「アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ」レビュー――よりリアルになったカリブ海と現代基準の遊びやすさが生み出す最高峰の海賊体験

プレイレビュー
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ユービーアイソフトが2026年7月9日に発売するPS5/Xbox Series X|S/PC用ソフト「アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ」のレビューをお届けする。

「アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ」レビュー――よりリアルになったカリブ海と現代基準の遊びやすさが生み出す最高峰の海賊体験の画像

筆者が初めて「アサシン クリード」に出会ったのは、ゲーム雑誌で「アサシン クリードIII」の特集を読んだときだった。当時はXbox 360を持っていて洋ゲーもそれなりに遊んでいたが、「実際の歴史上の出来事を元にしたステルスゲーム…なんか難しそう」と思い手に取ることはなかった。

そんな考えが変わったのは、オープンワールドゲームに夢中になっていた2013~2014年頃。YouTubeで偶然「アサシン クリードIV ブラック フラッグ」のゲームプレイ映像を目にしたのがきっかけだった。

そこに映っていたのは、エメラルドブルーの広大な海を帆船で航海し、フードを被った主人公がカリブ海の島々を自由に駆け巡る姿。その光景に一瞬で心を奪われ、気付けばゲームショップへ向かっていた。これが私にとって初めてプレイした「アサシン クリード」だった。

「アサシン クリードIV ブラック フラッグ」は、私がシリーズにのめり込むきっかけとなった思い出深い作品だ。本作は、誰もが知る“カリブの海賊”をテーマにしたシリーズ第6作目。それまでの「アサシン クリード」はルネサンス期のイタリアや独立戦争時代のアメリカを舞台にしていたため、「アサシンが主人公なのに海賊?」と驚いた人も少なくなかっただろう。

今ではバイキングやスパルタ、忍者などさまざまな出身のアサシンたちが登場しているが、当時のアサシンと海賊という組み合わせは非常に大胆で、シリーズの可能性を大きく広げた転換点ともいえる作品だろう。

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海賊の黄金時代を描いたシリーズ4作目

本作の舞台となるのは、海賊たちが大暴れしていた18世紀初頭のカリブ海域。ディズニーランド定番のアトラクション「カリブの海賊」や、ジョニー・デップ主演の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどで、なんとなくのイメージは誰もが持っているだろう。そんなベタすぎるほどの“海賊の時代”が本作の舞台となっている。

主人公のエドワードも、れっきとした海賊の一人。本編では、とある理由からアサシンへとなりすましたものの、世界を大きく変える装置“観測所”を巡る、アサシン教団とテンプル騎士団の壮大な抗争へと巻き込まれていく……という物語が展開される。

また、ストーリーには黒ひげことエドワード・サッチやベンジャミン・ホーニゴールド、アン・ボニー、メアリ・リードなど、歴史上の著名な海賊たちが主要キャラクターとして登場するのも見どころの一つだ。

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ゲームプレイは、シリーズの核となるアサシンらしいステルス要素はそのままに、剣や銃を使ったバトル、さらに前作で実装された帆船による海戦など、アクション面がより豪快に進化している。特に海賊の代名詞ともいえる、大砲を撃ち合う帆船同士の海戦は本作を象徴する要素であり、後のシリーズや「スカル アンド ボーンズ」といった他作品にも色濃く影響を与えたシステムとなっている。

また、美しく再現されたカリブ海の島々がオープンワールドという形で表現され、プレイヤーは船や徒歩、パルクールといった移動手段で自由に世界を探検できるのも、本作の魅力の1つとなっている。

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グラフィックやゲームプレイが現代基準に

リメイクという言葉の通り、本作はグラフィックからゲームプレイに至るまで、ほぼすべての要素が1から作り直され、より美しく、より遊びやすく生まれ変わっている。

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リアルすぎる波の表現

まずぱっと目を引くのはグラフィックだろう。オリジナル版では、当時のシリーズ作品で多く採用されていたゲームエンジン・AnvilNextが使われていたが、本作では最新のAnvilエンジンへ刷新され、グラフィックが大幅に進化している。

オリジナル版のスクリーンショットが手元にないため直接比較はできないものの、テクスチャや陰影の表現はより緻密になっており、全体的な没入感が大きく向上している。このあたりは動画でも紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてほしい。

