2026年9月5日にVRアイドルえのぐのライブ「大絶響祭 2026 SUMMER 万里一空」が開催。3年ぶりに開催されたVRアイドルえのぐの「大絶響祭」を鑑賞したライター2人による感想をお届けする。
「大絶響祭 2026 SUMMER 万里一空」は、ゲストに「アイカツアカデミー! エリオント」の4人を迎え、大盛り上がりのまま幕を閉じた。
ここではえのぐのファンとしてさまざまな媒体で記事を寄稿しているライターのカワチと、弊誌Gamerで「アイカツアカデミー! エリオント」の記事を手がけてきたライターの小林白菜が「大絶響祭」の感想を語り合った対談形式のライブレポート記事をお届けする。



カワチ:いやぁ~。この対談は「大絶響祭」が終わって、わりとすぐに収録しているのですが、めちゃくちゃよかったですね。どこから語るのか難しいですが、まずは全体の感想みたいなところからいきましょうか。
小林:了解しました!
カワチ:自分自身はえのぐにハマったのがわりと最近で、あとから昔の配信やライブを観ているタイプなんです。そんな自分がえのぐが大好きになったきっかけのひとつが現地参戦した「大絶響祭」なんです。
小林:そうなんですね。
カワチ:「大絶響祭」はもともとオフラインで開催されていて、えのぐの歌唱とダンスに、プロのバンドやパフォーマーによる生バンドの演奏やダンスパフォーマンスを掛け合わせたものが見どころだったんですよね。えのぐはリアルとバーチャルの垣根を無くすために活動しているのですが、それを体現しているのがこの「大絶響祭」だと思うんです。
小林:オフラインだからこそ感じられる、ほかのカルチャーと組み合わせた特別感があったわけですね。
カワチ:そう。「あ、ここでしか見れないことをしている」と感動したんです。だからこそ今回オンラインで開催することに不安もあったんです。えのぐのほかのライブや、ほかの事務所が開催しているライブと同じになってしまうのではないかと。
ただ、今回は「エリオント」をゲストに「アイドル」をテーマにしたライブになっていて、えのぐが「アイドル」として目指してきたものと、エリオントが「アイドル」として目指してきたものが混ざり合う感じになっていて素晴らしかったです。アイドルをテーマにしたことで、改めてえのぐにとっての原点回帰にもなっていたのかなと感じました。
小林:僕はデミカツのファンで、えのぐさんとのコラボ配信などを中心にチェックしていました。今までなにがあったのかは、メンバーの鈴木あんずさんのnoteやカワチさんが他誌で掲載した記事などを読んで把握していった部分もあったんですけど。
えのぐ 公式note
https://note.com/enogu_llc/n/n969148a3131d
「こういう人たちなんだな」と分かっていくなかで、アイカツイズムを受け継いでいるデミカツの4人が尊敬していることも納得の人たちだなと。今回はそんなえのぐの皆さんのライブで、エリオントはあくまでゲストとしての出演でしたが、100%以上に満足できるライブでした! 今までずっとライブパフォーマンスを真剣に考えてきたえのぐさんのレベルの高さを感じましたし、一方でデミカツはそこにしっかり自分たちの色でコラボステージに彩りを添えてくれて、誇らしかったです(笑)。自分は過去の「大絶響祭」とは比べられないのですが、「アイドル×アイドル」の異文化交流として最高のものになっていたなと思いました。
カワチ:えのぐのライブって生の良さがあると思うのですが、今回はその良さが特に際立っていたなと。奈央さんがライブ後の配信で説明していましたが、オリジナルとは異なる「フェイク」を披露していたんですよね。えのぐのライブはもともと原曲と違う歌い方をするのでライブならではの盛り上がりがあるのですが、今回はとくに魂が乗っている感じがしました。
小林:歌詞もアレンジが入っていたりしたんですか?
カワチ:「Re:all」の最初に問いかけるような部分は顕著でしたね。最初に奈央さんがアレンジしていて、その後の環さんも変えていました。あんずさんは原曲の歌詞通りだったので、ここでリズムを元に戻すように整えたのかなと思ったのですが、振り返りの青春活動記録であんずさんも言い方をアレンジしていたことを明かしていました。そういう意味でも今回のライブだけの特別ヴァージョンだったんだなと思いました。

