コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)より2026年9月24日に発売予定のPS5/PC(Steam/Epic Games Store)用ソフト「SILENT HILL: Townfall」。本作のメディア向け世界最速試遊イベント「『SILENT HILL: Townfall』Media Premiere」の模様をお届けする。

会場は本作の舞台であるスコットランドの町「セントアメリア」をイメージした装飾が施され、足を踏み入れた瞬間から独特の不穏な空気が漂う没入感あふれる空間となっていた。
本記事では、当日のプレゼンテーションで明かされた作品の全体像と、約4時間にわたる実機プレイで体験できたゲームシステムや恐怖演出、そして開発陣インタビューの模様をまとめてお届けする。




スコットランド「セントアメリア」での恐怖体験―冒頭からメディカルセンター到達まで
プレゼンテーションでは「SILENT HILL」シリーズプロデューサーの岡本基氏より、本作が「個人と社会」「個人と企業」といった枠組みに踏み込む、シリーズ屈指の社会派なテーマを描く作品であることが明かされた。
舞台となるのは、スコットランドの孤島にある町「セントアメリア」。1990年代の空気感を思わせる、湿度を帯びた町並みが、現地で数百枚に及ぶ写真を撮影し、細部まで再現された徹底的なロケハンを経て、4Kグラフィックで精緻に描き出されている。探索は「2.35:1」のシネマスコープ(映画風ワイド画面)比率による一人称視点(FPP)で進行し、欧州アート映画を思わせる静かで美しく、どこか不気味な世界観への圧倒的な没入感を生み出している(画面比率は設定で変更も可能)。
今回の試遊では、作品の持つ雰囲気を総合的に体験できるよう、まったく異なる環境を描いた2つのパートを体験することができた。

【パート1:ゲーム冒頭パート】町の探索とCRTVの登場、忍び寄るクリーチャーの影
試遊の最初のパートは、主人公サイモンが海から命からがら這い上がってくる息苦しいシーンからスタートする。サイモンの左手には見覚えのない点滴の針とチューブ、右手には医療用リストバンドが装着されていた。実は今回のメディア向け配布グッズの中にこのリストバンドを模したアイテムが含まれており、筆者も腕に装着してプレイに挑んだため、まるで自分自身がサイモンとなってセントアメリアに降り立ったかのような強烈な没入感に引き込まれた。



不気味な静けさに包まれた町を進むものの、人の姿が一切ない空間が逆に恐怖を煽る。「曲がり角から急に誰かが現れるのではないか」という焦燥感を抱えながら探索を続けると、町の随所に残されたメモやオブジェクトから物語の断片が少しずつ見えてくる。
そんな中、突然これまでとは異なる、「裏世界」のような異空間へ飛ばされる場面も発生。いつジャンプスケア(脅かし演出)や敵の襲撃に見舞われるか分からない極限の緊張状態の中、歩みを進めていくことで本作の要となるガジェット「CRTV」を入手できた。







CRTVは、画面に特定のノイズが走った場所でダイヤルを回して波形をチューニングすることで信号を受信し、画面に映し出される不気味な映像から謎解きの手がかりを得ることができる仕組みだ。開発陣が実際に古い機材で映像を再生し、配線を傷つけたり磁石を近づけたりして生み出したという妥協のないノイズ演出も相まって、探索や謎解きの軸として強烈な存在感を放っている。
また、パート1ではこのCRTVや環境を利用した謎解き要素が多く盛り込まれていた。難易度設計は絶妙で、理不尽に難しすぎて行き詰まるようなことはない。筆者も試遊中に一箇所だけ「ん?」と頭を悩ませ、制限時間を考慮してスタッフに助言を求めた場面があった。しかし、「今ある情報を整理すると、こういう理屈ですよね?」と自身の考察を説明したところ、「まさにそれが正解です!」と返ってくる結果に。プレイヤー自身が拾い集めた情報を整理し、論理的に導き出せる仕様になっており、解けた瞬間の強い納得感と達成感を味わえるのが印象的だった。


さらに進むと、ついにおぞましい異形のクリーチャーと遭遇。角材などの近接武器を入手していれば倒すことも可能だが、武器には耐久度が存在し、攻撃やガードを重ねるごとに劣化・破壊されてしまう。武器がない場合や温存したい場面では、ステルスによる回避が必須となる。