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なお、本レビューではPS5版のパフォーマンスモードでプレイした。パフォーマンスモードでは、標準品質のレイトレーシングを有効にしつつ、60FPSの滑らかな映像でプレイできる。PS5 ProやハイスペックPCほどの映像美には及ばないものの、高いグラフィック品質と快適なフレームレートを両立しており、十分満足できる仕上がりだった。

個人的に最も感動したのは、海の表現だ。お気に入りのシリーズ作品である「アサシン クリード オデッセイ」でも、まるで世界そのものが生きているかのような波の描写には驚かされたが、本作ではそれをさらに上回るほど、多彩な海の表情を見ることができる。

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本作では、「アサシン クリード シャドウズ」で導入された“Atomos”により、天候がリアルタイムでシミュレートされる。照りつける太陽の下では、絵葉書のように透き通ったサファイアブルーの海が広がる一方、嵐が訪れると、黒く荒れ狂う海へと一変する。時間や天候によって刻々と姿を変える海は、見ているだけでも飽きない。

特に荒天時は波が大きくうねり、ジェットコースターのように視界が遮られるほど高低差のある波に襲われることもある。天候によって航海そのものの雰囲気が大きく変わる点は、非常にリアルだと感じた。

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海中の作り込みも見事で、沈没船を探索する際には、美しい海中の景色や豊かな生態系をじっくり堪能できる。なお、オリジナル版では潜水できる場所が限られていたが、本作ではいつでも自由に海へ飛び込めるようになっており、探索の自由度も大きく向上している。

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余談だが、筆者が本作で最も印象に残った場面のひとつが、夜の海でNPCの帆船同士が戦っている様子を岸から眺めていたときだ。

たまたまサブクエストで辺境の島を訪れ、その帰り道に岸から少し離れた沖合で、スペインとイギリスの帆船が砲撃戦を繰り広げている場面に遭遇した。波に揺られる船は互いの周囲を旋回しながら大砲を撃ち合い、そのたびに夜空が赤く照らされ、煙や砕けた木片が飛び散る。約10分にわたる戦いの末、最後はイギリス船がメキメキと音を立てながら海へ沈んでいった。

その光景は、まるで自分が18世紀のカリブ海にいるかと錯覚するほど。波のうねりや砲撃の閃光、船の動きまで自然に描かれており、本作のグラフィックと世界表現の完成度の高さを強く実感した瞬間だった。

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オリジナル版を忠実に再現しつつより遊びやすく

ゲームプレイについては、オリジナル版を忠実に再現している。近年のシリーズ作品ではレベル制を導入したRPGスタイルが主流となっているが、本作では当時の「アサシン クリード」らしい、アクション重視のゲーム性を楽しめる。

パルクールや戦闘は現代向けに遊びやすく調整されているものの、あくまで快適性を高める程度に留められており、ゲームの根幹はほとんど変わっていない。いい意味で「昔のまま」のプレイフィールだ。

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バトルも、パリィを軸にしたスピード感ある剣戟アクションをそのまま継承。パリィからテイクダウンへと繋げ、一撃で敵を次々となぎ倒していく、従来通りの爽快なチャンバラアクションを存分に楽しめる。

もちろん、ピストルやロープダート、煙幕といったガジェットを駆使した、アサシンらしいトリッキーな立ち回りも健在だ。なお、オリジナル版ではシークエンス11で入手できたロープダートは、シークエンス3で入手できるようになっており活躍の機会も大幅に増えている。

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「アサシン クリード オリジンズ」以降のRPGスタイルならではの奥深い戦闘も好きだが、個人的には華麗に敵を斬り伏せていく従来シリーズの戦闘のほうが"アサシンらしい"と感じた。RPG路線が死にゲーのようなじっくり攻める戦闘だとすれば、本作はテンポよく敵を倒していく爽快感を重視したアクションと言えるだろう。

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細かな追加要素として、新たな敵“Demolitionist”が登場する。爆弾を投げてくる重装兵で、不用意に近づくと大ダメージを受けるため、戦闘にほどよい緊張感を与えてくれる存在だ。

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ステルス面では、近年のシリーズ作品でおなじみとなった「いつでもしゃがめる」仕様が採用された。オリジナル版では限られた場面でしかしゃがめなかったため、草むらや遮蔽物を使った潜入がしやすくなっている。さらに視認メーターも追加され、ステルスプレイ全体の快適さが向上している。