小林:今までひとつひとつのライブを見てくれたファンを最大限楽しませるための工夫をえのぐさんはずっと続けてきたんだろうなというのは想像できます。ライブならではの、ここでしか見ることができないパフォーマンスというものを、今回のライブでは今まで以上に昇華していたんでしょうね。
カワチ:奈央さんもライブ後の配信で「同じことはしたくない」と仰っていました。毎回、新しいことに挑戦しているところがえのぐのよさなのかなと思います。
鈴木あんずさんの復帰に感動
カワチ:では、ここからは今回のライブを順番を追って感想を言っていきましょうか。最初のパートは「星は三度瞬く」「Welcome to live」「午前0時のプリンセス」でした。「星は三度瞬く」は夏目ハルさんが卒業したあとの3人になったえのぐの決意の曲です。今回のライブはあんずさんが1か月強の休養から戻ってきたあとのライブなので、また3人でやっていくという決意の表れなのかなと思いました。
小林:なるほど。

カワチ:「Welcome to live」は定番曲で、これからライブがはじまることを伝えるナンバーですね。「午前0時のプリンセス」は、もともとあんずさんとハルさんのユニット曲でした。ユニット曲はハルさんが引退したあとは封印されていたのですが、前回のライブから復活したんです。今回も3人で歌うヴァージョンで披露されており、やはり3人での復活を意識させられましたね。

小林:ハルさんはえのぐの大事なライブのときなどにXを更新していますよね。引退してからもこうやって積極的に応援し続けてくれるのって珍しい気がしました。
カワチ:ハルさんはえのぐが独立したときもえのぐ合同会社の一員として広報を担当されていました。表舞台には立ちませんが、えのぐの大事なメンバーですね。過去のワンマンライブ成功を祈願したランニング配信にも応援に来てくれたりしました。
小林:もともと同じグループでがんばっていて、今はちょっと1歩引いたところで良好な関係を続けているんだなと。ハルさんのXの更新のほうも、今後は追っていきたいなと思いました。
カワチ:……今回のあんずさんの休養も少し心配だったんですよね。腰痛が理由であると説明されていましたが、会社が倒産して自分たちで会社を立ち上げることになったり、その後に配信スタジオが使えなくなったりと、何度もピンチがあり、心労が重なっていたのもあるのではないかなと。「AceeeZ (VEXZ)」への移籍が決まるまで、たくさんの重いものを背負って疲れていたと思うので、しっかり休養して復帰できて本当によかったなと思います。
小林:そうですね。えのぐさんもまた大変な状況が続きましたもんね。
カワチ:心労などについてはあくまで自分の勝手な想像でしかないのですが、今回のライブにあんずさんが出演できたことはホッとしました。そういう意味でも環さんと奈央さん、そしてあんずさんの3人でえのぐであることを認識できるナンバーが揃っていてよかったです。
小林:確かに「星は三度瞬く」は楽曲や歌詞の意味を踏まえても間違いなくえのぐさんにとって重要な曲なんだろうということは感じられました。そして、「Welcome to Live」に関しては、「デミカツのファンである部員さんたちも大歓迎だよ」という意味が込められていたのかなと。「午前0時のプリンセス」からも今回はじめて見た人も気後れせずに「私たちはこういうグループだから楽しんでね」というウェルカムな雰囲気を感じられました。えのぐさんのライブを見ている我々へのスタンスが伝わってきました。
カワチ:えのぐは熱い曲が多いですが、「午前0時のプリンセス」などを聴くとアイドルソングも似合うなと改めて思いましたね。今回も後半は熱い曲が多く、もちろんそれもよかったのですが、こういうかわいい系の曲もいいなと思いました。