ステルス面では、CRTVを使って敵の正確な位置を察知できるほか、「ピーク(のぞき見る)」で物陰から様子を伺ったり、拾った空き瓶を投げて音で敵を誘導したりといった立ち回りが可能だ。筆者がプレイした際には近接戦闘も積極的に試してみたが、しっかりとした武器さえ手元にあれば「1対1」はもちろん「1対2」の状況でも勝機はある、という手応えを感じられた。
とはいえ、耐久切れで丸腰になるリスクを考えると、いかにCRTVとステルスアクションを使いこなせるかが攻略の命運を分ける。



【パート2:中盤チャプター】赤に染まる裏世界と銃の入手―命懸けで目指すメディカルセンター
続くパート2では物語が少し進み、遠距離武器である「ピストル」を入手した状態からスタートする。強固な攻撃手段を得て「これで怖いものなしだ」と意気揚々と探索を進めたいところだったが、現実は甘くなかった。

サイモンが足を踏み入れたのは、全体が不気味な「赤」で彩られた禍々しい「裏世界」。先ほどのパート1とは比べものにならないほどクリーチャーの数が跳ね上がっており、さらに異質な新種のクリーチャーも確認できた。
通常の攻撃を仕掛けてくる個体だけでなく、「捕まったら即終了」を想起させるような即死級の脅威を放つ敵も存在し、一瞬の油断も許されない極限のプレッシャーが襲いかかる。



当然、プレイヤーをサポートする救済措置として回復アイテムも用意されているのだが、アイテム同士を組み合わせることで「輸液入りバッグ」を作成できた。これをサイモンに装着しておくと、万が一倒された際にもその場で蘇生してくれるという非常にありがたい効果を発揮する。極度の緊張感の中で立ち回るプレイヤーにとって、まさに命綱と言えるアイテムだ。


そして、このパートの目玉である「ピストル」の存在感も絶大だ。遠距離から一方的に攻撃できる圧倒的な威力を誇るものの、やはり相応のリスクが伴う。落ちている弾薬の数には限りがあり、乱射は厳禁。さらに、暗闇に轟く発砲音は周囲のクリーチャーに自らの位置を知らせる合図となってしまい、新たな危険を招く可能性もある。
また、この過酷な状況下ではPS5の機能が恐怖を極限まで引き立てていた。DualSenseのアダプティブトリガーによるピストルの引き金の重みや反動、ハプティックフィードバックによって手の中で生々しく伝わる敵の足音、LumenやPSSR※による赤く染まった世界の高精細な描写など、次世代機ならではの臨場感がプレイヤーを追い詰めてくる。
※PSSRはPS5 Proに搭載されたアップルケーリング技術となります。



弾数の少なさと発砲音のリスク、そして輸液入りバッグによる保険を天秤にかけながら、CRTVとステルス、そして銃撃を駆使してメディカルセンターを目指していく―。手に汗握る駆け引きと圧倒的な没入感が味わえる、極上のホラー体験だった。



「SILENT HILL」シリーズプロデューサー岡本氏&本作ディレクターJon氏へインタビュー!「SILENT HILL: Townfall」が提示する新たな恐怖と挑戦
プレゼンテーションと実機試遊に続き、本作のプロデューサーを務めるコナミデジタルエンタテインメントの岡本基氏と、開発を手掛けたScreen Burnのライター兼ディレクター、Jon McKellan氏への囲みインタビューを実施。主観視点(一人称視点)を採用した狙いや、キーアイテムとなる「CRTV」の着想、そして舞台となるスコットランドへのこだわりなど、本作の魅力を深く掘り下げる話を伺った。

