千葉県の幕張メッセにて9月17日~21日にかけて開催されている「東京ゲームショウ2026」。本稿ではスマイルゲートから、リリース予定の「デッドアカウント~二つの蒼い炎~」の試遊レポートと開発者インタビューをお届けする。
本作は、講談社・マガジンポケットに連載中で、今年の1月~3月にはテレビアニメも放映された渡辺静氏によるメディアミックス作品「デッドアカウント」を原作としたローグライトアクションRPG。


この世になんらかの未練を残して死んだ人のSNSアカウント・デッドアカウントが「化け垢」となり、デジタルの幽霊となって蘇るという現象が起きる現代。主人公の縁城蒼吏は、病弱で入院を続けている妹の治療費を稼ぐため、炎上系ミューチューバー・煽りんごとして活動していた。
そんな中、妹が化け垢になってしまったことをきっかけに、特殊能力・電能が開眼。電能による除霊を行う霊媒師の養成学校・弥電学園に入学し、仲間たちと共に化け垢へ立ち向かっていくストーリーが描かれる。
ゲームの基本は、チームリーダーと4人のメンバーの計5人でチームを組んで戦うアクションゲームだ。2Dの戦闘フィールドでチームメンバーのデフォルメキャラを動かしながら、大量に押し寄せる敵を撃破していく。
敵を倒して経験値を溜めるとレベルが上がり、ランダムで表示される選択肢からチームメンバーの持つサポート効果を選んで強化していく。最初はチームリーダーひとりで戦い、チームメンバーの効果を選択したタイミングで該当する仲間がフィールドに参戦する仕組みだ。

すでに参戦しているキャラクターの効果を選択すると、その効果がさらにパワーアップする。メンバーを増やすか既存キャラの効果を育てるか、戦局に応じた見極めが重要となる。
これらの効果は戦闘ごとにリセットされる仕組みになっており、いわゆる「ヴァンサバ系」として親しまれているローグライトアクションのプレイ感だ。
基本操作は移動のみと非常にシンプルで、移動を止めると自動で攻撃を行い、各キャラクターのスキルの発動タイミングも手動とオートを任意で切り替えられる。基本的には移動だけに集中していれば問題ないが、緊急回避やガードといったアクションが存在しないため、敵の攻撃を見極めながら間合いを管理して進めていく必要がある。
バトルや訓練を経てキャラクターや装備を強化し、パーティを成長させながら次のステージを攻略していくのが基本の流れだ。キャラクターはガチャで入手でき、新たな戦力が加わることで戦略の幅もさらに広がっていく。
シナリオモードでは原作の第1話から物語が展開されるため、本作で初めて作品に触れるというプレイヤーでも安心して楽しめる。
さらに、ランキングやPvPといったやり込み要素、エンドコンテンツも充実しており、原作の世界観をじっくり味わいながらボリューム満点の体験が楽しめる一作となっている。
開発を手掛けるIANGAMESのキム・ビョンギ氏にインタビュー
今回、本作の開発を手掛けたIANGAMESのキム・ビョンギ氏にお話を伺うことができた。ここからはインタビュー模様をお届けする。

――本作では原作ストーリーを追体験できるとのことですが、原作を深掘りしたり、補完するようなストーリーも展開されるのでしょうか?
キム・ビョンギ:原作がありますので、全体の大きな流れだったり重要なキャラクターの感情は、最大限忠実に再現することを基本としています。それに加えて、ゲームは漫画と違ってユーザーが直接キャラクターを選択して操作し、戦闘させて成長もさせるものですので、原作の他の面もちょっと見せるように準備を進めている状況です。原作漫画で描かれた様々な事件だけでなく、キャラクターたちがどのような思いで会話していたのかといった裏側や、合間でどういうことが起きていたのかを自然と拡張してお見せできればと考えています。
――それ以外にもオリジナルストーリーが用意されているとのことですが、リリース後もそうしたストーリーを追加していく予定はありますか?
