2023年8月13日、東京・八王子市のJ:COMホール八王子にて「29周年記念コンサート LIVE A LIVE A LIVE 2023 八王子編」が開催された。昼夜2公演のうち、夜の部を取材できたので、その模様をレポートしよう。

1994年にスーパーファミコンで発売された「ライブアライブ」。2022年7月にHD-2Dのリメイク版がNintendo Switch向けにリリースされ、2023年4月27日にPS5、PS4、PC(Steam)版も発売されるなど、約30年に渡ってファンに愛され続けてきた。

本公演は、この人気RPGのオリジナル版発売29周年を記念したもの。2019年8月に25周年を記念して行われた「新宿編」以来4年ぶり、リメイク版の発売以降では初めての開催となった。

会場のロビーにはリメイク版とオリジナル版のイラスト原画が展示。ことにオリジナル版のイラストは人気で、写真撮影も可能になっていたことから多くの来場者がスマホのカメラを向けていた。さらに、特設ショップで各種グッズを販売。こちらも長蛇の列で、サウンドトラックやTシャツなどの人気グッズはあっという間に売り切れになっていた。

青山剛昌、石渡治、小林よしのり、島本和彦、田村由美、藤原芳秀、皆川亮二(※敬称略)という7名の漫画家によるオリジナル版のイラスト原画も展示。
SF編の主人公であるキューブのぬいぐるみ。2023年12月30日発売予定で、現在スクウェア・エニックスe-STOREにて予約受付中だ。

今回のライブはタイトル曲である「LIVE・A・LIVE」を皮切りに、「西部編」「原始編」「現代編」「SF 編」「近未来編」「功夫編」「幕末編」「中世編」と、各編の名曲をメドレーで演奏。さらに、「魔王オディオ」「最終編」と銘打たれた2編に進むという構成になっていた。

MCはオリジナル版のディレクターである時田貴司氏と作曲家の下村陽子氏という、おなじみのコンビが担当。今回も「あの世で、俺に……」→「わび続けろ!」、「通りすがりの……」→「たい焼き屋サンよ!」、「そうだろ……」→「松ッ!!」などのゲーム中の名セリフを使ったコールアンドレスポンスや、豪華ゲスト陣を交えた軽妙なトークでライブを盛り上げていた。

キーボードは上倉紀行さん、ギターは森空青さんと坂田善也さん、ベースは池尻晴乃介さん、ドラムは岡島俊治さん、パーカッションははたけやま裕さんが担当。上倉さんと森さんは本ライブのアレンジも手掛けた。
こちらはストリングスチームで左からバイオリンの伊藤友馬さんと山本理紗さん、ビオラの菊池幹代さん、チェロの結城貴弘さん。伊藤さんは二胡の演奏も担当した。

前半のパートでは「西部編」、「原始編」、「現代編」、「SF編」、「近未来編」のメドレーが演奏された。「西部編メドレー -放浪-」では「ライブアライブ」の大ファンで、リメイク版のサウンド制作にも参加した口笛奏者のYOKOさんがゲストとして登場。YOKOさんの奏でる口笛はメインテーマである「WANDERER」やフィールド曲の「Under the Fake」にピッタリで、「西部編」の哀愁のサウンドを情感豊かに彩ってくれた。

「原始編メドレー -接触-」では、フィールド曲の「いいお天気でしょ!」をはじめとする軽快なサウンドを披露。とくに戦闘BGMの「Kiss of Jealousy」は、キレのいいパーカッションが原曲の楽しげな雰囲気をさらに際立たせていた。

続く「現代編メドレー -最強-」では格闘ゲームを彷彿とさせる、おなじみの「最強 -VICTORY ROAD-」などが演奏された。圧巻だったのは戦闘BGMである「KNOCK YOU DOWN!」でのツインギターのソロの競演。ノリのいいロック調のサウンドは聞き応えたっぷりで、会場がひときわ盛り上がっていた。

演奏前にYOKOさんは「いまだかつて、これほど完璧なリメイク作品はないです。思い残すことはありません。
(今日は)リメイクありがとうの気持ちで演奏します」と、来場者に熱いメッセージを送った。
来場者の持つペンライトは、ステージの内容に合わせてリモートでさまざまなカラーになるというもので、今回のライブをカラフルに彩っていた。