小林:表現の幅が3人ともすごく広いですよね。環さんは可愛らしさも熱血感も兼ね備えている方ですが、あんずさんは内に秘めた情熱がパフォーマンスとしてあふれ出している感じというか。奈央さんも格好良さと可愛さを兼ね備えていて、振れ幅のあ楽曲をぜんぶ歌いこなしていてすごかったですね。
カワチ:それぞれ違うような曲ですし、バラエティがあっておもしろかったですね。
次のパートですが、「恋擬き」「なんとなく、青」「鏡花水月」「常夏パーティータイム」「SUN HIGH SUMMER!!!」で「夏」がテーマでしたね。夏がテーマといっても最初の「恋擬き」をはじめ、じっくり聴かせる系の曲が多く、ライブでは珍しい構成でしたね。
小林:僕はその次の「なんとなく、青」が好きでした。
カワチ:等身大の感情を爽やかに歌い上げたナンバーですね。ライブでは力強いパフォーマンスや感情を揺さぶる演出でファンからも高い人気を集めています。続いての「鏡花水月」も儚い系で、泥臭く前を向く感じの曲になっています。その後の「常夏パーティータイム」「SUM HIGH SUMMER!!!」で一気に盛り上げましたね。前半の3曲はあんずさんの歌唱力がキーになっていることもあり、彼女の歌い方もすごくいいなと思いました。

小林:聴かせる曲からギアが上がっていくような感じにガンガン盛り上げていき、エリオントにバトンを渡す流れになっていましたね。
カワチ:「常夏パーティータイム」「SUM HIGH SUMMER!!!」で完全に盛り上げて、自分たちのアイドル像はこういうものだということを示して、環さんがエリオントを呼び込むのが最高でした。季節的には夏が終わるタイミングでしたが、「まだまだ夏は終わらない」というメッセージも感じられてアガりました。

小林:エリオントはひまわりがモチーフのユニットなので、夏繋がりのバトンで次の「満開!エリオント」を披露するのは文脈が込められているのかもしれません。
カワチ:エリオントさんは「満開!エリオント」と「Kawaii☆Wake Up!」を披露しましたが、この2曲は彼女たちの代表曲なんですかね。
小林:そうですね。「満開!エリオント」は最初に発表された曲で、エリオントを象徴する楽曲です。間奏部分に4人の名前を呼ぶ箇所もあり、すごくライブでも盛り上がる曲ですね。「アイカツアカデミー!」を象徴する曲にもなっていて、外部のライブなどで顔と名前を覚えてもらいたいときは外せない楽曲です。

「Kawaii☆Wake Up!」は比較的新しい曲で、歌詞に「たんたん・きゅるるん・らんとん」というキャッチーなフレーズがあるなど、近年の流行りも踏まえた楽曲になっています。メイクやオシャレをして、なりたい自分に変わっていくということの楽しさやトキメキを肯定的に描いている曲です。現在進行形のエリオントの振れ幅を見せるということを考えて、この2曲になったのかなと思います。
カワチ:「Kawaii☆Wake Up!」はガチャガチャしたおもしろい曲で、歌詞もいいですね。「今日は何色フィーリング?」とか「シュシュで髪をハーフアップ」「毎秒ごとシャッターチャンス」など耳に残ります。また、「明日のわたしも素敵が大渋滞」のような圧倒的なポジティブな歌詞も素敵で元気がもらえます。

小林:カワチさんはエリオントの楽曲だとほかに好きなものってありますか?
カワチ:今回のライブにあたり、いろいろ予習したのですが、たいむさんの歌唱力が光る「HAPPY REFLECTION」やアツくて格好いい「brilliant starlight」などは今回のライブでも聴いてみたかったですね。
また、世界観が作り込まれたメエさんのソロ曲「童話の中のエトセトラ」やバレエをモチーフにしたダンスや歌詞が目を引くみえるさんとたいむさんのユニット曲「LULUVE DOLL」などもお気に入りなのでこういった曲も披露してくれたらうれしかったかも。まぁ、それは欲しがりすぎだと思いますが(笑)。
小林:エリオントの2曲が終わったあとにMCがありましたが、そこでのエリオントはリラックスしていて、いつもの彼女たちらしさのある掛け合いが見れてよかったです。かわいいと言ってくれたあんずさんに対してパリンちゃんが至近距離で"かわいい返し"するところとか、部員として見ていておもしろかったですね。

