長野県長野市にて8月1日・2日に総合エンターテインメントイベント「ズクズクフェス2026」が開催された。ここでは8月1日の取材にて会場で展示されていたインディーゲームの中から記者が注目した7作品を紹介する。
「ズクズクフェス2026」は、エンターテインメントコンテンツを総合的に扱ったイベント。長野県長野市で開催されており、「長野ならでは」の魅力が味わえる地域密着型イベントだ。
初開催は2025年で、2回目となる今年は、2026年8月1日、8月2日の2日間にわたって開催された。デジタルアート・イラスト・ゲーム・コスプレ・Vtuberフェス……とエンターテインメント全般を扱う同イベント内では、もちろんインディーゲームの展示も行われている。そこで、同イベントで筆者が見つけた、注目のインディーゲームタイトル7作品を紹介したい。

我孫子武丸氏原作&全面監修!ミステリーゲーム「RDの遠隔推理」
まず紹介したいのは、なんといってもザクザクゲームの「RDの遠隔推理」だろう。同作は、名作サウンドノベル「かまいたちの夜」を手掛けたミステリー界の巨匠・我孫子武丸氏が原作・全面監修を務めたミステリーアドベンチャーゲームだ。

プレイヤーは主人公として、行方不明となった妹の捜索へと乗り出す。この導入からは、思わず「かまいたちの夜」のようなミステリー系サウンドノベルをイメージしてしまう。しかし、本作のゲームシステムは典型的なサウンドノベルのものではない。
タイトルにある「RD」とは「リモート・ディテクティブ」の頭文字をとったものであり、「遠隔推理する探偵」を意味している。そしてこの意味通り、プレイヤー=主人公は事件に関連する場所へ足を運ぶことなく、PCの前で事件を捜査していく。PCでどうやって事件を捜査するのかというと、検索エンジンやメッセージアプリ、SNSといった各種アプリを使って行うのだ。
実際に試遊版ではゲーム内の検索エンジンを使ってWEBサイトを検索し、事件に関連するキーワード「Dワード」を発見し、この「Dワード」を使って新たな検索を行い、次々情報を深掘りしていく……という過程が味わえた。実際に自分が事件を捜査しているかのような臨場感が素晴らしい。一気に引き込まれてしまう作品だった!

本作に関しては、当日ステージイベントも行われており、こちらも追って紹介予定なので、ぜひチェックしてほしい。
RPGのようなバトル!でも使えるコマンドはたたかうだけ!?「たたかう だけのゲーム」!
続いての注目作は、ヘビサイドクリエイションの「たたかう だけのゲーム」! コマンドを選び、モンスターと戦うという、一見ターン制RPGのような本作。実際のゲームシステムもコマンドを選択し、敵と戦うという内容なのだが、選べるコマンドは「戦う」のみ。

しかし、ゲームが進行すると、徐々に状況が変化。敵だけじゃなく味方を攻撃することに意味が出てきたり、なんとウィンドウと戦うことができたり……と「メタ」な設定が顔を覗かせ始める。この展開に思わず、本作を開発したヘビサイドクリエイションの前作、「Dyping Escape」をイメージし、ニヤリとしてしまった。
ヘビサイドクリエイションの高荒氏によれば、もともと、ドラクエ的なターン制コマンド選択式RPGが好きとのこと。そこにメタな要素を加えたら、面白くなるのではと発想したという。プレイヤーの予測を裏切る展開が面白く、先の展開が気になってたまらない一作だ。

なお、高荒氏が登壇した塩川洋介氏との対談ステージも別途紹介予定なので、こちらも期待してほしい。
スロットを回して強化!ローグライクスピニングRPG「魔法使いの従者 Sorcerer's Servant」
続いては、2202GAMESの「魔法使いの従者 Sorcerer's Servant」を紹介したい。同作は、スロットを回して装備を強化し、モンスターと戦うローグライクスピニングRPG。

いわゆるスロットマシンのようにリールを回して止めると、絵柄によってキャラクターの装備が強化。パラメーターがアップしたり、新しい装備へアップグレードさせることができる。ローグライクゲームといえば「運の要素をどうコントロールするか」が醍醐味。本作のスロットはこうしたローグライクゲームの持つ楽しさを、分かりやすいゲーム性に落とし込んだものといえるだろう。
ただ、開発者によると、発想の原点はTRPGのダイスロールだという。ダイスロール的なランダム性をゲームにどう組み込むかという課題から、スロットのリールというアイデアが導かれたようだ。ちなみに本作、スロット部分のみならず、爽快な演出も魅力。演出や効果音が気持ちいいので、繰り返しバトルをしても飽きることがない。同作は現在PC(Steam)版が発売中で、今後ニンテンドーSwitch版がリリース予定だ。

軌道を決めて武器を投げる!ローグライク×物理投擲アクション「ケンナゲェル -SWORD FLINGER-」
続いてはローグライク要素を投擲アクションと組み合わせた、「ケンナゲェル -SWORD FLINGER-」。「ケンナゲェル」=「剣投げーる」というタイトルの通り、本作は武器を投げて敵と戦う。

