バンダイナムコエンターテインメントが2026年10月2日に発売するPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ」のレビューをお届けする。

いよいよ発売日が近づいてきた「エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ」。2026年5月に開催された1st Look 体験会で初めて本作をプレイした際は、プレイ後も数日間にわたってエースパイロットになったような気分でいたことを覚えている。序盤を数時間プレイしただけにもかかわらず、本作がプレイヤーに提供する“エース体験”に深く没入したことは記憶に新しい。
そして今回、レビューという形で本作を一足先にプレイしたのだが、あまりの面白さにストーリークリアまでの約17時間をぶっ通しでプレイしてしまった。これは誇張表現などではなく、本当に時間を忘れてプレイしていたのだ。これほど長時間ゲームを連続してプレイしたのは学生時代以来だったため、翌日はさすがにぐったりしてしまったほどである。

ストレンジリアルを舞台に描かれる新たな物語
「エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ」は、2019年発売の「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」以来、約7年ぶりとなるシリーズ最新作。2020年から開発が始められ、6年にわたって作り込まれてきた作品となっている。
本作は“深化”をキーワードに、「エースコンバット」シリーズが持つコンセプトを一から見直し、再構築している点が特徴だ。息を呑むほど美しく、リアルに描かれた空のビジュアルから、エースパイロットとして敵機を撃墜していく“エース体験”まで、シリーズの魅力をさらに深く掘り下げた正当続編として制作されている。

キャンペーンモードでは、これまでのシリーズと同じ架空の世界「ストレンジリアル」を舞台に、前作から10年後となる2029年のユージア大陸が描かれる。
物語は、中央ユージア連合(FCU)がソトア共和国の侵攻を受け、国土の大半を占領されてしまうという絶望的な状況から幕を開ける。
FCU軍の戦闘機パイロットである主人公・レックスは、救難ボートで海を漂っていたところを空母「エンデュランス」に救出され、同艦所属のパイロットとなる。
そこでレックスは、コープと呼ばれるパイロットと出会う。コープは、この戦争における希望の象徴である“シーヴの翼”を冠した凄腕パイロット。しかし、レックスとの初めてのミッションで命を落としてしまう。

その後、戦死したコープの残留思念によって、レックスの頭の中にコープの声が聞こえるように。さらにレックスは、コープに代わって“シーヴの翼”の名を背負うことになってしまう。
そしてコープの後を継ぐ形でジョーカー隊に配属され、ターシャ、コスター、バクスターらとともに、戦争を終結させるための反転攻勢に挑んでいく。

本作では、物語を展開する上で一人称視点を採用している。これによってプレイヤーが物語の外側に置かれることなく、主人公と同じ視点から戦争を体験できるため、強い没入感につながっている。
また、物語の大筋を追いやすくなっている点も印象的だ。過去作では客観的な視点から描かれるカットシーンも多く、場面によっては物語の展開についていきにくいと感じることもあった。その点、本作の一人称視点は、ストーリーへの理解とプレイヤー自身の没入感を高める上で大きな役割を果たしている。


バリエーションに富んだミッション
ゲームプレイはこれまでのシリーズ作品と同様、ミッション形式で進行していく。ブリーフィングでミッション目標を確認し、ハンガーで操縦する機体を選択して出撃するという流れだ。

本作では、バラエティに富んださまざまなミッションを体験できる。大空での空戦はもちろん、艦船や地上の敵を相手にする対地戦まで、特定の戦闘に偏ることなく楽しめる。
ミッションの内容も、ただ敵を撃墜するだけではない。味方機の護衛や基地の防衛、地上部隊の進行支援など、ミッションごとに異なる目標が用意されているため、クリアまで常に新鮮な気持ちでプレイできた。

中でも、大規模な敵基地を攻撃するミッションは自由度が高く、プレイヤーごとの戦略が大きく反映される。特にこの手のミッションでは時間制限が設けられていることも多く、「どうすればSランクを獲得できるか」「どうすればすべての目標を撃破できるか」と考えながら攻略するのが楽しい。

一方、本作の一部ミッションはリニアな作りになっており、やや単調さを感じる場面もあった。特に中盤に登場する、レーダーを回避しながら飛行しなければならない場面は、ほかのミッションと比べると少々退屈に感じた部分だ。とはいえ、物語を展開する上で必要な演出でもあるため、ここは好みが分かれるところだろう。

そして、本作のミッションにおける大きな見どころとなるのが、巨大兵器との戦闘だ。全長数kmにもおよぶ陸上戦艦や大型航空機など、通常の空戦とは異なるスケール感の大きな戦いを体験できる。
通常の戦闘機同士のドッグファイトとは異なり、巨大な敵を相手に攻撃を仕掛け、少しずつ追い詰めていく感覚は独特で、キャンペーンを進める中でも強く印象に残った。