「SF編メドレー -機心-」はメインテーマの「Unseen Syndrome」からスタート。ゆったりとした不気味なテクノ調のサウンドで「SF編」ならではのホラー感を再現していた。一方、2曲目の「CAPTAIN SQUARE」では打って変わって明るい雰囲気に。1980年代のレトロゲームを彷彿とさせる原曲のテイストをリズミカルなサウンドで再現し、来場者も手拍子で応えていた。

時田氏と下村氏のトークを挟んで、ステージは前半のクライマックスである「近未来編メドレー -流動-」へ。演奏されたのは「Wait for Truth」と「PSYCHOで夜露死苦!!」の2曲だ。どちらも原曲以上に熱いサウンドになっており、ライブの熱量をさらに引き上げる。

そして、おなじみのセリフ「そうだろ 松ッ!!」に続いて、ゲストの影山ヒロノブさんがステージに登場。リメイク版で担当した「近未来編」の主題歌「GO! GO! ブリキ大王!!」を熱さ全開で歌い上げ、会場を大いに沸かせた。

影山さんは「しっかり歌わなきゃと思ってステージに上がったんですけど、メチャメチャ力んで120%ぐらいで
歌ってしまいました」とコメント。ちなみに、時田氏と下村氏によると、今回のライブでは影山さんの
スケジュールを真っ先に抑えたそうだ。

後半のパートは「功夫編メドレー -継承-」のメドレーで幕開け。いずれの曲も二胡の演奏が印象的で、壮大かつ荘厳な中華テイストのサウンドで来場者を魅了した。二胡を取り入れたアレンジは下村氏もかなり気に入っているそうで、トークコーナーで演奏を担当した伊藤氏に感謝の言葉を述べていた。

「幕末編メドレー -密命-」では、リメイク版のサウンド制作にも参加した和楽器ユニット・HIDE×HIDEがゲストとして登場。石垣秀基さんの尺八と尾上秀樹さんの中棹三味線によるスタイリッシュな和テイストのサウンドが展開された。続いて、「中世編メドレー -魔王-」が演奏。おなじみの「魔王への叙曲」をはじめとする4曲が披露された。印象的だったのが「届かぬ翼」と「魔王山を往く」で、どちらもピアノとバイオリンの旋律が「中世編」の悲壮さをさらに際立たせていた。

HIDE×HIDEの石垣秀基さん(画像左)と尾上秀樹さん。20周年を記念して行われた
吉祥寺編から参加しており、今回のライブでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

さらに、各編のボス戦で流れるおなじみの「魔王オディオ」から「MEGAROMANIA」へ。ことに「MEGAROMANIA」は「ライブアライブ」を代表する人気曲のひとつだけに、キーボードをメインとした迫力のサウンドに会場のボルテージはさらにアップ。次の曲が寂寥感漂う「ARMAGEDDON」だったため、バットエンドを迎えたかのような雰囲気の中でメドレー終了となったが、これは次のメドレーに繋ぐための伏線だった。

ここでMCの時田氏と下村氏がステージに登場。時田氏は「20周年をきっかけにライブを始め、皆さんの熱い応援でまさかのHD-2Dリメイク発売。そして、晴れて29周年を皆さんと迎えることができて本当に幸せです」と、改めてお礼を述べた。来年は30周年ということで、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が。これを見て下村さんは、「しかと受け止めました。30周年も何かできればいいなと思います」と、意気込みを見せた。

ピアニストの森下唯さん。
情感たっぷりの演奏で来場者を楽しませた。
ストリングスチームの演奏が、荘厳さをさらに際立たせていた。

そして、「ここから勇者メンバーと最終編にのぞみたいと思います。皆さん、大団円を目指しましょう!」と、時田氏が呼びかけて「最終編メドレー~GIGALOMANIA」が開始。最終編のフィールド曲「絶望の都」に始まり、「Silent Labyrinth」、「ILLUSION…」を経て名曲「PURE ODIO」が演奏された。さらに、リメイク版で新たに追加された「GIGALOMANIA」を挟んで、最後はピアノとバイオリンの美しい旋律による「Live over Again」を披露。最終編を再現した心憎いばかりの演出と構成で楽しませてくれた。

万雷の拍手のあと、ラストを飾ったのはやはり「Live for Live」だ。ゲストのYOKOさんとHIDE×HIDEのおふたりも演奏に参加。中世編のパートではYOKOさんの口笛が、幕末編のパートではHIDE×HIDEの和楽器がサウンドを彩った。