カワチ:あそこは最高でしたね!
小林:パリンちゃんのコミュ力というか、懐に潜り込んでいける強さの真髄を感じられましたね。
カワチ:あんずさんが自分から積極的にいくタイプではないので、パリンちゃんがああやって自分からいってくれるのはいいなと思いました。あんずさんもああいうことをやられて嫌なタイプではないと思いますし、彼女はリアクションがうまいので見ていて楽しいです。
小林:メエさんやたいむさんは、パリンちゃんと比べると自分からガンガン積極的に友達を増やしていくタイプではないのですが、事前にやった食わず嫌い王のコラボなどもあって、えのぐさんとはとても打ち解けた気がしますね。
カワチ:続いてお互いの曲をメンバーをシャッフルして歌ったパートですね。まずはエリオントの「Peek-A-Boo!!」をあんずさん、環さん、パリンちゃん、たいむさんが歌いました。えのぐ側は主に環さんがラップを担当、あんずさんが歌唱で場を締めていたかなと思いました。
小林:もともとエリオントの4人が歌うヴァージョンのみえるさんとメエさんが担っていた部分を環さんとあんずさんが自分らしさ全開で歌っていましたね。普段とは違う格好良さがあふれていて素晴らしかったです。コラボ曲がこの2曲だったということも個人的にはうれしかったですね。

カワチ:「BAD DANCE」が来ることは想像できていましたけどね(笑)。
小林:みえるさんが、えのぐさんたちが「BAD DANCE」を披露するたびにコメントに姿を見せたりするうちに「BAD DANCEの妖怪」と言われてたり自称したりしてきましたから、ここで披露しなきゃ嘘だろうっていう(笑)。「Peek-A-Boo!!」はパリンちゃん主催でそれまで交友関係を築いてきたVTuberさんをたくさん呼んで「アイカツ!」縛りの歌枠リレーを開催したことがあったんです。そこで環さんの枠で最初に歌ったのが「Peek-A-Boo!!」でした。環さんは当時まだ「アイカツ!」に詳しくなかったそうですが、「こういう曲もあるんだ」と衝撃を受けたのが「Peek-A-Boo!!」だったそうです。

そもそも「アイカツ!」の楽曲は子ども向けに囚われない曲調の多様さが大きな特徴で、初代の「Trap of Love」や「オトナモード」はその最たるものだと思っています。そういった文脈を受け継いでエリオントの楽曲の幅を広げてくれたのが「Peek-A-Boo!!」でした。歌枠リレーのときは楽曲被りとかを気にせずに歌いたい人がどの曲を歌ってもいいというパリンちゃん主催らしいレギュレーションで行われていたようなのですが、「Peek-A-Boo!!」を歌ってくれる人がすごく多かったんです。
エリオントの可能性を広げてくれた「Peek-A-Boo!!」をお世話になっているえのぐさんが大事なイベントで改めていっしょにコラボで歌ってくれたのはすごく感慨深かったです。
カワチ:アイドルっぽい曲だけでなく、いわゆる治安の悪い曲も歌うところが幅が広いなと思いました。
小林:カワチさんが仰ったとおり、「BAD DANCE」は確実にやると思っていましたし、そこから逆算で考えてもエリオントが治安の悪さで対抗できるのは「Peek-A-Boo!!」になるかなというのは、ライブが始まる前からなんとなく想像していた気がします。
カワチ:「BAD DANCE」は奈央さんとみえるさん、メエさんの3人でしたね。みえるさんはかわいいイメージなので、この曲を歌うときの豹変っぷりに感動しました。
小林:みえるさんはキュート系アイドルですが、低音ボイスの使い分けを駆使するトリックスターでもあるので、今回のパート分けも彼女のイケボが映えるように考えられていたのではないかと思います。また、メエさんもまた唯一無二の声質を持っている方ですが、「BAD DANCE」を歌うイメージを持っていた部員さんはほとんどいなかったはずで、こちらの歌唱を担当したのは大きなサプライズでした。ひなおさん、みえるさん、メエさんの3人でしか奏でられない、この瞬間だけの「BAD DANCE」なんだと感じられて、めちゃくちゃアガりましたね。
カワチ:すごくよかったです。

