アニメーションRPGだからこそ日本が大事――「リミットゼロブレイカーズ」試遊レポート&開発インタビュー【TGS2025】3年連続TGS出展や日本重視の理由、タイトル改題などを聞く

東京ゲームショウ2025
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千葉・幕張メッセにて9月25日~28日にかけて開催の「東京ゲームショウ2025」。VIC GAME STUDIOSブースにて出展しているアニメーションRPG「リミットゼロブレイカーズ(LIMIT ZERO BREAKERS)」の試遊レポートと開発者インタビューをお届けする。

アニメーションRPGだからこそ日本が大事――「リミットゼロブレイカーズ」試遊レポート&開発インタビュー【TGS2025】の画像

VIC GAME STUDIOSは韓国で設立されたゲーム会社であり、本作はPCやスマートフォン向けとして開発が進められているオリジナルIPタイトル。境界を崩す者「ブレイカー」たちが、この世の全ての知識が集積された最果ての地、「神の書庫」へ向かう冒険の物語が描かれている。

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東京ゲームショウにおいて、2023年ならびに2024年には「BREAKERS : UNLOCK THE WORLD」として出展。その後、パブリッシャーとしてNCSOFT、マーケティングをKADOKAWAが担当する新体制となり、タイトルも「リミットゼロ ブレイカーズ」に改題。そして3年連続で、2025年も出展する形となった。

ちなみに、リリースに先駆けてKADOKAWAによるメディアミックス展開が始まっており、コミカライズやノベルなどを配信。ブースではそれらの作品を収録したお試し冊子の配布も行われていた。

キャラやレイドボスの追加のみならず、バトルを奥深くする要素を追加

試遊体験では、バトルと武器製作のチュートリアルとともに、5体のレイドボスが用意され、大型レイドモンスターとのバトルが楽しめるものとなっていた。体験はPCかスマートフォンで可能となっており、またPC版ではキーボードだけでなくゲームコントローラーを用意。筆者はPC版かつゲームコントローラーで体験したものとなっている。

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バトルはプレイアブルキャラクターから3人を選択し、パーティを組んでモンスターに挑む。プレーヤーが3人のキャラクターを切り替えながら操作するシングルプレイと、ひとりひとりがそれぞれ1キャラクターを操作するマルチプレイも用意されている。

基本的にはモンスターの攻撃をかわしながら攻撃を加えるという、ハンティングアクションをイメージするバトルで、特徴となっているのは、モンスターにブレイクゲージが用意されていること。攻撃を加えることによってブレイクゲージが減少し、それがゼロになることでモンスターがダウンし、一定時間無力化できる。ブレイクゲージを削りやすいキャラクターでブレイク状態を狙い、ブレイク状態の敵に大きなダメージを与えられるキャラクターに切り替えてたたきこむといった戦い方ができる。

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前回出展したものから、プレイアブルキャラクターやレイドボスが追加されたことに加え、バトルにも“元素”という要素が取り入れられている。各キャラクターには固有の元素や属性があり、相関関係のある元素をつなげることで、より効果的に戦うことができるというもの。そして特徴的なのは、元素を順番通りにつなげていくことで“順行”の状態となり大ダメージを与えるだけでなく、元素を逆の順番につなげることで“逆行”の状態となり、こちらはブレイクゲージに対して大きくダメージを与える効果がある。これによってパーティキャラクターの選択のみならず、モンスターの状態にあわせたキャラクターの切り替えなど、戦い方にも奥深さを与えるものとなっている。

筆者自身は今回初めてプレイしたため、前回との違いや比較ということには言及できないのだが、直感的に感じたことと言えばバトルの爽快感が格別ということ。敵の攻撃を避けつつ攻撃を叩き込む快感が素直に感じられるもの。通常攻撃の連打でもコンボが出て“攻撃している感”が味わえるうえ、スキルや必殺技の演出もキャッチーで派手なもの。また攻撃に夢中になりがちだが、元素を意識した戦い方ができると、うまく戦えているという実感と楽しみもある。加えて、キャラクターとボスには属性の有利不利があるものの、元素の活用で選択の幅も広がることが期待できると思えた次第だ。