「ライブアライブ」のディレクターを務めたスクウェア・エニックスの時田貴司氏。今回もキレキレのトークで会場を沸かせた。
「ライブアライブ」の作曲を手掛けた下村陽子氏。
アンコールでは自身も演奏に参加した。

アンコールの直前に今回のゲスト陣が改めて来場者にメッセージ。YOKOさんは「こんなにたくさんのライブアライバーの皆さんと、ご一緒できて最高でした!」、影山さんは「このチームも皆さんも本当に最高でした。今日参加できて最高でした!!」と、それぞれ挨拶。HIDE×HIDEのおふたりは「30周年と聞いて動悸が止まらないです」(尾上さん)、「29という数字が好きなんですが、切りのいい数字はもっと好きです!」(石垣さん)と、30周年に期待を寄せた。

アンコールでは、なんと各編の曲をメドレー形式で繋いだ「Battilissimo」が演奏された。この曲はオリジナル版攻略本の付属CDに収録されていたもので、知る人ぞ知る名曲だけに古参のファンにはかなりのサプライズだったのではないだろうか。ちなみに、この「Battilissimo」を収録した「LIVE A LIVE オリジナル・サウンドトラック(再発売)」のダウンロード販売とストリーミング配信が2023年8月2日より開始されているので、ぜひこの機会に原曲を聞いてみることをおすすめする。

そして、最後は影山さんが参加メンバーの紹介を交えつつ、「GO! GO! ブリキ大王!!」を再び熱唱、会場の熱気は最高潮に達した。なんと、ここで近未来編のキャラクターイラストを担当した漫画家の島本和彦さんがステージに登場! 時田氏や他のゲスト陣とともに「GO! GO! ブリキ大王!!」を持ち前の熱血全開で力いっぱい歌った。島本さんの出演はまったく予告されていなかったため来場者もかなり驚いており、ある意味今回一番のサプライズだったかもしれない。

かくして本公演は大盛況のうちに幕を閉じた。今回のライブは「ライブアライブ」の楽曲の多くが演奏されるという大ボリュームの内容になっていただけに、来場者も満足だったことだろう。30周年ではさらなるビッグイベントを開催してくれるに違いない――そう思わせてくれる圧巻のライブだっただけに、今後の展開にも大いに期待したい。

「29周年記念コンサート LIVE A LIVE A LIVE 2023 八王子編」セットリスト

第1部
M01 LIVE・A・LIVE
編曲:亀岡夏海
M02 西部編メドレー -放浪-
WANDERER、Under the Fake、THE WILDS、Sancho・de・Los・Panchoz
編曲:直江香代子、ゲスト:YOKO(口笛)
M03 原始編メドレー -接触-
NATIVE LIFE、いいお天気でしょ!、生贄の宴、Kiss of Jealousy
編曲:森空青
M04 現代編メドレー -最強-
最強 -VICTORY ROAD-、猛者達…、Versus!、KNOCK YOU DOWN!
編曲:森空青
M05 SF編メドレー -機心-
Unseen Syndrome、CAPTAIN SQUARE、星屑のキャプテン
編曲:上倉紀行
M06 近未来編メドレー -流動-
Wait for Truth、PSYCHOで夜露死苦!!
編曲:上倉紀行
M07  GO! GO! ブリキ大王!!
編曲:直江香代子、ゲスト:影山ヒロノブ(歌唱)

第2部
M08 功夫編メドレー -継承-
鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳、老拳師下深山、在中国的戦闘
編曲:亀岡夏海
M09 幕末編メドレー -密命-
密命、忍音、殺陣!
編曲:直江香代子、ゲスト:HIDE×HIDE(尺八、三味線)
M10 中世編メドレー -魔王-
魔王への叙曲、届かぬ翼、凛然なる戦い、魔王山を往く
編曲:亀岡夏海
M11 魔王オディオ~MEGALOMANIA~ARMAGEDDON
編曲:上倉紀行
M12 最終編メドレー~GIGALOMANIA
絶望の都、Silent Labyrinth、ILLUSION…、PURE ODIO、GIGALOMANIA、Live over Again
編曲:亀岡夏海
M13 Live for Live
編曲:森空青
アンコール スペシャルメドレー
Battilissimo、GO! GO! ブリキ大王!!
編曲:直江香代子

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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