――本作は「SILENT HILL: The Short Message」に続き、一人称視点(主観視点)で進行します。過去のノウハウの共有や影響、一人称視点で描く「SILENT HILL」らしさの表現について教えてください。
岡本:開発会社が異なる点や開発時期の違いもあり、直接的にノウハウを共有したわけではありません。偶然にも主観視点で作ってみようという試みが「SILENT HILL: The Short Message」と「SILENT HILL: Townfall」の2作品で重なったという経緯になります。
Jon:「SILENT HILL: The Short Message」に関しては直接的な接点がなかったため、私たちScreen Burnのチームも一人のプレイヤーとして新鮮な気持ちでプレイさせていただきました。「SILENT HILL: Townfall」の一人称視点では、「CRTV」というデバイスを用いたゲーム性を実現できました。このデバイスの使い方は、一人称視点でなければ成立し得ない機能だったと感じています。
また、一人称視点になることでゲームシステムとして変わる部分は多々ありますが、シリーズ伝統の雰囲気や演出、精神的な怖さ(サイコロジカルホラー)は非常に強く意識しています。そのため、プレイヤーの皆様には間違いなく「これぞ『SILENT HILL』だ」と感じていただける体験に仕上がっていると思います。
――試遊版をプレイしてみて、従来の作品以上にクリーチャーが強く手強い印象を受けました。今作はステルス(隠密行為)重視のゲームバランスになっているのでしょうか?
Jon:プレイヤーが取れる選択肢は複数用意しています。ステルスはその中の手段の一つに過ぎず、近接武器やその他の武器を使って直接戦うことも可能です。
ステルスを選択した場合は、敵の動きや習性をより慎重に観察して立ち回る楽しさがあります。状況に応じて何が最も効果的かを試行錯誤しながら、自分なりの切り抜け方を模索していただければと思います。
――シリーズでおなじみの「ラジオ」を、今作で「CRTV(ポケットテレビ)」というガジェットに変更した狙いや着想のきっかけを教えてください。
Jon:ラジオを「CRTV」というデバイスへ昇華させるアイデアには、開発のかなり初期の段階でたどり着きました。最初期は通常のラジオで、ダイヤルを回してチューニングする仕組みを導入していました。しかし、Screen Burnとしては「ラジオを受動的に音を聞くだけのものに留めず、より能動的に活用できるアイテムにするにはどうすればいいか」という課題を掲げていたんです。そこで、音だけでなく映像も表示できる視覚的なデバイス(CRTV)に進化させました。これにより、ストーリー上の演出やゲームプレイへの組み込み方において、表現の可能性が爆発的に広がったと実感しています。
また、Screen Burnというスタジオは、過去の作品でもお見せしてきた通り「アナログ技術やレトロガジェットをいかに扱うか」に強いこだわりを持っています。VHSや一昔前のアナログ機器をゲームに落とし込むアプローチは、チームの強みや個性に最もマッチしていると感じています。
――ゲーム内では「赤」と「黒」の色使いが非常に印象的です。この2色を選んだ理由は何でしょうか?
Jon:もちろん「デザインとして最も美しく映えるから」という理由もありますが、最大の理由はストーリー(ナラティブ)に直結している点です。
ゲームを進めていくと、主人公サイモンにとってこの「赤」と「黒」がどれほど象徴的で重大な意味を持っているかが分かるようになっています。進めれば進むほど「なぜこの2色なのか」が自然と紐解かれていく設計になっています。
――Screen Burnはレトロなガジェットへの強いこだわりを感じます。古いガジェットを使う理由と「SILENT HILL」との相乗効果について教えてください。
Jon:古いアナログ技術やガジェットは、私たちにとっても強い思い入れがある存在です。採用する大きな理由の一つに「ノスタルジー(郷愁)」という要素があります。プレイヤーが過去に触れたことがあるような懐かしい機械を見せることで、一度ユーザーを安心させます。そして、その懐かしさや安心感をあえて悪用して裏切るような演出を心がけているのです。
また今作の文脈においては、現代の感覚からするとアナログ技術はどこか「不安定で頼りない」印象を与えます。「機械に頼っていても助からない」「すがりつくこともできない」という不安感を作り出すうえで、非常に良い相乗効果を生んでいると考えています。
――今回、物語の舞台に「スコットランド」を選んだ理由を教えてください。
岡本:「SILENT HILL」シリーズは世界各地のデベロッパーとタッグを組んで制作することが多いのですが、さまざまな地域の文化やカルチャーを混ぜ合わせることで、これまでにない新しいサイコロジカルホラー体験を提供できると考えているからです。
