バンダイナムコエンターテインメントが2025年1月23日(Steam版は1月24日)に発売予定のPS5/Xbox Series X|S/Steam用ソフト「SYNDUALITY Echo of Ada」。ソロ専用モードのプレイレポートと、プロデューサーの二見鷹介氏のインタビューをお届けする。
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2024年12月12日からはオープンネットワークテスト(ONT)も開催されるなど、発売に向けて着々と近づきつつある本作。ここでは、製品版で収録予定のソロ専用モードの試遊レポートと、プロデューサー・二見鷹介氏へのインタビューを掲載する。
ソロ専用モードを先行体験。オンラインとはゲームデザインがまったく違う歯ごたえ十分なモード
今回先行してプレイすることができたソロ専用モードにあたる「旧アメイジア調査」。かつて「楽園」と呼ばれた地下都市アメイジアが一夜にして滅びた理由を探るため、「アルバ」と「エイダ」と呼ばれる人物たちについての情報を集めていく、キャンペーン仕立てのストーリーミッションだ。
通常のオンラインと完全にモードが別れているわけではなく、ガレージ内で受けられる特殊な依頼として進行する。ただし、「旧アメイジア調査」は特殊で、プレイヤーが操作するクレイドルコフィンの装備は、自分の機体ではなく予め用意されたものを使用することになる(メイガスは自分のものを連れていける)。
広大なフィールドを舞台とするPvPvEであるオンラインモードとはゲーム性も大きく異なり、「旧アメイジア調査」は専用のフィールドが用意され、道筋に沿って進むステージクリア型のアクションゲームに近いプレイ感覚で進んでいく。
今回は主に最初のステージをプレイしたのだが、その段階からかなりやりごたえがあるというのが真っ先に感じた点。素材を集めて持ち帰るのが目的のオンラインとは異なり、出現する敵を倒しながら最奥部を目指すことになるのだが、出現する敵の数がかなり多め。オンラインだと、エンダース以外との戦闘は結構限られるのだが、「旧アメイジア調査」では、序盤から盗賊団のクレイドルと何度も戦うことになったり、戦闘の頻度が高めで、オンラインとはまったく別のゲームという印象を受ける。オンラインをプレイして「もっと敵と撃ち合いがしたい」と感じた人も満足できるだろう。
ただ、出現する敵の数に対して入手できる弾薬のバランスはなかなかシビアだ。「旧アメイジア調査」では、敵がドロップするものが素材ではなく、基本的に武器か弾薬に変更されているのだが、それを駆使しても弾が頻繁に切れそうになる。
また本作は、実弾・エネルギーの区分けだけでなく、アサルトライフルやショットガン、スナイパーライフルなど武器種ごとに使用する弾丸の種類が分けられている。オンラインでは、事前にメインで使う武器種にあわせた予備弾薬を持ち込めばいいのだが、弾薬を現地調達するしかない「旧アメイジア調査」では、必然的に手持ちの弾薬の種類にあわせてその時々で使う武器を選ぶという形となる。そのため、オンラインではほとんど使ったことがない武器にも出番が回ってくる。
フィールドの中には、名前に「+」がついていたりするレアリティの高い武器も時折入手できるが、弾薬には限りがあるので、優秀な武器の弾薬はここぞという時に残しておき、それまでは弾薬がある別の武器を使って進む……といった考えも重要になってきたり、オンラインとはゲームデザインが異なるゲームとして楽しめるようになっている。
クレイドルの残骸を見つけて、残っているアイテムを漁っているところに後ろから攻撃されたり、敵を一体見つけて遮蔽物に隠れて撃ち合っていたら、視界外にいたもう一体の敵に回り込まれて攻撃されたり、敵の配置や行動もなかなかにいやらしく、プレイしていると自然と悲鳴が漏れるような体験だった(難易度については調整予定とのこと)。
基本的には道筋に沿ってステージを進む形となるのだが、探索的な遊びも存在しており、ステージ1では壁を破壊した際に隠されたエリアがあり、レアリティの高い武器を見つけるというシチュエーションも発生していた。