キム・ビョンギ:ローンチ後もキャラクターの新しい姿やストーリーをオリジナルで、原作の世界観のもとに自然とあり得るストーリーとして提供する予定です。サービスを続ける中で、ユーザーの皆様が愛着を持ってくださるキャラクターが自然と出来上がってくると思うのですが、そうした皆様の反応を見つつ、原作の範囲内でゲームで見せる部分を考慮しながら作っていく予定となっています。
――季節系のイベントなども実施されると思いますけれども、こうしたイベントはシナリオとセットで展開されていくのでしょうか?
キム・ビョンギ:シーズンイベントは、キャラクターとシナリオをセットで用意する予定です。単純にユーザーの皆様が報酬をもらうだけのイベントではなく、クリスマスやハロウィン、新年などの特別な時期に合わせて、普段見ることができなかった色々な姿や雰囲気を楽しめるように準備しようと思っています。ただ、全部が全部、長いシナリオになると負担になり得る可能性もあるので、イベントごとにストーリーが長い場合もあったり、ストーリーが短くて軽く楽しめるイベントにしたり、その場面に合わせて準備する予定となっています。
――シナリオが多かったり、長かったりすると、後で読み返すということで一旦スキップしたり、読まないまま置いておいたりする場合もあるかと思います。期間限定のシナリオであっても、後から読み返すことはできるようになっているのでしょうか?
キム・ビョンギ:はい。再度見れるようにアーカイブを用意してゲーム内で読み返せるようにしようと思っています。
――実際のゲームプレイについて、操作としてはかなりサクサク遊べる手軽さがありつつ、逆にやり込み要素として特に力を入れているコンテンツや、おすすめの要素があれば教えていただけますか?
キム・ビョンギ:ひとつは「草津フィールド」というコンテンツです。原作で草津を背景に物語が進む場面があるのですが、それを再現したコンテンツになります。原作ファンには直接漫画で見ていた場所に訪れて、自分で操作して駆け回れる体験を楽しんでいただけるかと思います。また、原作を知らない方でも、自分が好きなキャラクターができましたら、そこに行ってキャラクターに会って話をすることもできたりするので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。この場所でしかできないコンテンツも用意する予定なので、そちらもご期待ください。
――やり込み要素やエンドコンテンツ的な位置づけとしては、どのようなものが用意されていますか?
キム・ビョンギ:エンドコンテンツとして用意しているのが「邂逅」で、その名の通り、デッドアカウントと再度出会ってレイドするコンテンツです。ここはキャラクターをユーザーの皆様が組み合わせて自分だけのデッキを作って、ゲーム内でも成長させながら戦ってスコアを競い合うコンテンツになっています。それだけではなくて、開発としてはユーザーの皆様がどういうキャラクターを使って、どういう組み合わせで戦ったのか気になりますし、ユーザーの皆様同士でその情報を話し合うコミュニティ形成にも役立つようにしています。
これも開発の方向性として同じなのですが、TGSのブースでスコアが見れる大型モニターがあるんです。そこに12名のキャラクターが表示されていて、ユーザーの皆様の使用率によって順位が変わるんですね。ただ、あくまで使用率なので、どういう形でキャラクターが使われているのかはわからないように設計しています。強いから使われているのか、それとも人気だからなのか、どういったチーム編成なのか、色々と考えてもらう設計にしており、ここでもユーザーの皆様からのフィードバックを参考にしたいと思っています。

――大型モニターに表示されていたようなUIは実際のゲーム内でも見れるのでしょうか?
キム・ビョンギ:実際のゲーム画面とは多少異なるかもしれないのですが、コンテンツとして、見れるようになります。ただ、こちらも同様にどういうチーム編成でプレイしたのかはあえて見れない仕様にする予定です。そして、同じく開発のフィードバックにも活用できればと思います。
――原作の特徴である「電能」をローグライトアクションに落とし込むための大事にしているポイントがあれば教えていただけますか?