初心者でも安心して楽しめる操作感
戦闘機を操作するゲームと聞くと、「操縦が難しくて、すぐ地面に激突してしまいそう……」というイメージを持つ人も少なくないはずだ。かくいう筆者もミリタリー系ゲームは好んで遊ぶものの、戦闘機の操縦だけは避けてきた側の人間である。
しかし、本作の操作感は非常によくできており、戦闘機ゲームに不慣れなプレイヤーでも、簡単に空を飛ぶ爽快感を味わえる。

本作では「スタンダード」と「エキスパート」の2種類の操作方法が用意されている。「エキスパート」は戦闘機ゲームではおなじみの操作方法だが、「スタンダード」は初心者でも操作しやすいよう設計された操作方法となっている。
「スタンダード」の操作感は、ゲームにおける車の操作をイメージするとわかりやすい。上下左右の操作を中心に機体を動かせるため、フライト系ゲームでよくある機体をくるくる回転させるロール操作を意識する必要がない。筆者自身、ロール操作が苦手で、以前は飛行中に地面へ激突してしまうことも多かった。そのため、スタンダード操作の存在は非常にありがたかった。

また、本作には戦闘機の基本的な操作を学べる「トレーニングモード」も用意されている。キャンペーン内のチュートリアルとは別に用意されたモードで、戦闘機の基本操作から戦闘、兵装の使い方までを実際に操作しながら学ぶことができる。
スタンダード操作でもキャンペーンを最後まで問題なくクリアできたため、戦闘機ゲームに慣れていないプレイヤーでも安心してプレイしてほしい。

一方で、より複雑な軌道で敵機を追い詰めたり、細かな機動を駆使して空戦を楽しみたいのであれば、エキスパート操作がおすすめ。操作に慣れるまで多少の練習は必要になるものの、自在に機体を操れるようになったときの気持ちよさは格別だ。

対空から対地まで幅広い戦闘機が登場
本作の顔ともいえる戦闘機は、機体ごとに性能が異なる点が面白い。登場する機体は大きく4つのロールに分かれており、それぞれ異なる得意分野を持っている。
戦闘機は空中戦に特化した機体で、敵機に食らいつく高い機動性が特徴。特殊兵装も対空戦闘を重視したものが中心となっている。

攻撃機は対地戦に特化しており、広範囲を攻撃できる無誘導爆弾などを搭載可能。機体の動きは鈍いものの、その分、地上からの攻撃に対する防御力にも優れている。

マルチロール機は、空中戦と対地戦の両方に対応できる機体。高い機動性を持ちながら、地上目標に対して有効な特殊兵装も搭載できるため、幅広いミッションに対応できる。

電子戦機は、妨害電波などを駆使した味方機の支援を得意とする。敵の能力を妨害するだけでなく、味方機のロックオン性能を向上させる兵装も装備できるなど、自分や味方に有利な戦場を作り出すことに特化している。

基本的には、ミッションの内容に合わせて4つのロールから機体を選択することになる。空中戦が中心なら戦闘機、地上目標が多いなら攻撃機といったように、出撃前にどの機体で挑むかを考えるのも本作の楽しみのひとつだ。
とはいえ、幅広い状況に対応できるマルチロール機を選択することで乗り切れる場面も多い。そのため、どの機体を選べばいいのかわからない初心者は、まずマルチロール機を選択してみるといいだろう。

本作では特殊兵装を2種搭載できる。これにより戦術の幅が広がり、より多くの局面に対応できるようになっている。また、特殊兵装を1つだけ装備することでミサイルの搭載量を増やすことができるため、自身のプレイスタイルに応じて自由に兵装を変更することも可能だ。

機体には強化パーツを搭載することもできる。加速性能や機動性を高めるものから、標準ミサイルの強化、特殊兵装の搭載量アップまで、さまざまな項目を強化できる。
キャンペーン後半になると、より高性能な機体や強力な強化パーツを入手できるようになり、ゲームプレイのしやすさも大きく向上していく。新たな機体やパーツをアンロックし、自分好みの機体を組み上げていく過程も楽しめた。

ちなみに筆者のお気に入りはF-16CとF-35Cの2機。どちらも高い機動性を持つマルチロール機で、さまざまなミッションに連れていける扱いやすさが気に入っている。

機体はミッションクリアで入手できるポイントを使って解放でき、機体だけでなく特殊兵装や強化パーツなども順次アンロック可能。さらに、ゲームクリア後には特殊な機体も追加されるため、キャンペーンをクリアした後も機体集めやカスタマイズを楽しめる。
エースパイロットになった錯覚さえ覚えるほどの没入感
ここまでさまざまな要素を紹介してきたが、本作をプレイして最も強く印象に残ったのは、プレイヤー自身が“エース”になっていく感覚だ。
ゲーム序盤、主人公のレックスは“偽物の翼”を背負った一人の戦闘機パイロットに過ぎない。しかし、数々の戦闘を経験するにつれて、その存在は徐々に変化していく。一戦闘機パイロットだったレックスが戦況を左右する存在となり、やがて敵味方の誰もが一目置く“本物の翼”へと成長していくのだ。
この過程の描き方が非常に丁寧で、プレイヤー自身もレックスと一緒に“エース”へと成長しているような感覚を味わえる。物語そのものは王道の英雄譚ではあるものの、プレイヤーがその英雄を自分の手で操縦しているからこそ、強い没入感につながっている。