Jon:スコットランドは、私たちScreen Burnチームが生まれ育った慣れ親しんだ土地であり、最も説得力を持って精緻に描き出せる環境だったというのが大きな理由です。自分たちが熟知しているロケーションだからこそ、細部までこだわり抜いた表現が可能になりました。
――馴染みのあるスコットランドを「SILENT HILL」という凄惨な世界の舞台にするにあたり、感じたことはありますか?
Jon:実はスコットランドは、もともと非常に霧が深くて「SILENT HILL」にピッタリなロケーションなんです(笑)。ネット上のミームでも親しまれていますが、実際に現地で暮らしていても、霧が濃い日には「今日の外は『SILENT HILL』だな」と感じることが度々ありますね(笑)。そういった意味でも、作品の世界観に落とし込むのは非常に自然な流れでした。
――シリーズ恒例の「UFOエンディング」のような隠し要素はあるのでしょうか? また、マルチエンディングに対する考え方を教えてください。
Jon:「隠しエンディング」自体は存在していますが、具体的な内容については本編をプレイしてご自身で確かめていただきたいです。
また、エンディング分岐は単純な選択肢のみで決まるわけではありません。それまでのプレイにおいて「主人公サイモンをどう操作し、どんな行動をとってきたか」というプレイヤー自身の選択の集大成として結末が変わります。
岡本:補足すると、メインとなるエンディングに関しては1周目からどのルートにも到達可能です。「隠しエンディング」についてはクリア後の「NEW GAME+(2周目)」で到達できるようになっています。構造としては「SILENT HILL 2」などの従来作に近く、特定のエンディングを見るために何周もしなければならないような作りにはなっていません。
――これまで中小規模の作品を手掛けてきたScreen Burnの知見やノウハウは、「SILENT HILL」という世界的な巨大IPにどのような影響を与えましたか?
Jon:Screen Burnが設立からの11年間で培ってきた最大の強みは、「物語性(ナラティブ)とゲームプレイの密接な融合」です。
ただの進行上の障害やギミックとして謎解きを置くのではなく、ゲーム内で起こる出来事や演出のすべてがストーリーに深く直結している構造を徹底してきました。そのアプローチこそが、今作「SILENT HILL: Townfall」においても最も大きな相乗効果をもたらしていると感じています。
――2022年の発表から開発はどのように進んできましたか?初期から大きく変更された点などはありますか?
岡本:具体的な期間はお答えできませんが、2022年の発表以前よりプロジェクトは始動していました。初期のプロトタイプ段階でKONAMI、Annapurna Interactive、Screen Burnの3社で評価を重ねる中で、今作の要である「CRTV」などの新しいアイデアが生まれていきました。
Jon:最初にKONAMIへ提案した初期のピッチ(企画提案)から、根幹となるストーリーやコンセプトの軸はブレていません。開発が進む中でも「最初の核から脱線していないか」を常に意識しながら、順調にクオリティを高めてくることができました。
――ゲーム内で「ここを見ればスコットランドだと一目でわかる」ような、こだわりポイントはありますか?
Jon:実は細かな要素が町中にたくさん散りばめられています。例えば、チームの若いスタッフに「昔のスコットランドでは、専用のチャージ式カードを使わないと家の電気が使えなかった」という話を盛り込んだ謎解きを入れた際、「えっ、本当にそんな仕組みだったの?」と驚かれたことがありました(笑)。
そういった当時の電力カードのような文化背景をはじめ、家の間取りやキッチンのレイアウト、家具のサイズ感に至るまで、現地を知り尽くしているからこそのリアリティを細部まで反映しています。
――最後に、本作を通じてプレイヤーにどのような体験を届けたいかメッセージをお願いします。
Jon:「もし自分がサイモンの立場だったらどうするか」「この絶望的な状況下で何を学び、どう行動するのか」を、ぜひプレイヤーご自身の感覚として体験していただきたいです。主人公の置かれた状況に没入し、その感情を追体験するような体験を楽しんでいただければ幸いです。
(C)Konami Digital Entertainment
(C)2026 Annapurna Games, LLC
(C)2026 Screen Burn Interactive Ltd. ”Screen Burn” is a registered trademark of Screen Burn Interactive Ltd.
※画面は開発中のものです。
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