全方位アクションシューティングにローグライク要素を融合させたタイプの作品だ。

ただ、他の作品とは…とりわけ、スマートフォン向けのローグライク・アクション系はプレイ感が一味違う。というのも本作、アクション要素の比重がきわめて高い。ハイテンポで歯ごたえのあるアクションがプレイできるのだ。

一方で、ローグライクならではの育成要素も決しておろそかにはしていない。そんな本作の魅力について、この記事で紹介したい。

ハイテンポに敵の攻撃を回避し倒す!アクションシューティング

本作の舞台は「ラクーンの宇宙」。プレイヤーはこの宇宙を支配する「ラクーンの神」から召喚を受けたパラレルワールドの住人として、神の御心のままに戦いへ挑むことになる。

ちなみに「ラクーン」とはアライグマのこと。なので「ラクーンの神」はアライグマ的なルックスのケモノ系だし、その神が作りたもうた「ラクーンの宇宙」の住人もまた、アライグマ的なルックス。そして、召喚を受けた別宇宙の住人…すなわち主人公たちは別宇宙ゆえかアライグマでこそないものの、ケモノ系のルックスをしている。ケモノ系好きにはたまらない世界観だ。

プレイヤーの操作可能なアクションは、移動とダッシュ、通常攻撃とスキル攻撃。いずれも仮想パッドで操作する。通常攻撃は弾数制限のある遠距離攻撃で、長押しタップにより貯め撃ちが可能。また、スキル攻撃は通常攻撃より強力な攻撃で、使用後にクールタイムが発生する。

アクションのメインとなるのが、ダッシュ。本作では敵の攻撃が激しく、息つく暇もなく敵の攻撃予告が表示される。そのまま攻撃予告表示の範囲内にいるとダメージを喰らってしまうので、ダッシュで逃げなければならない。そして、逃げたら攻撃! とはいえすぐにまた敵の攻撃予告が出現するので、攻撃してばかりもいられない。非常にハイテンポだ。

スマートフォン向けにも様々なアクションゲームが登場しているが、テンポが引き下げられていることが多いように思う。スマートフォン向けのゲームはちょっとした隙間時間にプレイすることが多いため、集中しづらい環境でプレイされることも少なくない。このため集中が必要なほどハイテンポだと、楽しみにくいからだろう。ただ逆に、集中できる環境で腰を据えて取り組むと、物足りなさを覚えることも多い。

これに対し本作は真逆。集中が必要なほどハイテンポなアクションが用意されている。恐らく集中できない環境でプレイすると、難易度が高すぎると感じるだろう。しかしじっくりプレイできる環境で遊べば、歯ごたえのあるガチのアクションを堪能できる。アクションシューター好きな筆者からすると、「これぞ、アクションシューター!」といったプレイ感だ。

スキルを強化しアライグマたちと戦う!ド派手な育成要素が魅力

ローグライクやローグライトといったジャンルの語源となっている作品「ローグ」は、コンピューターの黎明期に生まれたRPGだ。その特徴は、ランダム生成されるダンジョンや敵。そして、おなじくランダム出現するアイテムによる育成だろう。

こうした「ローグ」の持つ要素を引き継いだゲームが「ローグライク」だが、最近の「ローグライク」系ゲームでは育成をよりド派手に強調して表現することが多い。多彩なスキルをランダムに出現させた上で、獲得したスキルは同時使用可能にすることによって画面がド派手なエフェクトで満たされる。育成はもう、コツコツ強くしていくだけのものではない。ド派手で爽快感すら味わえるものなのだ。

本作の育成もまた、ド派手で爽快。ステージ内で敵を倒すとランダムで3つスキルが出現。その中から1つ選んで主人公を強化することができる。たとえば通常攻撃に氷結効果を持たせたり、ダッシュ時に周囲の敵を炎上させたり…といった育成が可能だ。

スキルの育成だけでもゲームが進むと十分画面がにぎやかになっていくが、ド派手さに輪をかけているのがお供になるアライグマたち。本作のマップは、「ローグライク」を踏襲し部屋がランダムに連結されており、部屋のなかにはコインと引き換えに商品を販売してくれるショップもある。アライグマはショップで獲得できるお供キャラクター。クールタイム経過後にボタンをタップすることで、種類に応じた立ち回りを行ってくれるという存在だ。

スキルとアライグマ、そして敵の攻撃予測表示によって本作の画面は非常にド派手なでにぎやかなものになっている。アメコミタッチなビジュアルスタイルとの相性もよく、見ているだけで楽しい。しかもハイテンポなので、プレイの興奮度は高い。

なお、ローグライク的な育成要素を持った本作だが、「育成で攻略する」というバランスにはなっていない。確かにゲーが進めばその分多くのスキルを身に着けることができ、主人公は強くなっていく。しかしプレイヤーの立ち回りが悪いと、強くなった時にはHPが残り少ない…という状況に陥ってしまう。また、ステージ内で獲得したスキルはゲームオーバー時にリセットされてしまうので、育成によって強くなったら次回は楽になるということもない。

つまり、スキルを覚えれば強敵が倒せるようになる…というつくりではなく、あくまでプレイヤー自身の立ち回りによって攻略するというつくり。この点は、記事冒頭で「アクション要素の比重がきわめて高い」と書いた通りだ。

ただ、では育成がまるで頼りにならないかといえば、もちろんそんなことはない。本作の育成は、ステージ内で行われるもの意外に、ステージ外で行われる永続的なものも用意されている。

プレイを繰り返してコツコツ育成していけば、その分確実に主人公は強化されていく。なので、徐々にではあるが難易度を下げることが可能だ。ただ、あくまで難易度の下降度合いは「アクションの楽しさを損なわない程度」にコントロールされていると感じた。

アクションの比重が高い分、一般的なスマートフォン向けローグライクRPGのような選択と育成の楽しさを期待してしまうと、本作の持つ楽しさを感じにくいかもしれない。しかし、アクションがしっかり作りこまれているからこそ、アクションの楽しさを求める人にとってはオススメできる。

リリース直後のためか、この原稿を書いている2022年10月9日現在は不具合の報告が運営の下に多く寄せられているようだ。ただ、これについては運営が段階的に対応してくれることだろう。なお、10月9日時点ですでにログインできないなどの重めの不具合は解消し、プレイは正常に行えるようになっている。アクション好きならプレイする価値のある一作だと思う。

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