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アニメーションRPGは日本で認められてこそ世界で通用する

インタビューでは、VIC GAME STUDIOSで本作における統括プロデューサーを務めるイ・ドンジュン氏、アートディレクターのハン・ソクジュン氏、NCSOFTのアン・ジンホ氏の3人を中心に、VIC GAME STUDIOSの事業統括兼日本支社代表を務めるイ・ドンギョ氏にも同席いただき、タイトル変更からNCSOFTがパブリッシャーとなった経緯、本作の今後について話を伺った。

左からハン・ソクジュン氏、イ・ドンジュン氏、アン・ジンホ氏、イ・ドンギョ氏
左からハン・ソクジュン氏、イ・ドンジュン氏、アン・ジンホ氏、イ・ドンギョ氏

――まず、タイトルを変更したことについて教えてください。

イ・ドンジュン氏:前の「UNLOCK THE WORLD」は世界観をイメージしたものだったのですが、開発を進めていくなかで、キャラクターひとりひとりの成長や物語のほうにフォーカスしていく方向性になったこともあり、それぞれの目的を果たすため限界を超えていくブレイカーたちの意味を込めて「リミットゼロ」をタイトルにしました。

――NCSOFTがパブリッシャーとして参画することになった経緯を教えてください。

アン・ジンホ氏:NCSOFTとして、これまでアニメーションやキャラクターを主体にしたゲームタイトルはありませんでしたし、開発についても内部で検討しましたが、ノウハウもないというところで、どのようにしたらいいかを悩んでいました。VIC GAME STUDIOSはこうしたタイトルの開発に強みがありますし、一方でNCSOFTとしては、運営であったりグローバルで事業を展開することに関して強みがあると思っていましたので、一緒に取り組むことにしました。

魅力的に感じたのは、既存のIPではなくオリジナルIPとして開発していることです。既存IPですと取り組みとしてできることが限られてきますが、オリジナルIPであれば、一緒になって作り上げて育てていくことができます。加えてVIC GAME STUDIOSは技術面でも優秀な会社であることも大きいです。

イ・ドンジュン氏:VIC GAME STUDIOSはそこまで大きな会社ではありません。さまざまな支援をいただいておりますし、グローバルサービスに関する経験もNCSOFTは長けていますので、VIC GAME STUDIOSに足りないところをカバーしていただいています。こちらとしても開発がスムーズに進められるようになりましたし、今後も協力しながらやっていきたいなと思います。

――東京ゲームショウには3年連続で出展しています。労力もかかることだと思いますが、それでも出展するメリットや意義は何でしょうか。

イ・ドンジュン氏:きちんと反応が見られることにあります。こちらで考えているストーリーであったりバトルの方向性が合っているのかどうかですね。そして、ゲームにおいて日本のユーザーが大事な存在であり、どのように感じて反応されるかを確認するのに一番いい機会が東京ゲームショウなので、結果として3年連続で出展することになりました。

――日本のユーザーが大事というのは、どういったことが理由なのでしょうか。

イ・ドンジュン氏:本作はアニメーションRPGとうたっています。そしてアニメーションといえば、日本の存在がとても大きいです。VIC GAME STUDIOSでも日本のアニメが大好きで、日本のアニメを見ながら育ってきた人がとても多いです。それに日本の方はアニメーションやキャラクター、ストーリーに対するこだわりも強いと感じています。それだけに、日本のユーザーがどのように感じてもらえるのかが、私たちが一番気になるところでもあります。また、アニメーションを主体としたタイトルが日本で受け入れられ、愛していただけるのであれば、グローバルで受け入れられると考えています。

ハン・ソクジュン氏:本作の開発スタッフの多くは、日本のアニメ、日本の文化に対しての興味がすごく深いんです。そんなスタッフ自身の経験や感じていたことを、本場である日本の方にちゃんと伝えられるようなタイトルを作った方が、グローバル向けとしてもゲームをアピールできるポイントになると思っています。