また、フィールドの各所で「監視ログ」というアイテムを発見することもある。監視ログはかつてのアメイジアで起こったアルバとエイダの物語が記録されているアーカイブで、ガレージでムービーとしてアルバとエイダのストーリーを見られる。レイヤーはこのログを通して、「アメイジア調査」の任務の目的でもある、かつてアメイジアで何が起こったのかを知っていくことになる。
面白いのは、「アメイジア調査」は、ステージ開始時などで語られるストーリーの尺はさほど長くなく、この監視ログを集めていくことで始めて物語の全貌を把握できるようになっていく構成になっていること。入手できるログは時系列もバラバラで、ステージをやり込んでログを集めれば集めるほど、穴空きになっている部分が埋まり、物語への理解力が上がっていくという作りになっているようだ。このあたりは、一般的なシューターゲームのキャンペーンモードとは一線を画した、本作ならではの魅力になっている。
また、今回筆者がプレイしたバージョンは、12月12日からスタートするONTよりも新しいバージョンになっており、ステップの強化やグレネードの爆発範囲の上方などが適応されたものとなっていた。とくにステップは明確にクローズドネットワークテスト(CNT)の時よりも使い勝手がよくなっていたのが体感でも分かったほどだった。この修正はまだONTのバージョンには適応されていないそうだが、製品版ではさらにプレイフィールの改善が期待できるだろう。
以降はプロデューサー・二見鷹介氏インタビューをお届けする。今回プレイした「アメイジア調査」だけではなく、ONTからオンラインサービスについての話など、かなり突っ込んだ話題にもご回答いただくことができた。
プロデューサー・二見鷹介氏インタビュー:オンラインサービスが終了しても、ゲームが一切遊べなくなることはない
――まず、12月12日から行われるONTについて、前回のCNTからの変更点などがあれば教えてください。
二見氏:CNTではまだマップの調整が十分でなくて、いわゆるスタックが起きてしまうことがあったんです。製品版では、そもそもスタック自体極力起きないように修正するのですが、万一起きてしまった時、その状態から抜けるための緊急的な措置を、今回のONTから入れています。あとはユーザーさんには見えていない部分で、細かいネットワークエラーが出たりしていたので、そういった箇所を修正してネットワークの品質をより向上させたりもしています。
ゲームバランスに影響する部分では、CNTではガレージの施設のレベルが1から上げられなかったんですけど、ONTではレベル2まで改築ができるようになっています。改築に必要な素材の量なども改めて調整しています。
あとは、メイガスのタイプを変更するには「メイガスチケット」という専用のアイテムが必要になるんですけど、ONTではこの「メイガスチケット」をメンテナンスのタイミングにあわせて3回配布する予定です。
メイガスタイプは5種類あるんですが、「メイガスチケット」は有償での販売や特典以外では基本的には手に入らないので、この機会にメンテナンスごとにタイプを変えていただき、自分の好みにあったメイガスのタイプを見つけるのに使っていだきたいです。データは引き継げないので、見た目の造形とかはパラメータをスクリーンショットなどで保存していただく形にはなってしまうんですけど、製品版の前準備みたいな感じにプレイしていただけると良いのかなと。
――メイガスチケットを入手できないようにしたのは、やはりメイガスの外見以外はポンポン変えてほしくないという想いが?
二見氏:そうですね。それもあるんですけど、どれを選ぶか思い悩む時間とか、後で気軽に変えられないこその体験ってあるじゃないですか。メイガスはすごく長く付き合うことになる相棒なので、やっぱり慎重に決めていただきたいというところで、この仕様に決めました。
――CNTから他にゲームバランス面の調整は入っているのでしょうか?