小林:エリオントのライブの練度も「2nd Anniversary LIVE」から、ますます上がっていたと思います。
カワチ:それだけにコラボパートはもっと見たかったですね。ゲストなので仕方ないとはいえ、もっと観ていたかった……ッ!
小林:個人的には今後エリオントやえのぐにハマる人が今回のコラボバージョンの「Peek-A-Boo!!」や「BAD DANCE」に触れる機会がないのはすごく勿体ないと感じるので、いつか、YouTubeチャンネルあたりで公開してもらって、一生見れるように検討していただけるとありがたいです(笑)
カワチ:先ほどの話になりますが、環さんはもともと「アイカツ!」を知らなかったのに、そのあとに全部観ているんですよね。彼女自身がオタクなので楽しんで観ているとも思うのですが、コラボ相手に対して誠実で真面目なところは環さんらしいなと思いました。そんな環さんだからこそ、エリオントをはじめとした後輩たちは慕ってくれているのかなと思っています。まぁ、それは環さんだけでなく、えのぐ全員にも言えることですが。いい先輩だなと思います。
小林:ちょっと語弊があるかもしれませんが、皆さん人間力が高いと言いますか。部員さんでそのあたりの話を押さえていない人のために補足すると、パリンちゃん主催の歌枠リレーに参加すると決まったときに、環さんは「アイカツ!」の視聴を開始して、そこから一気に50話ぐらいまで観てくれたっていうアイカツアカデミー!の楽曲以外だと、特に気に入った「アイカツ!」の曲をチョイスして歌うということをしてくださったんですよね。
その3月後ぐらいのみえるさんとのコラボ配信で「アイカツ!」は全話観終わって、「アイカツスターズ!」を観ているという話をしています。ローラちゃんに羽が生えたあたりと言っているので、その段階で「スターズ!」も60話ぐらい観ていることになります(笑)。本当に真摯に何事にも真摯に向き合ってくれているんだなと、「アイカツ!」ファンとして衝撃を受けました。
MCをほとんど入れずに駆け抜けるパートへ
カワチ:そんなコラボパートが終わったあとは「小さな勇気」「BRAVER」「無敵のヒーロー」「ヴァーチャルバーサーカー」と続きます。ここから一歩を踏み出す人に向けた「小さな勇気」や2021年の高校野球都道府県別大会テーマソングに起用された「BRAVER」など応援歌が多く、元気がもらえましたね。
小林:「ヴァーチャルバーサーカー」はライブがはじまる前から、この曲で盛り上がりたいというSNSのつぶやきをチラホラ観測しました(笑)。
カワチ:「ヴァーチャルバーサーカー」は定番曲ですね! えのぐは楽曲の数が多いので歌わないこともありますが、今回はしっかりここぞというタイミングで盛り上げてくれましたね。

小林:全体的にエールや応援歌が多いという印象で、前半の「小さな勇気」から「BRAVER」、「無敵のヒーロー」「ヴァーチャルバーサーカー」と、えのぐの生き様を見せつけてくれるような、そして見ている人たちを鼓舞するような印象を受けるセットリストでした。エリオントとのコラボパートを経てえのぐさんからのメッセージのように感じられて、グッと来ましたね。
カワチ:MCをほとんど入れずに駆け抜けるのもえのぐらしいなーと。長年ライブをやってきたからこその証明でもあるのかなと感じます。
小林:オンライン視聴でも圧倒されたので、namco TOKYOでのライブビューイングはとんでもなかったんじゃないかと想像できますよね。自分は「ヴァーチャルバーサーカー」もよかったですが、その前の「BRAVER」が、かなりお気に入りの1曲になりました。
カワチ:MCを挟んでからの次のパートは新曲が多かったですね。最初の「この夜よ、明けないで」は前回のグループ結成8周年記念公演「enogu 8th Anniversary Live 決戦前夜」で公開された曲で、えのぐの葛藤をさらけ出すような内容になっています。ここで1回雰囲気を変えるのがいいなと思いました。