アン・ジンホ氏:日本は創作に対するこだわりが強いと感じています。アニメーションに関しては、特にクリエーターのこだわりがすごく大事です。そして日本に向けて取り組むとなったときにNCSOFTとしても足りないところがあると思いましたので、KADOKAWAやMAPPA(※アニメーション制作会社。同社による世界観PVが公開されている)とタイアップして取り組むことにしました。こうしたこだわりのあるコンテンツが本場である日本で認められるのであれば、グローバルでも通用すると思っていますので、日本の市場を1番大事に考えています。

イ・ドンギョ氏:これまでお話してきたこととほぼ同じになりますが、本作がオリジナルIP、そしてアニメーションIPを目的地として向かっている弊社からすれば、今世界的にヒットしているアニメ作品も日本発であることを考えると、日本から世界に発信していく方向性を目指さないと世界に通じないと考えています。なので、日本からアプローチしている形です。

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――私は今回初めてプレイしたのですけど、バトルの爽快感もそうですが、元素の順行と逆行があることで単に攻撃しつづけるだけではなく、考えながら戦闘する楽しみがあると感じました。

イ・ドンジュン氏:そう言っていただけるととてもうれしいですし、その反応を知るためにゲームショウへ出展したところもありますので。キャラクターとモンスターに属性があると、どうしてもモンスターの弱点となる属性持ちのキャラクターを機械的に選びがちですけど、もっと選択の幅を広げたかったのです。これがあることで他のタイトルと大きな差別化になったと思いますし、本作ならではのバトルシステムと言えます。言葉での説明ですと難しいイメージを持たれるところもありますが、実際にプレイしている様子を見たり、アンケートや反応を見たりしていると、このシステムもすんなり受け入れられているととらえています。考えてきたバトルシステムの方向性に間違いはないと感じました。

――アニメーションRPGとしてビジュアルにも力を入れている様子はうかがえますが、そのビジュアルでのこだわりや注目してほしいところはありますか。

ハン・ソクジュン氏:今回出展しているものは明確にバトルが中心となっていて、そのときの表情や動き、演出も見ていただきたいのですが、目指している方向としては、丸ごとアニメーションを見ているような感覚になれるものです。プレイしているなかでバトルをしながらもストーリーが流れていくようなシーンもありますし、そういうところなどでキャラクターの心境を表情としてどのように伝えられるかをすごく悩みつつも丁寧に作っております。実際にローンチした際には、キャラクターの細かな動きや表情もそうですが、バトルとストーリーの区切りがわからないような、アニメーションを見ている感覚のゲーム体験を提供できると思っております。

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――リリースに向けての展開や施策があれば教えてください。

イ・ドンジュン氏:現段階においては、2026年の上半期に正式リリースを目指していますし、その前にはグローバルでのCBTも計画しています。また今回の東京ゲームショウを皮切りとして、海外のゲームイベント出展などオフラインイベントにも参加して、みなさんにリリースが近いことを実感してもらえるように考えています。提供プラットフォームについては、スマートフォンとPCのクロスプラットフォームとしていますが、リリース後に主要コンソールゲーム機への展開も検討を進めています。

――記事を見ている方にアピールすることがあれば、お話ください。

イ・ドンジュン氏:本作はアニメーションRPG、そしてファンタジー王道アクションRPGとしてキャラクターひとりひとり、そしてストーリーをどのようにして魅力的に見せるのかを悩みながら開発を進めております。リリースした際にはぜひストーリーを楽しんでいただきたいです。また、バトルについてもシンプルで奥深いシステムを用意していますし、マルチプレイのような仲間と一緒に楽しめる要素もあります。こうした魅力となる部分の開発を進めつつ、その魅力をみなさんに伝えられるように取り組んでいきます。

東京ゲームショウ2025

※画面は開発中のものです。

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2025-11-14 06:16:53