二見氏:そこについてはほとんど入れてないです。基本的に今回のONTの目的は、製品に近い環境と規模でネットワークをテストするというものなので、前回からの大きな変更はないと思っていただいた方が良いかなと。
ただ、既に発売日のDay1パッチに向けての調整は進めておりまして、CNTでいただいたユーザーさんの意見も運営の参考にさせていただく予定です。CNTは熱心ななユーザーさんが中心になりやすいので、ONTで触れられるカジュアルなユーザーさんからの意見も踏まえつつ、最終調整ができればなと。
――なるほど。不具合修正はされているものの、バージョンとしては基本CNTとほぼ同じで、最終的には製品版でCNT・ONT両方の意見を踏まえた調整が盛り込まれる形になると。
二見氏:そういうことになります。ただ、先程も申し上げた通りメイガスのタイプを変えられたり、施設のレベル上限が上がったりしているので、実際に遊ぶとCNTとは変わってくる部分もあると思います。
レベル2になると、アイテムボックスの上限が200から400に上がったりする施設もありますし、あとはLv1の時はドラム缶みたいだったお風呂の演出も変わりますので、そのあたりの見た目の変化も楽しんでいただけるのではないかなと。
「アメイジア調査」の難易度は難しめのアクションゲームを想定
――今回、先行してソロ専用モードの方をプレイさせていただきましたが、ステージ1から想像していたより難しかったです。
二見氏:一応、このモード自体、ある程度ゲーム内にある依頼を進めるタイミングで開放されるのを想定しておりまして、既にゲームに慣れていることを前提にしているのはあります。
バランス調整はこのあとも1、2回は行う予定なので、今より簡単になる可能性もあります。ただ、1つ1つである程度トライアンドエラーが発生する、ちょっと難しめのアクションゲーム的なバランスは、元々目指しているところではあります。
――今回、自分はステージ1をクリアしたところでほぼ試遊時間が終わってしまっていたんですが、既にステージデザインをした方の“殺意”をヒシヒシ感じました(笑)。
二見氏:結構歯ごたえがあるんですよね。アイテムを見つけたと思った瞬間に攻撃されたり、僕もテストプレイして何回もディレクターの罠に嵌められました(笑)。オンラインとはまた違ったヒリヒリ感みたいのを楽しんでいただけるかなと。
……ただ、実はステージ1はまだチュートリアルみたいなものでして、本当に難しくなるのはステージ3からなんですよ。今回のメディアさんの試遊では、今のところクリアどころか3まで行けた方がほとんどいなかったくらいだったので、少しバランス調整は入るかもしれません(笑)。
――ボリュームはどれくらいになる想定なんでしょうか。
二見氏:一応僕らがイメージしているのは、マルチプレイモードがあるシューターゲームソロプレイ用のキャンペーンです。大体のプレイ体験としては5~6時間くらい、1日プレイしたら終わるくらいのものが多いかと思いますが、その辺をイメージしてもらえればと。
――クレイドル同士の戦闘はオンラインだとそこまで多発するわけでないので、あれだけ正面から撃ち合いをするのは結構新鮮さもありました。
二見氏:おっしゃる通り、PvPって頻繁には起こらないので、「アメイジア調査」の盗賊団とかとの戦いを通じて、ある程度クレイドルコフィン同士の戦闘に慣れておいてもらいたいんです。
あといろんな武器がフィールド内に落ちているので、いろんな武器を試していただくこともできますし、後半戦に向けてのチュートリアル的な位置けにもなっています。オンラインだと使い所が難しかったグレネード系も、結構役立つ場面があると思います。
――結構ストーリーの見せ方も独特ですよね。ステージ内で話が展開するのではなく、ログを集めていくことで全貌を把握できるという。
二見氏:エイダとアルバの物語は、最初の人とメイガスの交流とかすれ違いを描いたものになっていて、そこから自分とメイガスの関係みたいなところを考えてみて欲しいんです。
繰り返し一緒に出撃していると、自分のメイガスに愛着が湧いてくるんですけど、じゃあ他の人はどうなんだろうという時に出てくるのが、アルバとエイダの物語です。プレイヤーのメイガスは一緒に出撃するんですけど、アルバとエイダはまた関係性が違っていて、最終的には自分とメイガスという存在の関係性の距離感を決めるためのモードでもあると位置づけています。プレイヤーとプレイヤーのメイガスは、二人の物語の見届人みたいな立ち位置でもあります。
――ゲームはアニメの20年後という設定ですが、アニメとリンクした要素も出てきますか?
二見氏:そこはいっぱいありますね。アニメにもエイダたちが出ていますけど、その時にエイダが醤油を買っているシーンがあるんですが、実はあれはアルバが大の醤油好きだからという理由があって、それがゲーム内で分かったり。他にも後半戦で何の研究をしていたのかとか、アニメとはいろんな部分がつながるようになっています。
オンラインサービスが終わったらどうなるのか?