武器を投げる軌道を決定したら、タイミングよくゲージを止める。敵の配置を踏まえて最適な軌道で投げることができれば、複数の敵を一気に倒すことが可能! こうした基本要素に、武器やスキルを育成していくローグライク要素が追加されており、奥深い育成と爽快なバトルが味わえる。
実際にプレイすると、武器投擲部分だけでも、物理アクションパズル的なおもしろさが感じられた。開発者によると、もともとローグライクに興味を持っており、そこに物理アクション的な魅力を取り込むことで面白いものになるのではという着想から開発したのだという。

魔球VSホームラン!爽快なカジュアルアクション「ぽんぽん!ホームラン」
続いては肩の力を抜いて楽しめる作品を紹介したい。「ぽんぽん!ホームラン」は、ピッチャーの投げるボールを画面タップ操作で打ち、ホームランを狙うというカジュアルアクションゲーム。シンプルなゲームに見えるが、相手ピッチャーの放つボールは、なんと魔球! しかしどんな魔球が来ようと、狙うはホームランのみ。

消える魔球に対してはタイミングを合わせたり、分身するボールに対しては本体の場所を影の位置から突き止めたりと、ゲーム性はシンプルだが、ホームラン達成は一筋縄にはいかない。魔球のトンデモ感と、攻略の糸口を見つけ出す謎解き性、そして、見事ホームランを打てた時の爽快感が魅力となっている。
開発者によると、かつてガラケー(フィーチャーフォン)向けのFlashゲームとして作られていた作品を、スマートフォン向けにリメイクしたものだという。そう聞くと小さな画面向けのゲームをイメージしてしまうが、本作は大画面と相性がいい。今回会場では大きなモニターが用意されており、大画面で楽しむことができた。この大画面でのホームランが、非常に爽快! スマートフォンのみならず、PCモニターなど大画面でも楽しみたい作品だと感じた。

聞き込みとパソコンで捜査を行うミステリー・アドベンチャー!「夜明けの影法師」
Max Neet Gamesによる「夜明けの影法師」は、雪山ペンションで起こる殺人事件阻止を目指すミステリー・アドベンチャーゲーム。いわゆるノベルゲームにあたる作品だが、聞き込みとPCの情報整理によって捜査を行うという点が特徴だ。

主人公は探偵とその助手。プレイヤーは助手の聞き込み映像を見て、資料をまとめたPCを調べる事によって捜査を進めていく。先ほどノベルゲームと書いたが、文章を読んで選択肢を選ぶだけのゲームではない。ゲーム内に表現されたPCデスクトップは、実際のデスクトップに近い感覚で操作可能。PC内のファイルを調べることで、アクセス可能なファイルが増え、ストーリーが進んでいくという構造だ。
この独特な仕組みもおもしろいが、それ以上に細かく作り込まれたPCの挙動に驚かされた。開発者によると、そもそもこれまで開発した既存作品でPC挙動のベースが作られており、今作はその機能を発展させるかたちで作られたという。その話を聞いて納得。それほど作り込みが素晴らしい作品だ。

肉体と精神を切り離してウィルス治療!「毒デレナースの絶対安静カルテ」
最後は、学生による作品を紹介したい。「ズクズクフェス2026」は長野を盛り上げるためのイベントという側面を持っているため、地元の学生たちによる作品も多数展示されていた。その中で目を引いた作品が、あるる本舗のノベルゲーム「毒デレナースの絶対安静カルテ」。

同作の舞台は、人間に過労を感じなくさせるというウィルスが流行った世界。このウィルスへの対処として、人間の精神と肉体を切り離し治療するという手法が確立。プレイヤーはこのウィルスに冒された患者として、治療していくこととなる。
同作の魅力は、徹底されたビジュアルデザイン。メインキャラクターのナースがかわいいだけでなく、UIも魅力的だ。紹介の都合上、学生作品とは書いたものの、個人的には一本のインディーゲームとして十分通用するレベルだと感じた。本作は、今後フリーゲームとしてリリースする予定とのこと。プレイできる日を楽しみにしたい。

とにかく熱気が凄い!エンタメ熱を感じるアツいイベント
このイベントが行われた長野県は、避暑地として知られる軽井沢がある県でもあり、東京と比べると涼しさが感じられる場所だ。だが、会場の熱気は凄かった! 参加者の皆さんが、インディーゲームはもちろん、イラストにコスプレと様々なエンターテインメントを最大限楽しんいる。これが、アツい!
当日会場で遊んだインディーゲーム自体も楽しかったが、それ以上にイベントの盛り上がりが楽しかった。おそらく次回以降のイベントでは、さらに盛り上がりを増していくに違いない。今回参加できなかった人も、次回はぜひ会場へ足を運んでみてほしい。

ズクズクフェス2026 公式サイト
https://www.dreamworks-ent.com/
※画面は開発中のものです。
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