小林:そうですね。この曲でいちど決意を固めたうえで、ふたたび怒涛の熱量にもっていくみたいな。「Possible」からさらにギアを上げていく感じがありました。
カワチ:「Possible」はファンから「ひなお砲」と呼ばれているどこまでも伸びる叫びがありますし、とても見応えがありますね。個人的には「ひなお砲」の前にある環さんのラップパートも必見で、環さんのラップで盛り上げてからの奈央さんの「ひなお砲」が最高なんです(笑)。

小林:その後は「X-Day」「Defiant Deadman Dance」へと繋げていきました。「Defiant Deadman Dance」は4人体制だったときの曲なんですね。最近の曲を中心に予習をしていたので「X-Day」や「決戦前夜」はすでに聴いていて、大好きになったのでめちゃめちゃ上がりました。その流れの中で繰り出された「Defiant Deadman Dance」もすぐに大好きになりましたね。
カワチ:えのぐは激しい曲が多いですが、「Defiant Deadman Dance」は本格的なメタルコアナンバーで、いわゆる治安の悪い曲です。そのため、ライブでも映えるんですよね。
カワチ:ライブも終盤になってきて、ここからは「e☆Jump!→Dream!!」「ビリパリッ!!!」「Re:all」「僕色インフィニティ」でした。なかでも注目なのは「e☆Jump!→Dream!!」です。これも4人体制の曲で、4人の掛け声が特徴だったのですが、今回は3人のヴァージョンにアレンジしていました。ユニット曲を解禁したときも驚きましたが、今回、「e☆Jump!→Dream!!」を披露されたことも驚きました。
小林:次の「ビリパリッ!!!」は環さんプロデュースの曲ですね。環さんは電波曲みたいなのが好きなんですかね。
カワチ:そうですね。とにかくアゲアゲで盛り上がれる曲を目指したそうです。
小林:アイドル文化のちょっとおかしなところというか、独特なところをコミカルに取り入れていて楽しかったです。
カワチ:コールが盛り上がるんですよね。今回はオンライン開催でしたが、ライブビューイングで参加した人は盛り上がったんじゃないかと思います。その後は「Re:all」「僕色インフィニティ」で最近のえのぐを統括するような曲でした。「Re:all」はファンへの感謝を綴った内容で、「僕色インフィニティ」はえのぐの決意を伝えるような内容なので対比にもなっていたんじゃないかなと。
小林:「Re:all」の作詞を手がけているのはアニメ「響け!ユーフォニアム」で中川夏紀先輩を演じている声優としてもおなじみの藤村鼓乃美さんなんですね。調べていたら、好きなキャラクターの声優さんとして見慣れた名前が出てきたのでビックリしました(笑)。
カワチ:作詞も手がけられているんですよね。多才な方です。
小林:藤村さんが音楽活動もされているのはなんとなく知っていたのですが、えのぐさんの楽曲の作詞も手がけていたとは……。
「またね、って言うよ」の意味を噛み締める
カワチ:最後のパートは「LIVE IV LIFE」、「またね、って言うよ」があり、エリオントの皆さんも登場して全員での「燈し火」でした。
小林:「LIVE IV LIFE」は「えのぐここにあり」みたいに感じられる曲でいいなと思いました。
カワチ:4人体制の集大成として生まれた曲ですね。3人でもしっかり決まっていて彼女たちの成長を感じます。「またね、って言うよ」は鈴木あんずさんがプロデュースを手掛けた、再会を誓い合うライブのフィナーレで歌われる曲です。少し自分の話になってしまうのですが、自分としても大切な曲なんですよね。父親が亡くなる前日の病院で、なんとなく「バイバイ」と言ってしまい、それが最後の言葉になってしまったんです。「またね」と伝えるべきだったなということはずっと後悔していて、そんなときに「またね、って言うよ」を聴いたのでやっぱり「またねはいい言葉だな」と思ったんです。

