ブシロードとフジテレビが本日1月29日に発売したPS5/Nintendo Switch/PC(Steam)向けタイトル「DUSK INDEX: GION」(Xbox Series X|S版は2026年2月27日発売予定)のレビューをお届けする。
ブシロードとフジテレビ協業の新作ビジュアルノベルゲームとなる「DUSK INDEX: GION」。本作は東京の闇を描いた「Tokyo Dark」のCherrymochiが共同原作を手がけている作品だ。

筆者は「Tokyo Dark」をプレイ済みであるが、確かに本作もCherrymochiの作る独特な世界を感じることができる作品だと感じた。一方でかなり尖った内容であった「Tokyo Dark」に比べ、連続殺人事件の謎を追うストーリーはミステリーの王道で誰でも入り込みやすい内容になっており、ノベルゲーム初心者にもオススメしやすい。以下でネタバレを控えつつ魅力を紹介していこう。
2つの時代を舞台に4人の主要人物が登場するミステリー
「DUSK INDEX: GION」は、2006年の現代と1906年の過去に起きた殺人事件の謎を、4人の主要人物たちが追うストーリーとなっている。タイトルに「GION」の文字があるとおり、京都を舞台にしている。ただし、現代の京都はAR技術が発展しており、我々が実際に生きていた2006年とは大きく異なる。いちばんの特徴は「ARI」と呼ばれるサポートAIの存在で、通信や情報の伝達などあらゆることを手伝ってくれる。

2006年の事件を担当する怪奇事件専門の刑事・勝木大樹(かつきだいき)はとてもアナログの人間でARIをニガテとしている。なぜ彼がアナログを大事にしているのかは物語の根幹に関わるので実際にストーリーを進めてみて確認してみてもらいたいが、アナログを大事にする彼の考えはAIが発展途上の時代に生きている筆者に共感しやすかった。

本作ではAR技術やAIが発達したことにより、表現の場を失ってしまった人々がいることも描かれている。痛烈に社会を批判するような描写ではないが、我々がこの現代に直面している問題がさりげなく差し込まれており、風刺が効いている。

メインの部分に関しては遺体の血で異様な紋様を描く不可解な連続怪奇殺人事件の謎を追っていくというものになる。まず2006年の事件があり、その後に同じ内容の事件が起きた1906年の過去が描かれ、ふたたび2006年の現代に戻ってくるような構成。AR技術の発展した現代の京都と、文明の発展途上によって変化していく明治時代の京都、ふたつの時代で起きた殺人事件を追うストーリーは先が読めずにおもしろい。

2006年は前述したとおり、怪奇事件捜査を専門とする「新奇犯罪対策係」の刑事である勝木大樹が主人公。デジタルを嫌う彼はサポートAIもアップデートしておらず、古い型をそのままで使っている。大樹のサポートAIは「ディー」という名前で処理速度は遅いが、彼は気にせず使い続けている。そんなふたりに信頼関係のようなものも垣間見えて心地よい。ゲームをプレイしながらディーのグッズを発売して欲しいと思ってしまった。

なお、章仕立てで進行する本作では章の合間に幕間が存在。ここは本作独自の設定や用語を解説してくれるパートとなっており、サポートAIたちが楽しそうに説明してくれる。殺人事件を追うダークな世界観になっている本作では一服の清涼剤となってくれた。

大樹のパートナーとなるのはクイン理音(りお)。彼女は100年前の京都をARで没入体験する「Echoes of Kyoto」を開発した若き天才技術者で、大樹はこの「Echoes of Kyoto」を使って過去の事件との関連を探っていくことになる。

法や秩序を重んじる刑事と祇園の情報網を使う舞妓がパートナーの過去編
1906年を舞台にした過去編は有名な時計技師が殺された事件を法や秩序を重んじる刑事の長浜正義(ながはままさよし)が捜査をする展開に。

遺体は首が斜め上へとねじられ、死因は首の切り傷からの失血死。その遺体の血によって周りに不可解な紋様が描かれているという状況だ。現場となった時計工房から貴重品が持ち去られた形跡はなかったものの、机の上にあった製作途中の作品と、店主が書いていたノートの1冊だけが無くなっていた。

また、第一発見者の一番弟子に状況を確認しているなかで、正義が彼の妙な視線に気付く。その視線の先には鉄瓶があり、そのなかは2重構造となっており、なかには白金(プラチナ)が……。
犯人が隠したのであれば、なぜ持ち出さなかったのか、なぜ製作途中の作品とノートだけを持ち帰ったのか。謎が深まるなか、正義は貴金属の密輸という線から捜査に乗り出すことに。

彼は政界の重役や外国人が多く訪れるため、たくさんの情報が飛び交っている花街・祇園の頂点に立つ芸妓、咲(さき)に協力を要請。咲は祇園の情報網を使って貴金属や密輸関係を調べていくこととなる。

この1906年のパートは祇園の作り込みが必見。咲の視点を通して芸妓や舞妓についても深く知ることができるので興味深い。舞妓の厳しい仕来(しきた)りを知ることができるほか、明治になって外国人観光客が増えているということも描かれており、この時代の雰囲気を感じることができる。

咲は祇園でいちばん人気の舞妓で美しい容姿に目を奪われるが、じつは博識で聡明な人物でもある。そんな彼女が探偵のように情報を集めていくパートは興味深く読み進めることができた。また、そんな正義と咲もいいパートナー。ふたりを掘り下げるようなエピソードもあり、バディものとして楽しめる一面も存在する。

本作でおもしろいのは出会わないはずのふたつの時代のパートナーが集結する展開だ。現代の理音が「Echoes of Kyoto」で過去の京都を具現化し、大樹が正義や咲と出会うシーンはプレイヤーの気持ちも盛り上がる。大樹が正義の書いた文献を見つけるような展開や、はたまたSFのようにタイムリープをしてふたりが出会うのではなく、AR技術で過去の人物と出会うという発想がとても現代的だと感じた。

そして、ふたつの時代を跨いだ連続殺人事件がどのような結末を迎えるのか、ぜひゲームをプレイして確認して欲しい。
(C)DUSK INDEX: GION
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。






