キム・ビョンギ:原作のキャラクターが持っている電能は、能力だけではなく、キャラクター自体を見せる技でもあると考えています。大事なポイントとしては、電能を使ったゲームプレイを繰り返しても飽きないようにしようと思っています。原作で1、2カットで強烈なインパクトを残す場面に対して、ゲームではスキルを繰り返し使ったりするので、原作のポイントを生かしつつ、繰り返し使っても流れが途切れないように気を付けました。また、原作のファンが満足できる部分まで持っていくために色々工夫しながら作っています。その他にも、特定の電能を強化すると他のキャラクターがその恩恵を受けてさらに強くなる効果を得るなど、連携ができるような設計にしています。
――今回のようなヴァンサバ系と言われているローグライトアクションに「デッドアカウント」を落とし込もうと思ったのは、そもそもどういった経緯だったのかをお聞きできればと思うのですが。
キム・ビョンギ:企画当時、2024年でしたが、まずローグライトゲームを作ろうと思っていました。ただ当時のこのジャンルのゲームは一人のキャラクターを操作したり、育成や強化をしている仕様が多く、キャラクターの収集が好きだった私としては、色々なキャラクターを組み合わせる要素が入れられないかと考えていたんです。そんな中、偶然この原作と出会い、原作の「除霊はチームプレイ」というモットーがすごく印象に残っていました。内容としても、ひとりの強いキャラが敵を全部なぎ倒してしまうのではなく、色々なキャラたちが助け合いながらチームで除霊するという話で、私の考えていたチームプレイのローグライトにマッチすると思って企画することになります。
もう一つ、他のタイトルは基本的に逃げながら戦うプレイばかりになっていたので、似たような方法にはしたくないと思っていました。より攻撃的なプレイができるゲームにしたくて、ファイティングアクションとして敵との距離を見極めながら攻撃したり、引いたりするヒット&アウェイの戦い方がいいだろうと思い、電能はそういった面で強い能力の組み合わせによって表現できるという点で、今のゲーム設計になりました。
――霊媒師が協力して5人のチームで挑むところを表現していると思うのですが、原作ではなかなか見ることができない組み合わせでも、チームとしての連携や強みというのは狙えるのでしょうか?
キム・ビョンギ:ゲーム内では、意外な組み合わせもできるように用意していまして、もちろん戦闘の中でもそうなのですが、アウトゲームでも意外な組み合わせが楽しめるようにしようと思っています。
原作のキャラクターで例えますと、亜科伴というキャラクターが原作の中でもゲームの中でも出てきますが、彼はスキルが強いというよりも敵を引き寄せることに長けていて、ここに草場恵流というキャラクターを組み合わせます。このキャラクターは広範囲の攻撃ができるので、亜科伴で敵を引き寄せて、そこに草場恵流のスキルを使うと、広範囲の敵を一気に攻撃できる組み合わせになります。さらに南条薫の攻撃範囲を広げる効果も組み合わせると、さらに多くの敵に一気にダメージを与えられます。
他にも、ゆもみ君というマスコットキャラがいて、このキャラクターを連れていくとクリティカルダメージが2倍になったり、色々なビルドの方向性が試せて楽しめるようになっています。また、先ほどアウトゲームの話もしたのですが、チーム効果というのがありまして、原作にちなんだ「最悪の3人」という異名に当てはまるキャラクターを一緒に編成すると追加の効果が発生します。他にもクラスメイト同士で一緒に編成すると攻撃力やクリティカル率が上がったりなど、様々なチーム効果があるので、ぜひ見つけていただけたらと思っております。
――実際にゲーム中のアクションのところで、デフォルメをしつつもキャラクターごとの個性を出すためのこだわりなどがあれば教えていただけますか?