小林:思いがけず、人生の価値観を揺るがすような曲になったんですね。
カワチ:自分のなかの後悔があり、これからは「またね」と言うようにしようと思っていたので、ライブの最後のほうでこの曲を歌ってくれるとすごく安心するんですよね。えのぐ自体がアイドル活動は永遠に続くものではないと語っていて、パフォーマンスが落ちてきたときにいつか引き際を考えなくてはいけなくて、そこからどうやって次世代にバトンを繋いでいくか考えていると思うんです。そんな有限のなかで「またね」という約束ができるのは尊いなと思っています。
小林:ライブが終わった後になにかしら気持ち的に持ち帰ることができるような曲だったなと、今の話を聴いて改めて思いました。
カワチ:あんずさんがメインで歌うからこそ、すごく気持ちも伝わってきて好きなんですよね。
小林:そんな「またね、って言うよ」を経て最後に披露されたのは、エリオントも呼んで7人による「燈し火」でした。
カワチ:ラストに出てくると思わなかったのでサプライズでしたね。
小林:僕もエリオントにはゲストコーナーで十分に活躍の場を作ってくださったと感じていたので、この人たちは本当に温かいなと。

カワチ:えのぐが会社倒産や配信スタジオの喪失といった危機があったり、エリオントも「配信部」としてのYouTube活動が終了したりと、さまざまなことが起きるなかで、それでも本人たちのアイドルに対しての想いは消えずにいることが、今回のラストの曲にピッタリだったなと思いました。
小林:エリオントのセカンドライブのラストに今回の告知がありましたが、えのぐさんの温かさや周囲に対する優しさがあり、そのうえでエリオントを共にアイドルという生き方を選んだ後輩としてすごく認めていたんだと。またエリオントのライブが見れることももちろんですが、その事実が嬉しかったんですよね。
認めてくれたというのは語弊があるかもしれませんが、本人たちが言うように戦友と思っていてくれて、共に高めあう仲間としてもリスペクトしているからこそのライブであり、このラストだったのかなと思いました。
カワチ:確かに先輩・後輩というよりも戦友っぽさがありますね。ヴァーチャルアイドルの世界を生き抜く戦友。
小林:エリオントの4人が胸に宿したアイカツ!イズムが、えのぐのみなさんの魂とも共鳴したことで目にすることができた光景と思うと、いろいろな活動者との縁に恵まれたこれまでの歩みを改めて尊いなと感じます。感慨深いですね。
カワチ:お互いにアイドルということを誇りに思っているから、いっしょに頑張りたいという想いがあったのでしょうね。
セットリスト
Overture
M01.星は三度瞬く
M02.Welcome to live
M03.午前0時のプリンセス
MC
M04.恋擬き
M05.なんとなく、青
M06.鏡花水月
M07.常夏パーティータイム
M08.SUM HIGH SUMMER!!!
MC
M09.満開!エリオント
M10.Kawaii☆Wake Up!
MC
M11.Peek-A-Boo!!
M12.BAD DANCE
MC
M13.小さな勇気
M14.BRAVER
M15.無敵のヒーロー
M16.ヴァーチャルバーサーカー
MC
M17.この夜よ、明けないで
M18.Possible
M19.X-Day
M20.Defiant Deadman Dance
M21.決戦前夜
MC
M22.e☆Jump!→Dream!!
M23.ビリパリッ!!!
M24.Re:all
M25.僕色インフィニティ
MC
M26.LIVE IV LIFE
M27.またね、って言うよ
M28.燈し火 feat.アイカツアカデミー! エリオント
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