――本作はオンライン専用タイトルとなっていますが、オンライン専用タイトルの買い切り販売というのは結構珍しいのではないかと思います。
二見氏:そうですね……その点についてやっぱり皆さんが気にされるのは、「サービスが終了したら遊べなくなるんじゃないか」ということじゃないかと思うんです。
ただ、ここではっきりお伝えしておきたいのは、もしオンラインサービスが終了しても、「本作が一切遊べなくなることはない」ということです。
――どういうことでしょうか?
二見氏:確かに現状本作を遊ぶにはオンラインが必須なのですが、実はオフラインでも遊べるようにするための横道はすでに用意しています。オンライン必須なのは、いわゆるチート行為を防ぐために、ローカルにデータをおかないようにしているためです。
もちろんオンラインがメインのゲームなので、遊べる部分は制限されてしまいますが、購入いただいたパッケージやゲームが完全に無駄になることはないので、ご安心いただきたいです。
――公開されている情報で個人的に驚いたのが、特典としてアニメの主人公機である「デイジーオーガ」のパーツが付属しますが、機体を失ったらパーツもなくなってしまうのですか?
二見氏:はい、普通にロストします。
――修理することもできないと?
二見氏:できないです。ただ、二度と「デイジーオーガ」のパーツが手に入らないかというと決してそんなことはなくて、「デラックスドリフターパス」の報酬として「デイジーオーガ」のパーツの設計図がもらえるようになっています。「デラックスドリフターパス」は有償ですが、そちらでもらえるのは設計図なので、何度でもパーツを作れるようになります。なくしたパーツが帰ってくるわけではありませんが……。
なので特典のパーツについては、ゲーム序盤の進行を助けてくれる装備とでも考えていただければ。ただ、装備して出撃すると、パーツ欲しさで他のプレイヤーから狙われやすくなる可能性はあります(笑)。
――今回のONTで初めて本作に触れるプレイヤーも多いと思います。楽しんで欲しい部分を教えてください。
二見氏:今回のONTに関しては、シューターをやってみたいけどオンラインのハードルの高さを感じている方とか、チームで集まれずにシューター自体に疎遠になっている方に、是非遊んで頂きたいなと思っています。
本作の特徴であるメイガスは、敵が近づいてきた時や、他のプレイヤーが近づいた瞬間にアドバイスをくれたり、一度行った場所で見つけたアイテムの存在を教えてくれたり、自分のプレイを記憶してくれる、相棒のような存在です。一人でプレイしていても、誰かと一緒に遊んでいるような感覚を味わえる、ちょっと特殊なちょっとゲームになっています。
多人数でワイワイやれるゲームとは違うんですけど、とくに一人で自分のペースで遊びたい方とか、気軽にゲームで遊ぶ仲間を作りたい方には、是非ONTを遊んでみていただきたいなと。
ジャンルとしては「エクストラクションシューター」という、アイテムを持ち帰って脱出することが目的のゲーム性になっています。アイテムをギリギリで持ち帰れるかのハラハラ感とか、稼ぎが少なかったらついもう一回行きたくなって止め時を失ったり、いろいろな魅力があります。ちょっと難しい面はあるんですけど、決してハードコアなゲームではないので、シューターに興味はあるけどあまり遊んだことがない……という方にこそ、遊んでいただきたいです。
――最後に、発売に向けてファンへのメッセージをお願いします。
二見氏:「SYNDUALITY Echo of Ada」は2025年1月23日に発売となります。国産のTPSシューターとしては、かなり珍しい体験ができるタイトルで、海外にはない、日本のゲームならでは良さがたくさん詰まっていると思っています。
また、本作は発売後もどんどん進化させていく予定です。先程も話しましたが、今回のONTでCNTからの変更をあまりしていないのは、発売日に向けての調整が山盛りで、そちらに全力を投入しているためで、ONTで得られたデータを含め、最後までバランス調整をしていきます。製品版をより良くするためにも、まずはONTにご参加いただけると非常にありがたいです。
最後に、これはONTをプレイしていただいた方に向けてとなりますが、今回遊んでいただいたのは、本作の楽しみのほんの氷山の一角と思っていただければなと。調整もそうですし、製品版ではアイテムの物量も膨大になっています。ONTでのゲーム体験を気に入っていただけた方は、より深く幅広い体験ができるようになっておりますので、是非ご期待ください。
――ありがとうございました。
(C)MAGUS / SYNDUALITY(TM)&(C)Bandai Namco Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。
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