オリジナル版では、一部の尾行ミッションなどで見つかると即ゲームオーバーになっていたが、本作では発見されたあともミッションが継続するように変更されている。理不尽さが大きく軽減されており、ステルスが苦手な筆者としては非常にありがたかった。

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本作最大の特徴である海戦は、近年のシリーズ作品に合わせた細かな調整が施されているものの、基本的な操作感やプレイフィールは従来通り。側砲や臼砲、火薬樽などを使い分けながら敵船と戦うのは、まさに海賊ゲームならではの醍醐味だ。

特にオリジナル版よりもグラフィックが強化されたことで、海戦の迫力も大幅に増している。大砲を撃った時の炎と煙や、ダメージを受けた際の破壊表現までもが緻密に再現され、より臨場感のある仕上がりになっている。

さらに、ダメージを与えて航行不能になった敵船へ乗り込み、船員たちと白兵戦を繰り広げる一連の流れは、本作のハイライトともいえる体験の1つだろう。雄叫びをあげながら敵船にロープで乗り移るさまは、まさに誰もが思い描いている海賊の姿そのものだろう。この演出を見たいがために、メインクエストをほったらかして、道中の商船を片っ端から襲撃していたのはここだけの話だ。

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さらに、本作では各攻撃手段にセカンダリ射撃が追加された。側砲には燃焼効果のある「過熱弾」、正面砲には「ダブルショット」などが用意されており、戦術の幅がさらに広がっている。

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そのほかの変更点として、戦闘・ステルス・海戦・アクティビティの難易度を個別に設定できるようになった。海戦だけ難易度を下げたり、戦闘だけ歯ごたえを上げたりと、自分好みに細かく調整できるため、ストレスなく遊べるのも嬉しいポイントだ。

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6時間分の追加コンテンツや再解釈された“現代編”

本作には、オリジナル版では存在しなかった多数の新クエスト・要素が追加されている。黒髭やスティードを深堀りするサブクエストや、拠点となるグレート・イアグナ関連の追加要素、本編クリア後のエンドゲームなど、約6時間分相当のコンテンツが用意され、古参ファンでも新鮮な気持ちでプレイすることができる。

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今回筆者がプレイした範囲で体験できたのは、海軍士官のクエスト2つ。本作から新たに追加される3人の海軍士官を雇用できるサブクエストで、仲間にすることで主人公の船であるジャックドー号の新たな技を覚えることができる。例えば船大工のルーシーを仲間にすると、攻撃をほぼ無効化する“パーフェクト・ブレイス”を覚えることが可能だ。

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海軍士官のサブクエストは、それぞれキャラクターの背景を深堀りする内容となっていて、1人あたりのプレイ時間はおおよそ1時間ほどとなっている。

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また、オリジナル版ではストーリーの合間に現代パートが挿入される構成だったが、本作ではそれらが廃止され、代わりに任意でプレイできる「Rift」へと統合されている。この変更により、エドワードとしての冒険が中断されることなく、物語への没入感がさらに高まった。

シリーズを通して描かれる現代編が、「アサシン クリード」の世界観を支える重要な要素であることは理解している。それでも、一人の海賊としてカリブ海を冒険している最中は、できるだけその世界に浸っていたいというのが正直なところだ。

また、本作から初めてシリーズに触れる人でも、エドワードの物語だけを追えば十分に楽しめるため、初心者でも入りやすい作品になっているのではないだろうか。

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現代に蘇った最高峰の海賊オープンワールド

オリジナル版を忠実に再現しつつ、生きた世界を表現するグラフィックや、快適さを増したゲームプレイによって、現代基準の作品へと生まれ変わった本作。ゲームのリメイクにはさまざまな考え方があるが、個人的には当時のゲーム性を大切にしながら、遊びやすさだけを磨き上げるこのアプローチは非常に好みだ。まさに、リメイクのお手本とも言える完成度に仕上がっている。

さらに、ストーリーの見せ方が変更されたことで物語への没入感も高まっており、シリーズ未経験者でもエドワードの冒険に集中して楽しめる。これから初めて「アサシン クリード」に触れる人にも、自信を持っておすすめできる一作だ。

そして何より、本作ほど壮大なスケールで海賊の世界を描いた作品は他にない。「アサシン クリード」としてだけでなく、海賊をテーマにしたオープンワールドゲームとして見ても、今なお高い完成度を誇る。興味を持った人は、ぜひ一度このカリブ海へ旅立ってみてほしい。

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※画面は開発中のものです。

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