そして本作は、この“エースになった感覚”をストーリーだけでなく、ミッション中の演出によって徹底的に盛り上げてくれる。
例えば、撤退する味方機を守るため、たった一機で敵の精鋭部隊に挑む場面。精鋭部隊の連携をかき乱し、敵機を次々と撃墜していくと、敵の無線からは混乱する様子が聞こえてくる。さらにBGMもヒロイックなものへと切り替わり、まるで映画の主人公になったかのような気分にさせてくれる。
ここで面白いのは、本作がプレイヤーを一方的に持ち上げるだけではないことだ。大戦果を挙げれば味方から称賛される一方、敵からは高脅威ターゲットとして認識され、執拗に狙われるようになる。中にはプレイヤーの存在に畏怖するような無線まで飛び交う。自分が敵味方双方から戦場の中心人物として認識されていることが、戦闘中の無線から伝わってくる瞬間が、プレイヤーをエースになった気分にさせてくれるのだ。

地上部隊とともに街を奪還するミッションでは、その感覚がさらに強くなる。プレイヤーが敵部隊を次々と撃破することで味方の士気が高まり、“シーヴの翼”の活躍が戦場全体に広がっていく。自分が敵を撃墜することそのものが、戦況の変化として描かれるのだ。

そして、本作のエース体験を象徴するのが巨大兵器との戦闘だろう。陸上戦艦をはじめとする規格外の兵器を前にしても、プレイヤーはその巨大さに圧倒されるだけではない。敵の攻撃をかいくぐりながら弱点を見つけ、少しずつ追い詰め、最後には自らの手で撃破する。その瞬間に得られる達成感は非常に大きい。

こうした演出の積み重ねによって、本作では「強い戦闘機を操作している」という感覚以上に、「自分自身がエースパイロットとして戦場を変えている」という感覚が強くなっている。
さらに、ミッション終了後にはリプレイ機能によって自分の戦闘をさまざまな角度から振り返ることもできる。敵機を華麗に撃墜できた場面や、ギリギリの回避を決めた場面を見返していると、「今の動きは最高だったな」と思わず自分に酔ってしまう。筆者自身、うまくプレイできたミッションではリプレイを何度も見返しながらニヤニヤしていた。

映画であれば、主人公が敵を撃墜していく姿を観客として眺めることになる。しかし、「エースコンバット8」では、その主人公を動かしているのは自分自身だ。物語によって英雄として扱われ、無線によってその活躍を称えられ、そして実際の戦闘では自分の操縦によって戦況を変えていく。この「プレイヤー自身が“翼”になる」感覚こそが、本作最大の魅力だろう。
ただの戦闘機ゲームではない。物語を眺めるだけのゲームでもない。自分自身の操縦によって戦況を動かし、敵味方からその存在を認められ、最後には“エース”として戦場に君臨する。それこそが、「エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ」でしか味わえない“エース体験”なのだ。

ちなみに最終局面のミッションでは、思わず叫びたくなってしまうほど怒涛の胸熱展開が続いていく。ネタバレになるので詳細は伏せるが、その手の演出が好きな人には必ず刺さるものとなっているので、ぜひチェックしてみてほしい。

ビデオゲームならではの体験
リアルでありながらもライトに楽しめる空戦と、プレイヤーを物語へと引き込む圧倒的な没入感。そして、その2つが組み合わさることで生まれる、プレイヤー自身が“エース”になっていく体験。本作には、「エースコンバット」が長年培ってきた魅力がこれでもかというほど詰め込まれている。
映画なら主人公が敵を撃墜し、戦況を変えていく姿を観客として見ることになる。しかし本作では、その戦闘機を操縦するのはプレイヤー自身だ。自ら戦闘機を操縦し、自分の手で敵を撃墜しながら、一人のパイロットが戦場を変える存在へと成長していく。これはまさに、プレイヤー自身が操作するビデオゲームという媒体だからこそ生まれる体験だろう。
シリーズファンはもちろん、初めて「エースコンバット」に触れる人にも、ぜひ体験してほしい一作だ。

Gamerチャンネルでは、本作のレビュー動画と「エースコンバットオンライン」を紹介する動画を公開中。ぜひあわせてチェックしてみてほしい。
ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE(TM)& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
CORE IMAGERY - VIEW-READY (C) 2025 Vantor.
All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, aircraft, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions.
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。



