キム・ビョンギ:このゲームは色々なキャラクターが大きく動き回るチームローグライトでもあるため、誰がその戦闘のモーションをとったのか、また誰が移動したのかというところがシルエットだけでも感じ取れるように設計しています。例えば髙地美那というキャラクターは、保険医でギャルというコンセプトなので、ギャルポーズをしながらスキルを撃ったりします。他にも柄本成彦というキャラクターはロックが好きでいつもヘッドホンをつけているので、ヘッドバンキングしながら攻撃をしたりなど、その特徴がわかるような形で作っている状況です。
――特にこのキャラクターにこだわったとか、このキャラクターは見てほしいというキャラがいれば教えてほしいです。
キム・ビョンギ:主人公である縁城蒼吏ももちろん好きなのですが、特に考えて作ったのが先ほども挙げた亜科伴です。原作でも登場するキャラクターで、後からデッドアカウントになってしまうのですが、ナルシストで自分の体の美しさを見せたがるんです。自分の身体にちなんだ石像を作るのですが、このポーズをどうやって表現したらもっと伝わるかというのを、開発内部で原作の漫画を見ながら何度も意見を交換して作りました。
――ゲームから入るユーザー向けに、原作の理解を深めたり補完したりするようなコンテンツや要素も用意されているのでしょうか?
キム・ビョンギ:ストーリーを見せる場面では動くカットシーンを用意している他、キャラクター図鑑も実装しています。図鑑ではキャラクターの設定や好きなものなどを確認でき、ボイスも聴くことができます。また、キャラクターを育成するとロビーで飾れる特典イラストが獲得できるのですが、そこにもキャラクターにちなんだ要素が入っています。さらにスキルのアイコン枠を自由にカスタマイズできる要素など、様々なコンテンツを用意しておりますので、原作を知らない方でも深掘りして楽しんでいただけると思います。
――原作ファンの皆様、そして本作で初めて「デッドアカウント」に触れる方、それぞれに向けて、本作で期待してほしいポイントやメッセージをお願いできますでしょうか?
キム・ビョンギ:まず、原作ファンの皆様には、好きなキャラクターが実際にゲームの中で動いて戦う体験をぜひ楽しんでいただきたいです。原作らしさとゲームならではの面白さを両立させるために試行錯誤を重ねて仕上げていますので、「本当に原作を尊重しながら作っているんだ」という点を感じていただければ幸いです。
そして、ゲームから入るユーザーの皆様に向けては、純粋にゲームとしての面白さも追求しているので、楽しんでいただけるかと思います。キャラクター同士の組み合わせとローグライト要素を融合させたゲームはあまりなかったので、その独自の面白さをぜひ体験していただきたいです。自分だけの編成や選択でハイスコアに挑戦できるコンテンツや、ビルドの組み合わせを楽しめる要素もどんどん作っていく予定なので、そちらもご期待ください。
また、ローンチ後はユーザーの皆様からのご意見を直接伺い、どのキャラクターが人気なのか、どういうポイントが好評なのかなど、開発側だけでは気づけなかった声もしっかりと受け止めながらアップデートを行っていきたいと思っています。
――ちなみに、サービス開始後にユーザーの声やフィードバックを反映するような仕組みもあるのでしょうか?
キム・ビョンギ:ゲーム内機能としてアンケートを用意している他、公式SNSや掲示板も準備しておりますので、書き込んでいただいたご意見を取り入れながら、より良いゲームを作っていきたいと考えております。ぜひご期待ください。
TGS2026のスマイルゲートブースでは、本作の試遊展示が行われている。ブースに来場するとオリジナルうちわがもらえる他、試遊体験で缶バッジ、公式X(旧Twitter)のフォローおよび事前登録キャンペーンへの参加でステッカーがプレゼントされる(数量限定)。
さらに、試遊とSNSキャンペーンの両方に参加すると、デスクマットやTシャツ、アクリルキーホルダーなどのオリジナルグッズが当たる巨大ガチャにも挑戦できるため、現地を訪れた際はぜひ足を運んでみてほしい。

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※画面は開発中のものです。
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